Compute Engine では、常に暗号化されたローカルなソリッドステート ドライブ(SSD)のブロック ストレージが仮想マシン(VM)インスタンスに提供されます。各ローカル SSD のサイズは 375 GB ですが、1 つのインスタンスにつき 9 TB、最大 24 個のローカル SSD パーティションを接続できます。オプションで、複数のローカル SSD パーティションをフォーマットして単一の論理ボリュームにマウントすることもできます。
永続ディスクとは異なり、ローカル SSD は VM インスタンスをホストするサーバーに物理的に接続されます。この緊密な結合により、永続ディスクに比べて、優れたパフォーマンス、非常に高い 1 秒間の入力 / 出力オペレーション数(IOPS)、非常に低いレイテンシが実現されます。詳細については、ブロック ストレージのパフォーマンスをご覧ください。
ローカル SSD は、キャッシュ、処理空間、低価値データなどとして一時的に記憶する場合のみに適しています。一時的またはエフェメラルではないデータを保存するには、永続ストレージ オプションを使用します。
ローカル SSD を使用するインスタンスを停止すると再起動することはできません。ゲスト オペレーティング システムを介してローカル SSD を使用するインスタンスをシャットダウンすると、インスタンスを再起動することはできまず、ローカル SSD 上のデータは失われます。
ローカル SSD が冗長性または柔軟性の要件を満たさない場合は、ローカル SSD を他のストレージ オプションと組み合わせて使用できます。
始める前に
- このガイドのコマンドラインの例を使用する場合、以下を行ってください。
- gcloud コマンドライン ツールの最新バージョンをインストールするか、最新バージョンに更新します。
- デフォルトのリージョンとゾーンを設定します。
- このガイドの API の例を使用する場合、API アクセスを設定します。
- ローカル SSD を使用する前に、ローカル SSD の制限を確認します。
- 永続ディスクとローカル SSD の違いを確認します。
- GPU が接続された VM にローカル SSD を追加する場合は、GPU のリージョンとゾーンごとのローカル SSD の可用性をご覧ください。
最大容量 9 TB
次の方法でインスタンスを作成できます。
- 16 個のローカル SSD パーティション(6 TB のローカル SSD スペース、160 万の読み取り IOPS)
- 24 個のローカル SSD パーティション(9 TB のローカル SSD スペース、240 万の読み取り IOPS)
これは、事前定義の N1 マシンタイプとカスタム マシンタイプのインスタンスで使用できます。最大のパフォーマンスを得るには、32 個以上の vCPU を持つマシンタイプを選択します。ローカル SSD ディスクの読み取りと書き込みには、仮想マシンの CPU サイクルが必要です。高くて一貫性がある IOPS レベルを実現するには、入力オペレーションと出力オペレーションを処理するための空き CPU が必要です。詳しくは、ブロック ストレージのパフォーマンスをご覧ください。
ローカル SSD データの永続性
ローカル SSD を使用してインスタンスを作成する前に、ローカル SSD のデータがどのようなイベントで保持され、どのようなイベントで回復不能になるかを理解する必要があります。
ローカル SSD 上のデータは、次のイベントを介してのみ存続します。
- ゲスト オペレーティング システムを再起動した場合。
- インスタンスをライブ マイグレーション用に構成し、インスタンスにホスト メンテナンス イベントが適用される場合。
- ホストシステムでホストエラーが発生した場合、Compute Engine は可能な限り VM に再接続を試み、ローカル SSD のデータを保持しようとしますが、この処理が成功するとは限りません。成功した場合、VM が自動的に再起動します。再接続に失敗した場合、VM はデータなしで再起動します。
ローカル SSD のデータは、次のイベントでは保持されません。
- インスタンスを手動で停止した場合。
- ゲスト オペレーティング システムをシャットダウンし、インスタンスを強制的に停止した場合。
- インスタンスをプリエンプティブとして構成し、インスタンスにプリエンプション処理が適用される場合。
- ホスト メンテナンス イベントで停止するようにインスタンスを構成し、そのインスタンスにホスト メンテナンス イベントが発生した場合。
- ホストシステムにホストエラーが発生し、基礎となるドライブが 60 分以内に復旧しなかった場合。Compute Engine はローカル SSD のデータを保持しようと試みません。
- ローカル SSD を、誤って到達不能になるような構成にした場合。
