データのバッチ読み込み
BigQuery には、Cloud Storage またはローカル ファイルからバッチ オペレーションとしてデータを読み込むことができます。ソースデータは次のいずれかの形式になります。
- Avro
- カンマ区切り値(CSV)
- JSON(改行区切り)
- ORC
- Parquet
- Cloud Storage に保存されている Datastore のエクスポート
- Cloud Storage に保存されている Firestore のエクスポート
BigQuery Data Transfer Service を使用して、Cloud Storage から BigQuery への定期的な読み込みを設定することもできます。
使ってみる
Google Cloud を初めて使用される方は、アカウントを作成して、実際のシナリオでの BigQuery のパフォーマンスを評価してください。新規のお客様には、ワークロードの実行、テスト、デプロイに充当できる無料クレジット $300 分を差し上げます。
BigQuery の無料トライアル始める前に
このドキュメントの各タスクを行うのに必要な権限をユーザーに与える Identity and Access Management(IAM)ロールを付与し、データを保存するためのデータセットを作成します。
必要な権限
BigQuery にデータを読み込むには、読み込みジョブを実行してデータを BigQuery のテーブルとパーティションに読み込む IAM 権限が必要です。Cloud Storage からデータを読み込む場合は、データを含むバケットに対する IAM アクセス権限も必要です。
BigQuery にデータを読み込む権限
新しい BigQuery テーブルやパーティションにデータを読み込む場合、または既存のテーブルやパーティションにデータの追加や上書きを行う場合は、次の IAM 権限が必要です。
bigquery.tables.create
bigquery.tables.updateData
bigquery.tables.update
bigquery.jobs.create
以下の各事前定義 IAM ロールには、BigQuery テーブルやパーティションにデータを読み込むために必要な権限が含まれています。
roles/bigquery.dataEditor
roles/bigquery.dataOwner
roles/bigquery.admin
(bigquery.jobs.create
権限を含む)bigquery.user
(bigquery.jobs.create
権限を含む)bigquery.jobUser
(bigquery.jobs.create
権限を含む)
また、bigquery.datasets.create
権限がある場合は、作成するデータセットで読み込みジョブを使用してテーブルの作成と更新を行えます。
BigQuery での IAM のロールと権限については、事前定義ロールと権限をご覧ください。
Cloud Storage からデータを読み込む権限
Cloud Storage バケットからデータを読み込むために必要な権限を取得するには、バケットに対するストレージ管理者(roles/storage.admin
)IAM ロールを付与するよう管理者に依頼してください。ロールの付与については、プロジェクト、フォルダ、組織へのアクセス権の管理をご覧ください。
この事前定義ロールには、Cloud Storage バケットからデータを読み込むために必要な権限が含まれています。必要とされる正確な権限については、「必要な権限」セクションを開いてご確認ください。
必要な権限
Cloud Storage バケットからデータを読み込むには、次の権限が必要です。
-
storage.buckets.get
-
storage.objects.get
-
storage.objects.list (required if you are using a URI wildcard)
カスタムロールや他の事前定義ロールを使用して、これらの権限を取得することもできます。
データセットを作成する
データを保存する BigQuery データセットを作成します。
Cloud Storage からのデータの読み込み
BigQuery では以下の Cloud Storage ストレージ クラスからデータを読み込むことができます。
- Standard
- Nearline
- Coldline
- アーカイブ
BigQuery にデータを読み込む方法については、以下のデータ形式のページをご覧ください。
Cloud Storage から BigQuery への定期的な読み込みを構成する方法については、Cloud Storage の転送をご覧ください。
ロケーションに関する留意事項
Cloud Storage からデータを読み込む場合、読み込まれるデータは BigQuery データセットと同じロケーションにある必要があります。
BigQuery データセットが
US
マルチリージョンにある場合、任意のロケーションにある Cloud Storage バケットからデータを読み込むことができます。- マルチリージョン バケット: 読み込み元の Cloud Storage バケットがマルチリージョン バケットにある場合、BigQuery データセットは同じマルチリージョン バケット、または同じマルチリージョン バケットに含まれる任意の単一リージョンに配置できます。たとえば、Cloud Storage バケットが
