VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを構成する


Compute Engine では、特定の汎用仮想マシンおよびコンピューティング最適化仮想マシン(VM)のインスタンスに対して、高帯域幅の VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンス構成を選択できます。Tier_1 ネットワーキング構成の VM は、ハイ パフォーマンス コンピューティング(HPC)、機械学習(ML)、ディープ ラーニング(DL)など、大量のノード間通信を使用する大規模な分散コンピューティング ワークロードに対して特に有効です。

このような高スループット VM と高性能ローカル SSD ストレージの組み合わせは、I/O を多用し、フラッシュに最適化されたデータベースに適しています。

準備

  • VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスの料金については、Tier_1 高帯域幅ネットワークの料金をご覧ください。
  • まだ設定していない場合は、認証を設定します。認証とは、Google Cloud サービスと API にアクセスするために ID を確認するプロセスです。ローカル開発環境からコードまたはサンプルを実行するには、次のように Compute Engine に対する認証を行います。

    このページのサンプルをどのように使うかに応じて、タブを選択してください。

    コンソール

    Google Cloud コンソールを使用して Google Cloud サービスと API にアクセスする場合、認証を設定する必要はありません。

    gcloud

    1. Google Cloud CLI をインストールし、次のコマンドを実行して初期化します。

      gcloud init
    2. デフォルトのリージョンとゾーンを設定します

    REST

    このページの REST API サンプルをローカル開発環境で使用するには、gcloud CLI に指定した認証情報を使用します。

      Google Cloud CLI をインストールし、次のコマンドを実行して初期化します。

      gcloud init

必要なロール

VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを使用するように VM を構成するために必要な権限を取得するには、プロジェクトに対する次の IAM ロールを付与するよう管理者に依頼してください。

ロールの付与の詳細については、アクセス権の管理をご覧ください。

これらの事前定義ロールには、VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを使用するように VM を構成するために必要な権限が含まれています。必要とされる正確な権限については、「必要な権限」セクションを開いてご確認ください。

必要な権限

VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを使用するように VM を構成するには、次の権限が必要です。

  • VM を作成する権限:
    • プロジェクトに対する compute.instances.create
    • カスタム イメージを使用して VM を作成する: イメージに対する compute.images.useReadOnly
    • スナップショットを使用して VM を作成する: スナップショットに対する compute.snapshots.useReadOnly
    • インスタンス テンプレートを使用して VM を作成する: インスタンス テンプレートに対する compute.instanceTemplates.useReadOnly
    • レガシー ネットワークを VM に割り当てる: プロジェクトに対する compute.networks.use
    • VM の静的 IP アドレスを指定する: プロジェクトに対する compute.addresses.use
    • レガシー ネットワークの使用時に VM に外部 IP アドレスを割り当てる: プロジェクトに対する compute.networks.useExternalIp
    • VM のサブネットを指定する: プロジェクトまたは選択したサブネットに対する compute.subnetworks.use
    • VPC ネットワークの使用時に VM に外部 IP アドレスを割り当てる: プロジェクトまたは選択したサブネットに対する compute.subnetworks.useExternalIp
    • VM の VM インスタンス メタデータを設定する: プロジェクトに対する compute.instances.setMetadata
    • VM にタグを設定する: VM に対する compute.instances.setTags
    • VM にラベルを設定する: VM に対する compute.instances.setLabels
    • VM が使用するサービス アカウントを設定する: VM に対する compute.instances.setServiceAccount
    • VM に新しいディスクを作成する: プロジェクトに対する compute.disks.create
    • 既存のディスクを読み取り専用モードまたは読み取り / 書き込みモードでアタッチする: ディスクに対する compute.disks.use
    • 既存のディスクを読み取り専用モードでアタッチする: ディスクに対する compute.disks.useReadOnly
  • Tier_1 ネットワーキングを含めるために VM を更新する:
    • compute.instances.update
    • インスタンス上で変更するリソースを使用するための権限(例: compute.instances.updateNetworkInterface)。
  • Tier_1 ネットワーキングを使用してインスタンス テンプレートを作成する: instanceTemplates.insert メソッドを呼び出すために必要なすべての権限

