各メタデータ エントリは、Key-Value ペアとしてメタデータ サーバーに保存されます。メタデータキーでは大文字と小文字が区別されます。キーは、事前定義されたメタデータキーまたはカスタム メタデータキーのいずれかにすることができます。
事前定義されたメタデータキーは、Compute Engine によって作成されるメタデータキーです。VM を作成すると、Compute Engine がその VM の一部のキーのメタデータ値(VM インスタンス ID やプロジェクト ID など)を自動的に設定します。Compute Engine が値を自動的に設定しない事前定義キーについては、システム構成に応じて使用可能な値のセットから選択できます。
たとえば、VM の OS Login を有効にするために、その VM の事前定義キー enable-oslogin
の値を TRUE
に設定できます。この VM の OS Login を無効にするには、キーの値を FALSE
に更新します。更新できるのはこれらのキーの値のみで、キー自体は更新できません。
このドキュメントでは、Compute Engine が instance/
メタデータ ディレクトリと project/
メタデータ ディレクトリに提供する事前定義されたメタデータキーについて説明します。
Compute Engine の VM メタデータを定義、分類、配置する方法については、VM メタデータについてをご覧ください。
事前定義されたプロジェクト メタデータキー
プロジェクト メタデータの事前定義されたメタデータキーは、次のディレクトリに保存されます。
http://metadata.google.internal/computeMetadata/v1/project/
次の表に、Compute Engine が project/
メタデータ ディレクトリに自動的に作成するメタデータキーとディレクトリの一覧を示します。
メタデータ エントリ | 説明 |
---|---|
attributes/ |
起動やシャットダウンのときに、プロジェクトの VM に渡されるカスタム メタデータ値のディレクトリ。これらのカスタム値は、Google Cloud 属性またはユーザーが作成したメタデータ値のいずれかです。 ユーザーが設定できるプロジェクト レベルの Google Cloud 属性の一覧については、プロジェクト属性をご覧ください。 カスタム メタデータの設定の詳細については、カスタム メタデータの設定をご覧ください。 |
numeric-project-id |
インスタンスの数値プロジェクト ID(プロジェクト番号)。これは、Google Cloud コンソールに表示されるプロジェクト名と同じではありません。この値は、project-id メタデータ エントリの値とも異なります。
|
project-id |
プロジェクト ID。 |
事前定義されたプロジェクト属性のメタデータキー
プロジェクト属性の事前定義されたメタデータキーは、次のディレクトリに保存されます。
http://metadata.google.internal/computeMetadata/v1/project/attributes/
次の表に、Compute Engine が project/attributes/
メタデータ ディレクトリに自動的に作成するメタデータキーの一覧を示します。
メタデータ エントリ | 説明 |
---|---|
disable-legacy-endpoints |
プロジェクト内のすべての VM の、以前のメタデータ サーバー エンドポイントを無効にします。 以前のエンドポイントは非推奨です。常に |
enable-guest-attributes |
プロジェクトのゲスト属性を設定します。 ゲスト属性は、めったに発生しないステータス通知、少量のデータ、または使用頻度の低いデータを公開する場合に使用できるカスタム VM インスタンスのメタデータ値です。これらの値は、起動スクリプトの終了を通知する場合に便利です。また、他のアプリケーションに頻度の低いステータス通知を提供する場合にも役立ちます。 ゲスト属性の詳細については、ゲスト属性の設定とクエリをご覧ください。 |
enable-os-inventory |
プロジェクトの OS インベントリを有効または無効にします。 OS 情報を収集して保存します。これには、ホスト名、カーネル バージョン、アーキテクチャ、インストール済みパッケージなどの情報が含まれます。 OS インベントリの詳細については、オペレーティング システムの詳細を表示するをご覧ください。 |
enable-oslogin |
プロジェクトで SSH 認証鍵の管理を有効または無効にします。 OS Login の詳細については、OS Login を設定するをご覧ください。 |
enable-windows-ssh |
Windows VM の SSH を有効または無効にします。 詳細については、SSH を使用して Windows VM に接続するをご覧ください。 |
google-compute-default-region |
