データを統合すると、複数のデータソースに基づくグラフ、テーブル、コントロールを作成できます。最大 5 つのテーブルを統合できます。
たとえば、異なる BigQuery テーブル(例: 顧客情報と注文詳細)のデータを統合して、Looker Studio で 1 つのテーブルを作成して情報を視覚化できます。別の例として、Google 広告アカウントと Google アナリティクス アカウントのデータを組み合わせて時系列で表示して、マーケティング キャンペーンのパフーマンスの全体像を把握することも可能です。
統合とデータソースの違い
データを統合すると、「統合」と呼ばれるリソースが作成されます。統合は、レポートのグラフとコントロールにデータを提供するという点で、データソースと似ています。ただし、結合とデータソースにはいくつかの重要な違いがあります。
- 結合は、複数のデータソースから情報を取得します。
- 結合は、作成元のレポートに常に埋め込まれます。他のレポートで統合を再利用することはできません。ただし、レポートをコピーすると、新しいレポートに統合もコピーされるため、統合データがグラフに引き続き反映されます。
- 基となるデータソースの指標は、統合では数値ディメンションとなり、集計されません。詳しくは、高度な概念についての記事をご覧ください。
- 統合では、独自のデータ更新頻度や認証情報を設定できません。この設定は基となるデータソースから継承されます。
統合の仕組み
データベースのプログラミングでは、異なるテーブルのデータを統合するために SQL の JOIN ステートメントを使用しますが、Looker Studio では代わりに統合エディタを使用するため、コードを記述することなくデータを統合することができます(以下のスクリーンショット参照)。
凡例:
- Tables
- 結合の設定
- [別のテーブルを結合] ボタン
- 統合名
- 含まれているディメンションと指標
- 指標、期間、フィルタを追加する
- [繰り返し結合フィールドを非表示にする] オプションと [保存] ボタン
Tables
統合は複数のテーブルで構成されます。統合を編集または作成すると、管理画面にテーブルが表示されます。各テーブルには、基になるデータソースから抽出された一連のフィールドが含まれています。1 つの統合に、テーブルは最大 5 つまで追加できます。
テーブルにデータを追加するには、[ディメンションを追加] または [指標を追加] をクリックします。
結合条件で使用されるフィールドは、リンクアイコン 付きで表示されます。
結合の設定
結合の設定で、テーブルのペアを結合して統合します。結合の設定は、演算子(テーブルのペアから一致するレコードと一致しないレコードの組み合わせ方法を定義する)と、条件(テーブルの相互関連を定義するフィールドのセット)で構成されています。
たとえば、次のスクリーンショットでは、「Grades(成績)」テーブルが「Students(学生)」テーブルの student_id
フィールドと、「Classes(クラス)」テーブルの class_id
フィールドに結合されています。どちらの「結合の設定」でも、左外部演算子が使用されています。
結合演算子
結合演算子は、統合内のテーブルの一致する行と一致しない行の結合方法を定義します。Looker Studio は、次の結合演算子をサポートしています。
- 内部結合 - 左右両方のテーブルの条件が一致した行のみを返します。
- 左外部結合 - 右側のテーブルの条件が一致した行と、左側のテーブルのすべての行を返します。
- 右外部結合 - 左側のテーブルの条件が一致した行と、右側のテーブルのすべての行を返します。
- 完全外部結合 - 左右両方のテーブルからすべての行を返します。
- クロス結合 - 左右両方のテーブルから考えられるすべての行の組み合わせを返します。
結合演算子について詳しくは、BigQuery のドキュメントをご覧ください。
結合条件
「結合条件」とは、各テーブルにある 1 つ以上のフィールドのことで、テーブルのレコードを結合するために使用されます。たとえば、Google アナリティクスと Google 広告のグラフの統合で、抽出された両方のテーブルにキャンペーン名が存在する場合、そのフィールドを使用してデータを結合します。
統合のテーブルごとに、条件に使用するフィールドを選択します。各フィールドのデータが同じであれば、すべてのテーブルに同じフィールドを使用する必要はありません。また、フィールドに同じ名前を付ける必要もありません。たとえば、顧客、注文、商品アイテムを 1 つのグラフで視覚化するとします。これらのテーブルには次のようなフィールドがあります。
Customers テーブル
customer_ID
customer_name
Orders テーブル
cust_id
order_number
order_total
商品アイテムの表
order_number
SKU
これらのテーブルを統合するには、customer_ID
フィールドと cust_id
フィールドを結合条件として使用して顧客テーブルと注文テーブルを結合します。order_number
を結合条件として注文テーブルを商品アイテム テーブルと結合します。
含まれているディメンションと指標
統合の結合条件で使用されるフィールドと、統合に追加したディメンションや指標は、[含まれるディメンションと指標] セクションに表示されます。これらのフィールドは、統合に基づくすべてのグラフで使用できます。
繰り返し結合フィールドを非表示にする
[繰り返し結合フィールドを非表示にする] オプションを使用すると、結合条件で使用される重複フィールドが除外されます。繰り返し結合フィールドを含めるには、このオプションをオフにします。
たとえば、結合構成で student_id
フィールドと class_id
フィールドを使用して、Grades、Students、Classes の 3 つのテーブルを結合するとします。[繰り返し結合フィールドを非表示にする] オプションが選択されている場合、結合には student_id
と class_id
のインスタンスが 1 つだけ含まれます。
同じ統合設定で、[重複する結合フィールドを非表示にする] オプションをオフにすると、統合に student_id
と class_id
の複数のインスタンスが含まれ、そのフィールドが存在するテーブルの名前も含まれます(例: class_id
(Grades)、class_id
(Classes)、student_id
(Grades)、student_id
(Students))。
期間とフィルタ
1 つ以上のテーブルに期間またはフィルタを適用することで、統合データの範囲を制限できます。
ブレンドの例
クラス、生徒、成績の統合の例では、データ統合の典型的なユースケースを解決する方法を示しています。