クラウド コンピューティングの種類とは

物理サーバーやオンプレミス インフラストラクチャの初期費用と長期的なメンテナンスを、パブリック クラウドのスケーラブルで柔軟なオンデマンド コンピューティング リソースに置き換える企業が増え、クラウドの導入が広がり続けています。

それでは、クラウド コンピューティング モデルにはどのような主なタイプがあり、どのモデルが自分に適しているかを知るにはどうすればよいでしょうか。クラウド コンピューティングの主な 3 つの種類として、パブリック クラウド、プライベート クラウド、ハイブリッド クラウドが挙げられます。これらのデプロイモデルには、Infrastructure as a Service(IaaS)、Platform as a Service(PaaS)、Software as a Service(SaaS)、サーバーレス コンピューティングの 4 つの主要サービスがあります。

既存の IT 投資、ビジネス要件、達成したい成果に応じて、選択するクラウド デプロイモデルとクラウド サービスモデルの種類は変化します。

以下では、デプロイモデルとサービスモデルを含む、さまざまな種類のクラウド コンピューティングについて詳しく見ていきます。

クラウド デプロイモデル

クラウド アーキテクチャを採用する場合、クラウド コンピューティング サービスの提供に役立つクラウド デプロイ モデルには、パブリック クラウド、プライベート クラウド、ハイブリッド クラウドの 3 種類があります。

パブリック クラウド

パブリック クラウドは、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、開発 / デプロイ環境、アプリケーションなどのリソースをインターネット経由で提供します。Google Cloud などのサードパーティのクラウド サービス プロバイダが所有し、運営しています。

プライベート クラウド

プライベート クラウドは、通常オンプレミスに配置されており、単一の組織によって構築、実行、使用されます。コントロール、カスタマイズ、データ セキュリティが強化されますが、従来の IT 環境と同等の費用とリソースの制約が伴います。

ハイブリッド クラウド

少なくとも 1 つのプライベート コンピューティング環境(エッジを含む従来の IT インフラストラクチャまたはプライベート クラウド)と 1 つ以上のパブリック クラウドが混在する環境をハイブリッド クラウドと呼びます。異なるコンピューティング環境のリソースやサービスを活用して、ワークロードに最適なものを選択できます。

クラウド デプロイの種類を説明する際に、マルチクラウド環境という用語を耳にすることもあるかもしれません。実際に、業界調査によると、ほぼ 90% の企業がマルチクラウドであり、パブリックかプライベートかを問わず、少なくとも 2 つの異なるクラウド サービス プロバイダのクラウド サービスを組み合わせて利用しています。マルチクラウド アプローチを採用すると、特定のビジネスニーズに最適なソリューションをより柔軟に選択できるようになり、ベンダー ロックインのリスクも軽減されます。

マルチクラウドとハイブリッド クラウドは同じ意味で使用されることもありますが、ハイブリッド クラウド アプローチはマルチクラウドと見なすことができるものの、これは複数のパブリック クラウド プロバイダのサービスを利用する場合に限られます。

クラウド サービスの種類: IaaS、PaaS、SaaS、サーバーレス モデル

クラウド デプロイモデルには、インフラストラクチャ、プラットフォーム、ソフトウェア アプリケーションなど、数種類のクラウド サービスがあります。クラウド サービスモデルは相互に排他的ではなく、複数のモデルを組み合わせて使用することも、すべてを同時に使用することもできます。

クラウド サービスモデルには、主に次の 3 つがあります。

Infrastructure as a Service(IaaS)

IaaS では、コンピューティング、ストレージ、ネットワーキング、仮想化など、オンデマンドのインフラストラクチャ リソースが提供されます。IaaS では、サービス プロバイダがインフラストラクチャを所有して運用しますが、顧客はオペレーティング システム、ミドルウェア、データ、アプリケーションなどのソフトウェアを購入して管理する必要があります。

Platform as a Service(PaaS)

PaaS では、クラウド アプリケーションを開発、テスト、配信、管理するためのハードウェア リソースとソフトウェア リソースが提供、管理されます。プロバイダは通常、PaaS サービス内でミドルウェア、開発ツール、クラウド データベースを提供しています。

Software as a Service(SaaS)

SaaS では、お客様がアクセスして使用できる完全なアプリケーション スタックがサービスとして提供されます。多くの場合、SaaS ソリューションはすぐに使用できるアプリケーションとして提供され、クラウド サービス プロバイダが管理と保守を行います。

サーバーレス コンピューティング

クラウド サービスモデルのサーバーレス コンピューティングは、Function as a Service(FaaS)とも呼ばれます。これは比較的新しいクラウド サービスモデルで、インフラストラクチャの管理やスケーリングを行うことなく、イベントによってトリガーされるシンプルな関数としてアプリケーションを構築できるソリューションを提供します。

IaaS、PaaS、SaaS、サーバーレスの違い

IaaS、PaaS、SaaS、サーバーレスの違いを覚えるための簡単な例えとして、モデルをフレッシュ パスタのようなものだと考えてみてください。ゼロから独自のものを作ることができ(オンプレミスのデータセンター)、その場合はソースや生地のような基本材料を購入します。

しかし、多くの人は時間が不足しており、パスタを食べるためにそれほど時間と労力を費やしたくありません。代わりに、次のオプションを選択することもできます。

  • IaaS: 他者が作った新鮮なパスタやソースなど、自宅での調理に使用できる、事前に梱包された材料を購入する。
  • PaaS: テイクアウトや宅配でパスタを注文する。食材や調理方法を気にする必要はありませんが、食べる場所や、食器、食後の片付けなどを気にする必要があります。  
  • SaaS: レストランに電話をかけて、希望の食事を正確に注文します。すべてが事前に準備されており、自分はレストランを訪れて食事をするだけです。
  • サーバーレス: レストランに、一人、または友人と一緒に夕食に出かけ、パスタを注文します。自分はお金を払って好きなものを食べるだけで、レストランは十分な材料とスタッフを揃えて、注文した料理を長い待ち時間なしで作ってくれます。

クラウド コンピューティング テクノロジーはデジタル トランスフォーメーションを加速させ続け、コンピューティングやストレージからクラウド データベース、デベロッパー ツール、高度なデータ分析、AI/ML 機能に至るまで、あらゆるものを組織に提供しています。

また、クラウド コンピューティングの費用は、従来の IT インフラストラクチャやテクノロジーと比べて大幅に低くなります。企業は、高価なデータセンターを調達、構築、維持する代わりに、使用した分だけ料金を支払う仮想サーバーやその他のクラウドベース IT ソリューションを選択できます。

クラウド導入モデルとサービスモデルの選択は、クラウド導入において基本的で不可欠な要素です。クラウド コンピューティングの実装と利用は常に他の組織と異なりますが、さまざまなタイプのクラウド コンピューティングのメリットと制限を理解し、それが企業に与える影響を理解することは重要です。

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