この手順では、Apigee ハイブリッド バージョン 1.8.x から Apigee ハイブリッド バージョン 1.9.4 へのアップグレードと、ハイブリッド 1.9.x の以前のリリースからバージョン 1.9.4 へのアップグレードについて説明します。
マイナー バージョンのアップグレード(バージョン 1.8 から 1.9 など)とパッチリリース アップグレード(1.9.0 から 1.9.4 など)にも同じ手順を使用します。
Apigee ハイブリッドのバージョン 1.7 以前からアップグレードする場合は、ハイブリッドのバージョン 1.9.4 にアップグレードする前に、まずバージョン 1.8 にアップグレードする必要があります。Apigee ハイブリッド バージョン 1.8 へのアップグレードの手順をご覧ください。
バージョン 1.9.0 以降、Apigee ハイブリッドは Ingress レイヤとして Apigee Ingress ゲートウェイのみをサポートしています。
バージョン 1.9.4 へのアップグレードの概要
以降のセクションでは、Apigee ハイブリッドのアップグレード手順を次の順番で説明します。
- アップグレードを準備する。
- ハイブリッド ランタイムのバージョン 1.9.4 をインストールする。
前提条件
- 以下のアップグレード手順は、Apigee ハイブリッド バージョン 1.8.x がインストールされており、バージョン 1.9.4 にアップグレードすることを前提としています。それ以前のバージョンから更新する場合は、Apigee ハイブリッド バージョン 1.8 へのアップグレードをご覧ください。
- Apigee ハイブリッド バージョン 1.8 では、Anthos Service Mesh に代わる Ingress レイヤとして Apigee Ingress ゲートウェイが導入されました。バージョン 1.9.0 以降の Apigee ハイブリッドでは、Apigee Ingress ゲートウェイを使用する必要があり、Ingress に Anthos Service Mesh は使用できません。アップグレード元のインストールで Anthos Service Mesh を使用している場合は、まず Apigee Ingress ゲートウェイを使用するように移行してからバージョン 1.9.4 にアップグレードする必要があります。
Apigee Ingress ゲートウェイでは、Ingress ゲートウェイ用に Anthos Service Mesh 機能の小さなサブセットを使用します。これらの機能の管理とアップグレードは、Apigee ハイブリッドによって自動的に処理されます。したがって、Apigee ハイブリッド Ingress ゲートウェイのインストール、アップグレード、管理を行うために Anthos Service Mesh の専門知識は必要ありません。
手順については、ハイブリッド v1.8 ドキュメントの Apigee Ingress ゲートウェイへの移行をご覧ください。
バージョン 1.9 へのアップグレードを準備する
ハイブリッド インストールをバックアップする(推奨)
- この手順では、
apigeectl
をインストールしたファイル システム内のディレクトリを環境変数 APIGEECTL_HOME で表しています。必要に応じて、ディレクトリをapigeectl
ディレクトリに変更し、次のコマンドで変数を定義します。Linux
export APIGEECTL_HOME=$PWD
echo $APIGEECTL_HOME
macOS
export APIGEECTL_HOME=$PWD
echo $APIGEECTL_HOME
Windows
set APIGEECTL_HOME=%CD%
echo %APIGEECTL_HOME%
- バージョン 1.8 の
$APIGEECTL_HOME/
ディレクトリのバックアップを作成します。次に例を示します。tar -czvf $APIGEECTL_HOME/../apigeectl-v1.8-backup.tar.gz $APIGEECTL_HOME
- Cassandra のバックアップと復元の手順に沿って Cassandra データベースをバックアップします。
Apigee ランタイムのサービス アカウントに Cloud Trace エージェント ロールを追加します。(省略可)
省略可: Cloud Trace を使用する予定で、ハイブリッド v1.8 のインストールに Cloud Trace Agent
ロールをまだ追加していない場合は、Apigee ランタイム サービス用のサービス アカウントに Cloud Trace エージェントの Google Cloud IAM ロール(roles/cloudtrace.agent
)が付与されていることを確認します。
本番環境の場合、ランタイム サービス アカウントは apigee-runtime
です。非本番環境の場合、ランタイム サービス アカウントは apigee-non-prod
です。
ロールを追加するには、UI の [Cloud コンソール] > [IAM と管理] > [サービス アカウント] か、次のコマンドを使用します。
- 次のコマンドでサービス アカウントのメールアドレスを取得します。
本番環境
