JCB:グローバル競争力を高めるための迅速なサービス開発が可能な次世代金融プラットフォームを構築

株式会社ジェーシービー について

「世界にひとつ。あなたにひとつ。」というブランドメッセージに基づき、日本発唯一の国際カードブランドを運営。1961 年の創立以来、日本にクレジットカードという新しい決済方法を導入したパイオニアとして、ブランド事業、加盟店事業、カード事業、プロセシング事業、システム・業務基盤をグローバルに展開。世界各国に JCB カードを利用できる加盟店ネットワークを展開するとともに、国内外のパートナーと JCB カードの発行を推進。会員数は 1 億 4,100 万会員以上、加盟店数は約 3,600 万店(2021 年 3 月末日現在)。

業種: 金融サービス
地域: 日本

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JCB はグローバル競争力を高めるための IT 基盤に Google Cloud を採用し、マイクロサービス アーキテクチャを採用した『JCB Digital Enablement Platform』を構築。Google Kubernetes Engine(GKE)と Anthos Service Mesh で運用効率を大幅向上させています。

Google Cloud 導入の効果

  • GKE のスケーラビリティにより、リソースの追加・開放が容易。 繁忙期・閑散期にも臨機応変に対応
  • フルマネージドな Istio として Anthos Service Mesh を採用、運用負荷低減によりサービス開発に集中、多様化する顧客ニーズにも迅速な対応が可能に
  • 東阪マルチリージョン構成で高可用性(SLA 99.999%)を実現できる Cloud Spanner で、金融サービスとして不可欠な継続・安定したサービス提供を実現
  • Google Workspace と GAS を効果的に活用して、開発時に必要なプロセスを自動化、生産性を大幅向上

リリース サイクルの短縮に適したアーキテクチャとしてマイクロサービスを導入

日本発唯一の国際カードブランド運営企業である株式会社ジェーシービー(以下、JCB)。新しいサービスを短期間で開発し、お客様に迅速に価値を提供することで、グローバル競争力を高めるための IT 基盤の構築に Google Cloud を採用しています。完全クラウド ネイティブで進められたこの次世代プラットフォーム構築プロジェクトについて、デジタルソリューション開発部のインフラ、アプリそれぞれの責任者、担当者にお話を伺いました。

価値あるサービスを迅速に提供する、その手段としての Google Cloud

ビジネス環境の変化が激しい現在、日本発唯一の国際カードブランドを運営し、日本のカード事業のパイオニアとして常に先端を切り開いてきた JCB もまた、多様化する顧客のニーズとグローバルな市場競争を前にあらたな局面を迎えていました。

「いま改めて、お客様に価値あるサービスを迅速に提供していく、という強い使命に立ち戻った時に、アジリティの向上が不可欠だと考えました。年々多様化するお客様のニーズに、さらにスピーディに確実に応えるためには、オンプレミスのメインフレームを基盤としたウォーターフォール型の従来のシステム開発では、新しいサービスの展開までに時間がかかることに大きな課題を感じていました」と話すのは、デジタルソリューション開発部 部長 兼 DX Techグループ 次長の片岡さんです。

JCB がその解決手段として選択したのがアジャイル開発、そして Google Cloud のマイクロサービス アーキテクチャを採用した次世代プラットフォーム『JCB Digital Enablement Platform(JDEP)』の構築です。「JDEP では、リリース サイクルの短縮に適したアーキテクチャとしてマイクロサービスの導入を決めました。また、Kubernetes の利用を考えた時、Google Kubernetes Engine(GKE)が利用者目線で負荷が少なく実績が多い点も、採用決断を後押ししました。」(片岡さん)

片岡さんは、「マイクロサービス化やアジャイル開発は目的ではなくあくまで手段。お客様に価値あるサービスを迅速に提供するという目的において、私たちにとって最適な手段がマイクロサービス化やアジャイル開発であり、それに一番適合したのが Google Cloud でした」と話します。

「マイクロサービス化やアジャイル開発は目的ではなくあくまで手段。お客様に価値あるサービスを迅速に提供するという目的において、私たちにとって最適な手段がマイクロサービス化やアジャイル開発であり、それに一番適合したのが Google Cloud でした。」

株式会社ジェーシービー デジタルソリューション開発部 部長 兼 DX Techグループ 次長 片岡 亮介 氏

GKE、Anthos Service Mesh で運用効率を大幅向上

『JCB Digital Enablement Platform(JDEP)』プロジェクトでは、基盤となる JDEP の上に、ブランド(JCB)、アクワイアラ(加盟店管理会社)、イシュア(カード発行会社)という 3 つの事業ポートフォリオのサービスが展開される構造です。

JDEP は、「共有 VPC」 を使ってホスト プロジェクトと複数のサービス プロジェクトをスター型に構成。Google Kubernetes Engine(GKE)と Anthos Service Mesh で共通のサービスプロジェクトを構成するほか、Cloud Spanner や Dataflow、Pub/Sub、Cloud Functions など、サービスごとに必要なプロダクトを利用するサービスプロジェクトも用意されています。アプリケーションは、GKE のネームスペース単位で権限分離を実現、Google Cloud のプロジェクト・フォルダで、本番環境、ステージング環境、テスト環境、開発環境を分離しています。

デジタルソリューション開発部 DX Techグループ 主事の平松さんは、GKE を使う大きなメリットはスケーラビリティだと語ります。「リソースが不足すれば容易に追加し、終われば開放できるので、繁忙期、閑散期にも臨機応変に対応できます。Anthos Service Mesh については、サービスメッシュをマネージドで利用できるのが何よりの利点。今後さらに多くのサービスが本番稼働すると、保守性やバージョンアップ対応の観点からも、コンテナ化やマネージド サービスのメリットをより深く享受できるでしょうし、さらには、Anthos でのサービスの一元管理という点にも期待しています。」