- プロジェクト課金を無効にした場合。インスタンスは停止し、データが失われます。
ローカル SSD を使用するインスタンスを作成する
ローカル SSD は、仮想マシン インスタンスが実行されている物理マシン上に配置されるため、インスタンスの作成プロセスでのみ作成できます。ローカル SSD を起動デバイスとして使用することはできません。
ローカル SSD を作成した後は、使用する前に、デバイスをフォーマットしてマウントする必要があります。
Google Cloud Console、gcloud
ツール、または Compute Engine API を使用して、ローカル SSD を使用するインスタンスを作成できます。
Console
- Cloud Console で、[VM インスタンス] ページに移動します。
- [インスタンスを作成] をクリックします。
- [新しいインスタンスの作成] ページで、インスタンスのプロパティを入力します。
- [管理、セキュリティ、ディスク、ネットワーク、単一テナンシー] を展開します。
- [ディスク] をクリックし、[追加ディスク] の [新しいディスクを追加] をクリックします。
- [名前] フィールドに、新しいディスクの名前を入力します。
- [タイプ] として [ローカル SSD スクラッチ ディスク(最大 24 ディスク)] を選択します。
- [完了] をクリックします。
- [作成] をクリックしてインスタンスを作成します。
- After creating a local SSD, you must format and mount the device before you can use it.
gcloud
ローカル SSD が接続された VM インスタンスを作成するには、--local-ssd
フラグを使用して、インスタンスを作成するの手順に従います。これにより、ローカル SSD パーティションが作成されて接続されます。複数のローカル SSD パーティションを作成するには、--local-ssd
フラグを追加します。必要に応じて、インターフェースの値と各 --local-ssd
フラグのデバイス名を設定することもできます。
同様に、SCSI インターフェースを使用する 2 個のローカル SSD を含むインスタンスは次のようにして作成できます。
gcloud compute instances create example-instance \
--machine-type n2-standard-8 \
--local-ssd interface=[INTERFACE_TYPE] \
--local-ssd interface=[INTERFACE_TYPE] \
--image-project [IMAGE_PROJECT] \
--image-family [IMAGE_FAMILY]
ここで
[INTERFACE_TYPE]
は、このデバイスに使用するローカル SSD インターフェースです。ブートディスク イメージに最適化された NVMe ドライバがある場合はnvme
を指定し、他のイメージの場合はscsi
を指定してください。[INSTANCE_NAME]
は、新しいインスタンスの名前です。[IMAGE_FAMILY]
は、使用可能なイメージ ファミリーのうちのいずれかです。[IMAGE_PROJECT]
は、イメージ ファミリーが属するイメージ プロジェクトです。
必要に応じて、さまざまなパーティション用に nvme
と scsi
を組み合わせたものを使用した単一のインスタンスにローカル SSD パーティションを接続できます。nvme
デバイスのパフォーマンスは、インスタンスのブートディスク イメージにより異なります。
ローカル SSD を作成した後は、使用する前に、デバイスをフォーマットしてマウントする必要があります。
API
API から、initializeParams
プロパティを使って仮想マシン インスタンスを作成するときに、ローカル SSD デバイスを作成できます。次のプロパティも指定する必要があります。
diskType
: ローカル SSD に設定します。autoDelete
: true に設定します。type
:SCRATCH
に設定します。
次のプロパティは、ローカル SSD インスタンスには設定できません。
diskName
sourceImage
プロパティdiskSizeGb
起動ディスクとローカル SSD デバイスを含むインスタンスを作成するリクエストのペイロードの例を次に示します。
{
"machineType":"zones/us-central1-f/machineTypes/n2-standard-8",
"name":"local-ssd-instance",
"disks":[
{
"type":"PERSISTENT",