gcloud iam service-accounts list --filter "apigee-runtime"
メールアドレスがパターン
apigee-runtime@$ORG_NAME.iam.gserviceaccount.com
と一致する場合、そのパターンを次のステップで使用できます。非本番環境
gcloud iam service-accounts list --filter "apigee-non-prod"
パターン
apigee-non-prod@$ORG_NAME.iam.gserviceaccount.com
と一致する場合、そのパターンは次のステップで使用できます。 - サービス アカウントに Cloud Trace エージェントのロールを割り当てます。
本番環境
gcloud projects add-iam-policy-binding $PROJECT_ID \ --member="serviceAccount:apigee-runtime@$PROJECT_ID.iam.gserviceaccount.com" \ --role="roles/cloudtrace.agent"
非本番環境
gcloud projects add-iam-policy-binding $PROJECT_ID \ --member="serviceAccount:apigee-non-prod@$PROJECT_ID.iam.gserviceaccount.com" \ --role="roles/cloudtrace.agent"
例
gcloud projects add-iam-policy-binding hybrid-example-project \ --member="serviceAccount:apigee-runtime@hybrid-example-project.iam.gserviceaccount.com" \ --role="roles/cloudtrace.agent"
ここで、$PROJECT_ID は Apigee ハイブリッドがインストールされている Google Cloud プロジェクトの名前です。
インストールで Anthos Service Mesh を使用している場合は、Apigee Ingress ゲートウェイをインストールします。
バージョン 1.9 以降、Apigee ハイブリッドでは Ingress に対する Anthos Service Mesh の使用がサポートされなくなりました。ハイブリッドのインストールで Anthos Service Mesh を使用している場合は、ハイブリッド バージョン 1.9 をインストールする前に、現在のインストールを Apigee Ingress ゲートウェイに移行する必要があります。
-
ingressGateways
プロパティをオーバーライド ファイルに追加します。構文
ingressGateways: - name: INGRESS_NAME replicaCountMin: REPLICAS_MIN replicaCountMax: REPLICAS_MAX resources: requests: cpu: CPU_COUNT_REQ memory: MEMORY_REQ limits: cpu: CPU_COUNT_LIMIT memory: MEMORY_LIMIT svcAnnotations: # optional. See Known issue 243599452. SVC_ANNOTATIONS_KEY: SVC_ANNOTATIONS_VALUE svcLoadBalancerIP: SVC_LOAD_BALANCER_IP # optional
例
ingressGateways: - name: prod1 replicaCountMin: 2 replicaCountMax: 100 resources: requests: cpu: 1 memory: 1Gi limits: cpu: 2 memory: 2Gi svcAnnotations: # optional. See Known issue 243599452. networking.gke.io/load-balancer-type: "Internal" svcLoadBalancerIP: 198.252.0.123
- INGRESS_NAME は、Ingress デプロイの名前です。次の要件を満たす任意の名前を使用できます。
- 最大文字数が 17 文字
- 小文字の英数字またはハイフン(-)のみを使用する
- 先頭が英数字である
- 末尾が英数字である
ingressGateways[].name
をご覧ください。 - REPLICAS_MIN と REPLICAS_MAX は、インストールにおける Apigee Ingress ゲートウェイの最小レプリカ数と最大レプリカ数です。詳細とデフォルト設定については、構成プロパティ リファレンスの
ingressGateways[].replicaCountMin
およびingressGateways[].replicaCountMax
をご覧ください。 - CPU_COUNT_REQ と MEMORY_REQ は、インストール環境における Apigee Ingress ゲートウェイの各レプリカに対する CPU とメモリのリクエストです。
詳細とデフォルト設定については、構成プロパティ リファレンスの
