マーケティング会社が Google BigQuery で天候データから顧客行動を分析

Interactions 社の目的は、小売業や製造業のクライアントの計画策定の助けになる、販売パターンや顧客行動といった高水準のデータ分析を改善する方法を探ることでした。同社はさまざまなソリューションを検討した後、Google BigQuery を選択しました。もともと取引データやポイントカード データを扱っていた同社は、POS データと公的な気象データを組み合わせて BigQuery で分析することで、大雪のときの顧客行動に関する新しい知見を得ることができました。

オンデマンドでスケーラブルなリソース

「データ分析は、当社が小売業や製造業の顧客関係維持を支援する上での基盤です」、Interactions 社のグローバル マーケティング アンド アナリティクス担当副社長ジョバンニ・デメオは語ります。「BigQuery は他のプラットフォームよりも新しく、実験的なことを試すことができて楽しかったです。私たちはデータで何ができるのかを知りたかったのです」

「従来のインフラストラクチャは、分析に新しいデータ ソースを追加するたびに多額の資本投資が必要で、構築にも長い時間がかかりました」。そう語るのは Interactions 社のグローバル インフォメーション ストラテジー担当上級副社長アビ・ベニワルです。「Google BigQuery は必要な時間、費用、投資額がまったく異なり、コストと時間を大幅に節約できます」

BigQuery従量課金制のサービスで、一般的なエンタープライズ データ ウェアハウスで求められる多額のライセンス料やサポート料は必要ありません。また全てのデータはクラウドに格納されるため、IT 部門の負荷を削減できます。デメオはこう言います。「私たちは常に、最小限の投資で、収益を最大化する方法を探しています。BigQuery は理想的な組み合わせで、オンデマンドで拡張性に優れたリソースです」

“ 我々は、常に費用対効果を最大にまで高める方法を探しています。BigQuery は効果も費用も完璧です。オンデマンドで、スケーラブルなリソースなのです。”

ジョバンニ・デメオInteractions 社、グローバル マーケティング アンド アナリティクス担当副社長

膨大な行のデータ

Interactions 社は天候と買い物の関連性を探るプロジェクトを進めるにあたり、Google、およびソフトウェア企業 Tableau と密接に連携しました。Tableau のデータ視覚化ソフトウェアと BigQuery の組み合わせは、小売店とアメリカ海洋大気庁 (NOAA) から入手した 13 億行のデータをインタラクティブに調べることを可能にしました。「従来の方法ではこのような分析は不可能だったでしょう」、Interactions 社のリサーチ アンド アナリティクス スペシャリスト、マーカス・ドミトゥルザクは語ります。「以前は事業目標が変わるたびにデータを抽出する必要があり、その作業を IT チームが行っていました。BigQuery の場合、データを 1 度クラウドにアップロードするだけです。あとはデータに接続して、データ セットを自由に作ったり壊したりできます。ビジネス ユーザーにとって非常に強力な武器です」

買い物客のパターンが明らかに

Interactions 社の天候データ プロジェクトは 2012 年から 2013 年の冬に始まりました。同社は、似たような悪天候を特定し、それらを重大度によって分類し、それぞれの悪天候のピーク前、ピーク時、ピーク後で販売にどのような影響があったのかを測定しました。BigQuery と Tableau で販売と顧客行動のパターンを調べたのです。

Interactions 社はクリエイティブで柔軟なハイブリッド アーキテクチャを使用し、自動化された抽出、変換、ロード (ETL) プロセスで、元になったオペレーション データベース システムのデータのブランチを BigQuery に作成しました。天候データは ETL プロセスで POS データと統合されました。これにより、日常業務に影響を与えない、分析プロジェクト用の最新のサンドボックスが完成しました。Tableau と BigQuery を組み合わせたことで、トライ アンド エラーの分析が可能になり、データ抽出やクエリ リクエストで IT 部門を煩わせることなく、分析を繰り返せるようになりました。

“ BigQuery はデータを 1 度クラウドにアップロードするだけ。あとはデータに接続して、データ セットを自由に作ったり壊したりできます。ビジネス ユーザーにとって非常に強力な武器です”

マーカス・ドミトゥルザクInteractions 社、リサーチ アンド アナリティクス スペシャリスト

クエリのたびに「新しい本」を読むかのよう

Interactions 社の発見には、販売数が急激に増加あるいは減少した在庫品目、悪天候の程度による顧客行動の変化、などがありました。同社は膨大な件数のデータから販売数が大幅に増えた 28 の商品カテゴリを突き止めました。それらのカテゴリの販売数は同じような悪天候の前日に 20 ~ 261% も増えていたのです (酒類販売量の突発的増加も含まれています)。そして悪天候のピークとともに販売数は落ち、その後 4 日間その状態が続きました。悪天候が予測されながらも実際にはそうはならなかった地域でも同じような変化が見られました。

「データに問いかけて初めて分かることがたくさんあります。データは私たちに知見を与えてくれます」、デメオは説明します。「それが面白いところでもあるのです。クエリを実行するたびに新しい本を開くようなものです」。別の言い方をすると、BigQuery は蛇口のようなものだ、とデメオは言います。「必要なときだけ蛇口をひねって使うことができる、それが非常に重要な点です。同じデータ量を同じ速度で処理できる他のどのシステムにも、そのようなメリットはありませんでした」