AWS プロフェッショナルのための Google Cloud Platform

最終更新日: 2018 年 9 月 6 日

このガイドは、Amazon Web Services(AWS)に精通したプロフェッショナルを対象に、Google Cloud Platform(GCP)を導入するにあたって必要となる重要なコンセプトを紹介することを目的としています。GCP と AWS を比較し、両者の類似点と相違点を明確にします。また、AWS のサービス、コンセプト、用語と GCP のサービス、コンセプト、用語の対応がすぐにわかるよう簡潔にまとめています。

GCP を選ぶ理由

過去 15 年間に渡り、Google は、世界中で、最速、最強、最高品質のクラウド インフラストラクチャを構築してきました。Google 内部では、このインフラストラクチャを GmailマップYouTube検索といったトラフィック量の多いグローバル規模のサービスで使用しています。このようなサービスの規模を考慮して、Google では、インフラストラクチャを最適化し、効率的に管理するためのツールやサービスの作成に力を入れてきました。GCP なら、このようなインフラストラクチャと管理リソースをすぐに手に入れることができます。

リージョンとゾーン

ほぼすべての AWS サービスは、世界中に配置されているリージョン内でデプロイされています。各リージョンは、互いに比較的近接しているデータセンター グループで構成されています。Amazon は、各リージョンを 2 つ以上のアベイラビリティ ゾーンに分割しています。GCP も同様に、世界中に配置されているリージョンやゾーンに分けてサービスを提供しています。GCP のグローバルなリージョンやゾーンのマッピングについては、クラウドのロケーションをご覧ください。

また、GCP サービスの中には、リージョンやゾーンという細かいレベルではなく、マルチリージョンに配置されているものもあります。Google App Engine や Google Cloud Storage がこれらのサービスに含まれます。現在、このマルチリージョンの配置が利用できるのは、米国、ヨーロッパ、アジアのみです。

設計により、AWS リージョンは他の AWS リージョンから分離しており、独立した形態になっています。この設計は、ひとつのリージョンの可用性が、他のリージョンの可用性に影響を及ぼさないように、また、リージョン内のサービスが、独立した形態を確保できるようにするためのものです。GCP のリージョンも同様に、可用性を考慮して、相互に分離されています。ただし、GCP には、GCP サービスのニーズに応じてリージョン間でデータを同期できる機能が組み込まれています。

AWS と GCP はどちらも、世界中のさまざまな場所に接続拠点(POP)を配置しています。このように POP を配置することで、エンドユーザーに近い場所でコンテンツをキャッシュに保存できます。ただし、各プラットフォームは、各自異なった方法で、該当する POP ロケーションを使用しています。

  • AWS は、POP を使用して、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスである Amazon CloudFront を提供しています。
  • GCP は、POP を使用して、Google Cloud Content Delivery Network(Cloud CDN)を提供するとともに、Google App Engine や Google Cloud Storage などのサービス向けに組み込みのエッジ キャッシングを提供しています。

GCP の POP は、Google が所有するファイバーを介してデータセンターに接続します。このスムーズな接続により、GCP ベースのアプリケーションは GCP 上のすべてのサービスに高速かつ確実にアクセスできます。

要約すると、ロケーションに関する AWS の用語とコンセプトは、次のように GCP の用語とコンセプトに対応します。

コンセプト AWS の用語 GCP の用語
データセンターやサービスのクラスタ リージョン リージョン
抽象化されたデータセンター アベイラビリティ ゾーン ゾーン
エッジ キャッシング POP(CloudFront のみ) POP(複数のサービス)

アカウント、制限、料金

AWS サービスを使用するには、AWS アカウントに登録する必要があります。このプロセスが完了したら、Amazon が規定する制限内において、アカウントを利用し、サービスを起動することができます。これらのサービスに対する料金は、利用者の特定のアカウントに請求されます。必要に応じて、請求先アカウントを作成し、その後、この請求先アカウントにロールアップされるサブアカウントを作成します。こうすることで、組織における標準的な構造に準じた請求が可能になります。

同様に、GCP のサービスを使用するには、Google アカウントを設定する必要があります。ただし、GCP は、アカウントではなくプロジェクト別にサービスの利用状況を分類します。このモデルでは、同じアカウントで別個のプロジェクトを複数作成できます。組織における設定では、企業内の部門やグループについて個々にプロジェクト スペースを作成できるという利点があります。また、このモデルはテストを行う場合にも便利です。プロジェクトの完了後、プロジェクトを削除すると、そのプロジェクトによって作成されたリソースもすべて削除されます。

AWS と GCP ではどちらも、新規アカウントについてはデフォルトで各サービスにソフト制限が課せられます。これらのソフト制限は、所定のサービスの技術的な制限とは関連付けられていません。不正なアカウントによって過剰なリソースが使用されることを防いだり、新規ユーザーがプラットフォームを閲覧する際に、意図したよりも多くのリソースを消費してしまうリスクを軽減したりすることを目的として設けられています。AWS と GCP では、アプリケーションがこれらの制限を超えた場合、サービスに課せられた上限を上げるために、適切な内部チームと連絡を取れるように設定されています。

コア機能やサービスよりも頻繁に料金が変更する傾向があるので、この記事では料金体系については記載しません。ただし、参考になる場合は、各記事でサービスに関する料金モデルについて説明します。特定のソリューションに関する最新の料金を比較するには、Amazon 見積ツールGCP 料金計算ツールを使用して、柔軟性、スケーラビリティ、費用などの面で最適な構成を確認してください。

