アサヒグループ:Apigee による高性能な API ファースト戦略でグローバル リーチを拡大し続ける

アサヒグループホールディングス株式会社 について

国内ビール産業の興隆期を支えた大阪麦酒会社(1889 年設立)の流れを受け継ぐ国内 100 年企業の 1 つ。酒類事業を中核に、三ツ矢、カルピス、ワンダといった主力 6 ブランドによる飲料事業、食品事業などをグローバルに展開する。従業員数は 29,850 名(連結、2020 年 12 月 31 日現在)。

業種: 食品、飲料, 製造, 小売業、卸売業
地域: 日本

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アサヒグループは、迅速なイノベーションとグローバルなコラボレーションを支援するために、API ファースト戦略を実施しています。その取り組みについてご紹介します。

Google Cloud 導入の効果

  • 以前は数日かかっていた手間のかかるデータ処理をシームレスに行うことで、コンピュータシステムをリアルタイム更新を実現
  • BigQuery のスピード、使いやすさ、手頃な価格が、IT チームにインパクトを与えた

データ統合業務の 70% を Apigee で処理、大きな成果

1889 年の創立以来、アサヒグループは伝統を重んじる心と革新への意欲を原動力に日本から世界へと躍進し続けて来ました。今日、アサヒグループは日本国内のみならず、欧州や豪州を始め、世界中において飲料メーカーとして確固たる地位を築いています。

アサヒグループのグローバルなビジョンと絶え間ない変革の精神は、数多くのチャンスを生み出すと同時に、試練や困難をも伴います。例えば、しばしば買収によって誕生してきたグローバル ユニットとは、円滑かつリアルタイムに連携することが求められています。

国際市場で拡大を続けるには一瞬でも立ち止まることは許されないのです。それがたとえこれまでに築き上げてきた財産であるオンプレミス運用インフラを 2027 年までにモダナイズされたクラウド構造へと整備するという、複数年にわたる意欲的なクラウドモダナイゼーションプログラムの最中であったとしても。

「私たちは、2027 年までにグループのアーキテクチャの近代化を実現するという任務を負っています。そのためには、アーキテクチャをパブリック クラウドに移行するための時間と資金の投資を行うと同時に、レガシーシステムによって迅速なイノベーション及びグローバルコラボレーションを促すための API ファースト戦略を必要としています。」

アサヒグループジャパン株式会社 DX 統括部 マネージャー 清水 博 氏

アサヒグループジャパン DX 統括部 マネージャー の清水 博氏は、前進するための一手は、アサヒグループを API ファーストの組織へ移行することだと言います。API を整備することでプラットフォームを跨いでの円滑なデータ共有や共同作業が可能となり、迅速な変革やスケーリング力、高度なセキュリティを実現します。つまり、グローバル パートナーや顧客、従業員全てがオンプレミス サーバー、パブリッククラウド、ハイブリッドもしくはマルチクラウド環境下においても安心かつリアルタイムに連携できるのです。

このビジョンを実現するため、アサヒグループは大規模な Google Cloud システムの採用に伴い、グローバル モダナイゼーションへの一手として必要となる API 管理プラットフォームとして Apigee に着目しました。これにより、工場のスマート化からグローバル規模での顧客及びマーケット アナリティクスまで、将来的な変革に対する大きな可能性を手にしたのです。

「私たちは、2027 年までにグループのアーキテクチャの近代化を実現するという任務を負っています。そのためには、アーキテクチャをパブリック クラウドに移行するための時間と資金の投資を行うと同時に、レガシーシステムによって迅速なイノベーション及びグローバルコラボレーションを促すための API ファースト戦略を必要としています」と清水氏は語ります。「Apigee は弊社のグローバル事業活動を支える重要な鍵としてだけでなく、現在のアサヒグループと、IoT などの先進技術によって推進されるであろう 2027 年のアサヒグループとの架け橋でもあるのです。」

Apigee による DX のための API ドリブンなクラウドアーキテクチャへの道

2017 年にアーキテクチャのモダナイゼーションへと乗り出す前、アサヒグループのオペレーション システムの 90% はオンプレミス運用下にあり、中には数十年前のソフトウェアもありました。新入社員の入社手続きなどの定型業務でも、一元管理されたハブサーバーを経由してデータを流す必要があり、ボトルネックとなっていたのです。

転機は、2017 年に清水氏が同僚らと Google Cloud Next に出席した時に訪れました。リアルタイム・データ・アナリティクス及び高速コンテナ アプリケーションに基づくデジタル トランスフォーメーションの新しいビジョンについて知ったのです。

特に、 BigQuery についてはアサヒグループのチームにパブリッククラウド アーキテクチャへの移行を勧めるに際し、データ ウェアハウス化による使い勝手の良さ、処理速度、価格の手頃さ、そして無制限のリアルタイムのデータクランチング性能の観点で大きな影響力があったと清水氏は言います。

また、 Google Kubernetes Engine(GKE)Google Kubernetes Engine(GKE)によるコンテナベースのマイクロサービスが提供する、アサヒグループのレガシーシステムの核となっていたオンプレミス・仮想マシンを上回る敏捷かつダイナミックなスケーリングにもハッとさせられたと彼は続けます。

