ログベースの指標の概要

ログベースの指標は、ログエントリの内容に基づく Stackdriver Monitoring 指標です。たとえば、指標は特定のメッセージを含むログエントリの数を記録したり、ログエントリに報告されたレイテンシ情報を抽出したりできます。Stackdriver Monitoring のグラフおよびアラート ポリシーで、ログベースの指標を使用できます。

システム(ログベース)指標は、Stackdriver Logging によって事前定義されています。これらの指標には、特定の期間内に発生したロギング イベントの数が記録されます。

ユーザー定義(ログベース)指標は、プロジェクトのユーザーによって作成されます。特定のフィルタに一致するログエントリの数をカウントするか、一致するログエントリ内の特定の値を追跡します。

Stackdriver Logging は、一致するログエントリを受信するたびに、ログベースの指標の情報を蓄積します。Stackdriver Logging は定期的なスケジュールで新しいデータポイントを 1 分あたり 1 データポイントの速さで指標の時系列に書き込み、Stackdriver Monitoring がそのデータを利用できるようにします。

ログベースの指標のデータは、指標が作成された後に受信したログエントリから取得されます。指標には、Stackdriver Logging にすでにあるログエントリのデータが入力されていません。

始めに

  1. GCP Console で [Stackdriver Logging] > [ログベースの指標] ページの順に移動します。

    [ログベースの指標] ページに移動

  2. ページ上部で、既存の GCP プロジェクトを選択します。GCP プロジェクトのログベースの指標が一覧表示されます。

ログベースの指標の UI

ログベースの指標のインターフェース

ログベースの指標のインターフェースは、システム指標ユーザー定義指標の 2 つの指標タイプの領域に分けて表示されます。

両方の領域に、指標の概要を示した表が表示されます。表の各行の右端には、オーバーフロー メニューがあり、次のオプションを利用できます。

ログベースの指標の UI

  • [Metrics Explorer で表示する] を選択すると、Stackdriver Monitoring の Metrics Explorer が開き、システムログ ベースの指標のデータが表示されます。

    Metrics Explorer を使用して、アラート ポリシーのターゲット指標を指定できます。[ターゲット] 領域の横にあるグラフでは、ターゲット指標によってキャプチャされたデータに関する視覚的フィードバックが提供されます。

  • [指標に基づいて通知を作成する] を選択すると、ログベースの指標に基づいてアラート ポリシーを作成できます。なお、このオプションは、指標がカウンタ指標の場合にのみ使用できます。

    このオプションを選択すると、Stackdriver Monitoring Console が開き、アラート ポリシーの作成、編集、管理ができます。詳細については、アラート ポリシーの作成を参照してください。

ユーザー定義指標のインターフェース

ログベースの指標のインターフェースにある [ユーザー定義指標] 領域には、プロジェクトのユーザー定義指標を管理するための追加機能が用意されています。

  • ユーザー定義指標の表には、[名前]、[説明]、[タイプ]、[フィルタ] 列があります。これらは指標の作成時に指定されます。

  • ユーザー定義指標の表の上にある [指標をフィルタ] ボックスでは、テキスト検索、または指標の [名前]、[説明]、[フィルタ] で指標の一覧をフィルタリングできます。

ログベースの指標の UI

  • ユーザー定義指標の表には、[先月の使用量] および [使用量(MTD)] の列があります。これらの指標を使用すると、たとえば、どの指標に最も多くのデータが取り込まれたかを調べる場合や、請求額を見積もる場合に役立ちます。

  • 表の行の右端にあるオーバーフロー メニューを使用して、指標の編集指標の削除ができます。

さらに、いずれかの列名をクリックすると、昇順または降順でデータを並べ替えることができます。表の一番下では、表示する行数を選択することもできます。

GCP Console を使用してユーザー定義指標を管理する方法の詳細については、カウンタ指標の作成分布指標の作成をご覧ください。

ログベースの指標タイプの概要

Stackdriver Logging ログベースの指標には、カウンタ分布の 2 つのタイプがあります。システムログ ベースの指標はすべてカウンタタイプです。ユーザー定義ログベースの指標は、カウンタまたは分布のいずれかのタイプになります。

ログベースの指標の時系列の各データポイントは、前のデータポイント以降に受信した追加情報(デルタ)のみを表します。

以下のセクションでは、カウンタタイプと分布タイプの指標の特性について説明します。

カウンタ指標

カウンタ指標は、高度なログフィルタに一致するログエントリの数をカウントします。たとえば、次の操作が可能です。

  • 特定のエラー メッセージを含むログエントリをカウントする指標を作成します。
  • 次のようなログメッセージを検索して、各ユーザーがオペレーションを実行した回数をカウントします。

    ... user [USERNAME] called  [OPERATION] ...
    

    [USERNAME] と [OPERATION] を抽出し、2 つのラベルの値として使用すると、「sallyUPDATE オペレーションを呼び出した回数」、「READ オペレーションを実行したユーザーの数」、「george がオペレーションを呼び出した回数」などを確認できます。

詳細については、カウンタ指標の作成をご覧ください。

分布指標

分布指標は、フィルタに一致するログエントリからの数値データを累積します。この指標には、時系列の Distribution オブジェクトが含まれ、各オブジェクトには次のものが含まれます。

  • 分布内の値の数のカウント
  • 値の平均
  • 偏差平方和: Sumi=1..n(xi–mean)2
  • 各バケット内の値のカウントを持つヒストグラム バケットのセット。デフォルトのバケット レイアウトを使用することも、独自のバケット レイアウトを選択することもできます。

分布指標の一般的な用途は、レイテンシを追跡することです。各ログエントリを受信すると、ログエントリからレイテンシ値が抽出されて、分布に追加されます。定期的に、蓄積された分布が Stackdriver Monitoring に書き込まれます。

