Cloud Digital Leader

認定試験ガイド

Cloud Digital Leader は、Google Cloud の 中核的なプロダクトやサービスの機能と、それらが組織にもたらすメリットを明確にできます。また、Cloud Digital Leader は、一般的なビジネス ユースケースや、クラウド ソリューションが企業をどのように支えているかを説明することができます。Cloud Digital Leader の認定試験は特定の職に就いていることを条件とせず、Google Cloud の実務経験も必要ありません。


セクション 1: Google Cloud によるデジタル トランスフォーメーション(試験内容の約 17%)

1.1 クラウド テクノロジーがビジネスに変革を起こす理由

     クラウドがビジネスに革命を起こす理由とその方法を説明する。

                 用語を定義する(クラウド、クラウド テクノロジー、データ、デジタル トランスフォーメーション、クラウドネイティブ、オープンソース、オープン標準)。

                 クラウド テクノロジーと従来の(オンプレミス)テクノロジーの違いを説明 する。

                 企業のデジタル トランスフォーメーションに対するクラウド テクノロジーのメリットを説明する(スケーラブル、柔軟、アジャイル、安全、費用対効果が高い、戦略的な価値を提供する)。

                 オンプレミス インフラストラクチャ、パブリック クラウド、プライベート クラウド、ハイブリッド クラウド、マルチクラウドの主なメリットとこれらの違いを説明する。

                 Google Cloud のビジネス トランスフォーメーションの主なメリットを説明する(インテリジェンス、自由度、コラボレーション、信頼、サステナビリティ)。

                 新しいテクノロジーを採用しない組織への影響とリスクを説明する。

                 組織をデジタル トランスフォーメーションに導く推進要因と課題を説明する。

                 トランスフォーメーション クラウドについて説明し、アプリとインフラストラクチャのモダナイゼーション、データの民主化、人々のつながり、信頼できるトランザクションを通じて組織のデジタル トランスフォーメーションを加速する仕組みを説明する。

1.2 クラウドの基本的なコンセプト

     クラウドの基本的なコンセプトを解説する。

                 クラウド インフラストラクチャへの移行が柔軟性、スケーラビリティ、信頼性、弾力性、アジリティ、総所有コスト(TCO)にどのように影響するかを説明し、これらのコンセプトをさまざまなビジネス ユースケースに適用する。

                 組織のオンプレミス環境からクラウドへの移行により、資本支出(CapEx)が運用支出(OpEx)に移行されて、総所有コスト(TCO)にどのような影響がもたらされるのかを説明する。

                 さまざまなビジネス ユースケースにプライベート、ハイブリッド、マルチクラウドの各インフラストラクチャが最も適している状況を識別する。

                 ネットワーク インフラストラクチャの基本用語を定義する(IP アドレス、インターネット サービス プロバイダ(ISP)ドメイン ネームサーバー(DNS)、リージョン、ゾーン、光ファイバー、海底ケーブル、ネットワーク エッジ データセンター、レイテンシ、帯域幅など)。

                 信頼できる高速ネットワークで接続されたグローバルなインフラストラクチャとデータセンターにより、Google Cloud がデジタル トランスフォーメーションをどのようにサポートするかを説明する。

1.3 クラウド コンピューティング モデルと責任共有

     Infrastructure as a Service(IaaS)、Platform as a Service(PaaS)、Software as a Service(SaaS)のメリットとトレードオフについて検討する。

                 IaaS、PaaS、SaaS を定義する。

                 総所有コスト(TCO)、柔軟性、責任共有、管理レベル、必要な人員と技術的な専門知識など、IaaS、PaaS、SaaS のメリットとトレードオフを比較、対比する。

                 さまざまなビジネス シナリオやユースケースに適したコンピューティング モデル(IaaS、PaaS、SaaS)を判断する。

                 クラウドの責任共有モデルについて説明する。オンプレミス モデルとクラウド コンピューティング モデル(IaaS、PaaS、SaaS)において、クラウド プロバイダが負う責任とお客様が負う責任を比較する。

セクション 2: Google Cloud によるデータ トランスフォーメーションの探求(試験内容の約 16%)