また特に、金融サービスとして重視した点については、「金融サービス業としては、継続してサービスを提供することが社会的ミッションの 1 つだと考えています。そのとき求められるのは、ネットワークとデータのレイヤーにおける可用性で、特にデータベースのレイヤーは可用性がシビアに求められます。」(片岡さん)

「この点、Cloud Spanner は、東阪マルチリージョン構成で、99.999% の可用性が保証されていることはとても大事な要素でした。現在、東京リージョンのみで稼働している JDEP について、2021 年中には大阪リージョンにも展開し、サービスを複数リージョンで稼働できる構成にし、有事の際には DR(ディザスタ リカバリ) を可能にしたいと考えています。」(平松さん)

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<図を拡大>
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<図を拡大>

また JDEP プロジェクトの開発では、 Google Workspace が効果的に利用されているのも特徴的な点の 1 つです。

デジタルソリューション開発部 DX Techグループ 副主事の笹野さんは次のように話します。「本番環境で作業するときの一時的な権限付与のしくみを、Google フォーム、Google Chat と Google Apps Script(GAS)を利用して自動化しました。 Google フォームで作成された申請画面から申請者が必要事項を入力すると、Google アカウントに応じた権限が自動的に付与(一定期間の後に削除)され、申請者、管理者双方の作業の効率化を実現しています。また、コロナ禍の現在、在宅勤務のチームのメンバーと時に Google Meet をつないだままで開発を進めることで、物理的な距離の壁を解消。開発者チームでのこうした使い方の定着は現状にマッチしていて、開発チームの機動力アップにもつながっていると感じています。」

今後は ML を活用した障害検知や予防保守の仕組みの実現に期待

2020 年春、ブランド事業からスモールスタートした JDEP プロジェクトは 1 年を経て 7 チーム 8 サービス、200 名を超えるプロジェクトメンバーが関わる大規模なものに。アクワイアラ(加盟店管理会社)、イシュア(カード発行会社)にも横展開をスタートし、これに伴い Google PSO のコンサルティングやプレミアムサポートも活用して開発体制もさらに拡充、2021 年 4 月からは SRE チームも発足させました。

片岡さんは、「一連の取り組みにより、なにより情報共有のスピードが速くなりました。現在の開発状態がビジネスサイドにリアルタイムに共有され、ビジネスの意思と実開発が早いサイクルでリンク、当初の課題であった、アジリティを高めるという点において、大きな効果を実感しています。チームが小さい時は運用もシンプルで小回りがききますが、関係者が増えてアジリティがなくなったということはあってはならない。開発パートナーであるエヌ・ティ・ティ・データ社も含めワンチームとなり、現状にマッチした開発環境を工夫しています。その結果、体制が拡大してもアジリティを損なうことなく、お客様のための価値ある開発を実現できていると感じています」と話します。

今後の具体的な展望を内野さんが話してくださいました。「Google Cloud 上に、かなりのデータやログが蓄積されているので、このデータやログを機械学習(ML)で解析することで、障害検知や予防保守の仕組みを実現したいと思っています。発生しやすいエラーが解析できれば、テストの品質や開発効率の向上が期待できます。小さな 1 歩から ML の取り組みを開始したいと思っています。」

「変化に迅速かつ柔軟に対応していくためには、新しいことにチャレンジし続けることが必要です。大きなビジネスの目的の裏で、開発サイドの人間としては、エンジニアが常にワクワク楽しめる開発環境を提供したいという強い思いもあります。ML や Anthos、Cloud Spanner などの新しい技術にチャレンジしやすいのは Google Cloud のメリットの 1 つ。“ DX(Digital Transformation)のための DX(Developer Experience)” をさらに推進することで、この思いを共有できる仲間と共に、私たちが考える“価値あるサービス” をどんどん生み出していきたいと願っています。」(片岡さん)

「変化に迅速かつ柔軟に対応していくためには、新しいことにチャレンジし続けることが必要です。“ DX(Digital Transformation)のための DX(Developer Experience)” をさらに推進することで、この思いを共有できる仲間と共に、私たちが考える“価値あるサービス” をどんどん生み出していきたいと願っています。」

株式会社ジェーシービー デジタルソリューション開発部 部長 兼 DX Techグループ 次長 片岡 亮介 氏

インタビュイー

jcb interviewees photo
(写真右から)
デジタルソリューション開発部 部長 兼 DX Techグループ 次長 片岡 亮介 氏
デジタルソリューション開発部 DX Techグループ 副主事 笹野 真平 氏
デジタルソリューション開発部 DX Techグループ 主幹 内野 博之 氏
デジタルソリューション開発部 DX Techグループ 主事 平松 淳也 氏
* JCB が進める「ビジネス構築の高速化プロジェクト」

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事例制作:2021

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「世界にひとつ。あなたにひとつ。」というブランドメッセージに基づき、日本発唯一の国際カードブランドを運営。1961 年の創立以来、日本にクレジットカードという新しい決済方法を導入したパイオニアとして、ブランド事業、加盟店事業、カード事業、プロセシング事業、システム・業務基盤をグローバルに展開。世界各国に JCB カードを利用できる加盟店ネットワークを展開するとともに、国内外のパートナーと JCB カードの発行を推進。会員数は 1 億 4,100 万会員以上、加盟店数は約 3,600 万店(2021 年 3 月末日現在)。

業種: 金融サービス
地域: 日本