概要
問題の自動検出(AIS)は、ハイブリッド クラスタ内で検出された継続的な問題のクイック情報を提供します。この情報には、トラブルシューティングと解決に関するドキュメントへのリンクが含まれています。問題の自動検出では、システム上で検出可能な既知の一般的な問題のみが検出され、クラスタ内のすべての問題を検出することはできません。
Apigee ハイブリッド v1.10 以降では、Apigee ランタイム Watcher コンポーネントが、コントロール プレーンと Kubernetes API サーバーの状態を自動的にスキャンして、構成の問題があるかどうかを確認します。デフォルトでは、スキャンは 60 秒ごとに実行されます。必要に応じて、更新間隔の変更やスキャンの無効化を行えます。
AIS は問題を検出すると、Kubernetes API サーバー内に ApigeeIssue
の新しいインスタンスを作成します。これらのインスタンスには、問題に関する情報と、特定の問題に関するドキュメントへのリンクが含まれています。
問題を解決して、スキャンによって問題が発生していないと判断されると、Kubernetes API サーバーから自動的に削除されます。
問題の自動検出の使用
kubectl get apigeeissues
コマンドで既存の問題を確認します。
kubectl -n apigee get apigeeissues
次に例を示します。
kubectl -n apigee get apigeeissues NAME SEVERITY AGE URL vhost-missing-eg-nonprod Error 1hr https://cloud.google.com/apigee/docs/hybrid/MISSING_ENV_GROUP control-plane-connectivity-failure Error 1d https://cloud.google.com/apigee/docs/hybrid/OLD_TLS_VERSION
特定の問題の詳細を確認するには、問題の名前を指定して kubectl describe
コマンドを使用します。名前の前に apigeeissues/
を付ける必要があります(例: apigeeissues/vhost-missing-eg-nonprod
)。
kubectl -n apigee describe apigeeissues/vhost-missing-eg-nonprod Name: vhost-missing-eg-nonprod Namespace: apigee Labels:Annotations: API Version: apigee.cloud.google.com/v1alpha1 Kind: ApigeeIssue Metadata: Creation Timestamp: 2022-08-25T20:41:56Z Managed Fields: API Version: apigee.cloud.google.com/v3 Resource Version: 12345678 UID: aaaaaaaa-bbbb-cccc-dddd-eeeeffffgggg Spec: Severity: Error Reason: MISSING_ENV_GROUP Details: Expected envgroup "nonprod" for ApigeeRouteConfig "my-org-nonprod" Documentation: https://cloud.google.com/apigee/docs/hybrid/MISSING_ENV_GROUP Ignore: false IgnoreReason: Events:
スキャン間隔の変更
デフォルトでは、Watcher は 60 秒ごとにコントロール プレーンをスキャンし、問題がないかを確認します。スキャン間隔を変更するには、オーバーライド ファイルの watcher.args.issueScanInterval
プロパティで新しい間隔を秒単位で指定します。例:
watcher: args: issueScanInterval: 120
構成を適用します。
Helm
各 Apigee 環境の apigee-env
チャートをアップグレードします。
helm upgrade ENV_NAME apigee-env/ \ --install \ --namespace NAMESPACE \ --set env=ENV_NAME \ --atomic \ -f overrides.yaml
apigeectl
すべての環境に変更を適用します。
apigeectl apply -f overrides --all-envs
問題の自動検出を無効にする
問題の自動検出を無効にするには、オーバーライド ファイルで watcher.args.enableIssueScanning
プロパティを false
に設定します。例:
watcher: args: enableIssueScanning: false
構成を適用します。
Helm
各 Apigee 環境の apigee-env
チャートをアップグレードします。
helm upgrade ENV_NAME apigee-env/ \ --install \ --namespace NAMESPACE \ --set env=ENV_NAME \ --atomic \ -f overrides.yaml
apigeectl
すべての環境に変更を適用します。
apigeectl apply -f overrides --all-envs
関連するトラブルシューティング ガイド
問題の自動検出により、次のようなトラブルシューティング ガイドへの直接リンクが提供されます。- ランタイム プレーンとコントロール プレーンがネットワーク接続されていない
- 仮想ホストに環境グループが存在しない
- 仮想ホストにセレクタがない
- Ingress 証明書の不一致
- Ingress 証明書の期限切れ
- Ingress mTLS CA 証明書の期限切れ
- Ingress mTLS CA 証明書が無効