設定されている場合、プロジェクトで使用されるデフォルトのリージョンを保存します。 デフォルト リージョンの設定の詳細については、デフォルトのリージョンとゾーンをご覧ください。 |
google-compute-default-zone |
設定されている場合、プロジェクトで使用されるデフォルトのゾーンを保存します。 デフォルト ゾーンの設定の詳細については、デフォルトのリージョンとゾーンをご覧ください。 |
ssh-keys |
メタデータを使用して SSH 認証鍵を管理する場合、この属性によって、プロジェクト内の VM に接続できる公開 SSH 認証鍵を構成できます。複数の SSH 認証鍵がある場合は、改行文字(
例: OS Login が管理する SSH 認証鍵は、メタデータには表示されません。 |
sshKeys |
非推奨: ssh-keys を使用します。 |
vmdnssetting |
プロジェクト内の VM に対してゾーン DNS とグローバル DNS を有効にします。 VM にゾーン DNS 名を使用する方法の詳細については、内部 DNS タイプにゾーン DNS を使用するをご覧ください。 |
事前定義されたインスタンス メタデータキー
インスタンス メタデータの事前定義されたメタデータキーは、次のディレクトリに保存されます。
http://metadata.google.internal/computeMetadata/v1/instance/
次の表に、Compute Engine が instance/
メタデータ ディレクトリに自動的に作成するメタデータキーとディレクトリの一覧を示します。
メタデータ エントリ | 説明 |
---|---|
attributes/ |
起動やシャットダウンのときに、VM に渡されるカスタム メタデータ値のディレクトリ。これらのカスタム値は、Google Cloud 属性またはユーザーが作成したメタデータ値のいずれかです。 ユーザーが設定できるインスタンス レベルの Google Cloud 属性の一覧については、インスタンス属性をご覧ください。 カスタム メタデータの設定の詳細については、カスタム メタデータを設定するをご覧ください。 |
cpu-platform |
VM の CPU プラットフォーム。 CPU プラットフォームについては、CPU プラットフォームをご覧ください。 |
description |
Google Cloud CLI または API で --description フラグを使用して割り当てられたインスタンスの説明。 |
disks/ |
VM にアタッチされているディスクのディレクトリ。ディスクごとに次の情報を利用できます。
ディスクの詳細については、ストレージ オプションをご覧ください。 |
gce-workload-certificates/ (プレビュー) |
VM で実行中のアプリケーションで使用される、マネージド ワークロード ID 機能の次のエンドポイントを格納します。
詳細については、mTLS を使用してワークロード間で認証を行うをご覧ください。 |
guest-attributes/ |
VM のゲスト属性を設定します。これらのカスタム値は、Google Cloud 属性またはユーザーが作成したメタデータ値のいずれかです。 ユーザーが設定できるインスタンス レベルの Google Cloud 属性の一覧については、インスタンスのゲスト属性をご覧ください。 ゲスト属性の詳細については、ゲスト属性の設定とクエリをご覧ください。 |
hostname |
VM のホスト名。 |
id |
VM の ID。Compute Engine によって生成される一意の数値 ID です。VM 名を使用していない場合に VM を識別するために利用できます。 |
image |
VM が使用するオペレーティング システム イメージ。値は、projects/IMAGE_PROJECT/global/images/IMAGE_NAME の形式です。 |
legacy-endpoint-access/ |
以前のエンドポイントのリストを保存します。値は 0.1 および v1beta1 です。 |
licenses/ |
イメージ、スナップショット、ディスクにライセンスを関連付けるために使用されるライセンス コード ID のリスト。 |
machine-type |
この VM のマシンタイプ。値は、projects/PROJECT_NUM/machineTypes/MACHINE_TYPE の形式です。 |
maintenance-event |
メンテナンス イベントがこの VM に影響を与えているかどうかを示します。詳しくは、ライブ マイグレーションをご覧ください。 |
name |
VM の名前。 |
network-interfaces/ |
ネットワーク インターフェースのディレクトリ。ネットワーク インターフェースごとに、次の情報を利用できます。
ネットワーク インターフェースの詳細については、複数のネットワーク インターフェースの概要をご覧ください。 |
