PythonScript ポリシー

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ポリシー アイコン

概要

PythonScript ポリシーを使用すると、カスタマイズした Python 機能を API プロキシフローに追加できます。これは、Apigee の既定のポリシーでは必要な機能が実現できない場合に便利です。

このポリシーは拡張可能なポリシーです。Apigee ライセンスによっては、このポリシーの使用によって費用や使用量に影響する場合があります。ポリシータイプと使用量への影響については、ポリシータイプをご覧ください。

Python 言語のサポートは、Jython バージョン 2.5.2 で提供されます。サードパーティ ライブラリを追加する場合は、ピュア Python にする必要があります(Python でのみ実装される必要があります)。ライブラリの追加の詳細については、リソース ファイルをご覧ください。

Python ポリシーには実際のコードを記述しません。Python ポリシーでは Python リソースを参照し、Python スクリプトを実行する API フローにステップを定義します。スクリプトは、Apigee UI プロキシ エディタからアップロードすることも、ローカルで開発する API プロキシの /resources/py ディレクトリに追加することもできます。

サンプル

Python ポリシーとスクリプト

PythonScript ポリシー

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<Script name="Python-1">
        <DisplayName>Python-1</DisplayName>
        <ResourceURL>py://myscript.py</ResourceURL>
</Script>

この例では、関連する Python スクリプト リソースを ResourceURL 要素に指定しています。

Python スクリプト

次の内容を Python スクリプトに追加します。

import base64

username = flow.getVariable("request.formparam.client_id")
password = flow.getVariable("request.formparam.client_secret")

base64string = base64.encodestring('%s:%s' % (username, password))[:-1]
authorization = "Basic "+base64string

flow.setVariable("authorizationParam",authorization)

要素リファレンス

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<Script name="Python-1">
    <DisplayName>Python-1</DisplayName>
    <ResourceURL>py://myscript.py</ResourceURL>
    <IncludeURL>py://myscript_dependency.py</IncludeURL>
</Script>

次の表に、すべてのポリシーの親要素に共通する属性を示します。

属性 説明 デフォルト 要否
name

ポリシーの内部名。name 属性の値には、英字、数字、スペース、ハイフン、アンダースコア、ピリオドを使用できます。この値は 255 文字を超えることはできません。

管理 UI プロキシ エディタで <DisplayName> 要素を追加して、ポリシーのラベルに使用する別の自然言語名を指定することもできます。

なし 必須
continueOnError

ポリシーが失敗したときにエラーを返す場合は、false に設定します。これは、ほとんどのポリシーで想定される動作です。

ポリシーが失敗した後もフローの実行を続行する場合は、true に設定します。関連項目:

false 省略可
enabled

ポリシーを適用するには、true に設定します。

ポリシーを無効にするには、false に設定します。ポリシーがフローに接続されている場合でも適用されません。

true 省略可
async

この属性は非推奨となりました。

false 非推奨

<DisplayName> 要素

管理 UI プロキシ エディタで name 属性と一緒に使用して、ポリシーのラベルに使用する自然言語名を指定します。

<DisplayName>Policy Display Name</DisplayName>
デフォルト

なし

この要素を省略した場合、ポリシーの name 属性の値が使用されます。

要否 省略可
タイプ 文字列

<ResourceURL> 要素

この要素により、API フローで実行するメインの Python ファイルを指定します。このファイルは、API プロキシ スコープ(API プロキシ バンドルの /apiproxy/resources/py または API プロキシ エディタの [Navigator] ペインの [Scripts] セクション)か、組織または環境スコープに保存して、複数の API プロキシ間で再利用できます。詳しくは、リソース ファイルをご覧ください。コードでは、JavaScript オブジェクト モデルのオブジェクト、メソッド、プロパティを使用できます。

<ResourceURL>py://myscript.py</ResourceURL>
デフォルト: なし
要否: 必須
型: 文字列

<IncludeURL> 要素

<ResourceURL> 要素で指定されたメインの Python ファイルに依存関係として読み込ませる Python ファイルを指定します。スクリプトは、ポリシーに記述されている順序で評価されます。

追加の <IncludeURL> 要素を使用して、複数の Python 依存関係リソースを含めることができます。

<IncludeURL>py://myscript_dependency.py</IncludeURL>
デフォルト: なし
要否: 省略可
型: 文字列

エラーコード

このセクションでは、このポリシーによってエラーがトリガーされたときに返される障害コードとエラー メッセージ、Apigee によって設定される障害変数について説明します。これは、障害に対処する障害ルールを作成するうえで重要な情報です。詳細については、ポリシーエラーについて知っておくべきこと障害の処理をご覧ください。

ランタイム エラー

このエラーは、ポリシーの実行時に発生することがあります。

障害コード HTTP ステータス 原因 修正
steps.script.ScriptEvaluationFailed 500 PythonScript ポリシーは、複数のタイプの ScriptExecutionFailed エラーをスローします。よくあるエラーとしては、NameErrorZeroDivisionError があります。

デプロイエラー

以下のエラーは、このポリシーを含むプロキシをデプロイするときに発生することがあります。

エラー名 原因 修正
InvalidResourceUrlFormat PythonScript ポリシーの <ResourceURL> または <IncludeURL> 要素で指定されたリソース URL の形式が無効な場合、API プロキシのデプロイが失敗します。
InvalidResourceUrlReference <ResourceURL> 要素または <IncludeURL> 要素が存在しない PythonScript ファイルを参照している場合、API プロキシのデプロイが失敗します。参照先のソースファイルが API プロキシ、環境、組織レベルのいずれかに存在している必要があります。

障害変数

次の変数は、このポリシーでランタイム エラーが発生したときに設定されます。詳細については、ポリシーエラーについて知っておくべきことをご覧ください。

変数 説明
fault.name="fault_name" fault_name は、上記のランタイム エラーの表に記載されている障害の名前です。障害名は、障害コードの最後の部分です。 fault.name Matches "ScriptExecutionFailed"
pythonscript.policy_name.failed policy_name は、障害が発生したポリシーのユーザー指定の名前です。 pythonscript.PythonScript-1.failed = true

エラー レスポンスの例

{
  "fault": {
    "faultstring": "Execution of SetResponse failed with error: Pythonscript runtime error: "ReferenceError: "status" is not defined.\"",
    "detail": {
      "errorcode": "steps.script.ScriptExecutionFailed"
    }
  }
}

障害ルールの例

<FaultRule name="PythonScript Policy Faults">
    <Step>
        <Name>AM-CustomErrorResponse</Name>
        <Condition>(fault.name Matches "ScriptExecutionFailed") </Condition>
    </Step>
    <Condition>(pythonscript.PythonScript-1.failed = true) </Condition>
</FaultRule>