詳細については、分布指標の作成をご覧ください。

ラベル

ログベースの指標には任意でラベルを付けることができます。これにより、単一の指標が複数の時系列を保持できるようになります。ラベルの値は、一致するログエントリのフィールドから抽出されます。Stackdriver Logging は、ラベルの異なる値ごとに別々の時系列を記録します。

システム ログベースの指標には、定義済みのラベルがあります。ユーザー定義の指標に独自のラベルを定義できます。詳細については、ログベースの指標ラベルをご覧ください。

システムログ ベースの指標

Stackdriver Logging には、受信したログエントリの数と量を追跡する、定義済みのカウンタ指標が用意されています。指標には、ログ名と重大度ごとに数を記録するラベルがあります。次の表に指標を示します。

指標の名前と説明 タイプ ラベル
logging.googleapis.com/log_entry_count

受け取ったログエントリの合計数です。

デルタ int64 log: ログの名前です。例: "appengine.googleapis.com/request_log"

severity: ログエントリの重大度です。例: "ERROR"

logging.googleapis.com/byte_count

ログエントリで受け取ったバイト数の合計です。

デルタ int64 log: ログの名前です。例: "appengine.googleapis.com/request_log"
logging.googleapis.com/excluded_log_entry_count

除外されたログエントリの合計数です。

デルタ int64
logging.googleapis.com/excluded_byte_count

除外されたログエントリの合計バイト数です。

デルタ int64
logging.googleapis.com/exports/log_entry_count

シンクを使用してエクスポートされたログエントリの合計数です。

デルタ int64
logging.googleapis.com/exports/byte_count

シンクを使用してエクスポートされたログエントリの合計バイト数です。

デルタ int64
logging.googleapis.com/exports/error_count

エクスポート構成エラーのためにエクスポートされなかったログエントリの合計数です。

デルタ int64
logging.googleapis.com/logs_based_metrics_error_count

遅れて到着したログエントリの数です。1

デルタ int64 log: ログの名前です。例: "appengine.googleapis.com/request_log"

1 遅れて到着したログエントリは、log_entry_count 指標や byte_count 指標には含まれません。

システム ログベースの指標の一覧については、ログの指標を参照してください。

Stackdriver Monitoring

Stackdriver Monitoring でシステム ログベースの指標とユーザー定義のログベースの指標の両方を使用して、グラフとアラート ポリシーを作成できます。ユーザー定義のログベースの指標名の先頭には user/ が付きますが、システム ログベースの指標には付きません。

Stackdriver Monitoring API を使用している場合、ログベースの指標名は次のとおりです。

logging.googleapis.com/user/[USER_METRIC_NAME]
logging.googleapis.com/[SYSTEM_METRIC_NAME]

詳細については、グラフとアラートの作成をご覧ください。

トラブルシューティング

指標のログデータがない

ログベースの指標のデータが欠落している理由として、いくつかの可能性が考えられます。

  • 新しいログエントリが指標のログフィルタと一致していない。ログベースの指標は、指標が作成された後に受信した、一致するログエントリからデータを取得します。Stackdriver Logging では、前のログエントリから指標をバックフィルしません。

  • 新しいログエントリに正しいフィールドが含まれていないか、データが分布指標の抽出に適した形式でない。フィールド名と正規表現が正しいことを確認してください。

  • 指標のカウントが遅れている。ログビューアにカウント可能なログエントリが表示されている場合でも、Stackdriver Monitoring でログベースの指標が更新されるまでに 1 分ほどかかります。

  • タイムスタンプの時間との差が大きすぎるため、表示されているログエントリのカウントが遅れているか、まったくカウントされていない。ログエントリが 10 分以上前または後に受信された場合、ログエントリはログベースの指標でカウントされません。

    システム ログベース指標である logging.googleapis.com/logs_based_metrics_error_count に、各ログの遅れて到着したエントリの数が記録されます。

    : ログベースの指標に一致するログエントリが遅れて到着します。timestamp が午後 2 時 30 分で receivedTimestamp が午後 2 時 45 分のため、このエントリはログベースの指標でカウントされません。

指標の時系列が多すぎる

ログベースの指標のユーザー定義ラベルに、多数の固有値が設定されている場合があります。指標の時系列の数はラベル値の組み合わせの数によって異なります。ラベル値のカーディナリティが非常に高いと、指標がスロットルされ、一部のデータポイントが指標に書き込まれない場合があります。処理対象の時系列の数が多くなるため、この指標はグラフへの読み込みが遅くなります。また、時系列データを照会する API 呼び出しの費用が発生することもあります。詳細については、Stackdriver Monitoring の費用をご覧ください。

カーディナリティの高い指標を作成しないようにするには、次のことを行います。

  • ラベル フィールドとエクストラクタの正規表現が、限定されたカーディナリティを持つ値と一致することを確認します。

  • 無制限に変更可能な長いテキスト メッセージをラベル値として抽出しないようにします。

  • 無制限のカーディナリティを持つ数値を抽出しないようにします。

  • カーディナリティがわかっているラベルからのみ値を抽出します(たとえば、値の範囲が決まっているステータス コードなど)。

指標名が無効

カウンタ指標または分布指標を作成するときは、プロジェクトのログベースの指標で一意の指標名を選択します。

指標名の文字列は 100 文字を超えてはならず、次の文字のみを含めることができます。

  • AZ
  • az
  • 09
  • 特殊文字 _-.,+!*',()%\/

    スラッシュ文字(/)は指標名の部分の階層を示し、名前の先頭の文字にすることはできません。

ラベル値が切り捨てられる

ユーザー定義のラベルの値は、1,024 バイトを超えることはできません。

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