EU
リージョンにある場合、BigQuery データセットはEU
マルチリージョンまたはEU
の任意の単一リージョンに配置できます。 デュアルリージョン バケット: 読み込み元の Cloud Storage バケットがデュアルリージョン バケットにある場合、BigQuery データセットは、デュアルリージョン バケットに含まれるリージョン、またはデュアルリージョンを含むマルチリージョンに配置できます。たとえば、Cloud Storage バケットが
EUR4
リージョンにある場合、BigQuery データセットはフィンランド(europe-north1
)の単一リージョン、オランダ(europe-west4
)の単一リージョンまたはEU
マルチリージョンに配置できます。単一リージョン バケット: 読み込み元の Cloud Storage バケットが単一リージョンにある場合、BigQuery データセットは同じ単一リージョン、またはその単一リージョンを含むマルチリージョンに配置できます。たとえば、Cloud Storage バケットがフィンランド(
europe-north1
)リージョンにある場合、BigQuery データセットはフィンランドまたはEU
マルチリージョンに配置できます。1 つ例外があります。BigQuery データセットが
asia-northeast1
リージョンにある場合、Cloud Storage バケットはEU
マルチリージョンに配置できます。
Cloud Storage のロケーションについて詳しくは、Cloud Storage ドキュメントのバケットのロケーションをご覧ください。
データセットの作成後にそのロケーションを変更することはできませんが、データセットのコピーは作成できます。また、手動で移動することもできます。詳細については、次をご覧ください。
Cloud Storage URI の取得
Cloud Storage データソースからデータを読み込むには、Cloud Storage URI を指定する必要があります。
Cloud Storage のリソースパスには、バケット名とオブジェクト(ファイル名)が含まれます。たとえば、Cloud Storage バケットの名前が mybucket
でデータファイルの名前が myfile.csv
の場合、リソースパスは gs://mybucket/myfile.csv
になります。
BigQuery では、最初のダブル スラッシュの後に複数の連続スラッシュが含まれる Cloud Storage リソースパスはサポートされていません。Cloud Storage オブジェクトの名前には複数の連続スラッシュ("/")文字を含めることができます。一方、BigQuery では、複数の連続スラッシュは単一のスラッシュに変換されます。たとえば、リソースパス gs://bucket/my//object//name
は Cloud Storage では有効ですが、BigQuery では機能しません。
Cloud Storage のリソースパスを取得するには:
Cloud Storage コンソールを開きます。
ソースデータを含むオブジェクト(ファイル)の場所に移動します。
オブジェクトの名前をクリックします。
[オブジェクトの詳細] ページが開きます。
[gsutil URI] フィールドに表示されている値(
gs://
で始まる)をコピーします。
Google Datastore のエクスポートで指定できる URI は 1 つのみです。また、URI の末尾は .backup_info
または .export_metadata
である必要があります。
Cloud Storage の URI でのワイルドカードのサポート
データが複数のファイルに分かれている場合は、ワイルドカードとしてアスタリスク(*)を使用して複数のファイルを選択できます。ワイルドカードとしてアスタリスクを使用する場合は、次のルールに従う必要があります。
- アスタリスクは、オブジェクト名の中または末尾に使用できます。
- 複数のアスタリスクは使用できません。たとえば、パス
gs://mybucket/fed-*/temp/*.csv
は無効です。 - バケット名にはアスタリスクを使用できません。
例:
次の例では、
gs://mybucket/fed-samples/fed-sample
で始まるすべてのフォルダ内のすべてのファイルを選択する方法を示します。gs://mybucket/fed-samples/fed-sample*
次の例では、
fed-samples
というフォルダとfed-samples
のサブフォルダにある.csv
という拡張子のファイルのみを選択する方法を示します。gs://mybucket/fed-samples/*.csv
次の例では、
fed-samples
という名前のフォルダでfed-sample*.csv
という命名パターンのファイルを選択する方法を示します。この例では、fed-samples
のサブフォルダ内のファイルは選択されません。gs://mybucket/fed-samples/fed-sample*.csv
一部のプラットフォームでは、bp コマンドライン ツールの使用時に、アスタリスクをエスケープしなければならない場合があります。
Cloud Storage から Datastore または Firestore のエクスポート データを読み込むときには、アスタリスク ワイルドカードは使用できません。
制限事項