リソース管理インターフェース

AWS と GCP ではそれぞれ、サービスやリソースと対話するためのコマンドライン インターフェース(CLI)を提供しています。AWS では Amazon CLI を、GCP では Cloud SDK を提供しています。これらは全サービスに対応した統合 CLI であり、Windows、Linux、macOS で利用可能なバイナリを装備したクロスプラットフォームです。また、GCP では Google Cloud Shell を使用することで、ウェブブラウザで Cloud SDK を使用できます。

AWS と GCP では、ウェブベースのコンソールも提供しています。コンソールを使用することで、ユーザーは、リソースを作成、管理、モニタリングできます。GCP のコンソールは https://console.cloud.google.com/ にあります。

サービスのタイプ

クラウド プラットフォームは大まかに言うと、コンピューティング、ストレージ、ネットワーキング、データベース サービスなどの基本サービスを提供しています。AWS の基本サービスには、次のサービスが含まれます。

  • コンピューティング: Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)
  • ストレージ: Amazon Simple Storage Service(S3)、Amazon Elastic Block Store(EBS)
  • ネットワーキング: Amazon Virtual Private Cloud(VPC)
  • データベース: Amazon Relational Database Service(RDS)、Amazon DynamoDB

GCP の基本サービスには、次のサービスが含まれます。

  • コンピューティング: Google Compute Engine と Google App Engine
  • ストレージ: Google Cloud Storage
  • ネットワーキング: Google Virtual Private Cloud
  • データベース: Google Cloud SQL、Google Cloud Datastore、Google Cloud Bigtable

プラットフォームには、これらのサービスに加え、より高度なサービスを組み込むことが可能です。一般的に、これらの高度なサービスは 4 つのタイプに分類できます。

  • アプリケーション サービス: Cloud 内のアプリケーションを最適化するために設計されたサービスです。Amazon SNS や Google Cloud Pub/Sub などがあります。
  • ビッグデータおよび分析サービス: Amazon Kinesis や Google Cloud Dataflow など、大量のデータを処理するために設計されたサービスです。
  • 管理サービス: アプリケーションのパフォーマンスを追跡するために設計されたサービスです。Amazon CloudWatch や Google Stackdriver Monitoring などがあります。
  • 機械学習サービス: 画像認識や音声認識などの知覚 AI を組み込んだり、独自の機械学習モデルをトレーニングしてデプロイしたりするために設計されたサービスです。Amazon SageMaker や Google Cloud Machine Learning Engine などがあります。

サービスの比較

次の表は、AWS と GCP で利用可能なさまざまなサービスを並べて比較したものです。

サービス カテゴリ サービス AWS Google Cloud Platform
コンピューティング IaaS Amazon Elastic Compute Cloud Compute Engine
PaaS AWS Elastic Beanstalk App Engine
コンテナ Amazon Elastic Compute Cloud Container Service Google Kubernetes Engine
サーバーレス機能 AWS Lambda Cloud Functions
マネージド バッチ コンピューティング AWS Batch 該当なし
ネットワーク 仮想ネットワーク Amazon Virtual Private Cloud Virtual Private Cloud
ロードバランサ Elastic Load Balancer Cloud Load Balancing
専用の相互接続 Direct Connect Cloud Interconnect
ドメインと DNS Amazon Route 53 Google Domains、Cloud DNS
CDN Amazon CloudFront Cloud Content Delivery Network
ストレージ オブジェクト ストレージ Amazon Simple Storage Service Cloud Storage
ブロック ストレージ Amazon Elastic Block Store Persistent Disk
低可用性ストレージ Amazon S3 標準 - 低頻度アクセス、Amazon S3 1 ゾーン - 低頻度アクセス Cloud Storage Nearline
アーカイブ ストレージ Amazon Glacier Cloud Storage Coldline
ファイル ストレージ Amazon Elastic File System Cloud Filestore(ベータ版)
データベース RDBMS Amazon Relational Database Service、Amazon Aurora Cloud SQLCloud Spanner
NoSQL: Key-Value Amazon DynamoDB Cloud DatastoreCloud Bigtable
NoSQL: インデックス Amazon SimpleDB Cloud Datastore
ビッグデータと分析 バッチデータ処理 Amazon Elastic MapReduce、AWS Batch Cloud DataprocCloud Dataflow
ストリーム データ処理 Amazon Kinesis Cloud Dataflow
ストリーム データ取り込み Amazon Kinesis Cloud Pub/Sub
分析 Amazon Redshift、Amazon Athena BigQuery
ワークフロー オーケストレーション Amazon Data Pipeline、AWS Glue Cloud Composer
アプリケーション サービス メッセージ Amazon Simple Notification Service、Amazon Simple Queuing Service Cloud Pub/Sub
管理サービス モニタリング Amazon CloudWatch Stackdriver Monitoring
ロギング Amazon CloudWatch Logs Stackdriver Logging
デプロイ AWS CloudFormation Cloud Deployment Manager
機械学習 音声 Amazon Transcribe Cloud Speech-to-Text
ビジョン Amazon Rekognition Cloud Vision
自然言語処理 Amazon Comprehend Cloud Natural Language
翻訳 Amazon Translate Cloud Translation
会話型インターフェース Amazon Lex Dialogflow Enterprise Edition
ビデオ インテリジェンス Amazon Rekognition Video Cloud Video Intelligence
自動生成モデル 該当なし Cloud AutoML(ベータ版)
フルマネージド ML Amazon SageMaker Cloud Machine Learning Engine

次のステップ

それぞれのサービスタイプに関する AWS プロフェッショナルのための GCP の記事をご覧ください。

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