カスタムロールや他の事前定義ロールを使用して、これらの権限を取得することもできます。

制限事項

  • Compute Engine は、Tier_1 ネットワーキングをサポートする唯一の製品分野です。
  • Tier_1 ネットワーキングは、少なくとも 30 個の vCPU を搭載した N2、N2D、C2、C2D、C3、C3D、M3、Z3(プレビュー)VM でサポートされています。
  • Tier_1 ネットワーキングには、gVNIC 仮想ネットワーク ドライバを使用する VM と、gVNIC 互換の OS またはカスタム イメージが必要です。
  • C3、C3D、Z3(プレビュー)、H3 VM で最適な Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを実現するには、gVNIC ドライバ バージョン 1.3 以降が必要です。使用するオペレーティング システムのイメージが Tier_1 ネットワーキングを完全にサポートしていることを確認してください。完全にサポートされている OS イメージには、更新された gVNIC ドライバが含まれています。最新バージョンでないイメージでも gVNIC ドライバを更新できます。
  • Tier_1 ネットワーキングの購入可能な最小管理単位(SKU)は、確約利用割引から除外されます。
  • 大規模な C3、C3D、Z3(プレビュー)VM では、帯域幅が 100 Gbps を超えると、NUMA 関連のボトルネックが発生する可能性があります。アプリケーションのアーキテクチャによっては、スレッドと割り込みの配置を制御する必要があります。Linux では、Receive Flow Steering(RFS)などのゲスト OS 機能がこの問題の解決に役立ちます。アプリケーションが、パフォーマンスを最大化するために調整された NUMA であることを確認してください。
  • Microsoft Windows を使用する C3、C3D および H3 VM では、gVNIC ドライバは、デフォルトのネットワークと Tier_1 ネットワークの両方について、最大 85 Gbps のネットワーク帯域幅を達成できます。

帯域幅の階層

下り(外向き)帯域幅の上限は、Google Cloud で VM がネットワーク インターフェース(NIC)から出力できる時間単位(たとえば Gbps(ギガビット/秒))あたりの最大データ量を表します。下り(外向き)帯域幅には、VM にアタッチされているすべての Persistent Disk ボリュームと Google Cloud Hyperdisk ボリュームに転送されたデータが含まれます。

帯域幅の上限について、以下のことに注意してください。

  • デフォルトの帯域幅の上限は 10~200 Gbps の範囲で、マシンタイプと VM のサイズに応じて変わります。
  • Tier_1 ネットワーキングでは、VM の下り(外向き)帯域幅の上限が引き上げられます。下り(外向き)帯域幅の上限は、VM のサイズとマシンタイプに応じて 50~200 Gbps の範囲になります。
  • 実際の下り(外向き)帯域幅は常に、下り(外向き)帯域幅の上限以下になります。

下り(外向き)帯域幅の値を可能な限り引き上げるには、次の条件をすべて満たす必要があります。

  • 送信 VM と受信 VM は同じゾーンに存在する必要があります。
  • VM には、同じ VPC ネットワーク内、または VPC ネットワーク ピアリングで接続された VPC ネットワーク内に NIC が必要です。
  • VM 間で送信されるパケットには、内部 IP アドレスの宛先を使用する必要があります。
  • VM で使用される VPC ネットワークは、最も高い最大伝送単位(MTU)設定を使用します。MTU を高くすると、パケットヘッダーのオーバーヘッドが削減され、ペイロード データのスループットが高くなります。

下り(外向き)と上り(内向き)の帯域幅の上限の詳細については、ネットワーク帯域幅をご覧ください。

汎用 N2 VM

次の表に、N2 VM の下り(外向き)帯域幅の上限を示します。

vCPU 内部 IP Tier_1 内部 IP 外部 IP Tier_1 外部 IP
2 10 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
4 10 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
8 16 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
16 32 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
32 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
48 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
64 32 Gbps 75 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
80 32 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
96 32 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
128 32 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps

