このページでは、Kubernetes アプリに対して選択できる料金構成の情報を示します。これらの情報を確認し、アプリの料金モデルを決定してください。
次の料金モデルのいずれかを、プロダクト用に選択できます。
無料: お客様は、Google Kubernetes Engine クラスタの実行コストなど、使用した Google Cloud リソースの料金のみを支払います。アプリを無料で提供する場合は、パートナー ポータルへの料金モデルの追加に進んでください。
BYOL(自社所有ライセンスの使用): お客様はアプリの料金を貴社に直接支払い、使用する Google Cloud リソースの料金は別途請求されます。お客様がアプリの有効なライセンスを使用していることは、貴社自身で確認する必要があります。
従量制料金: お客様は、アプリを実行したコンテナの数など、貴社が選択した測定値(指標)に基づいてソフトウェアの料金を支払います。
従量制料金を選択した場合でも、プロダクトの無料トライアルを提供できます。BYOL 料金モデルで無料トライアルを提供する場合は、課金システムに試用版ライセンスを導入する必要があります。
料金モデルを決定したら、パートナー ポータルでソリューションに料金モデルを追加して処理します。
料金プランを設定した後、特定のお客様向けにカスタマイズされた見積もりを作成することもできます。たとえば、実行中の 1 コンテナあたり $5 の従量課金プランを提供する場合、実行中の 1 コンテナあたり $2 の同じ従量課金プランをお客様に提示するカスタム見積もりを作成できます。カスタム見積もりの作成手順については、カスタム見積もりの作成を参照してください。
BYOL 料金
貴社自身でお客様に請求する場合は、BYOL 料金モデルを選択できます。その場合、お客様がライセンスを取得できるようにする必要があります。通常は、ウェブサイトを使用します。顧客がライセンスを取得した後、お客様自身がアプリでライセンスを検証する必要があります。
BYOL 料金モデルを使用する場合は、パートナー ポータルでの料金モデルの追加に進んでください。
従量制料金
Kubernetes アプリの料金は使用状況に応じて設定されます。したがって、お客様は、貴社が選択した測定値(コンテナ数や保存時間など)に基づいてソフトウェアの料金を支払うことになります。たとえば、ストレージの料金として 1 GiB 時間あたりの価格を設定できます。
従量制料金モデルを設定する場合は、できるだけ早くモデルを決定し、送信して処理することをおすすめします。料金モデルの処理には最長 2 週間かかります。ただし、料金モデルが処理されている間も、アプリと Google Cloud Marketplace の統合は続けることができます。
料金指標の選択
プロダクトに適用される測定値(指標)を使用してお客様に請求することもできます。一般的な指標の例として、お客様がプロダクトを使用する時間があります。たとえば、1 時間の使用あたり $0.05 を請求できます。同様に、アプリによって処理されたデータ量やお客様が行った API リクエストの数などに基づいて課金することもできます。
指標を選択する際は、指標ごとに報告単位も選択する必要があります。これは、アプリの使用状況を測定する粒度を表します。報告単位は、小数ではなく整数で測定する必要があります。
たとえば、処理されたデータ量 1 GiB(1,024 MiB)あたり $0.256 を請求するアプリを考えてみます。報告単位は MiB です。お客様が 512 MiB のデータを処理した場合、その使用量に対して (512 Mib / 1024 MiB) * $0.256
= $0.128 が請求されます。ただし、報告単位が GiB の場合、お客様の使用量は 1 GiB
として報告されます。使用量が 1 GiB 未満の場合でも、$0.256 が請求されます。
次の表に、使用できる指標のタイプの例を示します。
指標タイプ | サポートされている単位 | 推奨される報告単位 | 料金の例 |
---|---|---|---|
時間 | 秒、分、時、日 | 1 秒(できるだけ小さい単位) | $5/時間 |
処理されたデータ |
バイト、キビバイト(KiB)、メビバイト(MiB)、ギビバイト(GiB) 処理されるデータの単位は、1 KiB が 1,024 バイト、1 MiB が 1,024 KiB など、2 進数で切りの良い倍数に基づいています。 | 1 メビバイト(MiB) | $10/GiB |
保存時間 | 時間とデータの単位を参照 | 1 メビバイト秒 | $10/GiB 時間 |
カスタム指標 | 該当なし。API リクエスト数など、測定する単位を指定します。 | 指標に基づく | $10/API リクエスト 1,000 回 |
カスタム指標で課金する場合は、各使用状況レポートに前回のレポート以降の値の変化が表されるデルタ指標を測定値とするようにします。たとえば、メール 1 通あたりの料金を設定できます。毎時の使用量レポートは、それまでの 1 時間に送信されたメール数を表します。
料金構成の定義
指標を選択した後、次のいずれかの料金構成を選択できます。
シングルレート料金: お客様は使用量ごとに設定された料金を支払い、使用量に比例して料金が増加していきます。たとえば、使用 1 時間あたり $0.50 の料金を請求する場合、お客様がアプリを 20 時間使用すると $10 が請求されます。
段階的料金: お客様に継続利用割引を提供する場合は、料金ティアを作成できます。料金が複数の指標に基づいている場合は、料金の基準となる指標ごとに、ティアのセットを定義できます。
たとえば、API リクエストと保存時間によってユーザーに課金する場合は、次のように、指標ごとに料金ティアを設定できます。
API リクエストの料金ティア 保存時間の料金ティア - API リクエスト 0~1,000 回の場合、$0.002/リクエスト
- API リクエスト 1,001~2,000 回の場合、$0.001/リクエスト
- API リクエスト 2,001 回以上の場合、$0.0001/リクエスト
- 0~1,000 GiB 時間の場合、$0.05/GiB 時間
- 1,001~2,000 GiB 時間の場合、$0.001/GiB 時間
