apigeectl

apigeectl は、Apigee ハイブリッドを Kubernetes クラスタにインストールして管理するためのコマンドライン インターフェース(CLI)です。apigeectl のダウンロードとインストールについては、apigeectl のダウンロードとインストールをご覧ください。

apigeectl が適用されるスコープ

apigeectl フラグを使用して、コマンドが構成の変更を適用するスコープを制御できます。Apigee ハイブリッド ランタイム内のスコープの概要については、ランタイム サービス構成の概要をご覧ください。

スコープコンポーネントapigeectl フラグ
ストレージ Cassandra --datastore
環境 ランタイム
Synchronizer
UDCA
--all-envs
--env
Organization(組織) Apigee Connect Agent
MART
Watcher
--org
レポート Logger
Metrics
--telemetry

apigeectl の構文

apigeectl [command] [flags]

各要素の意味は次のとおりです。

  • command: 実行するオペレーションを指定します。コマンドの一覧については、apigeectl のコマンドをご覧ください。

  • flags: コマンド パラメータを指定します。フラグの一覧については、apigeectl のフラグをご覧ください。

apigeectl のコマンド

次の表に apigeectl のコマンドを示します。

コマンド 説明
apply

Apigee ハイブリッド ランタイム コンポーネントの構成を Kubernetes クラスタに適用します。

フラグなしの apigeectl apply は、クラスタ内のすべてのコンポーネントに変更を適用します。

apigeectl のフラグ: --all-envs--datastore--dry-run--env-f--file-override-config--help--org--print-yaml--settings virtualhosts--telemetry--verbose

check‑ready

ハイブリッド コンポーネント Pod のステータスを確認します。すべてのコンポーネント Pod の準備が完了しているときは、「All containers ready」というメッセージが出力されます。自動スクリプトで使用する場合、このコマンドは、コンテナの準備がすべて完了しているときにステータス 0 で終了します。少なくとも 1 つの Pod の準備ができていない場合は、ステータス 1 で終了します。

apigeectl のフラグ: -f--file-override-config--help--verbose

delete

ハイブリッド コンポーネントをクラスタから削除します。すべてのコンポーネントを削除するには、--all フラグを使用します。--all を省略すると、Apigee 固有のコンポーネントのみが削除されます(apigeectl init でインストールされたコンポーネントは削除されません)。Apigee 固有のコンポーネントとは、apply コマンドでインストールされたコンポーネントを指します。

オプションのフラグがない apigeectl delete は、delete コマンドを適用します。これは、クラスタ内にデプロイされるすべてのコンポーネントが対象となります。

apigeectl のフラグ: --all--all-envs--datastore--env-f--file-override-config--help--org--telemetry--verbose

encode

指定した組織、または指定した組織内の特定の環境について、すべての ApigeeDeployment のエンコードされた名前のリストを返します。エンコードされた名前には、コンポーネントの名前と、組織のハッシュ名が含まれます。--env フラグを使用している場合は、環境のハッシュ名も含まれます。Apigee ハイブリッドは、名前空間の競合を回避するため、組織と環境のハッシュ名を作成します。

--org org-name を使用するか、--env env-name フラグと encode を指定した --org org-name を使用する必要があります。次に例を示します。


./apigeectl encode --org hybrid-example
List of ApigeeDeployments are:
  apigee-connect-agent-hybrid-example-6a82f8a
  apigee-mart-hybrid-example-6a82f8a
  apigee-watcher-hybrid-example-6a82f8a

./apigeectl encode --org hybrid-example --env example-env
List of ApigeeDeployments are:
  apigee-runtime-hybrid-example-example-env-9e87e2d
  apigee-synchronizer-hybrid-example-example-env-9e87e2d
  apigee-udca-hybrid-example-example-env-9e87e2d

apigeectl フラグ: --env--org

help オンライン ヘルプを出力します。
init

Apigee Operator と CRD を apigee-system の Namespace にインストールします。

新規インストールまたはアップグレードの後、apigeectl apply を実行する前に apigeectl init を実行します。

apigeectl のフラグ: -f--file-override-config--help--verbose

version CLI のバージョン情報を出力します。

apigeectl のフラグ: --help

apigeectl のフラグ

次の表に apigeectl のフラグを示します。

フラグ 説明
--all delete のみ: ASM(Istio)と cert-manager を除く Apigee ハイブリッド インストール全体をクラスタから削除します。
--all-envs