汎用 N2(カスタムサイズの形態)VM

次の表に、カスタムサイズの N2 VM の下り(外向き)帯域幅の上限を示します。

vCPU 内部 IP Tier_1 内部 IP 外部 IP Tier_1 外部 IP
32-62 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
64-78 32 Gbps 75 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
80-128 32 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps

汎用 N2D VM

次の表に、N2D VM の下り(外向き)帯域幅の上限を示します。

vCPU 内部 IP Tier_1 内部 IP 外部 IP Tier_1 外部 IP
2 10 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
4 10 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
8 16 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
16 32 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
32 32 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
48 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
64 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
80 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
96 32 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
128 32 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
224 32 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps

汎用 N2D(カスタムサイズの形態)VM

次の表に、カスタムサイズの N2D VM の下り(外向き)帯域幅の上限を示します。

vCPU 内部 IP Tier_1 内部 IP 外部 IP Tier_1 外部 IP
48-94 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
96 32 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps

汎用 C3 VM

次の表に、C3 VM の下り(外向き)帯域幅の上限を示します。

vCPU 内部 IP Tier_1 内部 IP 外部 IP Tier_1 外部 IP
4 23 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
8 23 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
22 23 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
44 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
88 62 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
176 100 Gbps 200 Gbps 7 Gbps 25 Gbps

汎用 C3D VM

vCPU 内部 IP Tier_1 内部 IP 外部 IP Tier_1 外部 IP
4 20 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
8 20 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
16 20 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
30 20 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
60 40 Gbps 75 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
90 60 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
180 100 Gbps 150 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
360 100 Gbps 200 Gbps 7 Gbps 25 Gbps

コンピューティング最適化 C2 VM

次の表に、C2 VM の下り(外向き)帯域幅の上限を示します。

vCPU 内部 IP Tier_1 内部 IP 外部 IP Tier_1 外部 IP
4 10 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
8 16 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
16 32 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
30 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 7 Gbps
60 32 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 7 Gbps

コンピューティング最適化 C2D VM

次の表に、C2D VM の下り(外向き)帯域幅の上限を示します。

vCPU 内部 IP Tier_1 内部 IP 外部 IP Tier_1 外部 IP
2 10 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
4 10 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
8 16 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
16 32 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
32 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 7 Gbps
56 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 7 Gbps
112 32 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 7 Gbps

コンピューティング最適化 H3 VM

次の表に、H3 VM の下り(外向き)帯域幅の上限を示します。

vCPU 内部 IP 外部 IP
88 200 Gbps 1 Gbps

メモリ最適化 M3 VM

次の表に、M3 VM の下り(外向き)帯域幅の上限を示します。

vCPU 内部 IP Tier_1 内部 IP 外部 IP Tier_1 外部 IP
32 32 Gbps 該当なし 7 Gbps 該当なし
64 32 Gbps 50 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
128 32 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps

ストレージ最適化 Z3 VM

次の表に、Z3 VM の下り(外向き)帯域幅の上限を示します。

vCPU 内部 IP Tier_1 内部 IP 外部 IP Tier_1 外部 IP
88 62 Gbps 100 Gbps 7 Gbps 25 Gbps
176 100 Gbps 200 Gbps 7 Gbps 25 Gbps

Tier_1 ネットワーキングを使用した VM の構成

VM が gVNIC ネットワーク インターフェースを使用している場合は、VM の作成時に Tier_1 ネットワーキングを有効にできます。VM が gVNIC インターフェースで作成された場合は、VM を編集して Tier_1 ネットワーキングを追加または削除することもできます。

必要に応じて、DPDK による高速なネットワーク パケット処理を有効にして、Tier_1 ネットワーキングを使用する VM でパフォーマンス重視のアプリケーションを実行することもできます。