"initializeParams":{
"sourceImage":"projects/ubuntu-os-cloud/global/images/family/ubuntu-1604-lts"
},
"boot":true
},
{
"type":"SCRATCH",
"initializeParams":{
"diskType":"zones/us-central1-f/diskTypes/local-ssd"
},
"autoDelete":true,
"interface": "NVME"
}
],
"networkInterfaces":[
{
"network":"global/networks/default"
}
]
}
ローカル SSD を作成した後は、使用する前に、デバイスをフォーマットしてマウントする必要があります。
API でインスタンスを作成する方法の詳細については、Compute Engine API をご覧ください。
NVMe インターフェースまたは SCSI インターフェースを選択する
NVMe インターフェースまたは SCSI インターフェースを使用して、ローカル SSD をインスタンスに接続できます。NVMe と SCSI ドライバは、ほとんどの公開イメージに含まれています。ただし一部には、NVMe でインスタンスが最高のパフォーマンスを実現できるように最適化されたドライバが含まれているイメージや、SCSI インターフェースで最高のパフォーマンスを実現できるようにマルチキュー SCSI に対応しているイメージもあります。
- NVMe 用に最適化された公開イメージ
- Ubuntu 14.04 LTS イメージ
ubuntu-1404-trusty-v20170110
以降またはイメージ ファミリーubuntu-1404-lts
- Ubuntu 16.04 LTS イメージ
ubuntu-1604-xenial-v20170113
以降またはイメージ ファミリーubuntu-1604-lts
- Ubuntu 17.10 イメージ ファミリー
ubuntu-1710
- Ubuntu 18.04 LTS イメージ ファミリー
ubuntu-1804-lts
- Ubuntu 14.04 LTS イメージ
- マルチキュー SCSI 対応の公開イメージ
- Debian 9 Stretch イメージ、またはイメージ ファミリー
debian-9
。 - Ubuntu 14.04 LTS イメージ
ubuntu-1404-trusty-v20170807
以降またはイメージ ファミリーubuntu-1404-lts
- Ubuntu 16.04 LTS イメージ
ubuntu-1604-xenial-v20170803
以降またはイメージ ファミリーubuntu-1604-lts
- Ubuntu 17.10 イメージ ファミリー
ubuntu-1710
- Ubuntu 18.04 LTS イメージ ファミリー
ubuntu-1804-lts
- すべての Windows Server イメージ
- すべての SQL Server イメージ
- Debian 9 Stretch イメージ、またはイメージ ファミリー
必要に応じて、プロジェクトにインポートするカスタム イメージのマルチキュー SCSI を有効にできます。詳しくは、マルチキュー SCSI を有効にするをご覧ください。
有効な数のローカル SSD を選択する
複数のローカル SSD を単一の VM インスタンスに接続する場合、VM インスタンスのマシンタイプに応じて、接続できるローカル SSD の有効な数に関して特定の制約があります。VM のマシンタイプに応じて、1~8、16、24 個のローカル SSD を 1 つの VM に接続できます。詳細については、ローカル SSD およびマシンタイプの制限をご覧ください。
ローカル SSD デバイスのフォーマットとマウント
ローカル SSD パーティションを個別にフォーマットしてマウントする
ローカル SSD をインスタンスに接続する最も簡単な方法は、各デバイスを単一パーティションでフォーマットしてマウントすることです。または、複数のパーティションを単一の論理ボリュームに組み合わせることもできます。
Linux インスタンス
Linux インスタンスで新しいローカル SSD をフォーマットしてマウントします。必要に応じて任意のパーティション フォーマットと構成を使用できます。この例では、ext4
パーティションを 1 つ作成します。
[VM インスタンス] ページに移動します。
新しいローカル SSD を接続したインスタンスの隣にある [SSH] ボタンをクリックします。ブラウザが開き、インスタンスに対するターミナル接続が表示されます。
ターミナルでは、
lsblk
コマンドを使用して、マウントするローカル SSD を識別します。$ lsblk