ingressGateways[].resources.requests.cpu
およびingressGateways[].resources.requests.memory
をご覧ください。 - CPU_COUNT_LIMIT と MEMORY_LIMIT は、インストールされている Apigee Ingress ゲートウェイの各レプリカに対する CPU とメモリの上限値です。
詳細とデフォルト設定については、構成プロパティ リファレンスの
ingressGateways[].resources.limits.cpu
およびingressGateways[].resources.limits.memory
をご覧ください。 - SVC_ANNOTATIONS_KEY SVC_ANNOTATIONS_VALUE(省略可):
これは、デフォルトの Ingress サービスのアノテーションを提供する Key-Value ペアです。アノテーションは、ハイブリッド インストールの構成をサポートするために、クラウド プラットフォームによって使用されます。たとえば、ロードバランサのタイプを内部または外部に設定する場合などです。次に例を示します。
ingressGateways: svcAnnotations: networking.gke.io/load-balancer-type: "Internal"
アノテーションは、プラットフォームによって異なります。必須アノテーションと推奨アノテーションについては、プラットフォームのドキュメントをご覧ください。
構成プロパティ リファレンスのingressGateways[].svcAnnotations
をご覧ください。 - SVC_LOAD_BALANCER_IP(省略可)ロードバランサに静的 IP アドレスを割り当てることができます。ロードバランサの IP アドレスの指定をサポートするプラットフォームでは、この IP アドレスを使用してロードバランサが作成されます。ロードバランサの IP アドレスを指定できないプラットフォームでは、このプロパティは無視されます。
ロードバランサに静的 IP アドレスが割り振られていない場合は、このプロパティをオーバーライド ファイルに含めないでください。
構成プロパティ リファレンスのingressGateways[].svcLoadBalancerIP
をご覧ください。
- INGRESS_NAME は、Ingress デプロイの名前です。次の要件を満たす任意の名前を使用できます。
- 次のコマンドを使用して変更を適用し、Apigee Ingress ゲートウェイをインストールします。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl apply -f overrides/overrides.yaml
- Apigee Ingress ゲートウェイを公開します。Apigee Ingress ゲートウェイの公開の手順を実施します。
- プロキシを呼び出して、新しい Ingress ゲートウェイをテストします。現在デプロイされている重要なプロキシをすべてテストするのが理想的です。
- トラフィックを切り替えるには、新しい Apigee Ingress ゲートウェイの IP アドレスを指すように DNS レコードを更新します。DNS プロバイダによっては、トラフィックを新しいエンドポイントに段階的にシフトできる可能性があります。
ヒント: Apigee Ingress ゲートウェイの外部 IP アドレスは、次のコマンドを使用して確認できます。 kubectl get svc -n apigee -l app=apigee-ingressgateway
出力は次のようになります。
NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE apigee-ingressgateway-prod-hybrid-37a39bd LoadBalancer 192.0.2.123 233.252.0.123 15021:32049/TCP,80:31624/TCP,443:30723/TCP 16h
- ダッシュボードをモニタリングして、すべてのランタイム トラフィックが機能していることを確認します。すべてが想定どおりに動作している場合にのみ、次の手順に進みます。DNS キャッシュが原因で DNS 更新の伝播に時間がかかることがあるため、古い Ingress ゲートウェイ(Anthos Service Mesh)を経由するトラフィックがないことを確認します。
- Apigee から Anthos Service Mesh への構成の提供を停止するには、Apigee Ingress ゲートウェイの管理ガイドの ASM への構成の提供を停止するの手順を実施します。
- API プロキシ トラフィックを再度テストしてモニタリングします。
- Anthos Service Mesh のドキュメントの手順に沿って、クラスタから Anthos Service Mesh をアンインストールします。
ハイブリッド 1.9.4 ランタイムをインストールする
- 現在のディレクトリがハイブリッド ベース ディレクトリ(
apigeectl
実行可能ファイルが配置されているディレクトリの親)であることを確認します。cd $APIGEECTL_HOME/..
