アプリケーション プラットフォームとは

最新のアプリケーション プラットフォームは、顧客向けのモバイルアプリ、社内用ウェブツール、マイクロサービスの複雑なシステムなど、構築する対象を問わず、一貫した信頼性の高いアプリケーション ランタイム環境を提供します。開発、デプロイ、運用向けの標準化されたサービスセットを提供することで、着想からプロダクション レディなアプリケーションの作成までのプロセス全体を効率化します。

Google Cloud でのアプリケーションの設計とデプロイ - App Design Center の概要

アプリケーション プラットフォームの定義

アプリケーション プラットフォームは、アプリケーションのライフサイクル全体を支える基盤を提供する、ソフトウェア サービスとツールの統合スイートです。

インフラストラクチャの基盤となる複雑さを解消し、デベロッパーが、サーバー、データベース、ネットワークの管理ではなく、戦略に集中できるように設計されています。

アプリケーション プラットフォームの種類

アプリケーション プラットフォームにはさまざまな形態があり、それぞれ特定の開発ニーズやアーキテクチャ スタイルに合わせて設計されています。

ウェブ アプリケーション プラットフォーム

通常、これはウェブ アプリケーションと API をホストするために特別に設計されたテクノロジー、フレームワーク、サーバー環境の集合を指します。従来のサーバー スタックや、ウェブ配信に最適化された最新の統合プラットフォームなど、さまざまなものがあります。

モバイル アプリケーション プラットフォーム

これらのプラットフォームは、包括的なバックエンドと、モバイル デバイス(iOS および Android)向けのアプリケーションを構築するためのツールセットを提供します。ユーザー認証、プッシュ通知、クラウド ストレージ、リアルタイム データベースなどのサービスが含まれていることが多く、モバイル開発を加速できます。

クラウド プラットフォーム(PaaS)

Platform-as-a-Service(PaaS)は、クラウドベースのアプリケーション プラットフォームの基本的なタイプです。サーバー、ネットワーキング、ストレージ、オペレーティング システムなど、フルマネージド環境が提供されるため、デベロッパーは基盤となるインフラストラクチャを気にすることなくアプリケーションのデプロイや実行が可能です。

ローコード プラットフォームとノーコード プラットフォーム

ローコード プラットフォームやノーコード プラットフォームなどのプラットフォームを使用すると、プログラミング スキルが限られていても、ビジュアル インターフェース、ドラッグ&ドロップ コンポーネント、構成メニューを使用してアプリケーションを作成できます。ツールの開発、ワークフローの自動化、シンプルなデータドリブン アプリの開発を加速できるように設計されています。

アプリケーション プラットフォームの主要コンポーネント

アプリケーション プラットフォームは通常、ソフトウェア ライフサイクル全体をサポートするために連携して動作する、複数の統合コンポーネントで構成されています。

開発ツール

ソフトウェア開発キット(SDK)、コマンドライン ツール(CLI)、ライブラリ、IDE プラグインが含まれており、デベロッパーがより効率的にコードを記述できるよう支援します。これらのツールは、プラットフォームのサービスとやり取りするための構成要素とアクセス ポイントを提供します。

デプロイとホスティング

これは、アプリケーションが構築された後に存在するコア ランタイム環境です。コンピューティング リソースのプロビジョニングや、アプリケーションのスケーリング管理を行い、エンドユーザーがアプリケーションを確実に利用できるようにします。

管理とモニタリング

これらはオブザーバビリティのためのツールであり、アプリケーションの健全性とパフォーマンスに関する分析情報を提供します。このコンポーネントには、ロギング、指標の収集、トレース、アラートのサービスが含まれており、問題を迅速に特定および解決するのに役立ちます。

セキュリティ機能

安全なプラットフォームには、ID とアクセスの管理(IAM)、保存時と転送時のデータの暗号化、ネットワーク セキュリティ管理のための組み込みサービスが含まれています。これらの機能は、アプリケーションとそのデータを不正アクセスや脅威から保護するのに役立ちます。

