レガシー SQL でのテーブル デコレータ

通常、BigQuery はクエリの実行時に行のフルスキャンを行います。レガシー SQL でテーブル デコレータを使用すると、より効率的にデータの一部に対してクエリを実行できます。テーブル デコレータは、テーブルのコピー、テーブルのエクスポートtabledata.list によるデータの一覧取得など、テーブルを読み取るときに使用できます。

テーブル デコレータでは <time> の相対値と絶対値を使用できます。相対値は負の数値、絶対値は正の数値で指定します。たとえば、-3600000 は現在の時刻より 1 時間前をミリ秒で表しており、3600000 は 1970 年 1 月 1 日から 1 時間後をミリ秒で表しています。

時間デコレータ

時間デコレータ(旧称スナップショット デコレータ)は、特定の時点のテーブルの履歴データを参照します。

構文

@<time>
  • <time> にあるテーブルの履歴データを参照します。時刻はエポック時間(ミリ秒)で表します。
  • <time> は過去 7 日以内で、テーブルの作成時刻以降でなければなりません。また、テーブルの削除時刻または有効期限より前である必要があります。
  • @0 は、テーブルで使用可能な最も古いデータを参照する特殊なケースです。

時間デコレータはレガシー SQL の外部でも使用されます。これらを bq cp コマンドで使用すると、テーブルの削除から 7 日以内であれば、削除されたテーブル(/bigquery/docs/managing-tables#undeletetable)を復元できます。

テーブルの 1 時間前の履歴データを取得するには:

相対値の例

#legacySQL
SELECT COUNT(*) FROM [PROJECT_ID:DATASET.TABLE@-3600000]

絶対値の例

  1. 1 時間前の <time> を取得します。

    #legacySQL
    SELECT INTEGER(DATE_ADD(USEC_TO_TIMESTAMP(NOW()), -1, 'HOUR')/1000)
    
  2. 次のクエリ内の <time> を置き換えます。

    #legacySQL
    SELECT COUNT(*) FROM [PROJECT_ID:DATASET.TABLE@time]
    

範囲デコレータ

構文

@<time1>-<time2>
  • <time1> から <time2> までの間に追加されたテーブルデータを参照します。時刻はエポック時間(ミリ秒)で表します。
  • <time1><time2> は過去 7 日以内である必要があります。
  • <time2> は省略できます。省略すると、デフォルトで現在の時刻が使用されます。

相対値の例

1 時間前から 30 分前の間に追加されたテーブルデータを取得するには:

#legacySQL
SELECT COUNT(*) FROM [PROJECT_ID:DATASET.TABLE@-3600000--1800000]

過去 10 分間からデータを取得するには:

#legacySQL
SELECT COUNT(*) FROM [PROJECT_ID:DATASET.TABLE@-600000-]

絶対値の例

1 時間前から 30 分前の間に追加されたテーブルデータを取得するには:

  1. 1 時間前の <time1> を取得します。

    #legacySQL
    SELECT INTEGER(DATE_ADD(USEC_TO_TIMESTAMP(NOW()), -1, 'HOUR')/1000)
    
  2. 30 分前の <time2> を取得します。

    #legacySQL
    SELECT INTEGER(DATE_ADD(USEC_TO_TIMESTAMP(NOW()), -30, 'MINUTE')/1000)
    
  3. 次のクエリ内の <time1><time2> を置き換えます。

    #legacySQL
    SELECT COUNT(*) FROM [PROJECT_ID:DATASET.TABLE@time1-time2]