BigQuery へのデータのストリーミング

ジョブを使用して BigQuery にデータを読み込む代わりに、tabledata().insertAll() メソッドを使用して一度に 1 レコードずつデータを BigQuery にストリーミングできます。このアプローチを使用すると、読み込みジョブの実行遅延を発生させることなく、データのクエリを実行できます。このドキュメントでは、アプローチを選択する前に考慮する必要がある、重要なトレードオフ(ストリーミング割り当て、データ可用性、データ整合性など)について説明します。

始める前に

  1. 宛先テーブルを含んだデータセットへの書き込みアクセス権があることを確認します。テーブルにデータを書き込む前に、まずテーブルが存在している必要があります。ただしテンプレート テーブルを使用する場合は異なります。テンプレート テーブルについて詳しくは、テンプレート テーブルを使用した自動的なテーブル作成をご覧ください。

  2. データ ストリーミングの割り当てポリシーをチェックします。

データ可用性のチェック

ストリーミングされたデータは、テーブルへの最初のストリーミング挿入から数秒以内にリアルタイム分析に使用可能になります。まれに(停電時など)、ストリーミング バッファ内のデータが一時的に使用できなくなることがあります。データが使用できないとき、クエリは正常に動作し続けますが、ストリーミング バッファに残っている一部のデータはスキップされます。このような場合は、bigquery.jobs.getQueryResultserrors フィールド、biquery.jobs.query に対するレスポンス、または bigquery.jobs.getstatus.errors フィールドに警告が格納されます。

データがコピーやエクスポートのオペレーションに使用可能になるまでに最大 90 分かかることがあります。また、分割テーブルにストリーミングする場合、ストリーミング バッファ内のデータは _PARTITIONTIME 疑似列が NULL 値になります。データがコピーやエクスポートに使用できるかどうかを確認するには、tables.get に対するレスポンスで streamingBuffer というセクションをチェックします。このセクションがない場合、データはコピーやエクスポートに使用可能であり、_PARTITIONTIME 疑似列には非 NULL 値が入っています。また、streamingBuffer.oldestEntryTime フィールドを使用してストリーミング バッファ内のレコードの滞在時間を調べることができます。

データ整合性の維持

データの整合性を維持するために、挿入された各行の insertId を提供できます。BigQuery では、この ID は少なくとも 1 分間記憶されます。この時間内に同じ行セットのストリーミングを試行した場合、insertId プロパティが設定されていれば、BigQuery は insertId プロパティを使用してデータの重複をベスト エフォートで排除します。

特定のエラー状況下(システムと BigQuery 間のネットワーク エラーや、BigQuery 内の内部エラーなど)では、ストリーミング挿入の状態を確認することができないため、挿入を再試行しなければならない場合があります。挿入を再試行する場合は、BigQuery がデータの重複排除を試行できるよう、同じ行セットに同じ insertId を使用するようにしてください。詳細については、ストリーミング挿入に関するトラブルシューティングをご覧ください。

Google データセンターの接続が予期せず失われる稀なケースにおいては、自動重複排除を実行できない場合があります。

データの要件が厳しい場合は、代替サービスとして、トランザクションをサポートする Google Cloud Datastore の使用を検討してください。

複数のデータ ロケーションにわたるデータ ストリーミング

データは米国と EU の両方のデータセットにストリーミングできます。BigQuery が insertAll リクエストを処理する際、データはデータセットのロケーションの外部にあるマシンを通過することがあります。データセットのロケーションの外部からデータをストリーミングした場合は、レイテンシやエラー率が高まる可能性があります。

分割テーブルへのストリーミング

insertAll リクエストを使用して、個々の行を分割テーブルにストリーミングできます。挿入されるデータの宛先パーティションは、デフォルトでは UTC 時間に基づく現在の日付から推測されます。ただし、分割テーブルに対するこの動作は、insertAll リクエストにパーティション デコレータの指定を含めることでオーバーライドできます。たとえば、次のパーティション デコレータを使用して、テーブル mydataset.table の 2017-03-01 に対応するパーティションにストリーミングできます。

mydataset.table$20170301

新しく到着したデータは、ストリーミング バッファ内にある間、一時的に NULL パーティションに関連付けられます。したがって、いずれかの疑似列([_PARTITIONTIME] と [_PARTITIONDATE] のどちらでも可)を使用して NULL パーティションをフィルタリングすることで、ストリーミング バッファ内のデータをクエリから除外できます。