- 2,001 GiB 時間以上の場合、$0.0001/GiB 時間
ティアは、請求月の全期間にわたり、使用料が増えるに従って適用されます。新しい請求月が始まると、料金は最初のティアにリセットされます。
たとえば、上記の料金モデルの例では、ユーザーが請求月に 1,500 件の API リクエストを行った場合、最初の 1,000 件の API リクエストについてリクエストあたり $0.002、残りの 500 件の API リクエストについてリクエストあたり $0.001 が請求されます。ただし、次の請求月の最初の API リクエストは、新しい月の最初の 1,000 件の API リクエストの一つになるので、再び $0.002 のティアで請求されます。
パートナー ポータルへの料金モデルの追加
料金モデルを決定したら、パートナー ポータルに追加できます。料金モデルはできるだけ早く決定し、送信して処理することをおすすめします。
なお、料金モデルは審査中には変更できません。
パートナー ポータルの直接リンクは次のとおりです。
https://console.cloud.google.com/partner/solutions?project=YOUR_PUBLIC_PROJECT_ID
ソリューションのリストで、ソリューションの名前をクリックします。
[Price Configuration] の横にある [Edit] をクリックします。使用する料金モデルの手順に沿って操作します。
無料
[Free] を選択します。
[Review and Submit] をクリックして、料金モデルを送信します。
BYOL
[BYOL] を選択します。
[License Acquisition URL] に、お客様がライセンスを取得するときに使用する URL を入力します。
[Review and Submit] をクリックして、料金モデルを送信します。
従量制
[Usage-based pricing] を選択し、[Save and Continue] をクリックします。
[Pricing Metrics] で [Add metric] をクリックします。
指標の情報を追加します。
Name: Google Cloud Marketplace リスティングに表示される指標の名前。例:
Requests
Description: (省略可)プロダクトのコンテキストでの指標の簡単な説明。たとえば、複数の種類のリクエスト数を測定する場合は、説明フィールドを使用して「クエリ リクエスト数」や「スキャン リクエスト数」のように種類の違いを明確にします。
Google Cloud Marketplace リスティングに表示される料金単位。
Base Unit: 指標の種類。時間、データ、カスタムなど。
Unit: 料金ページに表示する単位。データまたはカスタム指標を選択した場合、単位には時間も含まれます。たとえば、Base Unit が
gibibyte
の場合、単位としてgibibyte-hour
を選択できます。
段階的料金を設定するには、[Add tier] をクリックし、作成する新しいティアの下限を追加します。デフォルトでは、最初のティアは
0
から始まります。ティアの上限は、次のティアの下限値を追加すると更新されます。料金モデルのすべての指標について、上記の手順を繰り返します。
指標を確認して料金モデルを完成させるには、[Save and Continue] をクリックします。
指標ごとに、以下を行います。
指標をクリックします。
Metric ID をメモします。アプリ パッケージを作成するときに、この ID を使用して使用量を報告します。
アプリの使用状況の測定に使用する Reporting Unit を確認します。アプリ パッケージを作成するときに、このステップで選択した報告単位と同じものを設定する必要があります。
報告単位は、お客様への請求の粒度を表します。たとえば、GiB 時間による料金を設定する場合、報告単位に MiB 時間を選択すると、使用量が 1 GiB 時間に満たないお客様に対して正確な使用量に基づいた請求ができます。
料金モデルを送信して処理をする準備ができたら、[Review and Submit] をクリックします。
(任意)試用版ソフトウェアの提供
Google Cloud ユーザーにソフトウェアの試用版を提供する場合は、Google Cloud Marketplace ソリューションの試用版の登録フォームにご記入ください。以下を指定する必要があります。
- 試用期間(30 日間など)。
- 最大限度額(USD 単位、この額まで試用が可能)。
お客様はどの料金プランでも選択でき、試用クレジットは選択したプランに適用されます。
最大限度額に達した場合、または試用期間が終了した場合(どちらか一方の状況になった場合)、試用は終了となります。たとえば、最大限度額が $100 で試用期間が 15 日間の試用版を提供する場合、$100 の上限に達した場合、または 15 日経過した場合に、ユーザーの試用は終了となります。
試用期間が終わると、お客様は選択した料金プランに基づいて課金されます。試用中にお客様がプランを変更した場合、新しいプランに基づいて課金されます。
プロダクトの料金が従量制の場合は、予想される使用量に対する費用の 2 倍を最大限度額にすることをおすすめします。
リリース後にプロダクトの料金を更新する
料金モデルが公開され、承認されてから 60 日以上経過している場合は、プロダクトの料金を更新できます。
プロダクトの料金を更新する手順は次のとおりです。
- 料金表に入力します。
- 料金変更リクエスト フォームに入力し、オペレーション チームにリクエストを送信します。
- オペレーション チームが 2 営業日以内にフォームの受信を確認して対応し、必要に応じてフォローアップの質問を行います。
変更後の料金が反映されるまでに約 1 週間かかります。料金を引き下げる場合、料金が引き下げられるまでにそれ以上かかることはありません。料金を引き上げる場合は、オペレーション チームがリクエストの受信を確認してから料金の引き上げが反映されるまでにさらに 45 日かかります。この期間には、アクティブ ユーザー向けにメッセージを作成して送信するための 15 日間と、ユーザーが料金の変更を確認するために必要な 30 日間が含まれます。