SCSI モードのローカル SSD には、
sdb
といった標準の名前が割り当てられています。NVMe モードのローカル SSD には、nvme0n1
といった名前が割り当てられて、次の出力の NAME 列に表示されます。NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT sda 8:0 0 10G 0 disk └─sda1 8:1 0 10G 0 part / nvme0n1 259:0 0 375G 0 disk
ローカル SSD を ext4 ファイル システムでフォーマットします。次のコマンドを使用すると、ローカル SSD から既存のデータがすべて削除されます。
$ sudo mkfs.ext4 -F /dev/[SSD_NAME]
[SSD_NAME]
をフォーマットするローカル SSD の ID に置き換えます。たとえば、インスタンスの最初の NVMe ローカル SSD をフォーマットするにはnvme0n1
を指定します。デバイスをマウントできるディレクトリを作成するには、
mkdir
コマンドを使用します。$ sudo mkdir -p /mnt/disks/[MNT_DIR]
ここで、
[MNT_DIR]
はローカル SSD をマウントするディレクトリです。ローカル SSD をインスタンスにマウントします。必要に応じて、書き込みキャッシュのフラッシュを無効化すると、書き込みパフォーマンスを向上させることができます。ただし、無効化すると最大 2 秒間、キャッシュされたデータの書き込みの耐久性が低下する危険性があります。
$ sudo mount /dev/[SSD_NAME] /mnt/disks/[MNT_DIR]
ここで
[SSD_NAME]
は、マウントするローカル SSD の ID です。[MNT_DIR]
は、ローカル SSD をマウントするディレクトリです。
デバイスに対する読み取り / 書き込みアクセス権を構成します。この例では、デバイスへの書き込みアクセス権をすべてのユーザーに付与します。
$ sudo chmod a+w /mnt/disks/[MNT_DIR]
ここで、
[MNT_DIR]
はローカル SSD をマウントするディレクトリです。
ローカル SSD を /etc/fstab
ファイルに追加して、インスタンスの再起動時にデバイスが自動的にマウントされるようにすることもできます。このエントリは、インスタンスが停止した場合、ローカル SSD 上のデータを保持しません。ローカル SSD データの永続性の詳細は、ローカル SSD データの永続性をご覧ください。
/etc/fstab
ファイルのエントリを指定する場合は、必ず nofail
オプションを含め、ローカル SSD が存在しない場合でも、インスタンスが起動できるようにします。たとえば、ブートディスクのスナップショットを取り、どのようなローカル SSD も接続しないで新しいインスタンスを作成した場合、インスタンスが起動プロセスを続行することができ、無期限に一時停止することはありません。
/etc/fstab
エントリを作成します。blkid
コマンドを使用して、デバイス上のファイル システムの UUID を検索し、UUID をマウント オプションとともに含めるように/etc/fstab
ファイルを編集します。この手順は 1 つのコマンドで完了できます。例:$ echo UUID=`sudo blkid -s UUID -o value /dev/disk/by-id/google-local-ssd-0` /mnt/disks/[MNT_DIR] ext4 discard,defaults,nofail 0 2 | sudo tee -a /etc/fstab
ここで、
[MNT_DIR]
はローカル SSD をマウントするディレクトリです。cat
コマンドを使用して、/etc/fstab
エントリが正しいことを確認します。$ cat /etc/fstab
このインスタンスの起動ディスクからスナップショットを作成し、それを使用してローカル SSD がない別のインスタンスを作成する場合は、/etc/fstab
ファイルを編集して、このローカル SSD アレイのエントリを削除します。nofail
オプションを使用する場合でも、インスタンスに接続されているパーティションとの /etc/fstab
ファイルの同期を維持し、ブートディスクのスナップショットを作成する前に、これらのエントリを削除します。
Windows インスタンス
Windows の [ディスクの管理] ツールを使用して、Windows インスタンス上のローカル SSD をフォーマットしてマウントします。