2.1 データの価値

     組織のデジタル トランスフォーメーションにおいてデータが果たす本質的な役割について説明する。

                 データによってどのようにビジネス インサイトが生まれ、意思決定が促され、新しい価値が創出されるかを説明する。

                 データ マネジメントの基本的な各種コンセプトの違いについて説明する(特にデータベース、データ ウェアハウス、データレイク)。

                 組織が既存のデータを使用したり、新しいデータを収集したり、データを外部から調達したりして価値を創出する方法について説明する。

                 クラウドが、構造化データや手つかずの非構造化データなどのあらゆるタイプのデータからビジネス価値を引き出す仕組みについて説明する。

                 データ バリュー チェーンの主なコンセプトと用語について説明する。

                 データ ジャーニーを成功に導くためのデータ ガバナンスの重要性について説明する。

2.2 Google Cloud のデータ マネジメント ソリューション

     ビジネス上のさまざまなユースケースに対し、どの Google Cloud データ マネジメント プロダクトを利用すべきかを決定する。

                 データのタイプや一般的なビジネス ユースケースなどの観点から、Google Cloud の各種データ マネジメント オプションの違いについて説明する(Cloud Storage、Cloud Spanner、Cloud SQL、Cloud Bigtable、BigQuery、Firestore など)。

                 データ マネジメントに関する主なコンセプトと用語を定義する(リレーショナル、非リレーショナル、オブジェクト ストレージ、構造化クエリ言語(SQL)、NoSQL など)。

                 BigQuery をマルチクラウド環境で使用可能なサーバーレス マネージド データ ウェアハウス兼分析エンジンとして使用するメリットについて説明する。

                 Cloud Storage の各ストレージ クラスの違いについて、費用とアクセス頻度の観点から説明する(Standard、Nearline、Coldline、Archive など)。

                 組織の既存のデータベースをクラウドに移行したりモダナイズしたりするための方法について説明する。

2.3 データを有用かつアクセス可能にする

     スマート アナリティクス、ビジネス インテリジェンス ツール、ストリーミング分析がさまざまなビジネス ユースケースに価値をもたらす仕組みを検証する。

                 Looker を使用してユーザーが独自にビジネス インテリジェンスを利用し、インサイトを生成することで、誰もがデータにアクセスできるようになる仕組みについて説明する。

                 BigQuery のデータを Looker で分析、可視化してリアルタイムのレポートやダッシュボードを作成したりデータをワークフローに統合したりする価値について説明する。

                 リアルタイムでのストリーミング分析によってデータの有用性が向上し、ビジネス価値が生まれる仕組みを説明する。

                 Pub/Sub、Dataflow など、データ パイプラインをモダナイズする主な Google Cloud プロダクトについて説明する。

セクション 3: Google Cloud の AI を活用したイノベーション(試験内容の約 16%)

3.1 AI と ML の基礎知識

     AI と ML の主要コンセプトについて取り上げ、ML でどのようにビジネス価値を創出できるかについて説明する。

                 AI と ML を定義する。

                 AI や ML の機能と、データ分析やビジネス インテリジェンスの機能との違いについて説明する。

                 ML でどのような問題を解決できるのかについて説明する。

                 ML で創出できるビジネス価値について説明する(大規模なデータセットの処理、ビジネス上の意思決定能力の拡張、非構造化データからの価値の引き出しなど)。

                 高品質で正確なデータが ML モデルの成功に不可欠な理由について説明する。

                 説明可能な AI、責任ある AI の重要性について説明する。

3.2 Google Cloud の AI / ML ソリューション

     Google Cloud で利用可能な AI / ML ソリューションおよびプロダクトにはどのようなものがあるか、さまざまなビジネス ユースケースに最適なソリューションをどのように選択するかについて説明する。

                 Google Cloud AI / ML ソリューションおよびプロダクトを選択する際に組織が考慮すべき、決定が必要な事項やトレードオフ(迅速性、労力、差別化、必要な専門知識など)について説明する。

                 ビジネスのさまざまなユースケースに対して、どの Google Cloud AI / ML ソリューションおよびプロダクト(事前トレーニング済みの API、AutoML、カスタムモデルの構築など)が適しているのかについて検討する。

