このチュートリアルでは、仮想ディスプレイを使用して CentOS 7 を実行する仮想 Linux ワークステーションを作成する方法について説明します。仮想ディスプレイ デバイスは、仮想マシン(VM)インスタンス上のアプリケーションで表示デバイスが必要であるものの、GPU のすべての機能は使わないため、全額課金は避けたい場合に便利です。
Windows を含む他のタイプの仮想ワークステーションについては、仮想ワークステーションの作成についてをご覧ください。
このチュートリアルでは、仮想ワークステーションを作成した後、メディア、エンターテイメント、ゲーム開発、アーキテクチャ、エンジニアリング業界で広く使用されているリモート デスクトップ プロトコルである、PC-over-IP(PCoIP®)テクノロジーを使用して HP Anyware(旧 Teradici CAS)でリモート アクセスする方法を説明します。PCoIP は、これらの業界でのワークロードに不可欠な機能(色精度、複数モニターのサポート、ロスレス ディスプレイ、タブレットの圧力感度など)を提供します。
このチュートリアルは、Linux コマンドラインに精通していることを前提としています。
目標
- Compute Engine VM を作成するこの VM は、仮想ワークステーションの基盤として機能します。
- 仮想ワークステーションに HP Anyware ソフトウェアをインストールします。
- PCoIP ソフトウェア クライアントを使用して仮想ワークステーションに接続します。
費用
このチュートリアルでは、課金対象である次の Google Cloud コンポーネントを使用します。
料金計算ツールを使うと、予想使用量に基づいて費用の見積もりを出すことができます。
このチュートリアルで、仮想ワークステーションを構成するリソースとコストに影響する要素は次のとおりです。
- 4 個の vCPU、16 GB の RAM を搭載した E2 標準マシンタイプ
- 20 GB SSD バランス ブートディスク
- インターネット送信データ転送の費用
インターネット データ転送は、仮想ワークステーションからローカルのディスプレイ クライアントにストリーミングされるデータを表します。PCoIP セッション中のデータ転送に影響を与える変数は、帯域幅、画面解像度、ディスプレイ モニターの台数、使用するアプリケーション、各モニターのアクティビティの種類です。HP Anyware の Session Planning Guide は、さまざまなワークロード要件を理解するのに役立ちます。
始める前に
このチュートリアルでは、Google Cloud CLI を使用します。この CLI は、Cloud Shell またはローカル ワークステーションから実行できます。ローカル ワークステーションで Google Cloud CLI を使用する場合は、Google Cloud CLI をインストールします。
- Sign in to your Google Cloud account. If you're new to Google Cloud, create an account to evaluate how our products perform in real-world scenarios. New customers also get $300 in free credits to run, test, and deploy workloads.
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In the Google Cloud console, on the project selector page, select or create a Google Cloud project.
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Make sure that billing is enabled for your Google Cloud project.
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Enable the Compute Engine API.
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In the Google Cloud console, on the project selector page, select or create a Google Cloud project.
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Make sure that billing is enabled for your Google Cloud project.
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Enable the Compute Engine API.