-
次のコマンドを使用して、ご使用のオペレーティング システムに対応したリリース パッケージをダウンロードします。ご利用のプラットフォームを次の表から選択します。
Linux
Linux 64 ビット:
curl -LO \ https://storage.googleapis.com/apigee-release/hybrid/apigee-hybrid-setup/1.9.4/apigeectl_linux_64.tar.gz
macOS
Mac 64 ビット:
curl -LO \ https://storage.googleapis.com/apigee-release/hybrid/apigee-hybrid-setup/1.9.4/apigeectl_mac_64.tar.gz
Windows
Windows 64 ビット:
curl -LO ^ https://storage.googleapis.com/apigee-release/hybrid/apigee-hybrid-setup/1.9.4/apigeectl_windows_64.zip
- 現在の
apigeectl/
ディレクトリをバックアップ ディレクトリ名に変更します。次に例を示します。Linux
mv $APIGEECTL_HOME/ $APIGEECTL_HOME-v1.8/
macOS
mv $APIGEECTL_HOME/ $APIGEECTL_HOME-v1.8/
Windows
rename %APIGEECTL_HOME% %APIGEECTL_HOME%-v1.8
-
ダウンロードした gzip ファイルの内容をハイブリッドのベース ディレクトリに展開します。ハイブリッドのベース ディレクトリは、名前を変更した
apigeectl-v1.8
ディレクトリのあるディレクトリです。Linux
tar xvzf filename.tar.gz -C ./
macOS
tar xvzf filename.tar.gz -C ./
Windows
tar xvzf filename.zip -C ./
-
デフォルトでは、tar の内容が展開されるディレクトリの名前には、バージョンとプラットフォームが含まれています。たとえば、
./apigeectl_1.9.4-xxxxxxx_linux_64
となります。次のコマンドを使用して、このディレクトリの名前をapigeectl
に変更します。Linux
mv apigeectl_1.9.4-xxxxxxx_linux_64 apigeectl
macOS
mv apigeectl_1.9.4-xxxxxxx_mac_64 apigeectl
Windows
rename apigeectl_1.9.4-xxxxxxx_windows_64 apigeectl
apigeectl
ディレクトリに移動します。cd ./apigeectl
このディレクトリは
apigeectl
ホーム ディレクトリになります。apigeectl
実行可能コマンドはこのディレクトリに配置されます。- この手順では、
apigeectl
ユーティリティがインストールされているファイル システムのディレクトリを環境変数$APIGEECTL_HOME
で表しています。必要に応じて、ディレクトリをapigeectl
ディレクトリに変更し、次のコマンドで変数を定義します。Linux
export APIGEECTL_HOME=$PWD
echo $APIGEECTL_HOME
macOS
export APIGEECTL_HOME=$PWD
echo $APIGEECTL_HOME
Windows
set APIGEECTL_HOME=%CD%
echo %APIGEECTL_HOME%
version
コマンドでapigeectl
のバージョンを確認します。./apigeectl version
Version: 1.9.4
hybrid-base-directory/hybrid-files
ディレクトリに移動します。hybrid-files
ディレクトリには、オーバーライド ファイル、証明書、サービス アカウントなどの構成ファイルがあります。次に例を示します。cd $APIGEECTL_HOME/../hybrid-files
- 次のコマンドを使用して、
kubectl
が正しいコンテキストに設定されていることを確認します。現在のコンテキストは、Apigee ハイブリッドをアップグレードするクラスタに設定する必要があります。kubectl config get-contexts | grep \*
hybrid-files
ディレクトリ:-
以下の
$APIGEECTL_HOME
へのシンボリック リンクを更新します。このリンクを使用すると、hybrid-files
ディレクトリ内から新しくインストールされたapigeectl
コマンドを実行できます。ln -nfs
$APIGEECTL_HOME
/tools toolsln -nfs
$APIGEECTL_HOME
/config configln -nfs
$APIGEECTL_HOME
/templates templatesln -nfs
$APIGEECTL_HOME
/plugins plugins - シンボリック リンクが正しく作成されたことを確認するには、次のコマンドを実行してリンクパスが正しい場所を指していることを確認します。
ls -l | grep ^l
-
以下の
- ドライランの初期化を行ってエラーを確認します。
${APIGEECTL_HOME}/apigeectl init -f OVERRIDES_FILE --dry-run=client
ここで、OVERRIDES_FILE はオーバーライド ファイルの名前です(例:
./overrides/overrides.yaml
)。 - エラーがなければ、ハイブリッド 1.9.4 を初期化します。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl init -f OVERRIDES_FILE
- 初期化のステータスを確認します。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl check-ready -f OVERRIDES_FILE
成功すると、「
All containers ready.