Cloud Storage バケットから BigQuery にデータを読み込む際には、次の制限があります。
- データセットのロケーションが
US
マルチリージョン以外の値に設定されている場合、Cloud Storage バケットはデータセットと同じリージョンに存在するか、同じマルチリージョンに含まれている必要があります。 - BigQuery では外部データソースに対して整合性が保証されません。クエリの実行中に基になるデータを変更すると、予期しない動作が発生する可能性があります。
- BigQuery では、Cloud Storage オブジェクトのバージョニングはサポートされていません。Cloud Storage URI に世代番号を含めると、読み込みジョブは失敗します。
Cloud Storage のソースデータの形式によっては、追加の制限が適用される場合があります。詳細については、次をご覧ください。
ローカル ファイルからのデータの読み込み
次のいずれかを使用して、読み取り可能なデータソース(ローカルマシンなど)からデータを読み込むことができます。
- Google Cloud コンソール
- bq コマンドライン ツールの
bq load
コマンド - API
- クライアント ライブラリ
Google Cloud コンソールまたは bq コマンドライン ツールを使用してデータを読み込むと、読み込みジョブが自動的に作成されます。
データをローカル データソースから読み込むには:
コンソール
Google Cloud コンソールで [BigQuery] ページを開きます。
[エクスプローラ] パネルでプロジェクトを開いて、データセットを選択します。
アクション オプションを開いて、[開く] をクリックします。
詳細パネルで [テーブルを作成]
をクリックします。[テーブルの作成] ページの [ソース] セクションで、次の操作を行います。
- [テーブルの作成元] で [アップロード] を選択します。
- [ファイルを選択] で、[参照] をクリックします。
- 一覧からファイルを選択して [開く] をクリックします。ワイルドカードやカンマ区切りのリストは、ローカル ファイルに対してはサポートされないことに注意してください。
- ファイル形式として、CSV、JSON(改行区切り)、Avro、Parquet または ORC を選択します。
[テーブルの作成] ページの [送信先] セクションで、次の操作を行います。
- [プロジェクト] で、該当するプロジェクトを選択します。
- [データセット] で、該当するデータセットを選択します。
- [テーブル] に、BigQuery で作成するテーブルの名前を入力します。
- [テーブルタイプ] が [ネイティブ テーブル] に設定されていることを確認します。
[スキーマ] セクションでスキーマ定義を入力します。
CSV や JSON ファイルの場合は、[自動検出] オプションをオンにしてスキーマの自動検出を有効にできます。スキーマ情報は、サポートされているその他のファイル形式のソースデータで自己記述されます。
次の方法でスキーマ情報を手動で入力することもできます。
[テキストとして編集] をクリックし、テーブル スキーマを JSON 配列として入力します。
[フィールドを追加] を使用して、スキーマを手動で入力します。
[詳細オプション] セクションで該当する項目を選択します。使用可能なオプションについては、CSV のオプションと JSON のオプションをご覧ください。
省略可: [詳細オプション] で書き込み処理を選択します。
- 空の場合に書き込む: テーブルが空の場合にのみデータを書き込みます。
- テーブルに追加する: テーブルの末尾にデータを追加します。これがデフォルトの設定です。
- テーブルを上書きする: 新しいデータを書き込む前に、テーブル内の既存のデータをすべて削除します。
[テーブルを作成] をクリックします。
bq
bq load
コマンドを使用して source_format
を指定し、ローカル ファイルへのパスも指定します。
(省略可)--location
フラグを指定して、その値をロケーションに設定します。
デフォルト プロジェクト以外のプロジェクトのデータを読み込む場合は、PROJECT_ID:DATASET
の形式でプロジェクト ID をデータセットに追加します。
bq --location=LOCATION load \ --source_format=FORMAT \ PROJECT_ID:DATASET.TABLE \ PATH_TO_SOURCE \ SCHEMA
次のように置き換えます。
LOCATION
: ロケーション。--location
フラグは省略可能です。たとえば、BigQuery を東京リージョンで使用している場合は、このフラグの値をasia-northeast1
に設定します。ロケーションのデフォルト値は、.bigqueryrc ファイルを使用して設定できます。FORMAT
:CSV
、AVRO
、PARQUET
、ORC
、NEWLINE_DELIMITED_JSON
。project_id
: プロジェクト ID。dataset
: 既存のデータセット。table
: データの読み込み先のテーブル名。path_to_source
: ローカル ファイルへのパス。schema
: 有効なスキーマ。スキーマはローカルの JSON ファイルにすることも、コマンドの一部としてインラインで入力することもできます。また、スキーマ定義を指定する代わりに、--autodetect
