ナレッジスイート:DX 化への加速と、障害時の影響範囲 局所化を狙い Google Cloud を採用
ナレッジスイート株式会社 について
2006 年 10 月に会社設立。2017 年 12 月に東証マザーズに上場。「脳力をフル活用できる世界へ。」という企業理念に基づいて、社員が持つ知識ノウハウを共有することで、営業活動における効率化を目的としたクラウド サービスの開発、および販売を主たる事業として展開。クラウド サービスを通じて「社員の知識やノウハウを可視化」させ、「変化し続ける生きた会社情報資産」作りを自動化することを企業ビジョンとし、中小企業や中堅企業の重要な営業プロセスを可視化させるサービスを提供。主力サービスの Knowledge Suite は、2020 年現在、累積 5,900 社以上の企業に導入されている。
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(Google Cloud パートナー)
ナレッジスイートは、オンライン商談サービスの VCRM や統合認証管理アプリケーションの ROBOT ID を Google Cloud に移行し、Google Kubernetes Engine(GKE)上にデプロイ。トラブルの影響範囲の局所化やオートスケールを実現しています。
Google Cloud 導入の効果
- トラブルの影響範囲の局所化やオートスケールなど、期待どおりの効果を上げることができました
- 安定性が非常に高くなり移行してよかった。サービスを停止することなく追加機能をリリースできるのもメリットです
- インスタンスの立ち上げ作業が Google アカウントで一元管理できるので非常に便利。テレワークへの移行も楽でした
Google Cloud への移行、マイクロ サービス化で DX 推進を加速
営業支援 / 業務支援クラウド サービスを展開するナレッジスイート株式会社(以下、ナレッジスイート)では、純国産営業支援サービスである Knowledge Suite の DX 化に挑戦。取り組みの第一歩として、オンライン商談サービスの VCRM、および統合認証管理アプリケーションの ROBOT ID を Google Cloud に移行しました。このプロジェクトについて、ナレッジスイートの担当者 7 名とプロジェクトをサポートしたクラウドエース株式会社(以下、クラウドエース)の担当者 2 名に話を伺いました。
マイクロ サービス化には、Kubernetes の採用が不可欠
2019 年 4 月中旬、主力サービスである Knowledge Suite において発生したファイル ストレージ障害により、ナレッジスイートは数日間サービスを提供できない状況に陥りました。この期間、開発部門や運用部門では、懸命な復旧作業を行い、営業部門やサポート部門では、問い合わせなどの対応に追われ、“こんな思いは 2 度とすべきではない” という思いが、同社の DX 推進に拍車をかけました。
ナレッジスイート 取締役 執行役員 技術部門管掌 兼 先進技術開発部 部長の雄川さんは、「クラウド ネイティブな環境で、マイクロ サービス アーキテクチャを駆使しながら サービスを運用することで、トラブルの影響範囲の局所化ができ、安定したサービスを提供できます。また運用コストを抑えることで、エンジニアが開発や改善、機能追加などの業務に注力できるので、自社の DX を加速できると考えました」と話します。
「クラウド ネイティブな環境で、マイクロ サービス アーキテクチャを駆使しながら サービスを運用することで、トラブルの影響範囲の局所化ができ、安定したサービスを提供できます。また運用コストを抑えることで、エンジニアが開発や改善、機能追加などの業務に注力できるので、自社の DX を加速できると考えました。」
—ナレッジスイート株式会社 取締役 執行役員 技術部門管掌 兼 先進技術開発部 部長 雄川 賢一 氏DX 推進の一環として、2020 年 6 月、すでにサービス提供を開始していた VCRM および認証基盤サービスである ROBOT ID の戦略的な改修プロジェクトを発足しました。VCRM は、当初他社のクラウド サービス上で開発、運用されていましたが、開発や改修、機能追加などに複数の開発会社が関わっていたことから、構成が複雑化し、メンテナンスが困難な状況でした。 また、「ソースコードのライブラリも古いバージョンで、新しいバージョンに変更するためにはかなりの開発コストがかかることから Google Cloud 上に再構築することが最適だと判断しました。9 月中旬にはリリースする必要があったため、開発期間も実質 2ヶ月と短く、かなりの突貫工事が必要でした」とナレッジスイート DX ビジネスユニット 先進技術開発部 マイクロサービス 3G リーダーの船渡さんは話します。
一方、約 2 年前にサービスの提供が開始された ROBOT ID は、構築基盤として、Compute Engine の VM インスタンス上にアプリケーションをデプロイして運用。しかし、アプリケーション サーバーに GlassFish の類似サービスを利用していたことなど、開発や保守がしにくいという課題を抱えていました。そこで ROBOT ID を、ベンダーロックインする要素が少ない Kubernetes によるクラウド ネイティブな開発環境にリニューアルすることを決定しました。
ナレッジスイート DX ビジネスユニット 先進技術開発部 マイクロ サービス 2G リーダーの吉村さんは、「2020 年 11 月のリニューアルで、Compute Engine から Google Kubernetes Engine(GKE)に移行したことにより開発や運用、デプロイがしやすくなりました。特に運用とデプロイに関しては、GKE の恩恵をかなり受けています。今後は、ROBOT ID と VCRM との連携も計画しています」と話します。
