ベアメタル版 Anthos クラスタ向けハードウェアの構成

ベアメタル版 Anthos クラスタは、ターゲット オペレーティング システムのディストリビューションがサポートするハードウェアで動作する幅広いシステムをサポートしています。ベアメタル版 Anthos クラスタは最小のハードウェア構成で実行することも、複数のマシンで実行して柔軟性、可用性、パフォーマンスを向上させることもできます。

ベアメタル版 Anthos クラスタの構成に関係なく、ノードとクラスタには、実行中のクラスタとワークロードのニーズを満たすために十分な CPU、RAM、ストレージ リソースが必要です。

ベアメタル版 Anthos クラスタをインストールする場合は、さまざまなタイプのクラスタを作成できます。

  • ワークロードを実行するユーザー クラスタ。
  • 管理クラスタ。ワークロードを実行するためのユーザー クラスタを作成して制御します。
  • スタンドアロン クラスタは、ワークロードを管理および実行できる単一のクラスタですが、ユーザー クラスタの作成や管理はできません。
  • ハイブリッド クラスタは、ワークロードを管理および実行できます。また、追加のユーザー クラスタを作成して管理することもできます。

クラスタタイプに加えて、リソース要件の観点では次のインストール プロファイルから選択できます。

  • デフォルト: デフォルト プロファイルには標準のシステム リソース要件が揃っており、あらゆるクラスタタイプで使用できます。

  • Edge: Edge プロファイルでは、システム リソース要件が大幅に軽減されています。リソースが制限されたエッジデバイスには、このプロファイルを使用することをおすすめします。エッジ プロファイルは、スタンドアロン クラスタでのみ使用できます。

デフォルトのプロファイルを使用する全クラスタタイプのリソース要件

次の表では、ベアメタル版 Anthos クラスタで、デフォルトのプロファイルを使用して管理クラスタ、ハイブリッド クラスタ、ユーザー クラスタ、スタンドアロン クラスタを運用および管理するために必要な、ハードウェアの最小要件と推奨要件を示します。

リソース 最小 推奨
CPU / vCPU 4 コア 8 コア
RAM 16 GiB 32 GiB
ストレージ 128 GiB 256 GiB

Edge プロファイルを使用したスタンドアロン クラスタのリソース要件

次の表では、ベアメタル版 Anthos クラスタで、Edge プロファイルを使用してスタンドアロン クラスタを運用および管理するために必要な、ハードウェアの最小要件と推奨要件を示します。

リソース 最小 推奨
CPU / vCPU 2 コア 4 コア
RAM Ubuntu: 4 GiB
CentOS/RHEL: 6 GiB
Ubuntu: 8 GiB
CentOS/RHEL: 12 GiB
ストレージ 128 GiB 256 GiB

Edge プロファイルを使用してスタンドアロン クラスタを構成するには、次のようにすることをおすすめします。

  • bmctl を別のワークステーションで実行する。ターゲット クラスタノードで bmctl を実行する必要がある場合は、最小要件を満たすために 2 GiB のメモリが必要です。たとえば、Ubuntu の場合は 6 GiB、CentOS/Redhat の場合は 8 GiB が必要です。

  • MaxPodsPerNode を 110 に設定する。クラスタで実行するノード数は、平均でノードあたり 30 個までです。MaxPodsPerNode を上位の構成にするか、ノードあたり 30 個を超えるユーザー Pod を実行するには、追加のリソースが必要になることがあります。

  • containerd をコンテナ ランタイムとして使用する。Docker コンテナ ランタイムで実行するためには、追加のリソースが必要になることがあります。

  • この最小リソース構成では、Kubevirt コンポーネントを考慮しない。Kubevirt には、クラスタにデプロイされる VM の数に応じて追加のリソースが必要です。

必要なマシンの数

ベアメタル版 Anthos クラスタには、ワークステーションとクラスタノードの両方として機能するマシンが少なくとも 1 台必要です。高可用性(HA)ノードとパフォーマンスの改善には、推奨されているリソース要件を満たす現実的な最小マシン数を 5 台にすることをおすすめします。

その他のストレージ要件

ベアメタル版 Anthos クラスタには、ストレージ リソースが備わっていせん。必要なストレージは、システム上でプロビジョニングして構成する必要があります。

詳細なストレージ要件については、インストールの前提条件の概要をご覧ください。

必要なストレージを構成する方法については、ベアメタル版 Anthos クラスタ用ストレージの構成をご覧ください。

etcd のパフォーマンス

etcd のドキュメントには、本番環境でクラスタを実行するときに最適な etcd パフォーマンスを実現するためのハードウェアの最適化案が記載されています。

etcd とディスクのパフォーマンスを確認するには、Metrics Explorer で次の etcd I/O レイテンシ指標を使用します。

  • etcd_disk_backend_commit_duration_seconds: 期間は 99 パーセンタイル(p99)に対して 25 ミリ秒未満にする必要があります。
  • etcd_disk_wal_fsync_duration_seconds: 期間は 99 パーセンタイル(p99)に対して 10 ミリ秒未満にする必要があります。

etcd のパフォーマンスの詳細については、etcd の警告「エントリの適用に時間がかかりすぎた」は何を意味しますか?etcd の警告「ハートビートの定刻での送信に失敗した」は何を意味しますか?をご覧ください。