フラグを使用することもできます。
その他にも、BigQuery によるデータの解析方法を制御するオプションに対応するフラグを追加できます。たとえば、--skip_leading_rows
フラグを使用すると、CSV ファイル内のヘッダー行が無視されます。詳細については、CSV のオプションと JSON のオプションをご覧ください。
例:
次のコマンドは、ローカルの改行区切りの JSON ファイル(mydata.json
)をデフォルト プロジェクトの mydataset
内にある mytable
というテーブルに読み込みます。スキーマは、myschema.json
という名前のローカル スキーマ ファイルで定義されています。
bq load \
--source_format=NEWLINE_DELIMITED_JSON \
mydataset.mytable \
./mydata.json \
./myschema.json
次のコマンドは、ローカルの CSV ファイル(mydata.csv
)を myotherproject
の mydataset
内にある mytable
という名前のテーブルに読み込みます。スキーマは、FIELD:DATA_TYPE, FIELD:DATA_TYPE
の形式でインラインで定義されます。
bq load \
--source_format=CSV \
myotherproject:mydataset.mytable \
./mydata.csv \
qtr:STRING,sales:FLOAT,year:STRING
次のコマンドは、ローカルの CSV ファイル(mydata.csv
)をデフォルト プロジェクトの mydataset
内にある mytable
というテーブルに読み込みます。スキーマはスキーマ自動検出を使用して定義されます。
bq load \
--autodetect \
--source_format=CSV \
mydataset.mytable \
./mydata.csv
C#
このサンプルを試す前に、クライアント ライブラリを使用した BigQuery クイックスタートにある C# の設定手順を完了してください。詳細については、BigQuery C# API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
BigQuery に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、クライアント ライブラリの認証を設定するをご覧ください。
次のコードでは、ローカル CSV ファイルを新しい BigQuery テーブルに読み込む方法を示します。別の形式のローカル ファイルを読み込むには、UploadCsvOptions
ではなく、JobCreationOptions 基本クラスから適切な形式のアップデート オプション クラスを選択します。
Go
このサンプルを試す前に、クライアント ライブラリを使用した BigQuery クイックスタートにある Go の設定手順を完了してください。詳細については、BigQuery Go API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
BigQuery に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、クライアント ライブラリの認証を設定するをご覧ください。
次のコードでは、ローカル CSV ファイルを新しい BigQuery テーブルに読み込む方法を示します。別の形式のローカル ファイルを読み込むには、NewReaderSource
の DataFormat プロパティを適切な形式に設定します。
Java
このサンプルを試す前に、クライアント ライブラリを使用した BigQuery クイックスタートにある Java の設定手順を完了してください。詳細については、BigQuery Java API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
BigQuery に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、クライアント ライブラリの認証を設定するをご覧ください。
次のコードでは、ローカル CSV ファイルを新しい BigQuery テーブルに読み込む方法を示します。別の形式のローカル ファイルを読み込むには、FormatOptions を適切な形式に設定します。
Node.js
このサンプルを試す前に、クライアント ライブラリを使用した BigQuery クイックスタートにある Node.js の設定手順を完了してください。詳細については、BigQuery Node.js API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
BigQuery に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、クライアント ライブラリの認証を設定するをご覧ください。
次のコードでは、ローカル CSV ファイルを新しい BigQuery テーブルに読み込む方法を示します。別の形式のローカル ファイルを読み込むには、load 関数のmetadata
パラメータを適切な形式に設定します。
PHP