RDP を使用して インスタンスに接続します。この例では、[VM インスタンス] ページに移動し、ローカル SSD が接続されているインスタンスの隣の [RDP] ボタンをクリックします。ユーザー名とパスワードを入力すると、ウィンドウが開き、サーバーに対するデスクトップ インターフェースが表示されます。
Windows [スタート] ボタンを右クリックして [ディスクの管理] を選択します。
ローカル SSD の初期化をまだ行っていない場合、新しいパーティションのパーティション構成の選択を求められます。[GPT] を選択して、[OK] をクリックします。
ローカル SSD を初期化した後、未割り当てのディスク スペースを右クリックして、[新しいシンプル ボリューム] を選択します。
新しいシンプル ボリューム ウィザードの指示に従って新しいボリュームを構成します。任意のパーティション形式を使用できますが、この例では
NTFS
を選択します。[クイック フォーマットする] にもチェックを入れて、フォーマット処理を高速化します。ウィザードが完了し、ボリュームのフォーマットが終了した後で、新しいローカル SSD をチェックして、
Healthy
のステータスを確認します。
これで完了です。ローカル SSD にファイルを書き込むことができます。
複数のローカル SSD パーティションをフォーマットして単一の論理ボリュームにマウントする
永続 SSD とは異なり、インスタンスに接続する各デバイスのローカル SSD の容量は 375 GB の固定です。複数のローカル SSD パーティションを単一の論理ボリュームに組み合わせる場合、これらのパーティション間のボリューム管理をユーザー自身が定義する必要があります。
Linux インスタンス
mdadm
を使用して、RAID 0 アレイを作成します。この例では、1 つの ext4
ファイル システムを使用したアレイをフォーマットしますが、任意のファイル システムを適用できます。
[VM インスタンス] ページに移動します。
新しいローカル SSD を接続したインスタンスの隣にある [SSH] ボタンをクリックします。ブラウザが開き、インスタンスに対するターミナル接続が表示されます。
ターミナルで、
mdadm
ツールをインストールします。mdadm
のインストール プロセスには、スクリプトを停止するユーザー プロンプトが含まれているため、このプロセスは手動で実行してください。Debian と Ubuntu:
$ sudo apt update && sudo apt install mdadm --no-install-recommends
CentOS と RHEL:
$ sudo yum install mdadm -y
SLES と openSUSE:
$ sudo zypper install -y mdadm
lsblk
コマンドを使用して、一緒にマウントするすべてのローカル SSD を識別します。この例では、インスタンスに NVMe モードのローカル SSD パーティションが 8 個あります。$ lsblk NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT sda 8:0 0 10G 0 disk └─sda1 8:1 0 10G 0 part / nvme0n1 259:0 0 375G 0 disk nvme0n2 259:1 0 375G 0 disk nvme0n3 259:2 0 375G 0 disk nvme0n4 259:3 0 375G 0 disk nvme0n5 259:4 0 375G 0 disk nvme0n6 259:5 0 375G 0 disk nvme0n7 259:6 0 375G 0 disk nvme0n8 259:7 0 375G 0 disk
SCSI モードのローカル SSD には、
sdb
といった標準の名前が割り当てられています。NVMe モードのローカル SSD には、nvme0n1
といった標準の名前が割り当てられています。mdadm
を使用して、複数のローカル SSD デバイスを/dev/md0
という名前の 1 つのアレイに結合します。この例では、NVMe モードの 8 個のローカル SSD デバイスをマージします。SCSI モードのローカル SSD デバイスについては、lsblk
コマンドから取得した名前を指定します。$ sudo mdadm --create /dev/md0 --level=0 --raid-devices=8 \ /dev/nvme0n1 /dev/nvme0n2 /dev/nvme0n3 /dev/nvme0n4 \ /dev/nvme0n5 /dev/nvme0n6 /dev/nvme0n7 /dev/nvme0n8 mdadm: Defaulting to version 1.2 metadata mdadm: array /dev/md0 started.