」と出力されます。kubectl describe apigeeds -n apigee
出力で「
State: running
」を探します。 --dry-run
フラグを使用して、apply
コマンドのドライランでエラーを確認します。$APIGEECTL_HOME/apigeectl apply -f OVERRIDES_FILE --dry-run=client
- エラーがない場合、オーバーライドを適用します。インストールに応じて、本番環境または非本番環境用の手順を実施します。
本番環境
本番環境では、ハイブリッド コンポーネントを個別にアップグレードし、アップグレードされたコンポーネントのステータスを確認してから次のコンポーネントに進んでください。
- 現在のディレクトリが
hybrid-files
ディレクトリであることを確認します。 - オーバーライドを適用して Cassandra をアップグレードします。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl apply -f OVERRIDES_FILE --datastore
- 完了を確認します。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl check-ready -f OVERRIDES_FILE
Pod の準備ができた場合にのみ、次の手順に進みます。
- オーバーライドを適用してテレメトリー コンポーネントをアップグレードし、完了を確認します。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl apply -f OVERRIDES_FILE --telemetry
$APIGEECTL_HOME/apigeectl check-ready -f OVERRIDES_FILE
- Redis コンポーネントを起動します。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl apply -f OVERRIDES_FILE --redis
- オーバーライドを適用して、組織レベルのコンポーネント(MART、Watcher、Apigee Connect)をアップグレードし、完了を確認します。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl apply -f OVERRIDES_FILE --org
$APIGEECTL_HOME/apigeectl check-ready -f OVERRIDES_FILE
- オーバーライドを適用して環境をアップグレードします。次の 2 つの選択肢があります。
- 環境ごと: 一度に 1 つの環境にオーバーライドを適用して、完了を確認します。この手順を環境ごとに繰り返します。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl apply -f OVERRIDES_FILE --env ENV_NAME
$APIGEECTL_HOME/apigeectl check-ready -f OVERRIDES_FILE
ここで、ENV_NAME はアップグレードする環境の名前です。
- 一度にすべての環境: すべての環境にオーバーライドを一度に適用して、完了を確認します。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl apply -f OVERRIDES_FILE --all-envs
$APIGEECTL_HOME/apigeectl check-ready -f OVERRIDES_FILE
- 環境ごと: 一度に 1 つの環境にオーバーライドを適用して、完了を確認します。この手順を環境ごとに繰り返します。
- オーバーライドを適用して
virtualhosts
コンポーネントをアップグレードし、完了を確認します。$APIGEECTL_HOME/apigeectl apply -f OVERRIDES_FILE --settings virtualhosts
$APIGEECTL_HOME/apigeectl check-ready -f OVERRIDES_FILE
非本番環境
非本番環境、デモ環境、試験運用版環境の大半では、すべてのコンポーネントに同時にオーバーライドを適用できます。非本番環境が大規模で複雑な場合や、本番環境とよく似ている場合は、本番環境をアップグレードするための手順の実施をおすすめします。
- 現在のディレクトリが
hybrid-files
ディレクトリであることを確認します。 $APIGEECTL_HOME/apigeectl apply -f OVERRIDES_FILE
- ステータスを確認します。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl check-ready -f OVERRIDES_FILE
- 現在のディレクトリが
1.9.4-hotfix.1
をインストールする
ホットフィックス リリース 1.9.4-hotfix.1
をインストールする手順は次のとおりです。
- この手順を実施するには、Apigee ハイブリッド バージョン 1.9.4 以降を使用している必要があります。1.9.4 以降を使用していない場合は、続行する前に 1.9.4 にアップグレードしてください。
overrides.yaml
ファイルを開きます。istiod
スタンザで、イメージタグのバージョン(存在する場合)をバージョン1.17.7
に変更します。次に例を示します。istiod: image: url: "gcr.io/apigee-release/hybrid/apigee-asm-istiod" tag: "1.17.7-asm.0-distroless"
- Apigee ハイブリッドのインストール方法によって、
ingressGateway
スタンザまたはingressGateways
スタンザを使用できます。オーバーライド ファイルにあるスタンザを見つけて、イメージタグのバージョン(存在する場合)をバージョン1.17.7
に変更します。たとえば、ingressGateway
スタンザがあるとします。ingressGateway: image: url: "gcr.io/apigee-release/hybrid/apigee-asm-ingress" tag: "1.17.7-asm.0-distroless"
ingressGateways
スタンザの場合は、次のようにします。ingressGateways: - name: gateway1 image: url: "gcr.io/apigee-release/hybrid/apigee-asm-ingress" tag: "1.17.7-asm.0-distroless" ... - name: gateway2 image: url: "gcr.io/apigee-release/hybrid/apigee-asm-ingress" tag: "1.17.7-asm.0-distroless" ...