Tier_1 ネットワーキングを使用する VM とコンテナの作成

Google Cloud コンソール、Google Cloud CLI、または REST を使用して、Tier_1 ネットワーキングを新しい VM またはコンテナに追加します。

コンソール

  1. Google Cloud コンソールで [VM インスタンス] ページに移動します。

    [VM インスタンス] に移動

  2. プロジェクトを選択します。

  3. [インスタンスを作成] をクリックします。

  4. VM の名前を指定します。詳しくは、リソースの命名規則をご覧ください。

  5. Tier_1 ネットワーキングをサポートするリージョンとゾーンを選択します。

  6. VM のマシン構成を選択します。Tier_1 ネットワーキングを使用して VM を作成するには、N2、N2D、C2、C2D、C3、C3D、または Z3(プレビュー)VM を選択する必要があります。

    • [汎用] タブをクリックしてから、[シリーズ] プルダウン メニューから N2、N2D、C3、または C3D を選択します。
    • [コンピューティング最適化] タブをクリックしてから、[シリーズ] プルダウン メニューから C2 または C2D を選択します。
    • [ストレージ最適化] タブをクリックしてから、[シリーズ] プルダウン メニューから Z3 を選択します。
  7. [マシンタイプ] プルダウン メニューで、帯域幅階層のサイズ要件に適合するマシンタイプを選択します。

  8. gVNIC 互換のオペレーティング システムを選択するには、[ブートディスク] セクションで [変更] をクリックし、サポートされているオペレーティング システムを選択するか、[カスタム イメージ] タブで、カスタム イメージを選択します。

  9. 省略可。[ファイアウォール] セクションで、ファイアウォール ルールを選択します。

  10. ネットワーク プロパティを変更するには、[詳細オプション] という見出しをクリックしてセクションを展開します。

  11. [ネットワーキング] をクリックして、次の操作を行います。

    1. [ネットワーク インターフェース カード] プルダウン メニューで、[gVNIC] を選択します。
    2. [ネットワーク帯域幅] で [VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを有効にする] チェックボックスをオンにします。
    3. VM に複数の NIC がある場合や、IPv6 アドレスを使用している場合は、ネットワーク インターフェースを構成します。
  12. [作成] をクリックします。

gcloud

    Google Cloud コンソールで、「Cloud Shell をアクティブにする」をクリックします。

    Cloud Shell をアクティブにする

    Google Cloud コンソールの下部で Cloud Shell セッションが開始し、コマンドライン プロンプトが表示されます。Cloud Shell はシェル環境です。Google Cloud CLI がすでにインストールされており、現在のプロジェクトの値もすでに設定されています。セッションが初期化されるまで数秒かかることがあります。

  1. gcloud beta compute instances create コマンドを使用して、gVNIC 仮想ネットワーク ドライバによる VM を作成します。VM のネットワーク パフォーマンス設定を構成するには、--network-performance-configs フラグと --network-interface フラグを使用します。これらのフラグを指定しない場合、デフォルトのネットワーク パフォーマンス構成で VM が作成されます。

    コンテナ イメージを実行する VM を作成するには、gcloud compute instances create-with-container コマンドを使用します。

    gcloud compute instances create VM_NAME  \
        --image=OS_IMAGE  \
        --machine-type=MACHINE_TYPE  \
        --network-performance-configs=total-egress-bandwidth-tier=TIER_1  \
        --network-interface=nic-type=GVNIC
    

    次のように置き換えます。

    次に例を示します。

       gcloud compute instances create instance-1 \
           --network-performance-configs=total-egress-bandwidth-tier=TIER_1 \
           --network-interface=nic-type=GVNIC \
           --image-family=rocky-linux-8-optimized-gcp \
           --image-project=rocky-linux-cloud \
           --machine-type=n2-standard-32
       

REST

Compute Engine API の instances.insert メソッドを呼び出して、高帯域幅ネットワークの構成を持つ VM を作成します。リクエスト本文内で、次のようにします。

