ミクシィ:スポーツ ベッティング サービス『TIPSTAR』を Google Cloud 上に構築、プレミアム サポート導入で開発を加速
株式会社ミクシィ について
1997 年、創業者・笠原健治(現会長)が東京大学在学中に IT 系求人サイト「Find Job!」を立ち上げ、その後、1999 年に有限会社イー・マーキュリーとして法人化。2004 年にサービス開始したSNS「mixi」は大きな成功を収める(これを受け、2006 年に社名を株式会社ミクシィに変更)。2013 年にリリースされたスマホアプリ『モンスターストライク』は社会現象に。現在は「フォー・コミュニケーション」をミッションに、デジタル エンターテインメント、スポーツ、ライフスタイル分野でさまざまなサービスを提供している。従業員数は 1,106 名(2020 年 9 月末時点 ※連結、正社員のみ)
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お問い合わせミクシィは Google Cloud をフル活用して、競輪ライブ エンターテイメント『TIPSTAR』のサービス基盤を構築。開発に際し、プレミアム サポートおよび プロフェッショナル サービス部門(PSO) のコンサルティング サービスも活用、将来的なサービス拡張も見据えたシステム構築をおこなっています。
Google Cloud 導入の効果
- Cloud Spanner を採用したことでダウンタイム ゼロを実現、将来的なサービス規模拡大にも備えられた
- サービス設計からリリースまでプレミアム サポートと TAM が力強くサポート。スムーズなサービス開発・運用に貢献
- Google Cloud のトレーニング プログラムを活用し、AI やデータ分析、新卒教育なども効率化
プラットフォームに通じたプロフェッショナルの的確なアドバイスをフル活用
SNS『mixi』や、スマホアプリ『モンスターストライク』など、数々の大ヒットサービスを世に送り出してきた株式会社ミクシィが、2020 年 6 月にリリースした新サービス『TIPSTAR(ティップスター)』。数年がかりで開発されたというこの大規模プロジェクトを成功に導くため、ミクシィは Google Cloud のプレミアム サポートを導入しました。この際、ミクシィが Google Cloud に求めたものがなんだったのかを、同社 CTO である村瀬さんら、開発の中核メンバーに語っていただきます。
Google Cloud をフル活用して『TIPSTAR』のサービス基盤を構築
株式会社ミクシィの新サービス『TIPSTAR』は、アプリあるいは Web ブラウザ画面上で競輪のリアルタイム中継を楽しみながら車券の購入ができるという新感覚スポーツ ベッティング サービスです。その最大の特長は、テレビ放送とは異なる独自の編集が施されたポップな中継映像や、TIPSTAR と呼ばれる演者たちが独自のレース予想を繰り広げ、ユーザーがそれに「のっかりベット」できるといった、従来のベッティング サービスになかったエンターテインメント性の高さ。これにより、サービス登録者の半数弱が女性で年齢層も 20~30 代が中心という、従来と全く異なる新しい競輪ファンを生み出すに至ったことでも話題になっています。
「ビジネスとして成長性の高い公営競技である競輪の面白さに、我々がソーシャルゲームや SNS などの分野で培ってきた IT、エンターテインメントのノウハウを掛け合わせることで、スポーツ ベッティングという文化を皆さまに認識していただき、定着させていきたいというのが『TIPSTAR』の狙いです」と、『TIPSTAR』の意義について語る同社 CTO の村瀬さん。このサービスでは部分最適で複数クラウド プラットフォームを使い分けており、Google Cloud は「映像配信以外全部」(村瀬さん)で使われているとのことです。
「数あるクラウド プラットフォームの中から Google Cloud を選んだのは、何よりもまず Google Kubernetes Engine(GKE)を使いたかったから。なお、弊社ではすでに『モンスターストライク』で Google Cloud の利用が加速しており、今回の判断もその延長線上にあります。」(川又さん)
「今どきは、マルチクラウドでの開発は当たり前。その利点を引き出し、ノウハウを蓄積するためには実際にさまざまなプラットフォームを使ってみなければなりません。特に今回は、Kubernetes をきちんとやっていこうと決めていたので、それを推進する立場にある Google Cloud と共に行こうという気持ちがありました。」(村瀬さん)
アーキテクチャとしては、インフラに GKE、データベースに Cloud Spanner、ストレージは Cloud Storage、ログの保存・分析に Cloud Logging、BigQuery など、Google Cloud の機能をフル活用してサービスを構築しています。
「中でも特に大きな決断だったのが、Cloud Spanner の採用です。実は当初はデータベースに Cloud SQL を使おうと考えており、実際、それでかなりのところまで作り込んでいたのですが、2019 年の中頃、開発中盤で Cloud Spanner に切り換えました。一番の理由は、メンテナンス フリーというか、サービスダウンをなるべく起こさないようにするため。Cloud SQL ではその仕組み上、どうしてもダウンタイムが発生してしまうのですが、それを避けたいという思いがありました。さらに今後、サービス規模が順調に拡大していった際も、単純なノードの追加などで容易にスケールできる設計になっていること、それによる運用コストの低減が期待できることも Cloud Spanner に切り換えた理由です。」(川又さん)
Cloud Spanner に乗り換えたことで、当面のスケールについて大きなプランを練る必要がなくなったのは大きいという川又さん。
「『TIPSTAR』は半年後くらいに大きなアップデートを考えているのですが、基盤側の都合でアーキテクチャを変更するのではなく、新しい機能のために新しいアーキテクチャにトライするというかたちに持っていけたのは良かったと思っています。」(川又さん)
「『TIPSTAR』の開発を経て、今後も、第一候補は Google Cloud だよねというのは、チームの基本コンセンサスになったのではないかと思っています。」(吉野さん)
Google Cloud がチームの一員となって開発に携わってくれた
ミクシィでは『TIPSTAR』に Google Cloud を本格採用するにあたって、Google Cloud のプロフェッショナル サービス部門(PSO)との連携を強化。サポート プログラムを最上位のサポート(現プレミアム サポート)に引き上げました。そこにはどのような背景があったのでしょうか?