また、次の条件が整っていることを確認してください。
- Google Cloud コンソールにアクセスするためのウェブブラウザ。
- 仮想ワークステーションにアクセスするための最新の PCoIP Client ソフトウェア(Windows、Mac、または Linux 用)。
- HP Anyware ソフトウェアをダウンロードするための help.teradici.com のアカウント。アカウント登録は無料です。
- HP Anyware ソフトウェア ライセンス。仮想ライセンスをリクエストするか、HP Anyware の担当者に問い合わせて、この仮想ワークステーションに使用するトライアル登録コードを依頼します。
アーキテクチャ
次の図は、このチュートリアルで単一の仮想ワークステーションをデプロイするためのコンポーネントを示しています。図に示すオプションのコンポーネントには、仮想ワークステーションに接続するさまざまな方法、共有ストレージ、サードパーティ ライセンスを提供するための追加の VM、レンダリングまたはコンピューティング ファームを表す追加のインフラストラクチャが含まれています。
リージョンを選択
仮想ワークステーションをデプロイする際に重要になるのは、デベロッパーのロケーションと作成された VM との間のレイテンシです。レイテンシが短いほど、より良いエクスペリエンスが得られます。したがって、地理的に最も近いリージョンとゾーンに VM を配置することをおすすめします。
仮想ワークステーションを作成する
次のコマンドを実行して、Compute Engine 仮想ワークステーション VM を作成します。
gcloud compute instances create test-workstation \ --zone=ZONE \ --machine-type=e2-standard-4 \ --enable-display-device \ --image-project=centos-cloud \ --image-family=centos-7 \ --boot-disk-size=20 \ --boot-disk-type=pd-balanced \ --network=default
ZONE
は、地理的に最も近いゾーンに置き換えます。仮想ワークステーションをデプロイする際に重要になるのは、デベロッパーのロケーションと作成された VM との間のレイテンシです。レイテンシが短いほど、より良いエクスペリエンスが得られます。ゾーンの地理的場所については、利用可能なリージョンとゾーンをご覧ください。
仮想ワークステーションが作成されると、VM のステータスが表示されます。出力は次のようになります。
NAME: test-workstation ZONE: us-west1-b MACHINE_TYPE: e2-standard-4 PREEMPTIBLE: INTERNAL_IP: 10.138.XX.XXX EXTERNAL_IP: XX.XXX.XXX.XXX STATUS: RUNNING
外部 IP アドレスをメモします。このチュートリアルの後半で必要になります。
仮想ワークステーションにログインする
仮想ワークステーションの作成後は、VM にログインして構成できます。
次のコマンドを使用して仮想ワークステーションに接続します。
gcloud compute ssh test-workstation
次のコマンドを使用して、Teradici PCoIP で必要なアカウント パスワードを設定します。
sudo passwd `whoami`
パスワードは安全な場所に保管してください。後で必要になります。
ウィンドウ マネージャーをインストールする
Google Cloud のデフォルトの CentOS 7 イメージは、CentOS 7.x の最小インストールです。次のステップは、デスクトップとウィンドウ マネージャーで仮想ワークステーションを実行するために必要なライブラリをインストールすることです。このチュートリアルでは、KDE ウィンドウ マネージャーもインストールします。
次のコマンドを実行して、ソフトウェア リポジトリを更新します。
sudo yum -y update
次のコマンドを実行して、必要なコンポーネントをインストールします。
sudo yum -y groupinstall "Server with GUI"
次のコマンドを実行して、ワークステーションを再起動します。
sudo reboot
仮想ワークステーションへの接続が閉じられます。
HP Anyware ソフトウェアをインストールする
HP Anyware ソフトウェアは、仮想ワークステーション上で動作するエージェントを提供し、ハードウェアまたはソフトウェア クライアントにデスクトップを提供します。
ダウンロード トークンを取得する
各 HP Anyware アカウントには、HP Anyware ソフトウェア リポジトリへのアクセスを許可する一意のトークンが割り当てられます。
- ローカル ワークステーションで、help.teradici.com アカウントにログインします。アカウントをお持ちでない場合は、作成してください。
- HP Anyware 製品ページに移動します。
- [PCoIP Hosts] セクションで、[Standard Agent for Linux] を選択します。
- [Downloads and scripts] を選択します。
- HP Anyware ライセンスの条項に同意する場合は、契約の一番下までスクロールして [Agree] をクリックします。
- [Repo Setup Scripts] をクリックします。
Centos 7 のコマンドをコピーします。次のようなコマンドです。
curl -1sLf https://dl.anyware.hp.com/TOKEN/pcoip-agent/cfg/setup/bash.rpm.sh | sudo -E distro=el codename=7 bash
コマンドを安全な場所に貼り付けます。これは後で必要になります。
HP Anyware ソフトウェア リポジトリをインストールする