/dev/md0
アレイ全体を ext4 ファイル システムでフォーマットします。次のコマンドを使用すると、ローカル SSD から既存のデータがすべて削除されます。$ sudo mkfs.ext4 -F /dev/md0
/dev/md0
がマウント可能なディレクトリを作成します。この例では、/mnt/disks/ssd-array
ディレクトリを作成します。$ sudo mkdir -p /mnt/disks/[MNT_DIR]
ここで、
[MNT_DIR]
はローカル SSD アレイをマウントするディレクトリです。/dev/md0
アレイを/mnt/disks/ssd-array
ディレクトリにマウントします。必要に応じて、書き込みキャッシュのフラッシュを無効化すると、書き込みパフォーマンスを向上させることができます。ただし、無効化すると最大 2 秒間、キャッシュされたデータの書き込みの耐久性が低下する危険性があります。$ sudo mount /dev/md0 /mnt/disks/[MNT_DIR]
ここで、
[MNT_DIR]
はローカル SSD アレイをマウントするディレクトリです。デバイスに対する読み取り / 書き込みアクセス権を構成します。この例では、デバイスへの書き込みアクセス権をすべてのユーザーに付与します。
$ sudo chmod a+w /mnt/disks/[MNT_DIR]
ここで、
[MNT_DIR]
はローカル SSD アレイをマウントしたディレクトリです。
ローカル SSD を /etc/fstab
ファイルに追加して、インスタンスの再起動時にデバイスが自動的にマウントされるようにすることもできます。このエントリは、インスタンスが停止した場合、ローカル SSD 上のデータを保持しません。ローカル SSD データの永続性の詳細は、ローカル SSD データの永続性をご覧ください。
/etc/fstab
ファイルのエントリを指定する場合は、必ず nofail
オプションを含め、ローカル SSD が存在しない場合でも、インスタンスが起動できるようにします。たとえば、ブートディスクのスナップショットを取り、どのようなローカル SSD も接続しないで新しいインスタンスを作成した場合、インスタンスが起動プロセスを続行することができ、無期限に一時停止することはありません。
/etc/fstab
エントリを作成します。blkid
コマンドを使用して、デバイス上のファイル システムの UUID を検索し、UUID をマウント オプションとともに含めるように/etc/fstab
ファイルを編集します。nofail
オプションを指定して、ローカル SSD が利用できない場合でもシステムを起動できるようにします。この手順は 1 つのコマンドで完了できます。例:$ echo UUID=`sudo blkid -s UUID -o value /dev/md0` /mnt/disks/[MNT_DIR] ext4 discard,defaults,nofail 0 2 | sudo tee -a /etc/fstab
ここで、
[MNT_DIR]
はローカル SSD アレイをマウントしたディレクトリです。cat
コマンドを使用して、/etc/fstab
エントリが正しいことを確認します。$ cat /etc/fstab
このインスタンスの起動ディスクからスナップショットを作成し、それを使用してローカル SSD がない別のインスタンスを作成する場合は、/etc/fstab
ファイルを編集して、このローカル SSD アレイのエントリを削除します。nofail
オプションを使用する場合でも、インスタンスに接続されているパーティションとの /etc/fstab
ファイルの同期を維持し、ブートディスクのスナップショットを作成する前に、これらのエントリを削除します。
Windows インスタンス
Windows の [ディスクの管理] ツールを使用して、Windows インスタンス上のローカル SSD のアレイをフォーマットしてマウントします。
RDP を使用して インスタンスに接続します。この例では、[VM インスタンス] ページに移動し、ローカル SSD が接続されているインスタンスの隣の [RDP] ボタンをクリックします。ユーザー名とパスワードを入力すると、ウィンドウが開き、サーバーに対するデスクトップ インターフェースが表示されます。
Windows [スタート] ボタンを右クリックして [ディスクの管理] を選択します。