3.3 Google Cloud AI / ML ソリューションの構築と使用

     Google Cloud の事前トレーニング済み API、AutoML、カスタム AI / ML プロダクトによってビジネス価値を生み出す方法について説明する。

                 BigQuery ML を使用して、標準 SQL クエリによって BigQuery 内で ML モデルを作成、実行する方法について説明する。

                 ビジネスのさまざまなユースケースに最適な Google Cloud の事前トレーニング済み API を選択する(Natural Language API、Vision API、Cloud Translation API、Speech-to-Text API、Text-to-Speech API など)。

                 組織が独自のデータを使用して AutoML でカスタム ML モデルをトレーニングすることにより、どのようにビジネス価値を創出できるかについて説明する。

                 Google Cloud の Vertex AI を使用したカスタムモデルの構築によって、どのようにビジネスの差別化の機会を創出できるかについて説明する。

                 TensorFlow が ML モデルの構築とトレーニングのためのエンドツーエンドのオープンソース ツールセットであること、さらに Cloud Tensor Processing Unit(TPU)が TensorFlow と ML のパフォーマンスを高めるよう最適化された Google 独自のハードウェアであることを確認する。

セクション 4: Google Cloud によるインフラストラクチャとアプリケーションのモダナイゼーション(試験内容の約 17%)

4.1 クラウドへの移行とモダナイゼーション

     組織で行う変革への取り組みで、モダナイゼーションとクラウドへの移行が重要なステップとなる理由を明らかにするとともに、アプリケーションごとに過程が異なる場合があるという点について説明する。

                 インフラストラクチャとアプリケーションを Google Cloud でモダナイズするメリットについて説明する。

                 クラウドへの移行に関する主な用語を定義する(ワークロード、使用停止、保持、再ホスト、リフト&シフト、リプラットフォーム、移行と改良、リファクタリング、再定義など)。

4.2 クラウドにおけるコンピューティング

     コンピューティング ワークロードをクラウドで実行する場合のオプションとメリットについて説明する。

                 クラウド コンピューティングの主な用語を定義する(仮想マシン(VM)、コンテナ化、コンテナ、マイクロサービス、サーバーレス コンピューティング、プリエンプティブル VM、Kubernetes、自動スケーリング、ロード バランシングなど)。

                 コンピューティング ワークロードをクラウドで実行することによってもたらされるメリットとビジネス価値について説明する。

                 コンピューティング オプションの選択肢とそれぞれの制約について説明する。

                 Compute Engine を使用して Google のインフラストラクチャで仮想マシンを作成、実行することによってもたらされるビジネス価値について説明する。

                 特殊なレガシー アプリケーションの移行パスとして再ホストを選択することによってもたらされるビジネス価値について説明する。

4.3 サーバーレス コンピューティング

     アプリケーション モダナイゼーションでサーバーレス コンピューティングを使用するメリットについて説明する。

                 サーバーレス コンピューティングのメリットについて説明する。

                 Cloud Run、App Engine、Cloud Functions など、Google Cloud のサーバーレス コンピューティング プロダクトを使用することによってもたらされるビジネス価値について説明する。

4.4 クラウドのコンテナ

     アプリケーション モダナイゼーションでコンテナを使用するメリットについて説明する。

                 最新のクラウド アプリケーション開発を採用するメリットについて説明する。

                 仮想マシンとコンテナの違いについて説明する。

                 アプリケーション モダナイゼーションに対するコンテナとマイクロサービスの主なメリットについて説明する。

                 Google Kubernetes Engine(GKE)、Cloud Run などの Google Cloud プロダクトを使用してコンテナをデプロイすることによってもたらされるビジネス価値について説明する。

4.5 API の価値

     アプリケーション プログラミング インターフェース(API)が持つビジネス上の価値について説明する。

                 アプリケーション プログラミング インターフェース(API)を定義する。

                 API の公開と収益化によって組織にもたらされる新たなビジネスの機会について説明する。

                 Apigee API 管理を使用することによってもたらされるビジネス価値について説明する。

4.6 ハイブリッド クラウドとマルチクラウド

     ハイブリッドやマルチクラウドの戦略を選択するビジネス上の理由と、そうした戦略の実行を可能にする Anthos の機能について説明する。

                 組織がハイブリッド / マルチクラウド戦略を採用する理由とそのユースケースについて説明する。

                 ハイブリッド / マルチクラウド インフラストラクチャ管理用の単一のコントロール パネルとして Anthos を使用することのビジネス価値について説明する。

セクション 5: Google Cloud で実現する信頼とセキュリティ(試験内容の約 17%)

