Cloud Storage コネクタは、オープンソースの Java ライブラリです。これにより、Cloud Storage 内のデータに対して Apache Hadoop や Apache Spark のジョブを直接実行できます。Hadoop 分散ファイル システム(HDFS)を選択する場合と比べ、Cloud Storage コネクタは多くのメリットをもたらします。
Cloud Storage コネクタのメリット
- データへの直接アクセス - データを Cloud Storage に保存し、直接アクセスします。最初にデータを HDFS に転送する必要はありません。
- HDFS との互換性 -
hdfs://
接頭辞の代わりにgs://
を使用して、Cloud Storage 内のデータに簡単にアクセスできます。 - 相互運用性 - Cloud Storage にデータを保存することにより、Spark、Hadoop、Google サービス間でシームレスな相互運用性を実現できます。
- データ アクセシビリティ - HDFS と異なり、Hadoop クラスタをシャットダウンしても、Cloud Storage 内のデータに引き続きアクセスできます。
- データの高可用性 - Cloud Storage に保存されているデータの可用性は高く、グローバルに複製してもパフォーマンスが低下しません。
- ストレージ管理のオーバーヘッドが不要 - HDFS と異なり、Cloud Storage はファイル システムのチェック、ファイル システムのアップグレードや旧バージョンへのロールバックなどの定期的なメンテナンスを必要としません。
- クイック起動 - HDFS では、
NameNode
がセーフモードでなくなるまで MapReduce ジョブを起動できません。この処理は、データのサイズや状態に応じて、数秒で終わるときもあれば、何分もかかるときもあります。Cloud Storage を使用することで、タスクノードの開始と同時にジョブを開始することができ、長期的にも大幅なコスト節減につながります。
Dataproc クラスタの Cloud Storage コネクタの設定
Cloud Storage コネクタは、デフォルトで /usr/local/share/google/dataproc/lib/
ディレクトリのすべての Dataproc クラスタノードにインストールされます。
以降のセクションでは、Dataproc クラスタでコネクタを正常に設定するための手順について説明します。
サービス アカウントの権限
Dataproc クラスタなどの Compute Engine VM 内でコネクタを実行すると、google.cloud.auth.service.account.enable
プロパティはデフォルトで false
に設定されます。したがって、コネクタのサービス アカウントを手動で構成する必要はありません。サービス アカウントの認証情報は VM メタデータ サーバーから取得されます。
デフォルト以外のコネクタ バージョン
Dataproc クラスタにインストールされている最新のイメージで使用されるデフォルトの Cloud Storage コネクタのバージョンは、クラスタ イメージのバージョン ページにリストされています(サポートされている Dataproc バージョンをご覧ください)。 アプリケーションが、クラスタにデプロイされた、デフォルト以外のコネクタ バージョンに依存している場合は、次のいずれかを行う必要があります。
--metadata=GCS_CONNECTOR_VERSION=x.y.z
フラグを使用してクラスタを作成する。このフラグは、クラスタ上で実行されているアプリケーションが使用するコネクタを、指定されたコネクタ バージョンに更新します。- アプリケーションの jar に使用しているバージョンのコネクタクラスとコネクタの依存関係をインクルードして再配置する。デプロイしたコネクタのバージョンと、Dataproc クラスタにインストールされているデフォルトのコネクタのバージョンの間の競合を避けるために、再配置が必要になります(Maven 依存関係の再配置の例をご覧ください)。
Dataproc 以外のクラスタ
コネクタをダウンロードします。
Hadoop 用の Cloud Storage コネクタをダウンロードするには:
- Cloud Storage バケットにある最新バージョン(本番環境での使用は推奨されません):
gcs-connector-HADOOP_VERSION-CONNECTOR_VERSION.jar
の名前パターンで、Hadoop と Cloud Storage のコネクタ バージョンを置き換えた、Cloud Storage バケットからの特定のバージョン:- 例:
gs://hadoop-lib/gcs/gcs-connector-hadoop2-2.1.1.jar
- 例:
- Apache Maven リポジトリからの特定のバージョン(シェーディングされ名前に
-shaded
接尾辞が付いた jar をダウンロードします)。
コネクタをインストールします。
Cloud Storage コネクタをインストール、構成してテストするには、GitHub でのコネクタのインストールをご覧ください。
コネクタを使用する
Cloud Storage に保存されているデータには、次に示す複数の方法でアクセスできます。
- Spark(または PySpark)や Hadoop アプリケーションで
gs://
接頭辞を使用する。 - Hadoop シェルで
hadoop fs -ls gs://bucket/dir/file
を実行する。 - Google Cloud コンソール Cloud Storage ブラウザ。
gcloud storage cp
コマンドまたはgcloud storage rsync
コマンドを使用する。
リソース
Java のバージョン
Cloud Storage コネクタには Java 8 が必要です。
Apache Maven 依存関係についての情報
<dependency> <groupId>com.google.cloud.bigdataoss</groupId> <artifactId>gcs-connector</artifactId> <version>insert "hadoopX-X.X.X" connector version number here</version> <scope>provided</scope> </dependency>
または、シェーディングされたバージョン。
<dependency> <groupId>com.google.cloud.bigdataoss</groupId> <artifactId>gcs-connector</artifactId> <version>insert "hadoopX-X.X.X" connector version number here</version> <scope>provided</scope> <classifier>shaded</classifier> </dependency>
詳しくは、Cloud Storage コネクタのリリースノートと Javadoc リファレンスをご覧ください。
次のステップ
- Cloud Storage に関する詳細を見る