Apache Hadoop

このドキュメントでは、Google Cloud Managed Service for Prometheus を使用して Apache Hadoop から指標を収集できるように、Google Kubernetes Engine の Deployment を構成する方法について説明します。このドキュメントでは、次の方法について説明します。

  • Hadoop のエクスポータを設定して、指標を報告する。
  • エクスポートされた指標を収集するために、Managed Service for Prometheus の PodMonitoring リソースを構成する。
  • Cloud Monitoring のダッシュボードにアクセスして指標を表示する。
  • 指標をモニタリングするようにアラートルールを構成する。

以下の手順は、Managed Service for Prometheus でマネージド コレクションを使用している場合にのみ適用されます。セルフデプロイ コレクションを使用している場合は、JMX エクスポータのソース リポジトリでインストール情報をご覧ください。

以下の手順は一例であり、ほとんどの Kubernetes 環境で機能します。セキュリティ ポリシーや組織のポリシーの制限により、アプリケーションやエクスポータのインストールに問題がある場合は、オープンソース ドキュメントでサポートを確認することをおすすめします。

Hadoop の詳細については、Apache Hadoop をご覧ください。

前提条件

Managed Service for Prometheus とマネージド コレクションを使用して Hadoop から指標を収集するには、Deployment が次の要件を満たしている必要があります。

  • クラスタで Google Kubernetes Engine バージョン 1.21.4-gke.300 以降を実行している必要があります。
  • マネージド コレクションを有効にして、Managed Service for Prometheus を実行する必要があります。詳細については、マネージド コレクションを使ってみるをご覧ください。

  • Hadoop とのインテグレーションに Cloud Monitoring で利用可能なダッシュボードを使用するには、jmx-exporter バージョン 0.17.0 以降を使用する必要があります。

    利用可能なダッシュボードの詳細については、ダッシュボードを表示するをご覧ください。

port フィールドと matchLabels フィールドの値がモニタリング対象の Hadoop Pod の値と一致することを確認します。リモート JMX 接続を受け入れるように、NameNode と DataNode を構成する必要があります。この構成を行うには、Hadoop の Unix シェルガイドで説明されているように、NAMENODE_HDFS_OPTS 環境変数と DATANODE_HDFS_OPTS 環境変数を設定します。

Hadoop エクスポータをインストールする

Hadoop ワークロードにサイドカーとして Hadoop エクスポータ jmx-exporter をインストールすることをおすすめします。サイドカーの使用方法については、マルチコンテナ Pod を使用した Kubernetes での拡張アプリケーションをご覧ください。

jmx-exporter をサイドカーとして Hadoop にインストールするには、次の例のように Hadoop の構成を変更します。

# Copyright 2023 Google LLC
#
# Licensed under the Apache License, Version 2.0 (the "License");
# you may not use this file except in compliance with the License.
# You may obtain a copy of the License at
#
#     https://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0
#
# Unless required by applicable law or agreed to in writing, software
# distributed under the License is distributed on an "AS IS" BASIS,
# WITHOUT WARRANTIES OR CONDITIONS OF ANY KIND, either express or implied.
# See the License for the specific language governing permissions and
# limitations under the License.

