MySQL

このドキュメントでは、Google Cloud Managed Service for Prometheus を使用して MySQL から指標を収集できるように、Google Kubernetes Engine の Deployment を構成する方法について説明します。このドキュメントでは、次の方法について説明します。

  • MySQL のエクスポータを設定して、指標を報告する。
  • エクスポートされた指標を収集するために、Managed Service for Prometheus の PodMonitoring リソースを構成する。
  • Cloud Monitoring のダッシュボードにアクセスして指標を表示する。
  • 指標をモニタリングするようにアラートルールを構成する。

以下の手順は、Managed Service for Prometheus でマネージド コレクションを使用している場合にのみ適用されます。セルフデプロイ コレクションを使用している場合は、MySQL エクスポータのソース リポジトリでインストール情報をご覧ください。

以下の手順は一例であり、ほとんどの Kubernetes 環境で機能します。セキュリティ ポリシーや組織のポリシーの制限により、アプリケーションやエクスポータのインストールに問題がある場合は、オープンソース ドキュメントでサポート情報を確認することをおすすめします。

MySQL については、MySQL をご覧ください。

前提条件

Managed Service for Prometheus とマネージド コレクションを使用して MySQL から指標を収集するには、Deployment が次の要件を満たしている必要があります。

  • クラスタで Google Kubernetes Engine バージョン 1.21.4-gke.300 以降を実行している必要があります。
  • マネージド コレクションを有効にして、Managed Service for Prometheus を実行する必要があります。詳細については、マネージド コレクションを使ってみるをご覧ください。

  • MySQL とのインテグレーションに Cloud Monitoring で利用可能なダッシュボードを使用するには、mysqld_exporter バージョン v0.14.0 以降を使用する必要があります。

    利用可能なダッシュボードの詳細については、ダッシュボードを表示するをご覧ください。

最小権限のユーザーを作成する方法については、必要な権限の付与をご覧ください。

MySQL エクスポータをインストールする

MySQL エクスポータである mysqld_exporter を MySQL ワークロードのサイドカーとしてインストールすることをおすすめします。サイドカーの使用方法については、マルチコンテナ Pod を使用した Kubernetes での拡張アプリケーションをご覧ください。

mysqld_exporter をサイドカーとして MySQL にインストールするには、次の例に示すように MySQL 構成を変更します。

# Copyright 2022 Google LLC
#
# Licensed under the Apache License, Version 2.0 (the "License");
# you may not use this file except in compliance with the License.
# You may obtain a copy of the License at
#
#     https://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0
#
# Unless required by applicable law or agreed to in writing, software
# distributed under the License is distributed on an "AS IS" BASIS,
# WITHOUT WARRANTIES OR CONDITIONS OF ANY KIND, either express or implied.
# See the License for the specific language governing permissions and
# limitations under the License.

+ apiVersion: v1
+ kind: ConfigMap
+ metadata:
+  name: mysql-exporter-config
+ data:
+   my.cnf: |
+     [client]
+     user=root
+     password=password
---
apiVersion: apps/v1
kind: StatefulSet
metadata:
  name: mysql
spec:
  serviceName: mysql
  selector:
    matchLabels:
+     app.kubernetes.io/name: mysql
  template:
    metadata:
      labels:
+       app.kubernetes.io/name: mysql
    spec:
      containers:
+     - name: exporter
+       image: prom/mysqld-exporter:v0.15.0
+       args:
+         - --config.my-cnf=/home/my.cnf
+       ports:
+       - containerPort: 9104
+         name: prometheus
+       volumeMounts:
+       - mountPath: /home/my.cnf
+         subPath: my.cnf
+         name: mysql-exporter-config
      - name: mysql
        image: mysql:5.7
        env:
        - name: MYSQL_ROOT_PASSWORD
          value: password
        - name: MYSQL_USER
          value: sbtest
        - name: MYSQL_PASSWORD
          value: password
        - name: MYSQL_DATABASE
          value: sbtest
        ports:
        - containerPort: 3306
+     volumes:
+     - name: mysql-exporter-config
+       configMap:
+         name: mysql-exporter-config
+         items:
+         - key: my.cnf
+           path: my.cnf

+ 記号で始まるすべての行を構成に追加する必要があります。

MySQL インスタンスで機能する認証情報を含む構成ファイルのパスで --config.my-cnf 引数を更新します。

構成の変更をローカル ファイルから適用するには、次のコマンドを実行します。

kubectl apply -n NAMESPACE_NAME -f FILE_NAME

Terraform を使用して構成を管理することもできます。

PodMonitoring リソースを定義する

ターゲット ディスカバリの場合、Managed Service for Prometheus Operator には、同じ Namespace 内の MySQL エクスポータに対応する PodMonitoring リソースが必要です。

次の PodMonitoring 構成を使用できます。

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# Licensed under the Apache License, Version 2.0 (the "License");
# you may not use this file except in compliance with the License.
# You may obtain a copy of the License at
#
#     https://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0
#
# Unless required by applicable law or agreed to in writing, software
# distributed under the License is distributed on an "AS IS" BASIS,
# WITHOUT WARRANTIES OR CONDITIONS OF ANY KIND, either express or implied.
# See the License for the specific language governing permissions and
# limitations under the License.