VCRM、および ROBOT ID 再構築のインフラとして、Google Cloud を採用した理由を雄川さんは、「クラウド ネイティブな環境による DX を推進するには、マイクロ サービス化と Kubernetes の利用が不可欠と考え、Kubernetes の開発を推進している Google 提供 のクラウド サービスである Google Cloud を採用しました。Kubernetes は、特にデプロイやオートスケールの機能を評価しています」と話しています。
負荷がかかる機能や役割ごとにサービスを分けて GKE 上にデプロイ
VCRM と ROBOT ID は、ほぼ同じ構成となっており、コアとなる機能や負荷がかかる機能、役割ごとにサービスを分けて GKE 上にデプロイされています。データベースには Cloud SQL を採用し、各種セッション情報は Memorystore に格納しています。夜間バッチや監査ログの記録などの非同期処理は Pub/Sub 経由で Cloud Functions を利用しています。フロント側では、セキュリティ機能に Cloud Armor を、負荷分散に Cloud Load Balancing を利用しています。
今回のプロジェクトには、フロントエンド4 名、サーバーサイド 6 名、インフラ 2 名の計 12 名のエンジニアが参画。クラウドエースの Google Cloud 構築支援サービスであるクラウドブースターを利用しました。クラウドエース 事業推進本部 営業部の石塚さんは、「2019 年 2 月に GKE のトレーニングを受講してもらった縁で、2020 年 1 月より毎週の打ち合わせやワークショップ、Slack を使った FAQ などを中心にサポートしています」と話します。
またクラウドエース システム開発部 SRE ディビジョン リーダーの吉村さんは、次のように話します。「メンバーの一員としてグランド デザインを作成し、やるべきことをスキル トランスファーしながらプロジェクトを進めることの繰り返しでした。もとのアーキテクチャがしっかりしていたので、大きな変更はなく、いかに安定稼働させるかに注力できました。ナレッジスイート様は、開発能力の非常に高い会社だと感心しました。」
クラウドエースの評価について、ナレッジスイート DX ビジネスユニット 先進技術開発・クラウド開発部の吉新さんは、「Google Cloud の知見がまったくない状態からのスタートだったので、システム構成やセキュリティの担保などの判断に自信がありませんでした。クラウド ブースターを利用することで、的確なサポートを提供してもらい、安心して開発を進めることができ自信もつきました。クラウドエースの担当者は、フレンドリーで、非常に親身にサポートしてもらえました」と話しています。
Google Cloud への移行で安定性が増し不可解なサービス停止も皆無に
Google Cloud を採用した効果について、ナレッジスイート DX ビジネスユニット 先進技術開発部 マイクロ サービス 1G リーダーの内田さんは、次のように話します。「Google Cloud は安定性が非常に高く、これまで不可解なサービス停止はありません。移行して本当によかったと思います。機能追加や改修が必要な場合、サービスを停止することなくリリースできるのもメリットです。Cloud Identity Free Edition で、必要なドキュメントを共有できるのも助かっています。」
またナレッジスイート DX ビジネスユニット 先進技術開発部 マイクロサービス 1G の森本さんは、「複数の仮想 VM でシステムを立ち上げるとき、通常はデータベースなどのサービス毎に、参画メンバー毎のアカウントを作り、パスワードを設定し、通知するという作業が必要です。Google Cloud は、こうした作業が Google アカウントで一元管理できるので非常に便利です。開発の場所も問わない事もメリットで、 Google Cloud につながる環境があれば、海外からでも開発に参加できます。テレワークへの移行も楽でした」と話します。
「2 つの製品を Google Cloud に移行することで、DX 化に向け期待取りの効果を上げることができました。今後は主力のサービス Knowledge Suite を Google Cloud に移行することで、より一層 DX を推進する計画です。」
—ナレッジスイート株式会社 取締役 執行役員 技術部門管掌 兼 先進技術開発部 部長 雄川 賢一 氏今後の展望を雄川さんは、「今回、VCRM と ROBOT ID を Google Cloud に移行することで、トラブルの影響範囲の局所化やオートスケールなど、期待どおりの効果を上げることができました。しかし、これはまだ第一段階です。今後はナレッジスイートで提供している他のサービスも Google Cloud に移行して、マイクロ サービス化することで、より一層の DX 推進に取り組んでいく計画です。そのためのサポートを、今後も Google Cloud には期待しています」と話しています。
インタビュイー
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事例制作:2021
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2006 年 10 月に会社設立。2017 年 12 月に東証マザーズに上場。「脳力をフル活用できる世界へ。」という企業理念に基づいて、社員が持つ知識ノウハウを共有することで、営業活動における効率化を目的としたクラウド サービスの開発、および販売を主たる事業として展開。クラウド サービスを通じて「社員の知識やノウハウを可視化」させ、「変化し続ける生きた会社情報資産」作りを自動化することを企業ビジョンとし、中小企業や中堅企業の重要な営業プロセスを可視化させるサービスを提供。主力サービスの Knowledge Suite は、2020 年現在、累積 5,900 社以上の企業に導入されている。
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