パーティション デコレータを使用してストリーミングする場合、現在の日付(現在の UTC 時間に基づく)の 30 日前から 5 日後までのパーティションにストリーミングできます。この範囲に含まれない日付のパーティションに書き込むには、パーティションのデータの書き換えの手順に沿ってジョブを読み込むか、クエリを実行します。

テンプレート テーブルを使用したテーブルの自動作成

BigQuery にデータをストリーミングする場合の典型的な使用パターンは、論理テーブルを多数の小さいテーブルに分割して、より小さいデータセット(ユーザー ID 別のデータセットなど)を作成することです。日付別の小さいデータセットを作成するには、時間分割テーブルを使用します。日付ベースでない小さいテーブルを作成するには、テンプレート テーブルを使用します。テンプレート テーブルは BigQuery によって作成されます。

BigQuery API を介してテンプレート テーブルを使用するには、insertAll リクエストに templateSuffix パラメータを追加します。bq コマンドライン ツールの場合は、insert コマンドに template_suffix フラグを追加します。BigQuery は、templateSuffix パラメータまたは template_suffix フラグを検出した場合、ターゲット テーブルをベース テンプレートとして扱い、ターゲット テーブルと同じスキーマを共有する新しいテーブルを、指定されたサフィックスを含んだ名前で作成します。

<targeted_table_name> + <templateSuffix>

テンプレート テーブルを使用すると、各テーブルを個別に作成したり、各テーブルのスキーマを指定したりするためのオーバーヘッドを回避できます。テンプレートを 1 つ作成し、複数のサフィックスを指定するだけで、新規テーブルを BigQuery に自動作成させることができます。BigQuery は、各テーブルを同じプロジェクトとデータセット内に配置します。また、テンプレートを使用した場合、ユーザーはテンプレート テーブルを更新するだけでよいので、スキーマの更新も容易になります。

テンプレート テーブルを通じて作成されたテーブルは、通常数秒以内に利用可能になります。ただし、それより長い時間を要する場合もまれにあります。

テンプレート テーブル スキーマの変更

テンプレート テーブル スキーマを変更した場合は、それ以降に生成されるすべてのテーブルで、更新後のスキーマが使用されます。以前に生成されたテーブルには影響はありません(既存のテーブルにストリーミング バッファが残っている場合を除く)。

ストリーミング バッファが残っている既存のテーブルについては、テンプレート テーブル スキーマを下位互換性のある方法で変更すれば、活発にストリーミングされるそれらの生成済テーブルのスキーマも更新されます。ただし、下位互換性のない方法でテンプレート テーブル スキーマを変更した場合は、古いスキーマを使用するバッファデータがすべて失われます。また、互換性がなくなった古いスキーマを使用する既存の生成済テーブルに、新しいデータをストリーミングすることはできません。

テンプレート テーブル スキーマを変更した後は、その変更が伝播されるまで、新しいデータやクエリで生成されたテーブルを挿入しないでください。新しいフィールドを挿入するリクエストは、数分以内に処理されます。新規フィールドに対するクエリ実行には、最大 90 分の待機時間を要する場合があります。

生成済みテーブルのスキーマを変更する場合は、テンプレート テーブルを経由したストリーミングが停止し、生成済みテーブルのストリーミング統計セクションが tables.get() レスポンスからなくなる(テーブルでバッファされているデータがなくなる)まで、スキーマを変更しないようにしてください。

テンプレート テーブルの詳細

テンプレート サフィックス値
templateSuffix(または --template_suffix)の値に使用できるのは、英字(a-z、A-Z)、数字(0-9)、アンダースコア(_)です。テーブル名とテーブル サフィックスの最大連結文字数は 1,024 文字です。
割り当て
すべてのテーブルには、同じ割り当てが適用されます(テーブルがテンプレートに基づいているか、手動で作成されたかにかかわらない)。
有効期間
生成されたテーブルの有効期間はデータセットから継承されます。通常のストリーミング データの場合、生成されたテーブルを直ちにコピーしたりエクスポートしたりすることはできません。
重複排除
重複排除は、宛先テーブルへの均一なリファレンス間でのみ実行されます。たとえば、テンプレート テーブルと通常の insertAll コマンドの両方を使用して生成済テーブルへのストリーミングを同時に実行した場合、テンプレート テーブルと通常の insertAll コマンドによって挿入された各行の間で重複排除は実行されません。
ビュー
テンプレート テーブルと生成済テーブルはビューにはなりません。