+ apiVersion: v1
+ kind: ConfigMap
+ metadata:
+   name: hadoop-exporter
+ data:
+   config.yaml: |
+     hostPort: localhost:1026
+     lowercaseOutputName: true
+     lowercaseOutputLabelNames: true
---
apiVersion: apps/v1
kind: StatefulSet
metadata:
  name: hadoop-hdfs
spec:
  serviceName: hadoop-hdfs
  selector:
    matchLabels:
+     app.kubernetes.io/name: hadoop
  template:
    metadata:
      labels:
+       app.kubernetes.io/name: hadoop
    spec:
      containers:
      - name: hadoop-hdfs
        image: "farberg/apache-hadoop:3.3.2"
+       env:
+         - name: HDFS_NAMENODE_OPTS
+           value: "-Dcom.sun.management.jmxremote=true -Dcom.sun.management.jmxremote.authenticate=false -Dcom.sun.management.jmxremote.ssl=false -Dcom.sun.management.jmxremote.port=1026"
        command:
        - "/bin/bash"
        - "/tmp/hadoop-config/bootstrap.sh"
        - "-d"
+       ports:
+       - containerPort: 1026
+         name: jmx
+     - name: exporter
+       image: bitnami/jmx-exporter:0.17.0
+       command:
+         - java
+         - -jar
+         - jmx_prometheus_httpserver.jar
+       args:
+         - "9900"
+         - config.yaml
+       ports:
+       - containerPort: 9900
+         name: prometheus
+       volumeMounts:
+       - mountPath: /opt/bitnami/jmx-exporter/config.yaml
+         subPath: config.yaml
+         name: hadoop-exporter
+     volumes:
+     - name: hadoop-exporter
+       configMap:
+         name: hadoop-exporter
+         items:
+         - key: config.yaml
+           path: config.yaml

先頭が記号 + の行すべてを構成に追加する必要があります。

この手順は、Helm チャートに加えられた変更に基づいています。テンプレートをダウンロードして変更できます。上記の例では、すべてが単一の YAML ファイルにあることを想定しています。

構成の変更内容をローカル ファイルから適用するには、次のコマンドを実行します。

kubectl apply -n NAMESPACE_NAME -f FILE_NAME

Terraform を使用して構成を管理することもできます。

PodMonitoring リソースを定義する

ターゲット ディスカバリの場合、Managed Service for Prometheus Operator には、同じ Namespace 内の Hadoop エクスポータに対応する PodMonitoring リソースが必要です。

次の PodMonitoring 構成を使用できます。

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# Licensed under the Apache License, Version 2.0 (the "License");
# you may not use this file except in compliance with the License.
# You may obtain a copy of the License at
#
#     https://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0
#
# Unless required by applicable law or agreed to in writing, software
# distributed under the License is distributed on an "AS IS" BASIS,
# WITHOUT WARRANTIES OR CONDITIONS OF ANY KIND, either express or implied.
# See the License for the specific language governing permissions and
# limitations under the License.

apiVersion: monitoring.googleapis.com/v1
kind: PodMonitoring
metadata:
  name: hadoop
  labels:
    app.kubernetes.io/name: hadoop
    app.kubernetes.io/part-of: google-cloud-managed-prometheus
spec:
  endpoints:
  - port: prometheus
    scheme: http
    interval: 30s
    path: /metrics
  selector:
    matchLabels:
      app.kubernetes.io/name: hadoop

ラベルセレクタとポートが、Hadoop エクスポータをインストールするで使用したセレクタとポートと一致していることを確認します。

構成の変更内容をローカル ファイルから適用するには、次のコマンドを実行します。

kubectl apply -n NAMESPACE_NAME -f FILE_NAME

Terraform を使用して構成を管理することもできます。

ルールとアラートを定義する

次の Rules 構成を使用して、Hadoop 指標に関するアラートを定義できます。

# Copyright 2023 Google LLC
#
# Licensed under the Apache License, Version 2.0 (the "License");
# you may not use this file except in compliance with the License.
# You may obtain a copy of the License at
#
#     https://www.apache.org/licenses/LICENSE-2.0
#
# Unless required by applicable law or agreed to in writing, software
# distributed under the License is distributed on an "AS IS" BASIS,
# WITHOUT WARRANTIES OR CONDITIONS OF ANY KIND, either express or implied.
# See the License for the specific language governing permissions and
# limitations under the License.