  • networkPerformanceConfig パラメータを totalEgressBandwidthTierTIER_1 に設定します。
  • networkInterface パラメータを nicTypeGVNIC に設定します。
POST https://compute.googleapis.com/compute/v1/projects/PROJECT_ID/zones/ZONE/instances

{
  "name": VM_NAME,
    "description": string,
    ...
    "networkPerformanceConfig": {
        "totalEgressBandwidthTier": TIER_1
  },
    "networkInterfaces": [
      {
        "nicType": "GVNIC"
    },
    ...
    ]
  }

次のように置き換えます。

  • PROJECT_ID: プロジェクト ID
  • ZONE: VM を作成するゾーン
  • VM_NAME: VM の名前

Tier_1 ネットワーキングを含めるための VM の更新

インスタンス プロパティの更新のドキュメントを参照して、VM の更新に必要なすべての要件を満たしていることを確認します。Google Cloud コンソール、Google Cloud CLI、または REST を使用して VM を更新します。

VM を編集して、ネットワーク構成を変更し 既存の VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを追加または除外できます。VM にはすでに gVNIC インターフェースが関連付けられている必要があります。VM を編集してネットワーク インターフェースを追加することはできません。ネットワーク構成を更新するには、VM を停止して再起動する必要があります。

コンソール

  1. Google Cloud コンソールで [VM インスタンス] ページに移動します。

    [VM インスタンス] に移動

  2. プロジェクトを選択します。

  3. 更新する VM の名前をクリックします。

  4. VM を停止します。

  5. [編集] を選択します。

  6. VM が gVNIC カードを使用して最初に構成されている場合は、[VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを有効にする] チェックボックスをオンにして、VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを追加するか、このチェックボックスをオフにして、VM からこの機能を削除します。

  7. 変更を保存します。

  8. VM を再起動します。

gcloud

    Google Cloud コンソールで、「Cloud Shell をアクティブにする」をクリックします。

    Cloud Shell をアクティブにする

    Google Cloud コンソールの下部で Cloud Shell セッションが開始し、コマンドライン プロンプトが表示されます。Cloud Shell はシェル環境です。Google Cloud CLI がすでにインストールされており、現在のプロジェクトの値もすでに設定されています。セッションが初期化されるまで数秒かかることがあります。

  1. gcloud compute instances export コマンドを使用して、VM の情報を .yaml ファイルにエクスポートします。

    gcloud compute instances export VM_NAME \
        --zone=ZONE --destination=PATH_TO_FILE
    

    次のように置き換えます。

    • VM_NAME: VM の名前
    • ZONE: VM が配置されているゾーンの名前
    • PATH_TO_FILE: 拡張子が .yaml のファイル名。

      例:

      gcloud compute instances export instance-1 \
          --zone=europe-west1-c --destination=test-file.yaml
      
  2. Cloud Shell エディタまたは任意のエディタを開きます。
  3. 作成した .yaml ファイルを開きます。
  4. ファイルの末尾に以下の情報を追加します。

    networkPerformanceConfig:
      totalEgressBandwidthTier: TIER_1
    

    totalEgressBandwidthTierTIER_1 に設定すると、Tier_1 ネットワーキングが追加されます。DEFAULT に設定すると、構成が削除されます。

  5. gcloud compute instance update-from-file コマンドを使用して、ファイルの変更内容で VM を更新します。

    gcloud compute instances update-from-file VM_NAME \
        --source=PATH_TO_FILE \
        --most-disruptive-allowed-action=RESTART
    

    次のように置き換えます。

    • VM_NAME: VM の名前
    • PATH_TO_FILE: .yaml ファイル名

    --most-disruptive-allowed-action=RESTART フラグを設定すると、更新された構成で VM が自動的に再起動します。

REST

instances.update メソッドを呼び出してネットワーク構成を変更します。

PUT https://compute.googleapis.com/compute/v1/projects/PROJECT_ID/zones/ZONE/instances/RESOURCE_ID?most_disruptive_allowed_action=RESTART