サンプル ユースケース

大容量のイベント ロギング

大量のデータをリアルタイムに収集するアプリケーションがある場合には、ストリーミング挿入が有効な選択肢となります。一般的に、この種のアプリケーションには次の基準が存在します。

  • 非トランザクショナル。 行数が大量で、継続的に追加される。重複が発生したり、データが一時的に利用できなくなる稀なケースにアプリケーションが対応できる。
  • 集計分析。 クエリは通常、傾向分析のために実行される(単一または少数のレコード選択ではなく)。

大容量のイベント ロギングの一例として挙げられるのが、イベント追跡です。たとえば、イベントを追跡するモバイルアプリを使用している場合、そのアプリ(またはモバイル サーバー)は、ユーザーとのやりとりやシステムエラーを自立的に記録し、それらを BigQuery にストリーミングします。管理者はそれらのデータを分析して、全体的な傾向(やりとりや問題の多い領域など)を判断したり、エラーの状態をリアルタイムにモニタリングしたりすることができます。

手動の重複排除

次の手動プロセスを使用して、ストリーミングの実行後に重複行が残らないようにすることができます。

  1. テーブル スキーマ内の列として insertId を追加し、各行のデータに insertId 値を含めます。
  2. ストリーミングが停止した後に、次のクエリを実行して重複をチェックします。

    #standardSQL
    SELECT
      MAX(count) FROM(
      SELECT
        ID_COLUMN,
        count(*) as count
      FROM
        `TABLE_NAME`
      GROUP BY
        ID_COLUMN)

    結果が 1 より大きい場合は、重複が存在します。
  3. 重複を排除するには、次のクエリを実行します。宛先テーブルを指定し、サイズの大きい結果を許容し、結果のフラット化を無効にしてください。

    #standardSQL
    SELECT
      * EXCEPT(row_number)
    FROM (
      SELECT
        *,
        ROW_NUMBER()
              OVER (PARTITION BY ID_COLUMN) row_number
      FROM
        `TABLE_NAME`)
    WHERE
      row_number = 1

重複排除クエリに関する注記:

  • 重複排除クエリの戦略として、新規テーブルをターゲットにしたほうが安全です。なお、書き込み処理 WRITE_TRUNCATE を使用して、ソーステーブルをターゲットにすることもできます。
  • 重複排除クエリは、テーブル スキーマの末尾に値が 1row_number 列を追加します。この row_number 列は、標準 SQLSELECT * EXCEPT ステートメントを使用して宛先テーブルから除去されます。#standardSQL 接頭辞を使用することにより、このクエリで標準 SQL が有効になります。または固有の列名を指定して、この列を省略することもできます。
  • 重複排除されたライブデータの照会用に、重複排除クエリを使用してテーブルのビューを作成することもできます。なお、ビューに対するクエリコストはビュー内の選択列に基づいて計算されるため、スキャンされるバイトサイズが大きくなる可能性があります。

ストリーミング挿入に関するトラブルシューティング

ストリーミング挿入時に発生したエラーの解決方法については、エラーのトラブルシューティング ページのストリーミング挿入に関するトラブルシューティングをご覧ください。

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ストリーミング挿入の例

C#

BigQuery クライアントのインストールと作成の詳細については、BigQuery クライアント ライブラリをご覧ください。

public void UploadJsonStreaming(string datasetId, string tableId,
    BigQueryClient client)
{
    // The insert ID is optional, but can avoid duplicate data
    // when retrying inserts.
    BigQueryInsertRow row1 = new BigQueryInsertRow("row1")
    {
        { "title", "exampleJsonFromStream" },
        { "unique_words", 1 }
    };
    BigQueryInsertRow row2 = new BigQueryInsertRow("row2")
    {
        { "title", "moreExampleJsonFromStream" },
        { "unique_words", 1 }
    };
    client.InsertRows(datasetId, tableId, row1, row2);
}

Go

BigQuery クライアントのインストールと作成の詳細については、BigQuery クライアント ライブラリをご覧ください。

u := client.Dataset(datasetID).Table(tableID).Uploader()
items := []*Item{
	// Item implements the ValueSaver interface.
	{Name: "n1", Count: 7},
	{Name: "n2", Count: 2},
	{Name: "n3", Count: 1},
}
if err := u.Put(ctx, items); err != nil {
	return err
}

