このソリューションでは Pivotal Cloud Foundry(PCF)を紹介します。Google Cloud 上で PCF を実行することで、以下のようなメリットが得られます。
高速 VM プロビジョニングをプラットフォームのスケーリングに利用して、デベロッパーやユーザーのニーズに合わせて調整できます。
Cloud Load Balancing を使用すると、プレウォーミングを行うことなくアプリを秒単位で 100 万超のリクエストにスケーリングできます。
Google の HTTP(S) ロードバランサとともに使用すると、マルチリージョンのグローバル PCF デプロイメントを作成できます。
1 か月間継続して稼働した仮想マシンの場合、継続利用割引により最大 30% の割引が適用されます。
仮想マシンの再起動に対応できるアプリにプリエンプティブル VM を使用することで、通常のインスタンスと比べて最大 80% の節約を実現できます。
PCF デプロイメントの VM を Compute Engine のカスタム マシンタイプですべてカスタマイズできます。
Cloud Storage の低コストで耐久性に優れたスケーラブルなオブジェクト ストレージを PCF デプロイメントのバックアップ保存先として利用できます。
PCF サービス ブローカーを介して Google のさまざまなビッグデータ サービスを使用することで、アプリデータを復元性の高い分散型の方法で保存できます。
PCF について
PCF は、次世代アプリをデプロイするためのクラウド ネイティブなプラットフォームです。オープンソース技術をベースとした PCF により、企業は新しい操作性を顧客に迅速に提供できるようになります。PCF はオンプレミスや多くのクラウド プロバイダ上にデプロイできるため、企業にハイブリッドなマルチクラウド プラットフォームを提供できます。これにより、同じ起動方法を使用し、選択した言語でアイデアを迅速に繰り返すことが可能です。したがって、アプリのデプロイ、拡張、ユーザーへの公開方法などを設計、実装するのではなく、アプリに追加するビジネス価値に専念できます。PCF のオーケストレーション メカニズムを使用すると、デベロッパーはアプリ開発を加速化し、市場投入までの時間を短縮できます。
デプロイ アーキテクチャ
次の図は、PCF のコンポーネントと機能の概要を示しています。これには既存のデプロイとシームレスに統合できる Google Cloud コンポーネントも含まれます。
PCF はビルドパックを使用してアプリとその依存関係を収集します。PCF を Google Cloud で運用する場合、これらのアーティファクトは Cloud Storage に保存されます。Google Cloud 上の PCF デプロイでは、Cloud Load Balancing をはじめ、サブネットワークやファイアウォール ルールなど、その他のソフトウェア定義ネットワーク機能も使用します。管理者は PCF を使用して、Service Broker を登録できます。これによりアプリ デベロッパーは、Google Cloud データサービスのネイティブ利用が可能になります。
プラットフォーム レベルで統合することで、Google のインフラストラクチャを活用してオペレーション上のオーバーヘッドを削減し、復元力の高いインストールを実現できます。
PCF を Google Cloud で実行する
デベロッパーは、Google Cloud で PCF を実行することにより、YouTube、Gmail、Google マップなどのサービスを実行する最先端のネットワーク インフラストラクチャとコンピューティング インフラストラクチャを利用できます。Google Cloud のグローバル HTTP ロードバランサを使用すれば、最小限の労力と構成でアプリコードをマルチリージョン グローバル環境でホストできます。PCF では、PCF がデプロイされているインフラストラクチャ プロバイダに関係なく、サービス カタログから Cloud SQL、Datastore、BigQuery などの Google のデータサービスをプロビジョニングし、簡単に検出してアプリと統合できます。PCF Application Runtime を構成すると、最小限の構成でアプリの高可用性、自己回復、自動スケーリングを実現できます。
Google の VM プロビジョニング時間は 1 分にも満たないため、PCF アプリを Google Cloud でスケーリングすると、オンプレミスまたは他のクラウド プロバイダと比べて、大幅にパフォーマンスを改善できます。PCF の仮想マシンイメージは stemcells と呼ばれます。Compute Engine stemcells は BOSH でダウンロードできます。
次の図に、グローバル HTTP ロードバランサの単一エニーキャスト IP を使用して、最も近いリージョンにユーザー リクエストの経路を指定するマルチリージョン PCF デプロイ例を示します。
PCF の管理
プラットフォームの管理者は、PCF バージョン 1.8 以降の Ops Manager を使用して、Google Cloud 上に PCF を構成、デプロイ、拡張できます。アプリのトラフィック増加に応じて Compute Engine インスタンスを数分でプロビジョニングし、基本のプラットフォームを拡張できます。トラフィックが減少すると、PCF によってアプリと基盤インフラストラクチャのスケールダウンが処理されるため、実際に使用しているコンピューティング リソースのみに支払いを抑えることができます。Compute Engine の継続利用割引を使用すれば、PCF インストールの基本ワークロードに VM 料金の最大 30% の割引が適用されます。
Google BOSH CPI は Google Cloud 上の PCF のデプロイで Compute Engine VM の管理を可能にするメカニズムです。アプリのテストでの Concourse CI の使用時など、ワークロードで断続的な VM ダウンタイムが許容される場合には、Compute Engine のプリエンプティブル VM を BOSH の強力な自己回復機能と組み合わせて停止した VM を復元し、標準的な VM 料金よりも最大 80% 節約できます。
PCF はオンプレミスのデータセンターを含めた複数のプロバイダをまたいでデプロイできるため、デベロッパーは異なる環境間で操作性をシームレスに維持できます。アプリとその基盤となるインフラストラクチャ間における Elastic Runtime の抽象化がクリーンなため、デベロッパーは、アプリが実行しているインフラストラクチャ プロバイダを区別できません。PCF のプラットフォーム抽象化により、デプロイした後、組織内のサイト信頼性エンジニアはプラットフォームが信頼性の高い方法で実行しているかどうかの確認に集中できる一方で、デベロッパーはアプリコードが適切に実行していることを確実にすることに専念できます。
次のステップ
Google Cloud に関するリファレンス アーキテクチャ、図、ベスト プラクティスを確認する。Cloud Architecture Center を確認します。