このサンプルを試す前に、クライアント ライブラリを使用した BigQuery クイックスタートにある PHP の設定手順を完了してください。詳細については、BigQuery PHP API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
BigQuery に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、クライアント ライブラリの認証を設定するをご覧ください。
次のコードでは、ローカル CSV ファイルを新しい BigQuery テーブルに読み込む方法を示します。別の形式のローカル ファイルを読み込むには、sourceFormat を適切な形式に設定します。
Python
このサンプルを試す前に、クライアント ライブラリを使用した BigQuery クイックスタートにある Python の設定手順を完了してください。詳細については、BigQuery Python API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
BigQuery に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、クライアント ライブラリの認証を設定するをご覧ください。
次のコードでは、ローカル CSV ファイルを新しい BigQuery テーブルに読み込む方法を示します。別の形式のローカル ファイルを読み込むには、LoadJobConfig.source_format プロパティを適切な形式に設定します。
Ruby
このサンプルを試す前に、クライアント ライブラリを使用した BigQuery クイックスタートにある Ruby の設定手順を完了してください。詳細については、BigQuery Ruby API のリファレンス ドキュメントをご覧ください。
BigQuery に対する認証を行うには、アプリケーションのデフォルト認証情報を設定します。詳細については、クライアント ライブラリの認証を設定するをご覧ください。
次のコードでは、ローカル CSV ファイルを新しい BigQuery テーブルに読み込む方法を示します。別の形式のローカル ファイルを読み込むには、Table#load_job メソッドのformat
パラメータを適切な形式に設定します。
制限事項
ローカル データソースからのデータの読み込みには、次の制限があります。
- ワイルドカードやカンマ区切りのリストは、ローカル データソースからファイルを読み込む場合にはサポートされません。ファイルは個別に読み込む必要があります。
- Google Cloud コンソールを使用する場合、ローカル データソースから読み込まれるファイルのサイズが 100 MB を超えないようにしてください。サイズの大きいファイルの場合は、Cloud Storage からファイルを読み込みます。
- デフォルトでは、読み込みジョブはスロットの共有プールを使用します。BigQuery では、この共有プールの使用可能容量や、表示されるスループットが保証されません。別の方法として、読み込みジョブを実行するための専用スロットを購入することもできます。詳細については、データ取り込みの料金をご覧ください。
圧縮データと非圧縮データを読み込む
Avro、Parquet、ORC の形式の場合、BigQuery では、サポートされているコーデックを使用してファイルデータが圧縮されているファイルの読み込みがサポートされています。ただし BigQuery では、gzip
ユーティリティなどを使用して圧縮されたこれらの形式のファイルの読み込みはサポートされていません。
Avro バイナリ形式は、圧縮データと非圧縮データの両方の読み込みに適しています。データブロックが圧縮されていても、Avro データは並行して読み取ることができるため、より高速に読み込みが行われます。サポートされている圧縮コーデックの一覧については、Avro 圧縮をご覧ください。
Parquet の効率的な列単位のエンコードでは通常、圧縮率が高くなり、ファイルサイズが小さくなるため、Parquet バイナリ形式も適しています。Parquet ファイルは、ファイルの並列読み込みが可能な圧縮手法も使用します。サポートされている圧縮コーデックの一覧については、Parquet 圧縮をご覧ください。
ORC バイナリ形式には、Parquet 形式に似た利点があります。データ ストライプを並列で読み取ることができるため、ORC ファイルのデータは高速で読み取ることができます。各データ ストライプの行が順番に読み込まれます。読み込み時間を短縮するには、データ ストライプのサイズを 256 MB 以下にします。サポートされている圧縮コーデックの一覧については、ORC 圧縮をご覧ください。
CSV や JSON などのデータ形式の場合、BigQuery では非圧縮ファイルを並列読み取りできるため、非圧縮ファイルを圧縮ファイルよりかなり速く読み込むことができます。ただし、非圧縮ファイルはサイズが大きいため、使用すると帯域幅の制限に達し、BigQuery に読み込まれる前に Cloud Storage にステージングされるデータのために Cloud Storage のコストが高くなる可能性があります。圧縮ファイルや非圧縮ファイルの場合、行の順序が保証されないことにもご注意ください。使用状況に応じて、どちらを重視するかを決定する必要があります。
一般に、帯域幅が限られている場合は、CSV ファイルや JSON ファイルを gzip