Java

BigQuery クライアントのインストールと作成の詳細については、BigQuery クライアント ライブラリをご覧ください。

TableId tableId = TableId.of(datasetName, tableName);
// Values of the row to insert
Map<String, Object> rowContent = new HashMap<>();
rowContent.put("booleanField", true);
// Bytes are passed in base64
rowContent.put("bytesField", "Cg0NDg0="); // 0xA, 0xD, 0xD, 0xE, 0xD in base64
// Records are passed as a map
Map<String, Object> recordsContent = new HashMap<>();
recordsContent.put("stringField", "Hello, World!");
rowContent.put("recordField", recordsContent);
InsertAllResponse response = bigquery.insertAll(InsertAllRequest.newBuilder(tableId)
    .addRow("rowId", rowContent)
    // More rows can be added in the same RPC by invoking .addRow() on the builder
    .build());
if (response.hasErrors()) {
  // If any of the insertions failed, this lets you inspect the errors
  for (Entry<Long, List<BigQueryError>> entry : response.getInsertErrors().entrySet()) {
    // inspect row error
  }
}

Node.js

BigQuery クライアントのインストールと作成の詳細については、BigQuery クライアント ライブラリをご覧ください。

// Imports the Google Cloud client library
const BigQuery = require('@google-cloud/bigquery');

/**
 * TODO(developer): Uncomment the following lines before running the sample.
 */
// const projectId = "your-project-id";
// const datasetId = "my_dataset";
// const tableId = "my_table";
// const rows = [{name: "Tom", age: 30}, {name: "Jane", age: 32}];

// Creates a client
const bigquery = new BigQuery({
  projectId: projectId,
});

// Inserts data into a table
bigquery
  .dataset(datasetId)
  .table(tableId)
  .insert(rows)
  .then(() => {
    console.log(`Inserted ${rows.length} rows`);
  })
  .catch(err => {
    if (err && err.name === 'PartialFailureError') {
      if (err.errors && err.errors.length > 0) {
        console.log('Insert errors:');
        err.errors.forEach(err => console.error(err));
      }
    } else {
      console.error('ERROR:', err);
    }
  });

PHP

BigQuery クライアントのインストールと作成の詳細については、BigQuery クライアント ライブラリをご覧ください。

use Google\Cloud\BigQuery\BigQueryClient;

/**
 * Stream a row of data into your BigQuery table
 * Example:
 * ```
 * $data = [
 *     "field1" => "value1",
 *     "field2" => "value2",
 * ];
 * stream_row($projectId, $datasetId, $tableId, $data);
 * ```.
 *
 * @param string $projectId The Google project ID.
 * @param string $datasetId The BigQuery dataset ID.
 * @param string $tableId   The BigQuery table ID.
 * @param string $data      An associative array representing a row of data.
 * @param string $insertId  An optional unique ID to guarantee data consistency.
 */
function stream_row($projectId, $datasetId, $tableId, $data, $insertId = null)
{
    // instantiate the bigquery table service
    $bigQuery = new BigQueryClient([
        'projectId' => $projectId,
    ]);
    $dataset = $bigQuery->dataset($datasetId);
    $table = $dataset->table($tableId);

    $insertResponse = $table->insertRows([
        ['insertId' => $insertId, 'data' => $data],
        // additional rows can go here
    ]);
    if ($insertResponse->isSuccessful()) {
        print('Data streamed into BigQuery successfully' . PHP_EOL);
    } else {
        foreach ($insertResponse->failedRows() as $row) {
            foreach ($row['errors'] as $error) {
                printf('%s: %s' . PHP_EOL, $error['reason'], $error['message']);
            }
        }
    }
}

Python

BigQuery クライアントのインストールと作成の詳細については、BigQuery クライアント ライブラリをご覧ください。

rows_to_insert = [
    (u'Phred Phlyntstone', 32),
    (u'Wylma Phlyntstone', 29),
]

errors = client.insert_rows(table, rows_to_insert)  # API request

assert errors == []

Ruby

BigQuery クライアントのインストールと作成の詳細については、BigQuery クライアント ライブラリをご覧ください。

# project_id = "Your Google Cloud project ID"
# dataset_id = "ID of the dataset containing table"
# table_id   = "ID of the table to import data into"
# row_data   = [{ column1: value, column2: value }, ...]

require "google/cloud/bigquery"

bigquery = Google::Cloud::Bigquery.new project: project_id
dataset  = bigquery.dataset dataset_id
table    = dataset.table table_id

response = table.insert row_data

if response.success?
  puts "Inserted rows successfully"
else
  puts "Failed to insert #{response.error_rows.count} rows"
end

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