5.1 クラウドにおける信頼性とセキュリティ

     クラウド セキュリティの基本コンセプトについて説明する。

                 昨今の特に重大なサイバーセキュリティの脅威と、それが企業に及ぼす影響について説明する。

                 クラウド セキュリティと従来のオンプレミス セキュリティの違いを説明する。

                 クラウド セキュリティ モデルにおける管理、コンプライアンス、機密性、完全性、可用性の重要さを説明する。

                 セキュリティに関する主要な用語とコンセプトを定義する。

5.2 信頼性の確保された Google のインフラストラクチャ

     インフラストラクチャ セキュリティに対する Google のマルチレイヤ型の多層防御アプローチよってもたらされるビジネス価値について説明する。

                 Google が目的に特化したサーバー、ネットワーク、カスタム セキュリティ ハードウェア / ソフトウェアを使用して独自のデータセンターを設計、構築することのメリットについて説明する。

                 組織のデータを保護するうえでの暗号化の役割と、さまざまな状態においてリスクにさらされているデータを暗号化が保護する仕組みについて説明する。

                 認証、認可、監査の違いを明らかにする。

                 2 段階認証プロセス(2SV)と IAM を使用するメリットについて説明する。

                 分散型サービス拒否攻撃(DDoS)に対する Google Cloud Armor を使用した防御など、ネットワーク攻撃に対する Google プロダクトを使用した防御方法について説明する。

                 クラウドにおけるセキュリティ運用(SecOps)を定義し、それが企業にもたらすメリットを説明する。

5.3 Google Cloud の信頼に関する原則とコンプライアンス

     Google Cloud がクラウドでお客様の信頼をどのように獲得および維持するのかについて説明する。

                 Google Cloud の信頼に関する原則が、クラウド内の企業データを保護、管理する共同責任に対する姿勢にどのように反映されているかについて説明する。

                 透明性レポートの共有と、独立した第三者機関による監査が、お客様の Google に対する信頼をどのように支えているのかについて説明する。

                 なぜデータ主権とデータ所在地が要件となる場合があるのか、Google Cloud がどのようにして組織によるデータ保存場所の指定を可能にしているのかについて説明する。

                 コンプライアンスに関する業界と地域のニーズに、Google Cloud のコンプライアンス リソース センターと Compliance Reports Manager がどのように応えているのかについて説明する。

セクション 6: Google Cloud 運用でのスケーリング(試験内容の約 17%)

6.1 財務ガバナンスとクラウド費用管理

     Google Cloud が組織の財務ガバナンスとクラウド費用の管理能力をどのようにサポートしているのかについて説明する。

                 クラウドの財務ガバナンスのベスト プラクティスを通して、クラウド リソースの予測可能性と制御を実現する方法について説明する。

                 クラウド費用管理に関する重要な用語とコンセプトを定義する。

                 リソース階層を使用したアクセス制御のメリットを説明する。

                 リソース割り当てのポリシーと予算しきい値のルールを使用してクラウド使用量を管理するメリットについて説明する。

                 組織が Cloud Billing レポートを使用して費用データを可視化する方法について説明する。

6.2 効果的な運用と信頼性の大規模な確保

     クラウドにおける最新の運用、信頼性、レジリエンスに関する基本的なコンセプトについて説明する。

                 Google Cloud を利用した運用のモダナイゼーションのメリットについて説明する。

                 クラウド運用に関する重要な用語を定義する。

                 高可用性と障害復旧のために、復元力が高くフォールト トレラントでスケーラブルなインフラストラクチャとプロセスを設計する重要性について説明する。

                 クラウドの信頼性、DevOps、SRE に関する主要な用語を定義する。

                 組織が Google Cloud カスタマーケアを利用してクラウド導入のサポートを受けることのメリットについて説明する。

                 Google Cloud カスタマーケア プロセスにおけるサポートケースのライフサイクルを説明する。

6.3 Google Cloud によるサステナビリティの実現

     Google Cloud が、組織におけるサステナビリティの目標達成と環境への影響の軽減をどのようにサポートしているのかについて説明する。

                 サステナビリティおよび環境への影響の軽減に対する Google Cloud のコミットメントを説明する。

                 Google Cloud が組織のサステナビリティの目標達成を支援するプロダクトをどのように提供しているかについて説明する。