クラウドデータ セキュリティとは、データやその他のデジタル情報資産をセキュリティ上の脅威、人的ミス、インサイダー脅威から保護することです。クラウドデータ セキュリティでは、テクノロジー、ポリシー、プロセスを活用して、データの機密性を保ちながら、クラウドベースの環境でデータを必要とする人が引き続きデータにアクセスできるようにします。
クラウド コンピューティングには、インターネット接続を介してどのデバイスからでもデータにアクセスできるため、サービス停止やインシデント発生時のデータ損失の可能性を低減し、スケーラビリティとアジリティを向上させられるなど、多くの利点があります。その一方で、多くの組織はセキュリティ オプションを理解して規制上の要求を満たすのに苦労しているため、機密データをクラウドに移行することをためらっています。
クラウドデータを保護する方法を理解することは、組織がオンプレミス データセンターの構築と管理から移行する際に、克服しなければならない最大の障害の一つです。では、クラウドにおけるデータ セキュリティとは何でしょうか。データはどのように保護されるのでしょうか。クラウドベースのデータアセットを安全に保護するには、どのクラウドデータ セキュリティのベスト プラクティスに従うべきでしょうか。
さらに読み進めて、クラウドデータ セキュリティの利点と課題、その仕組み、企業が Google Cloud でクラウド、オンプレミス、ハイブリッドでのデプロイにおいて脅威を検出、調査、阻止する仕組みをご確認ください。
クラウドデータ セキュリティは、保存されているデータやクラウド内外への移動中のデータをセキュリティ上の脅威、不正アクセス、盗難、破損から保護します。クラウドデータ セキュリティは、物理的なセキュリティ、テクノロジー ツール、アクセス管理と制御、組織のポリシーに依存します。
今日、私たちはビッグデータの時代を生きており、企業は、機密性の高いビジネスデータや顧客の個人データから行動分析やマーケティング分析などの機密性の低いデータまで、膨大なデータを刻々と生成、収集、保存しています。
企業がアクセス、管理、分析するために必要なデータ量の増大に加えて、各組織は、クラウド サービスを採用し、アジリティ向上と製品化までの時間の短縮を図るとともに、リモートワークやハイブリット ワークで働く機会が増えている従業員を支援するため、クラウド サービスの導入を進めています。
従来のネットワーク境界が急速に消滅しつつあり、セキュリティ チームは、クラウドデータの保護に際して、現在と過去のアプローチを見直す必要があることを認識しつつあります。データとアプリケーションがデータセンター内に存在しなくなり、物理的なオフィス外で働く人がこれまで以上に増えているため、企業は、複数の環境を移動するデータを保護し、データへのアクセスを管理する方法を解決する必要があります。
CIA の 3 要素と呼ばれることが多いこの 3 本の柱は、強力で効果的なセキュリティ インフラストラクチャ、つまりあらゆる組織のセキュリティ プログラムの基礎を形成する中核的コンセプトです。攻撃、脆弱性、その他のセキュリティ インシデントは、これらの原則のうち 1 つ以上に違反する可能性があります。そのため、セキュリティ担当者は、このフレームワークを使用して、組織のデータアセットに対する潜在的なリスクを評価します。
データやアプリケーションが中央のデータセンターから移行され、従来のセキュリティ メカニズムやインフラストラクチャを離れるにつれて、データ侵害のリスクが高まります。オンプレミス データ セキュリティの基本的要素の多くが残るものの、クラウドに適応させる必要があります。
クラウド環境やハイブリッド環境でのデータ保護に関する一般的な課題には、次のようなものがあります。
存在感の強化
強力なクラウドデータ セキュリティ対策により、クラウド内部の仕組み、すなわち所有するデータ資産、データ資産が保存されている場所、クラウド サービスを利用するユーザー、ユーザーがアクセスしているデータの種類を常時把握できるようになります。
バックアップと復元が簡単
クラウド データ セキュリティの導入により、バックアップの自動化と標準化に役立つ多くのソリューションと機能を利用できるようになり、チームは、手動バックアップのモニタリングや問題のトラブルシューティングから解放されます。また、クラウドベースの障害復旧では、データとアプリケーションを数分で復元、復旧できます。
クラウドデータのコンプライアンス
堅牢なクラウド データ セキュリティ プログラムは、データの保管場所、アクセスできるユーザー、データの処理方法、データの保護方法など、コンプライアンス義務に対応するように設計されています。Cloud Data Loss Prevention(DLP)を使用すると、機密データを簡単に検出、分類、匿名化でき、コンプライアンス違反のリスクを軽減できます。
データ暗号化
組織は、機密データをいつでもどこでも保護できる必要があります。クラウド サービス プロバイダを利用することで、ユーザーは、転送中および保存中のクラウドデータを保護するために、複数階層の高度な暗号化対策を実装して、クラウドでの安全なデータの転送、保存、共有に対処できます。
コスト削減
クラウド データ セキュリティによって、総所有コスト(TCO)を削減し、クラウドデータのセキュリティに関する管理運営の負担を軽減できます。さらに、クラウド プロバイダは最新のセキュリティ機能とツールを提供しているため、自動化、合理化された統合、継続的なアラート発信によって、セキュリティ専門家が作業をより簡単にこなせるようになります。
高度なインシデント検出と対応
クラウドデータ セキュリティの利点は、プロバイダが最先端の AI テクノロジーと組み込みのセキュリティ分析機能に投資し、不審なアクティビティを自動的に捉えてセキュリティ インシデントを迅速に特定し、これに対応できることにあります。
クラウド プロバイダとユーザーがクラウド セキュリティの責任を分担します。責任の具体的な内訳は、デプロイの内容や、クラウド コンピューティングのサービスモデルとして IaaS、PaaS、SaaS のいずれを選択するかによって異なります。
一般に、クラウド プロバイダはクラウド自体のセキュリティに対して責任を負い、データ、ユーザー ID、アクセス権限(Identity and Access Management)などのクラウド内ものを保護する責任はユーザーが担います。
Google Cloud では、運命共有モデルを採用しています。つまり、Google は、お客様が Google のプラットフォームに安全にデプロイできるよう積極的に支援するパートナーです。元からセキュリティが保たれた構成、ブループリント、ポリシー階層、高度なセキュリティ機能を提供することで、お客様がベスト プラクティスを実践し、お客様のプラットフォームとツール全体のセキュリティの一貫性を保つことができます。
クラウドを利用する中でコンプライアンスを確保するためには、サービスとシステムによって、データ保護、データ主権、データ ローカリゼーションに関する法律の法的基準と規則に従ってデータのプライバシーを保護する必要があります。医療や金融サービスなどの特定の業界には、別の法律が適用され、これに別途遵守する必要のある必須ガイドラインとセキュリティ規定が定められている場合もあります。
そのため、クラウド サービス プロバイダを検討し、そのクラウド セキュリティを慎重に評価することが重要です。信頼できるクラウド サービス プロバイダは、独自のサービスとプラットフォームが法令に則っているだけでなく、ユーザーと直接協力して、ユーザーが抱える具体的な法令上およびリスク管理に関する要望を理解し、これに対処する意思も持ち合わせています。