オーバーライド構成ファイルで指定された組織のすべての環境に apigeectl コマンドを適用します。

    --datastore

データストア スコープ(cassandra)に構成を適用します。

    ‑‑dry‑run クラスタを変更せずに、指定されたコマンドを実行します。‑‑print-yaml と一緒に使用して、レンダリングされたオブジェクト仕様をファイルに出力します。

‑‑dry‑run は、実行中の kubectl のバージョンに応じて、次の 2 つのいずれかの値で使用する必要があります。kubectl のバージョンの確認には gcloud version を使用してください。

  • kubectl バージョン 1.17.x 以前: ‑‑dry‑run=true
  • kubectl バージョン 1.18.x 以降: ‑‑dry‑run=client
--env env-name

指定した環境に構成を適用します。このフラグは、apigee-runtime、apigee-synchronizer、apigee-udca という環境スコープのコンポーネントに構成を適用します。

--env は、--org フラグとともに使用する必要があります。次に例を示します。


apigeectl apply --org hybrid-example --env example-env \
      -f overrides/overrides.yaml
‑f, ‑‑file‑override‑config ハイブリッド デプロイのカスタム構成プロパティを含む YAML ファイルを指定します。デフォルト値は ./overrides.yaml です。applycheck-readydeleteinit コマンドにはオーバーライド ファイルが必要です。

このフラグではフルパスを指定する必要があります。詳細については、ランタイム プレーン コンポーネントの管理をご覧ください。

-h, --help コマンドのヘルプを表示します。
--org

指定した組織に構成を適用します。このフラグは、組織スコープ コンポーネント apigee-connect-agent、apigee-mart、apigee-watcher に構成を適用します。

--print-yaml 構成テンプレートの出力を stdout に出力します。このフラグを使用する例については、構成をファイルに出力するをご覧ください。
-s, --settings virtualhosts

コマンドを適用する構成を指定します。現在、このフラグは runtime コンポーネントの一部である virtualhosts 構成でのみサポートされています。virtualhosts プロパティに変更を加える場合のみに、このフラグを使用します。

たとえば、オーバーライド ファイルで virtualhosts 構成を変更した場合は、次のコマンドを使用してクラスタに適用します。


apigeectl apply -f my-overrides.yaml --settings virtualhosts \
    --org example-org --env example-env
--telemetry

apigee-logger や apigee-metrics などのテレメトリー コンポーネントの構成を適用します。

--verbose

詳細ログを std err に出力します。

クラスタ構成を初期化する

前提条件コンポーネントの構成をクラスタに適用するには、init を使用します。init コマンドは apply の前に実行する必要があります。

apigeectl init -f my_overrides.yaml

クラスタ構成を適用する

ハイブリッド構成を Kubernetes クラスタに適用するには、apply コマンドを使用します。apply の初回実行時に、すべてのハイブリッド ランタイム コンポーネントがクラスタに作成されます。構成を変更する場合は、apply を再実行して変更のみを適用するか、フラグを使用して特定のスコープに変更のみを適用します。

次の例は、ハイブリッド ランタイム プレーン コンポーネントの構成をクラスタに適用します。

apigeectl apply -f my_overrides.yaml

単一のコンポーネントの構成を適用する

apply コマンドを特定のコンポーネントに制限するには、apigeectl フラグで説明されているフラグを使用します。

次の例は、Cassandra コンポーネントの構成のみを適用します。

apigeectl apply --datastore -f my_overrides.yaml

構成をファイルに出力する

インストールの問題をデバッグする場合、クラスタの構成全体をファイルに出力すると、構成の設定を調べるのに便利です。--print-yaml フラグを指定すると、ハイブリッド構成が stdout に出力されます。また、--dry-run フラグを使用すると、実際にはクラスタを変更せずにコマンドを実行できます。

apigeectl apply -f my_overrides.yaml --dry-run=client --print-yaml > apigee-hybrid.yaml

Pod のステータスを確認する

次の例は、クラスタにデプロイされている Pod のステータスを確認します。

apigeectl check-ready -f overrides/overrides.yaml
All containers ready in namespace 'my-namespace'

クラスタからハイブリッドを削除する

次の例は、ハイブリッド ランタイム コンポーネントのみを Kubernetes クラスタから削除します。すべてを削除するには、--all フラグを使用します。

apigeectl delete -f my_overrides.yaml