で圧縮してから Cloud Storage にアップロードします。BigQuery にデータを読み込むときに CSV ファイルと JSON ファイルでサポートされているファイル圧縮形式は gzip
のみです。読み込み速度が重要なアプリを使用していて、データの読み込み用に豊富な帯域幅がある場合は、ファイルを圧縮しないでおきます。
テーブルへの追加または上書き
テーブルに追加のデータを読み込むには、ソースファイルを使用するか、クエリ結果を追加します。データのスキーマが追加先のテーブルまたはパーティションのスキーマと一致しない場合は、追加または上書きするときにスキーマを更新できます。
データの追加時にスキーマを更新する場合、BigQuery では次のことが可能です。
- 新しいフィールドを追加する
- フィールドのモードを
REQUIRED
からNULLABLE
に緩和する
テーブルを上書きする場合、スキーマは必ず上書きされます。テーブルを上書きするとき、スキーマの更新は制限されません。
Google Cloud コンソールでは、[書き込み設定] オプションを使用して、ソースファイルやクエリ結果からデータを読み込むときに行う操作を指定します。bq コマンドライン ツールと API には、次のオプションがあります。
コンソールのオプション | bq ツールフラグ | BigQuery API のプロパティ | 説明 |
---|---|---|---|
Write if empty | なし | WRITE_EMPTY | テーブルが空の場合にのみデータを書き込みます。 |
テーブルに追加する | --noreplace または --replace=false (--replace を指定しない場合、デフォルトは追加) |
WRITE_APPEND | (デフォルト)テーブルの末尾にデータを追加します。 |
テーブルを上書きする | --replace または --replace=true |
WRITE_TRUNCATE | 新しいデータを書き込む前に、テーブル内の既存のデータをすべて消去します。 |
割り当てポリシー
データのバッチ読み込みの割り当てポリシーについては、割り当てと上限のページの読み込みジョブをご覧ください。
現在の割り当て使用量を確認する
クエリ、読み込み、抽出、コピージョブの現在の使用状況を確認するには、INFORMATION_SCHEMA
クエリを実行して、指定した期間に実行されたジョブに関するメタデータを表示します。現在の使用量と割り当て上限を比較することで、特定の種類のジョブの割り当て使用量を確認できます。次のクエリの例では、INFORMATION_SCHEMA.JOBS
ビューを使用して、プロジェクトごとにクエリ、読み込み、抽出、コピーの各ジョブの数を一覧表示します。
SELECT sum(case when job_type="QUERY" then 1 else 0 end) as QRY_CNT, sum(case when job_type="LOAD" then 1 else 0 end) as LOAD_CNT, sum(case when job_type="EXTRACT" then 1 else 0 end) as EXT_CNT, sum(case when job_type="COPY" then 1 else 0 end) as CPY_CNT FROM `region-eu`.INFORMATION_SCHEMA.JOBS_BY_PROJECT WHERE date(creation_time)= CURRENT_DATE()
料金
BigQuery へのデータの一括読み込みは無料です。詳しくは、BigQuery データ取り込みの料金をご覧ください。
使用例
決められた期限までに完了する必要がある夜間のバッチ処理パイプラインがあるとします。規制当局に送信するレポートを生成するには、別のバッチ処理でさらに処理を行ってこの期限までにデータを使用可能にする必要があります。このユースケースは金融などの規制が多い業界では一般的です。
期限が満たされていれば、レイテンシは問題にならないため、このユースケースに適したアプローチは、読み込みジョブを使用したデータの一括読み込みとなります。Cloud Storage バケットが BigQuery データセットにデータを読み込むためのロケーションの要件を満たしていることを確認します。
BigQuery の読み込みジョブの結果はアトミックです。すべてのレコードが挿入されるか、どれも挿入されません。ベスト プラクティスとして、単一の読み込みジョブにすべてのデータを挿入する場合は、JobConfigurationLoad
リソースの WRITE_TRUNCATE
処理を使用して新しいテーブルを作成します。たとえば、成功状態をクライアントに返す際など、クライアントが失敗したジョブと引き起こされた失敗を区別できない可能性があるため、これは失敗した読み込みジョブを再試行する場合に重要です。
取り込まれるデータがすでに Cloud Storage に正常にコピーされていると仮定すれば、指数バックオフを使用して再試行するだけで取り込みの失敗に対処できます。
再試行を含めても、夜間のバッチジョブでテーブルごとに 1 日あたり 1,500 回の読み込みというデフォルトの割り当てに達しないようにすることをおすすめします。データを段階的に読み込む場合は、デフォルトの割り当てで 5 分ごとに読み込みジョブを実行できますが、ジョブごとに少なくとも 1 回の再試行の未消化の割り当てが必要です。