- ファイルを保存します。
- 次のコマンドを実行して、
istiod
コンポーネントを初期化します。$APIGEECTL_HOME/apigeectl init -f OVERRIDES_FILE
$APIGEECTL_HOME/apigeectl check-ready -f OVERRIDES_FILE
- 次のコマンドを実行して、Apigee Ingress コンポーネントに変更を適用します。複数の組織がある場合は、組織ごとにこのコマンドを繰り返します。
$APIGEECTL_HOME/apigeectl apply --org -f OVERRIDES_FILE
$APIGEECTL_HOME/apigeectl check-ready -f OVERRIDES_FILE
- Pod のステータスを確認します。
kubectl get pods -n YOUR_APIGEE_NAMESPACE
Kubernetes のバージョンをアップグレードする
Kubernetes プラットフォームをハイブリッド 1.9 でサポートされているバージョンにアップグレードします。ヘルプが必要な場合は、プラットフォームのドキュメントをご覧ください。
アップグレードのロールバック
以前のアップグレードをロールバックする手順は次のとおりです。
- ハイブリッド ランタイムの名前空間に対して、完了したジョブのクリーンアップを行います。ここで、名前空間を指定した場合、NAMESPACE はオーバーライド ファイルで指定した名前空間になります。指定しない場合、デフォルトの名前空間は
apigee
です。kubectl delete job -n NAMESPACE \ $(kubectl get job -n NAMESPACE \ -o=jsonpath='{.items[?(@.status.succeeded==1)].metadata.name}')
apigee-system
名前空間で完了したジョブをクリーンアップします。kubectl delete job -n apigee-system \ $(kubectl get job -n apigee-system \ -o=jsonpath='{.items[?(@.status.succeeded==1)].metadata.name}')
- 以前のバージョンの
apigeectl
を含むディレクトリを指すようにAPIGEECTL_HOME
変数を変更します。次に例を示します。export APIGEECTL_HOME=PATH_TO_PREVIOUS_APIGEECTL_DIRECTORY
- ロールバックするインストールのルート ディレクトリで、
apigeectl apply
を実行し、Pod のステータスを確認してからapigeectl init
を実行します。ロールバックするバージョンの元のオーバーライド ファイルを必ず使用してください。- ハイブリッド ファイル ディレクトリで、
apigeectl apply
を実行します。$APIGEECTL_HOME
/apigeectl apply -f ORIGINAL_OVERRIDES_FILEここで、ORIGINAL_OVERRIDES_FILE は、以前のバージョンのハイブリッド インストールのオーバーライド ファイルの相対パスとファイル名です(例:
./overrides/overrides1.8.yaml
)。 - Pod のステータスを確認します。
kubectl -n NAMESPACE get pods
ここで、NAMESPACE は Apigee ハイブリッドの名前空間です。
apigeeds
のステータスを確認します。kubectl describe apigeeds -n apigee
出力は次のようになります。
Status: Cassandra Data Replication: Cassandra Pod Ips: 10.8.2.204 Cassandra Ready Replicas: 1 Components: Cassandra: Last Successfully Released Version: Revision: v1-f8aa9a82b9f69613 Version: v1 Replicas: Available: 1 Ready: 1 Total: 1 Updated: 1 State: running Scaling: In Progress: false Operation: Requested Replicas: 0 State: running
apigeeds
Pod が実行されている場合にのみ、次の手順に進みます。- 次のコマンドを実行して、アップグレード後に Message Processor の新しいレプリカ数の値をメモします。これらの値が、以前に構成した値と一致しない場合は、オーバーライド ファイルの値を以前の構成と一致するように変更します。
apigeectl apply -f ORIGINAL_OVERRIDES_FILE --dry-run=client --print-yaml --env ENV_NAME 2>/dev/null |grep "runtime:" -A 25 -B 1| grep "autoScaler" -A 2
出力は次のようになります。
autoScaler: minReplicas: 2 maxReplicas: 10
apigeectl init
を実行します。$APIGEECTL_HOME
/apigeectl init -f ORIGINAL_OVERRIDES_FILE
- ハイブリッド ファイル ディレクトリで、