データ所在地の概要

このドキュメントでは、Apigee のデータ所在地について説明します。

概要

多くの業界や企業では、クラウド サービスを使用すると、セキュリティ チームとコンプライアンス チームによる監視がさらに強化されます(クラウドに保存されるデータ、データの保存場所、データにアクセスできるユーザー、データを閲覧できるユーザーなどの監視)。これに加え、多くの国では、個人を特定できる情報(PII)データを国外や地域外に保存することを禁止するデータ プライバシー法が可決されています。

Apigee のデータ所在地では、コンプライアンスと規制の要件を満たせるよう、Apigee データが保存される地理的位置(リージョン)をユーザーが指定できるようになっています。これまで、Apigee ではユーザーがインスタンスのリージョンと分析リージョンを選択できましたが、Apigee には API プロキシ バンドルや他の顧客データといったグローバル インフラストラクチャもあります。データ所在地でコントロール プレーンのロケーションを選択すると、お客様のすべてのコンテンツが指定されたリージョンに保存されます。

Apigee では、FedRAMP High およびその他の認定の取得を進めています。Apigee はエンジニアリングの面からリージョン化されたスタックを実装していますが、実際の認定が承認されるまでは、データ所在地を契約で保証することはできません。

データ所在地の互換性

データ所在地は、次を対象に使用できます。

現在のところ、次を対象としたデータ所在地の使用はサポートされていません。

要点

Apigee のインストールでデータ所在地を有効にする場合は、次の要点に注意してください。

  • Apigee をプロビジョニングするときに、データ所在地を有効にする必要があります。すでにプロビジョニングされている組織でデータ所在地を有効にすることはできません。
  • デフォルトでは、Apigee 組織の作成時にデータ所在地(リージョン化)を選択しない限り、コントロール プレーンはグローバル エンティティとなります。後で変更することはできません。データ所在地とコントロール プレーンのロケーションを選択した後は、ロケーションを変更できません。後で別のロケーションが必要になった場合は、新しい Google Cloud プロジェクトを作成する必要があります。
  • 組織のプロビジョニング時:
    • データ所在地を使用しない場合: ANALYTICS_REGION でリージョンを指定します。
    • データ所在地を使用する場合: CONTROL_PLANE_LOCATION でリージョンを指定し、CONSUMER_DATA_REGION でサブリージョンを指定します。データ所在地のリージョンをご覧ください。
  • Apigee をプロビジョニングする管理者は、次のことを行う必要があります。
    • Apigee ユーザー(API デベロッパーや他の管理者など)に、データ所在地の構成について通知します。
    • リソース ロケーションの制限の説明に沿ってロケーションの組織のポリシーを設定します。
  • Apigee 管理 API の API デベロッパー、管理者、またはその他のユーザーは、新しい Data Residency API サービス エンドポイントを使用する必要があります。

データ所在地のリージョン

データ所在地では、プロビジョニング時にデータの保存先とするリージョン(物理的なロケーション)を選択できます。

リージョン(例: us)を指定するときは、単一のリージョンでのみ実行できる他のサービス(アナリティクス レポートなど)にも単一のリージョン(例: us-west1)を指定する必要があります。

すべてのリソースは、指定されたリージョン内に存在する必要があります。たとえば、CONTROL_PLANE_LOCATION として us を選択した場合、他の Apigee リソース(ランタイム インスタンス、参照 CMEK、エンドポイント アタッチメントなど)も us リージョン内に存在していなければなりません。

データ所在地を選択した場合、保存されるデータのタイプは、コントロール プレーン データおよび消費者データと呼ばれます。

コントロール プレーン データは、分析データ、API プロキシ、ターゲット サーバー、トラストストア、キーストアなど、ランタイム間で共有されるデータです。消費者データは、単一のリージョンで実行されているサービスによって処理される分析データです。

現在サポートされているコントロール プレーン リージョンについては、Apigee のロケーションをご覧ください。

データ所在地のサービス エンドポイント

サービス エンドポイントは、API サービスのネットワーク アドレスを指定するベース URL です。

Apigee API サービス エンドポイント(ホスト名)は apigee.googleapis.com です。

  • データ所在地を使用しない場合:

    次のサービス エンドポイントを使用します。

    apigee.googleapis.com

    例:

    curl "https://apigee.googleapis.com/v1/organizations?parent=projects/$PROJECT_ID" ...

  • データ所在地を使用する場合:

    サービス エンドポイントの先頭にコントロール プレーンのリージョンを追加します。

    CONTROL_PLANE_LOCATION-apigee.googleapis.com

    例:

    curl "https://CONTROL_PLANE_LOCATION-apigee.googleapis.com/v1/organizations?parent=projects/$PROJECT_ID" ...

    ここで、CONTROL_PLANE_LOCATION はプロビジョニング時に指定された、Apigee コントロール プレーン データを保存する物理的なロケーションです。

    例:

    curl "https://us-apigee.googleapis.com/v1/organizations?parent=projects/$PROJECT_ID" ...

リージョンの確認方法

データ所在地で使用する組織(PROJECT_ID)をすでにプロビジョニングしている場合、プロジェクトに関連付けられているリージョンを確認するには、getProjectMapping API を使用します。

  1. Google ユーザー認証情報を使用して gcloud に Cloud Platform へのアクセスを認可します。
    gcloud auth login
  2. API を呼び出します。
    curl -X GET https://apigee.googleapis.com/v1/organizations/PROJECT_ID:getProjectMapping/" \
        -H "Authorization: Bearer $(gcloud auth print-access-token)"

    ここで、PROJECT_ID は Apigee 組織名または Google Cloud プロジェクト ID です。

    次のような内容が返されます。

    {
      "organization": "my-project",
      "projectIds": [
        "my-project"
      ],
      "projectId": "my-project"
      "location": "us"
    }

データ所在地の暗号化

CMEK の概要をご覧ください。

データ所在地と組織のポリシーの制約

Google Cloud の組織のポリシーの制約を使用すると、一連のロケーションを定義して、Google Cloud 組織でロケーション ベースの Google Cloud リソースを作成できます。リソース ロケーションの制約constraints/gcp.resourceLocations)を使用する Google Cloud の組織のポリシーがある場合、この制約は Apigee のプロビジョニング時に作成される次の Apigee リソースに適用されます。

リソース ロケーションの制約が適用される Google Cloud プロジェクト内に新しい Apigee 組織をプロビジョニングする場合は、ロケーションの制約が Apigee 組織で指定されたコントロール プレーンのロケーションと互換性があることを確認する必要があります。

  • データ所在地を使用せずに Apigee 組織をプロビジョニングする場合は、Google Cloud の組織のポリシーでリソース ロケーションの制約を global に設定する必要があります。デフォルトでは、Apigee コントロール プレーンはグローバル エンティティであるため、global 以外の制約が適用されると、プロビジョニングは失敗します。
  • データ所在地を使用して Apigee 組織をプロビジョニングする場合、Google Cloud の組織のポリシーで設定されているリソース ロケーションの制約によって、コントロール プレーン データ用に選択したリージョンが除外されないことを確認してください。そうでないと、プロビジョニングが失敗します。