{
  "networkPerformanceConfig":{
      "totalEgressBandwidthTier": "TIER_1"
  },
...
}

totalEgressBandwidthTierTIER_1 に設定すると、Tier_1 ネットワーキングが追加されます。DEFAULT に設定すると、構成が削除されます。

次のように置き換えます。

  • PROJECT_ID: プロジェクト ID
  • ZONE: VM が存在するゾーン
  • RESOURCE_ID: VM の名前

most_disruptive_allowed_action=RESTART クエリ パラメータは、更新された構成で VM を自動的に再起動します。

VM 内の高帯域幅構成の確認

Google Cloud コンソール、Google Cloud CLI、または REST を使用して、既存の VM またはコンテナ イメージを実行している既存の VM の説明を生成し、VM の帯域幅階層を確認します。

コンソール

  1. Google Cloud コンソールで [VM インスタンス] ページに移動します。

    [VM インスタンス] に移動

  2. プロジェクトを選択し、[続行] をクリックします。

  3. VM の名前をクリックして構成の詳細を表示し、VM が VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを使用しているかどうかを確認します。

gcloud

    Google Cloud コンソールで、「Cloud Shell をアクティブにする」をクリックします。

    Cloud Shell をアクティブにする

    Google Cloud コンソールの下部で Cloud Shell セッションが開始し、コマンドライン プロンプトが表示されます。Cloud Shell はシェル環境です。Google Cloud CLI がすでにインストールされており、現在のプロジェクトの値もすでに設定されています。セッションが初期化されるまで数秒かかることがあります。

  1. gcloud compute instances describe コマンドを使用して、VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを VM が使用しているかどうかを確認します。

    次に例を示します。

      gcloud compute instances describe VM_NAME  \
          --format="text(name, networkPerformanceConfig)"
      

    出力は次のようになります。

       name: instance-1
       networkPerformanceConfig.totalEgressBandwidthTier:TIER_1
      

    出力に DEFAULT という値が表示されている場合、Tier_1 ネットワーキングは有効になっていません。

REST

Compute Engine API の instances.get メソッドを呼び出して、ネットワーク構成を表示します。

GET https://compute.googleapis.com/compute/v1/projects/PROJECT_ID/zones/ZONE/instances/RESOURCE_ID/

次のように置き換えます。

  • PROJECT_ID: プロジェクト名
  • ZONE: VM が存在するゾーン
  • RESOURCE_ID: VM の名前

出力に次の行が含まれているはずです。

{
  "name": RESOURCE_ID,
    "description": string,
    ...
    "networkPerformanceConfig": {
        "totalEgressBandwidthTier": "TIER_1"
    },
    ...
  }

出力に DEFAULT という値が示される場合、Tier_1 ネットワーキングは有効になっていません。

Tier_1 ネットワーキングを使用したインスタンス テンプレートの作成

Google Cloud コンソール、Google Cloud CLI、または REST を使用して、VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスのインスタンス テンプレートを作成します。VM インスタンス テンプレートを作成するための要件をすべて満たしていることを確認するには、インスタンス テンプレートの作成のドキュメントをご覧ください。

コンソール

  1. Google Cloud コンソールで、[インスタンス テンプレート] ページに移動します。

    [インスタンス テンプレート] に移動

  2. [インスタンス テンプレートを作成] をクリックします。

  3. 次のフィールドに値を入力するか、デフォルト値を受け入れます。

  4. インスタンス テンプレートの名前を指定します。詳しくは、リソースの命名規則をご覧ください。

  5. Tier_1 ネットワーキングをサポートするリージョンとゾーンを選択します。

  6. VM のマシン構成を選択します。Tier_1 ネットワーキングを使用して VM を作成するには、N2、N2D、C2、C2D、C3、C3D、または Z3(プレビュー)VM を選択する必要があります。

    • [汎用] タブをクリックしてから、[シリーズ] プルダウン メニューから N2、N2D、C3、または C3D を選択します。
    • [コンピューティング最適化] タブをクリックしてから、[シリーズ] プルダウン メニューから C2 または C2D を選択します。
    • [ストレージ最適化] タブをクリックしてから、[シリーズ] プルダウン メニューから Z3 を選択します。
  7. [マシンタイプ] プルダウン メニューで、帯域幅階層のサイズ要件に適合するマシンタイプを選択します。