「ミクシィとして Google Cloud をこれだけの規模で利用するのがはじめてだったこと、なにより『TIPSTAR』が公営競技というお金を扱うセンシティブなサービスだったため、プラットフォームに通じたプロフェッショナルの的確なアドバイスをいただきたいという気持ちがありました。実際、問題が発生した際に、素早く、的確なお返事いただけたのはありがたかったです。返答待ちで業務が停滞することがなくなったのは大きなメリットだったと評価しています。」(川又さん)
なお、プレミアム サポートに加え、特に川又さんらが重視していたのが、Google Cloud コンサルティングサービスによるプロジェクトのデリバリー支援だと言います。
「チケット 1 枚で収まらないような長期戦になるサポートを、PSO のテクニカルアカウントマネージャー(TAM)に社内の情報をポーリングしていただきながら、随時、状況をアップデートしていただけるのはすごくうれしかったです。」(吉野さん)
「アーキテクチャのレビューから、リリース時のリソースの調整まで、つまりサービスの設計から世に送り出すまでをチームの一員として力強くサポートしていただけました。また、サービスの開発に追われた状況では、どうしても Google Cloud のアップデートなどを追いきれないところがあるのですが、TAM や営業の方がさまざまな情報提供や提案をしてくれるのが助かりましたね。」(川又さん)
「我々が Google Cloud に求めているのは、まさにそういったチームの一員、仲間になってくれるということ。より深く寄り添い、事業を伸ばしてくれる関係を築きたかったんです。我々のエンジニア側も、こうした関係性の中で、徐々に意識が変わってきているように感じています。」
—株式会社ミクシィ 取締役 CTO 村瀬 龍馬 氏「我々が Google Cloud に求めているのは、まさにそういったチームの一員、仲間になってくれるということ。何か文句を言ったときに『持ち帰って善処します』みたいなことを言ってくる関係性ではなく、もっと協力、共同、共闘みたいなかたちでより深く寄り添い、事業を伸ばしてくれる関係を築きたかったんです。また、我々のエンジニア側も、自分でなんでも解決してしまってサポートケースを上げないことが多かったのですが、こうした関係性の中で、徐々に意識が変わってきているように感じています。実はこれ、フルクラウドでサービスを構築して行くにあたって一番重要なことなのではないでしょうか。加えて経営側としても、事業全体を把握しやすくなったことに大きな恩恵を感じています。」(村瀬さん)
現在、ミクシィでは、Google Cloud の活用範囲が広がっていくのに合わせ、プレミアム サポート以外でも PSO を活用。全社的な技術戦略において、AI や機械学習の知見を高めるべく、Advanced Solutions Lab(ASL)を受講(関連記事)したほか、新卒社員向けとして、認定講師によるクラスルーム トレーニングに加え、ハンズオン クラウド トレーニング Qwiklabs を利用するなどしているそうです。
「その他、データサイエンス系の観点で、解析グループやマーケティング担当者を集めたトレーニングもやっていただきました。こうしたクラウドの活用を体系的に学べる Google Cloud のトレーニングは、今後も活用していきたいと考えています。」(村瀬さん)
最後に、『TIPSTAR』を推進する代表取締役社長の木村弘毅氏も次のようにコメントを寄せています。「ミクシィの持つインターネットの技術とコミュニケーションのノウハウを活用し、今までにない圧倒的に簡単な競輪の楽しみ方を提供することで、20~30 代の若い世代や女性など新たな顧客を獲得しています。スポーツ ベッティングとして更なるサービスの拡充を計画しており、より大きく成長していけると考えています。」
インタビュイー
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事例制作:2020
貴社の課題を教えてください。私たちがお手伝いします。
お問い合わせ株式会社ミクシィ について
1997 年、創業者・笠原健治(現会長)が東京大学在学中に IT 系求人サイト「Find Job!」を立ち上げ、その後、1999 年に有限会社イー・マーキュリーとして法人化。2004 年にサービス開始したSNS「mixi」は大きな成功を収める(これを受け、2006 年に社名を株式会社ミクシィに変更)。2013 年にリリースされたスマホアプリ『モンスターストライク』は社会現象に。現在は「フォー・コミュニケーション」をミッションに、デジタル エンターテインメント、スポーツ、ライフスタイル分野でさまざまなサービスを提供している。従業員数は 1,106 名(2020 年 9 月末時点 ※連結、正社員のみ)