ローカル SSD の初期化をまだ行っていない場合、新しいパーティションのパーティション構成の選択を求められます。[GPT] を選択して、[OK] をクリックします。
ローカル SSD を初期化した後、未割り当てのディスク スペースを右クリックして、[新しいストライプ ボリューム] を選択します。
ストライプ アレイに含めるローカル SSD パーティションを選択します。この例では、すべてのパーティションを選択して、1 つのローカル SSD デバイスに結合します。
[新しいストライプ ボリューム ウィザード] の指示に従って新しいボリュームを構成します。任意のパーティション形式を使用できますが、この例では
NTFS
を選択します。[クイック フォーマットする] にもチェックを入れて、フォーマット処理を高速化します。ウィザードが完了し、ボリュームのフォーマットが終了した後で、新しいローカル SSD をチェックして、
Healthy
のステータスを確認します。
ローカル SSD にファイルを書き込むことができます。
パフォーマンス
ローカル SSD のパフォーマンスは、インターフェースの選択に大きく依存します。ローカル SSD は SCSI インターフェースと NVMe インターフェースの両方で使用できます。NVMe を選択する場合は、特別な NVMe 対応のイメージを使用して、最善のパフォーマンスを実現する必要があります。詳細については、NVMe または SCSI インターフェースの選択を参照してください。
16 個または 24 個のローカル SSD パーティションで最大パフォーマンス上限を達成するには、32 個以上の vCPU を持つ VM を使用します。
NVMe
保存容量(GB) | パーティション | IOPS | スループット (MB/秒) |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
読み取り | 書き込み | 読み取り | 書き込み | ||||
375 | 1 | 170,000 | 90,000 | 660 | 350 | ||
750 | 2 | 340,000 | 180,000 | 1,320 | 700 | ||
1,125 | 3 | 510,000 | 270,000 | 1,980 | 1,050 | ||
1,500 | 4 | 680,000 | 360,000 | 2,650 | 1,400 | ||
1,875 | 5 | 680,000 | 360,000 | 2,650 | 1,400 | ||
2,250 | 6 | 680,000 | 360,000 | 2,650 | 1,400 | ||
2,625 | 7 | 680,000 | 360,000 | 2,650 | 1,400 | ||
3,000 | 8 | 680,000 | 360,000 | 2,650 | 1,400 | ||
6,000 | 16 | 1,600,000 | 800,000 | 6,240 | 3,120 | ||
9,000 | 24 | 2,400,000 | 1,200,000 | 9,360 | 4,680 |
SCSI
保存容量(GB) | パーティション | IOPS | スループット (MB/秒) |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
読み取り | 書き込み | 読み取り | 書き込み | ||||
375 | 1 | 100,000 | 70,000 | 390 | 270 | ||
750 | 2 | 200,000 | 140,000 | 780 | 550 | ||
1,125 | 3 | 300,000 | 210,000 | 1,170 | 820 | ||
1,500 | 4 | 400,000 | 280,000 | 1,560 | 1,090 | ||
1,875 | 5 | 400,000 | 280,000 | 1,560 | 1,090 | ||
2,250 | 6 | 400,000 | 280,000 | 1,560 | 1,090 | ||
2,625 | 7 | 400,000 | 280,000 | 1,560 | 1,090 | ||
3,000 | 8 | 400,000 | 280,000 | 1,560 | 1,090 | ||
6,000 | 16 | 900,000 | 800,000 | 6,240 | 3,120 | ||
9,000 | 24 | 900,000 | 800,000 | 9,360 | 4,680 |