  8. [ブートディスク] セクションで、[変更] をクリックして、gVNIC 互換またはカスタムのイメージを選択します。

  9. 省略可。[ファイアウォール] セクションで、ファイアウォール ルールを選択します。

  10. [詳細オプション] セクションを開いて、ネットワーク プロパティを変更します。

  11. [ネットワーキング] をクリックして、次の操作を行います。

    1. [ネットワーク インターフェース カード] プルダウン メニューで、[gVNIC] を選択します。

    2. [ネットワーク帯域幅] で [VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスを有効にする] チェックボックスをオンにします。

    3. VM に複数の NIC がある場合や、IPv6 アドレスを使用している場合は、ネットワーク インターフェースを構成します。

  12. [作成] をクリックします。

gcloud

    Google Cloud コンソールで、「Cloud Shell をアクティブにする」をクリックします。

    Cloud Shell をアクティブにする

    Google Cloud コンソールの下部で Cloud Shell セッションが開始し、コマンドライン プロンプトが表示されます。Cloud Shell はシェル環境です。Google Cloud CLI がすでにインストールされており、現在のプロジェクトの値もすでに設定されています。セッションが初期化されるまで数秒かかることがあります。

  1. --network-performance-configs フラグと --network-interface フラグを指定して、gcloud compute instance-templates create コマンドを使用します。

      gcloud compute instance-templates create INSTANCE_TEMPLATE_NAME \
          --image=OS_IMAGE \
          --machine-type=MACHINE_TYPE \
          --network-performance-configs=total-egress-bandwidth-tier=TIER_1 \
          --network-interface=nic-type=GVNIC
      

    次のように置き換えます。

    • INSTANCE_TEMPLATE_NAME: インスタンス テンプレートの名前
    • OS_IMAGE: gVNIC イメージをサポートするイメージ
    • MACHINE_TYPE: 帯域幅階層で説明されているように、Tier_1 ネットワーキングをサポートするマシンタイプ。

    次に例を示します。

      gcloud compute instance-templates create instance-template-1 \
          --image-family=rocky-linux-8-optimized-gcp \
          --image-project=rocky-linux-cloud \
          --network-performance-configs=total-egress-bandwidth-tier=TIER_1 \
          --machine-type=n2-standard-32 \
          --network-interface=nic-type=GVNIC
      

REST

Compute Engine API の instanceTemplates.insert メソッドを呼び出します。リクエストの本文で、networkPerformanceConfig パラメータを totalEgressBandwidthTierTIER_1 に設定します。networkInterfaces パラメータを nicTypeGVNIC に設定します。

POST https://compute.googleapis.com/compute/v1/projects/PROJECT_ID/global/instancesTemplates

{
  "name": "INSTANCE_TEMPLATE_NAME",
  "properties": {
    "machineType": "zones/ZONE/machineTypes/MACHINE_TYPE",
    ...
    "networkPerformanceConfig": {
        "totalEgressBandwidthTier": "TIER_1"
  },
    "networkInterfaces": [
      {
        "nicType": "GVNIC"
    },
    ...
  }

次のように置き換えます。

  • PROJECT_ID: プロジェクト名
  • INSTANCE_TEMPLATE_NAME: インスタンス テンプレート名
  • ZONE: VM インスタンスが配置されているゾーン
  • MACHINE_TYPE: 新しい VM のマシンタイプ
  • RESOURCE_ID: VM の名前

高帯域幅構成のベンチマークの実施

ベンチマーク テストを実行すると、VM ごとの Tier_1 ネットワーキング パフォーマンスによる VM のパフォーマンスを確認できます。リソースに対する予期しない課金が発生しないように、テスト中に作成したベンチマーク リソースを削除してください。

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