partner-attributes/ (プレビュー) |
メタデータ エントリが保存される名前空間を格納するディレクトリ。これらの名前空間は、パートナー属性を使用して構成を保存する Google Cloud サービスによって作成されます。パートナー属性を使用しているサービスがない場合、このディレクトリは空になります。 たとえば、マネージド ワークロード ID の構成にはパートナー属性が使用されます。 |
preempted |
VM がプリエンプトされるかどうかを示すブール値。 |
scheduling/ |
VM のスケジューリング オプションを設定します。 スケジューリングのメタデータ値には、次のものがあります。
スケジューリング オプションの詳細については、インスタンス可用性ポリシーを設定するをご覧ください。 |
service-accounts/ |
VM に関連付けられているサービス アカウントのディレクトリ。各サービス アカウントごとに、次の情報を利用できます。
Compute Engine でのサービス アカウントの使用方法について詳しくは、サービス アカウントをご覧ください。 |
tags |
VM に関連付けられているネットワーク タグを一覧にします。 ネットワーク タグの詳細については、ネットワーク タグを追加するをご覧ください。 |
zone |
VM を配置するゾーン。値は、projects/PROJECT_NUM/zones/ZONE の形式です。 |
事前定義されたインスタンス属性のメタデータキー
インスタンス属性の事前定義されたメタデータキーは、次のディレクトリに保存されます。
http://metadata.google.internal/computeMetadata/v1/instance/attributes/
次の表に、Compute Engine が instance/attributes/
メタデータ ディレクトリに自動的に作成するメタデータキーの一覧を示します。
メタデータ エントリ | 説明 |
---|---|
physical_host |
コンパクト プレースメント ポリシーで作成された VM の場所を表すハッシュ文字列。 この属性の詳細については、VM の物理的な場所を確認するをご覧ください。 |
enable-oslogin |
VM 上の SSH 認証鍵管理を有効または無効にします。 OS Login の詳細については、OS Login を設定するをご覧ください。 |
enable-windows-ssh (プレビュー) |
Windows VM の SSH を有効または無効にします。 詳細については、SSH を使用して Windows VM に接続するをご覧ください。 |
enable-workload-certificate (プレビュー) |
VM でマネージド ワークロード ID を有効または無効にします。 詳細については、個々の VM でマネージド ワークロード ID を有効にするをご覧ください。 |
vmdnssetting |
VM に対してゾーン DNS とグローバル DNS を有効にします。 VM の DNS にゾーン DNS 名を使用する方法については、内部 DNS タイプにゾーン DNS を使用するをご覧ください。 |
ssh-keys |
メタデータを使用して SSH 認証鍵を管理する場合、この属性によって、プロジェクト内の VM に接続できる公開 SSH 認証鍵を構成できます。複数の SSH 認証鍵がある場合は、改行文字(
例: OS Login が管理する SSH 認証鍵は、メタデータには表示されません。 |
事前定義されたゲスト属性のメタデータキー
インスタンスのゲスト属性の事前定義されたメタデータキーは、次のディレクトリに格納されます。
http://metadata.google.internal/computeMetadata/v1/instance/guest-attributes/
次の表に、Compute Engine が instance/guest-attributes/
メタデータ ディレクトリに自動的に作成するメタデータキーとディレクトリの一覧を示します。
メタデータ エントリ | 説明 |
---|---|
guestInventory/ |
VM の OS インベントリを保存します。 OS の詳細情報を収集して保存します。これには、ホスト名、カーネル バージョン、アーキテクチャ、インストール済みパッケージの詳細などの情報が含まれます。 OS インベントリの詳細については、オペレーティング システムの詳細を表示するをご覧ください。 |
hostkeys/ |
SSH ホストキーを保存します。ホストキーを使用して、特定のホストまたはマシンを識別できます。 ホストキーの詳細については、ゲスト属性を有効にしてホストキーを保存するをご覧ください。 |
次のステップ
- VM メタデータの詳細を確認する。
- カスタム メタデータの設定方法を学習する。
- ゲスト属性を設定してクエリする方法を学習する。
- VM メタデータを表示してクエリを実行する方法を学習する。