「Google Cloud Next に参加し、BigQuery や GKE の持ち合わせる可能性を発見できたことは Google Cloud と共に歩む未来の第一歩となりました。また、それ以上に、Google Cloud を中心とし、2027 年を目標とする私たちのクラウド アーキテクチャへの "近代化と移行" 戦略に取りかかる決断のきっかけとなったと言えるでしょう」と。

BigQuery と GKE に出会ったことがきっかけで Apigee に興味を持つことは、ごく自然な流れと言えるでしょう。API 管理ソリューションの導入は、アサヒグループがグローバル ビジネスを発展させながら、包括的なインフラ整備を実現するための橋渡し役となったのです。一部のユニットやパートナーが異なるクラウド プロバイダーに管理されていたこともあり、レガシーなオンプレミス VMsと複数のクラウド プラットフォームの円滑な統合を含める過程は複雑なものでした。

「Apigee 主導の API ファースト戦略を導入したことで、私たちはビジネス エコシステムに関わる全ての関係者と、適切かつ綿密な連携体制を継続できるようになりました。」

アサヒグループジャパン株式会社 DX 統括部 マネージャー 清水 博 氏

Apigee によってアサヒグループはレガシーシステム上に API を構築することが可能となり、パブリッククラウドに移行したシステムとの統合が実現されました。このようにして、Apigee は巨大な多国籍グループの事業のシームレスな成長を支え、清水氏のチームは並行してアーキテクチャのモダナイゼーションを実現させたのです。「Apigee 主導の API ファースト戦略を導入したことで、私たちはビジネス エコシステムに関わる全ての関係者と、適切かつ綿密な連携体制を継続できるようになりました」と清水氏は言います。

また、清水氏によると、これまでオンプレミスのハブサーバーで処理していたアサヒグループのデータ統合業務のうち、すでに 70% が Apigee で処理されており、また、入社手続きなどの定型業務においても大きな成果を上げているとのこと。

新規採用者のデータ処理が円滑化されたことで、アサヒグループのコンピューター システムにもリアルタイムに更新できるようになりました。これまで勤怠記録や入館証の発行に数日を要していたその手間がなくなり、新入社員のアイデンティティ アクセス管理(IAM)を含む認証情報が全て着任当日から設定され使えるようになったのです。

アサヒグループにとっては、Apigee による高度なデジタル成長戦略を展開していくに伴い、今後への期待が高まるところでしょう。

スマート工場からデータドリブンのグローバル拡大戦略まで、今後の展望

清水氏は、アサヒグループの Apigee が実現していくクラウド化の計画はまだ始まったばかりだと言います。今後は、ビールサーバーの自動化から醸造所のスマート化、さらにアサヒグループのグローバルな流通パートナーとの高度な物流の仕組みまで、IoT の導入をさらに進めていく予定です。

「ただ優れた飲料商品を提供すれば成功するという考え方はもう古いと気づいたんです。消費者や市場の分析をリアルタイムに行うためには、グローバルで安全にデータを共有する必要があり、それを可能にするのは Apigee だけだと考えました。私たちの目標は、世界中で新しいファンを獲得することです。Apigee であれば、そのためのアプローチが可能になります。」

アサヒグループジャパン株式会社 DX 統括部 マネージャー 清水 博 氏

また、Apigee によるリアルタイムかつ円滑なデータ交換の実現によって、IoT 技術を利用したスマート工場やデータ最適化された商品流通の確立などが可能となると清水氏は語ります。「当社のような企業にとって Apigee の真価は、社内や外部パートナーとの安全で俊敏なデータ共有を可能にすることです。私たちがどのように商品を企画、製造、そして流通させていくか、可能性を拡げてくれるのです」。

IoT の製造計画に加え、Apigee はアサヒグループのグローバルな事業拡大戦略にも役立ちます。消費者や市場のデータを世界のどこでも安全に保管管理、また共有ができることで、BigQuery を活用したきめ細やかなマーケティングや顧客対応が可能となり、よりグローバルなビジネス推進に繋げることができます。

「ただ優れた飲料商品を提供すれば成功するという考え方はもう古いと気づいたんです。消費者や市場の分析をリアルタイムに行うためには、グローバルで安全にデータを共有する必要があり、それを可能にするのは Apigee だけだと考えました。私たちの目標は、世界中で新しいファンを獲得することです。Apigee であれば、そのためのアプローチが可能になります」と清水氏は締めくくりました。

インタビュイー

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アサヒグループジャパン株式会社 DX 統括部 マネージャー 清水 博 氏

事例制作:2021

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国内ビール産業の興隆期を支えた大阪麦酒会社(1889 年設立)の流れを受け継ぐ国内 100 年企業の 1 つ。酒類事業を中核に、三ツ矢、カルピス、ワンダといった主力 6 ブランドによる飲料事業、食品事業などをグローバルに展開する。従業員数は 29,850 名(連結、2020 年 12 月 31 日現在)。

業種: 食品、飲料, 製造, 小売業、卸売業
地域: 日本