apiVersion: monitoring.googleapis.com/v1
kind: Rules
metadata:
  name: hadoop-rules
  labels:
    app.kubernetes.io/component: rules
    app.kubernetes.io/name: hadoop-rules
    app.kubernetes.io/part-of: google-cloud-managed-prometheus
spec:
  groups:
  - name: hadoop
    interval: 30s
    rules:
    - alert: HadoopDown
      annotations:
        description: |-
          Hadoop instance is down
            VALUE = {{ $value }}
            LABELS: {{ $labels }}
        summary: Hadoop down (instance {{ $labels.instance }})
      expr: hadoop_namenode_numdeaddatanodes > 0
      for: 5m
      labels:
        severity: critical
    - alert: HadoopLowAvailableCapacity
      annotations:
        description: |-
          Hadoop low available capacity
            VALUE = {{ $value }}
            LABELS: {{ $labels }}
        summary: Hadoop low available capacity (instance {{ $labels.instance }})
      expr: (hadoop_namenode_capacityused/hadoop_namenode_capacitytotal) > 0.8
      for: 5m
      labels:
        severity: critical
    - alert: HadoopVolumeFailure
      annotations:
        description: |-
          Hadoop volume failure
            VALUE = {{ $value }}
            LABELS: {{ $labels }}
        summary: Hadoop volume failure (instance {{ $labels.instance }})
      expr: hadoop_namenode_volumefailurestotal > 0
      for: 5m
      labels:
        severity: critical

構成の変更内容をローカル ファイルから適用するには、次のコマンドを実行します。

kubectl apply -n NAMESPACE_NAME -f FILE_NAME

Terraform を使用して構成を管理することもできます。

ルールをクラスタに適用する方法については、マネージド ルールの評価とアラートをご覧ください。

アラートのしきい値は、アプリケーションに合わせて調整できます。

構成を確認する

Metrics Explorer を使用すると、Hadoop エクスポータが正しく構成されていることを確認できます。Cloud Monitoring が指標を取り込むまでに 1~2 分かかる場合があります。

指標が取り込まれていることを確認する手順は次のとおりです。

  1. Google Cloud コンソールのナビゲーション パネルで [Monitoring] を選択し、次に [ Metrics Explorer] を選択します。

    Metrics Explorer に移動

  2. クエリビルダー ペインのツールバーで、[MQL] または [PROMQL] という名前のボタンを選択します。
  3. [言語] で [PromQL] が選択されていることを確認します。言語切り替えボタンは、クエリの書式設定と同じツールバーにあります。
  4. 次のクエリを入力して実行します。
    up{job="hadoop", cluster="CLUSTER_NAME", namespace="NAMESPACE_NAME"}

ダッシュボードを表示する

Cloud Monitoring インテグレーションには、Hadoop Prometheus の概要ダッシュボードが含まれています。ダッシュボードは、インテグレーションを構成すると自動的にインストールされます。インテグレーションをインストールすることなく、ダッシュボードの静的プレビューを表示することもできます。

インストールされているダッシュボードを表示する手順は次のとおりです。

  1. Google Cloud コンソールのナビゲーション パネルで、[Monitoring] を選択してから、[ダッシュボード] を選択します。

    [ダッシュボード] に移動

  2. [ダッシュボード リスト] タブを選択します。
  3. [統合] カテゴリを選択します。
  4. ダッシュボードの名前(Hadoop Prometheus Overview など)をクリックします。

ダッシュボードの静的プレビューを表示する手順は次のとおりです。

  1. Google Cloud コンソールのナビゲーション パネルで、[Monitoring] を選択してから、[インテグレーション] を選択します。

    [インテグレーション] に移動

  2. [デプロイメント プラットフォーム] フィルタの [Kubernetes Engine] をクリックします。
  3. Apache Hadoop インテグレーションを見つけ、[詳細を表示] をクリックします。
  4. [ダッシュボード] タブを選択します。

トラブルシューティング

指標の取り込みに関する問題のトラブルシューティングについては、取り込み側の問題のトラブルシューティングエクスポータからの収集に関する問題をご覧ください。