apiVersion: monitoring.googleapis.com/v1
kind: PodMonitoring
metadata:
  name: mysql
  labels:
    app.kubernetes.io/name: mysql
    app.kubernetes.io/part-of: google-cloud-managed-prometheus
spec:
  endpoints:
  - port: prometheus
    scheme: http
    interval: 30s
    path: /metrics
  selector:
    matchLabels:
      app.kubernetes.io/name: mysql

ラベルセレクタとポートが、MySQL エクスポータをインストールするで使用されているセレクタとポートと一致していることを確認します。

構成の変更をローカル ファイルから適用するには、次のコマンドを実行します。

kubectl apply -n NAMESPACE_NAME -f FILE_NAME

Terraform を使用して構成を管理することもできます。

ルールとアラートを定義する

次の Rules 構成を使用して、MySQL 指標に関するアラートを定義できます。

# Copyright 2022 Google LLC
#
# Licensed under the Apache License, Version 2.0 (the "License");
# you may not use this file except in compliance with the License.
# You may obtain a copy of the License at
#
#     https://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0
#
# Unless required by applicable law or agreed to in writing, software
# distributed under the License is distributed on an "AS IS" BASIS,
# WITHOUT WARRANTIES OR CONDITIONS OF ANY KIND, either express or implied.
# See the License for the specific language governing permissions and
# limitations under the License.

apiVersion: monitoring.googleapis.com/v1
kind: Rules
metadata:
  name: mysql-rules
  labels:
    app.kubernetes.io/component: rules
    app.kubernetes.io/name: mysql-rules
    app.kubernetes.io/part-of: google-cloud-managed-prometheus
spec:
  groups:
  - name: mysql
    interval: 30s
    rules:
    - alert: MySQLConnectionErrors
      annotations:
        description: |-
          MySQL connection errors
            VALUE = {{ $value }}
            LABELS: {{ $labels }}
        summary: MySQL connection errors (instance {{ $labels.instance }})
      expr: mysql_global_status_connection_errors_total > 0
      for: 5m
      labels:
        severity: warning

構成の変更をローカル ファイルから適用するには、次のコマンドを実行します。

kubectl apply -n NAMESPACE_NAME -f FILE_NAME

Terraform を使用して構成を管理することもできます。

ルールをクラスタに適用する方法については、マネージド ルールの評価とアラートをご覧ください。

アラートのしきい値は、アプリケーションに合わせて調整できます。

構成を確認する

Metrics Explorer を使用すると、MySQL エクスポータが正しく構成されていることを確認できます。Cloud Monitoring が指標を取り込むまでに 1~2 分かかる場合があります。

指標が取り込まれていることを確認します。

  1. Google Cloud コンソールで、[Metrics Explorer] ページに移動します。

    Metrics Explorer に移動

    検索バーを使用してこのページを検索する場合は、小見出しが [Monitoring] の結果を選択します。

  2. クエリビルダー ペインのツールバーで、[MQL] または [PROMQL] という名前のボタンを選択します。
  3. [言語] で [PromQL] が選択されていることを確認します。言語切り替えボタンは、クエリの書式設定と同じツールバーにあります。
  4. 次のクエリを入力して実行します。
    up{job="mysql", cluster="CLUSTER_NAME", namespace="NAMESPACE_NAME"}

ダッシュボードを表示する

Cloud Monitoring インテグレーションには、MySQL Prometheus の概要ダッシュボードが含まれています。ダッシュボードは、インテグレーションを構成すると自動的にインストールされます。インテグレーションをインストールすることなく、ダッシュボードの静的プレビューを表示することもできます。

インストールされているダッシュボードを表示する手順は次のとおりです。

  1. Google Cloud コンソールで [ダッシュボード] ページに移動します。

    [ダッシュボード] に移動

    検索バーを使用してこのページを検索する場合は、小見出しが [Monitoring] の結果を選択します。

  2. [ダッシュボード リスト] タブを選択します。
  3. [統合] カテゴリを選択します。
  4. ダッシュボードの名前(MySQL Prometheus Overview など)をクリックします。

ダッシュボードの静的プレビューを表示する手順は次のとおりです。

  1. Google Cloud コンソールで [インテグレーション] ページに移動します。

    [インテグレーション] に移動

    検索バーを使用してこのページを検索する場合は、小見出しが [Monitoring] の結果を選択します。

  2. [デプロイメント プラットフォーム] フィルタの [Kubernetes Engine] をクリックします。
  3. MySQL インテグレーションを見つけ、[詳細を表示] をクリックします。
  4. [ダッシュボード] タブを選択します。

トラブルシューティング

指標の取り込みに関する問題のトラブルシューティングについては、取り込み側の問題のトラブルシューティングエクスポータからの収集に関する問題をご覧ください。