次のコマンドを実行して、仮想ワークステーションに再接続します。
gcloud compute ssh test-workstation
先ほどコピーした Centos 7 リポジトリ設定スクリプトを貼り付けて実行します。
TOKEN
は、Linux 用の HP Anyware グラフィック エージェントのページからダウンロードしたトークンに置き換えます。次のコマンドを実行して、ソフトウェア リポジトリを更新します。
sudo yum -y update
省略可: キーボード、マウス、ポインタ デバイス以外の USB デバイスをサポートする必要がある場合は、USB 依存関係をインストールします。
sudo yum -y install usb-vhci
次のコマンドを実行して、HP Anyware ソフトウェアをインストールします。
sudo yum -y install pcoip-agent-standard
次のコマンドを実行して、ディスプレイの状態を
graphical
に設定します。sudo systemctl set-default graphical.target
次のコマンドを実行して、仮想ワークステーションを再起動します。
sudo reboot
Anyware Standard エージェントを登録する
Anyware Standard エージェントを使用するには、HP Anyware ライセンスが必要です。仮想ライセンスをリクエストするか、HP Teradici の担当者に問い合わせて、この仮想ワークステーションに使用するトライアル登録コードを依頼します。
仮想ワークステーションが再起動したら、次のコマンドを実行して再接続します。
gcloud compute ssh test-workstation
HP Anyware ソフトウェア ライセンスを有効にします。
pcoip-register-host --registration-code=REGISTRATION-CODE
REGISTRATION-CODE
は、HP Anyware から入手したABCDEFGHIJKL@0123-4567-89AB-CDEF
形式のコードに置き換えます。仮想ワークステーションを再起動します。
sudo reboot
ファイアウォール ルールを作成する
PCoIP クライアントは、複数のポートを使用して仮想ワークステーションと通信します。仮想ワークステーションへのトラフィックを許可するようにファイアウォール ルールを設定する必要があります。
Cloud Shell またはローカル コンピュータで次のコマンドを実行して、必要なポートを開くファイアウォール ルールを作成します。
gcloud compute firewall-rules create allow-pcoip \ --action=ALLOW \ --rules=tcp:443,tcp:4172,udp:4172 \ --source-ranges=0.0.0.0/0
PCoIP クライアントを使用して仮想ワークステーションにログインする
- ローカル パソコンで HP Anyware 製品ページを開きます。
- [PCoIP Clients] セクションで、パソコンのオペレーティング システムに対応するソフトウェア クライアントを選択します。
- [Downloads and scripts] を選択します。
- HP Anyware ライセンスの条項に同意する場合は、契約の一番下までスクロールして [Agree] をクリックします。
- [Download now] を選択します。
- ダウンロードが完了したら、Anyware クライアントをインストールします。
- インストール後、Anyware クライアントを起動します。
[Host Address] または [Registration Code] フィールドに、仮想ワークステーションの外部 IP アドレスを入力します。必要に応じて、接続の名前を入力できます。
接続されたら、仮想ワークステーション用に作成したユーザー名とパスワードを入力して認証します。
数秒後に Linux のデスクトップが表示されます。
仮想ワークステーションをテストする
仮想ワークステーションをデプロイした後、さまざまなツールを使用してパフォーマンスとインタラクティビティをテストできます。
- ウェブブラウザを使用して、お気に入りのサイトへのアクセスや、YouTube 動画の再生を行います。
- Linux 用 PCoIP Standard Agent の詳細を確認する。
- アプリケーションをインストールして、動作やパフォーマンスをテストします。
ワークロードに基づく PCoIP パフォーマンスの最適化の詳細を確認することもできます。
クリーンアップ
仮想ワークステーションを停止する
仮想ワークステーションを停止すると、永続ディスクの費用が発生しますが、いつでも再起動できます。仮想ワークステーションを停止するには、次のコマンドを実行します。
gcloud compute instances stop test-workstation
すべてのコンポーネントの削除
プロジェクトを削除する
- In the Google Cloud console, go to the Manage resources page.
- In the project list, select the project that you want to delete, and then click Delete.
- In the dialog, type the project ID, and then click Shut down to delete the project.
次のステップ
- 仮想 Windows ワークステーションを作成する方法を確認する。
- HP Anyware ソフトウェアの詳細を確認する。
- PCoIP と他のリモート デスクトップ ソフトウェアの違いについて詳細を確認する。
- Google Cloud Marketplace で HP の事前構成済みの仮想ワークステーション(Windows 用、Linux 用)を試す。