統合機能

アプリケーションが単独で存在することはほとんどありません。このコンポーネントは、データベース、メッセージ キュー、サードパーティ サービスなどの他のシステムとアプリケーションを統合するために必要な API、コネクタ、サービスを提供します。

アプリケーション プラットフォームを使用する理由

企業の開発チームにとって、アプリケーション プラットフォームの活用は大きな戦略的メリットをもたらします。

開発の加速

アプリケーション プラットフォームは、事前構築済みのサービス、フレームワーク、自動化されたインフラストラクチャ管理を提供することで、新しいアプリケーションの構築とデプロイにかかる時間を短縮します。

拡張性と信頼性

これらのプラットフォームは高可用性を実現するように設計されており、変動するユーザーの負荷に対応するためにリソースを自動的にスケーリングできるため、アプリケーションの応答性と信頼性を維持できます。

費用対効果

アプリケーション プラットフォームは、ハードウェアへの初期投資の必要性を減らし、サーバーのメンテナンスと管理に関連する継続的な運用コストを最小限に抑えることで、総所有コストの削減を可能にします。

簡易化された運用

サーバーのパッチ適用、セキュリティ アップデート、バックアップなどの日常的な運用タスクは、多くの場合、プラットフォーム プロバイダが担当するため、運用チームはより価値の高い業務に集中できます。

強化されたセキュリティ

プラットフォームには通常、セキュリティのベスト プラクティスが組み込まれており、アクセス制御と脅威保護のための組み込みツールが提供されるため、開発チームにおけるセキュリティの負担が軽減されます。

アプリケーション開発の初心者向けガイド

ソフトウェア開発の初心者にとって、1 つのアイデアから完全に機能するアプリケーションを構築するまでの道のりは複雑に思えるかもしれません。このプロセスは論理的なステップに分解でき、これらのステップを理解することで、アプリケーション プラットフォームが最も価値を発揮できる場所を明確にできます。

  • アイディエーションと計画。すべてのアプリケーションはアイデアから始まります。この初期段階では、アプリケーションの主な目的を定義します。このソリューションでどのような問題を解決できるか、対象ユーザーは誰か、最初のバージョン(多くの場合、実用最小限の製品(MVP)と呼ばれる)に必要な必須機能は何か、といった課題を検討します。このフェーズの成果は、通常、明確なプロジェクト計画と一連の機能要件です。
  • 設計(UI / UX)。このステップでは、ユーザー エクスペリエンスに焦点を当てます。ユーザー インターフェース(UI)の設計では、アプリケーションの視覚的なレイアウト(画面、ボタン、その他の視覚的要素)を作成します。ユーザー エクスペリエンス(UX)の設計では、アプリケーションの全体的な印象と流れを検討し、直感的かつ論理的で使いやすいものになるようにします。その結果、多くの場合、デベロッパーの青写真となる一連のワイヤーフレームやインタラクティブなモックアップが作成されます。
  • 適切なプラットフォームとテクノロジーの選択。計画と設計が完了したら、作業に適したツールを選択する必要があります。これは、アプリケーション プラットフォームを選択するうえで重要な判断ポイントです。Firebase などのプラットフォームに構築するモバイルアプリにするか、App Engine などの PaaS にデプロイするウェブ アプリケーションにするか、GKE や Cloud Run で管理するコンテナ化されたマイクロサービスのコレクションにするか、といったことを決定します。プラットフォームの選択は、開発プロセスに大きな影響を与えます。
  • 開発。このフェーズでは、アプリケーションを実際に構築します。デベロッパーは、「フロントエンド」(ユーザーが目にして操作するユーザー インターフェース)と「バックエンド」(アプリケーションを動かすサーバーサイドのロジック、データベース、API)の両方のコードを記述します。デベロッパーはまた、このプロセス全体を通して、選択したアプリケーション プラットフォームが提供する開発ツール、SDK、サービスを使用します。
  • テスト。アプリケーションをユーザーにリリースする前に、バグを特定して修正するために徹底的にテストする必要があります。これには、単体テスト(個々のコードをテストする)、統合テスト(アプリケーションのさまざまな部分がどのように連携するかをテストする)、ユーザー受け入れテスト(実際のユーザーがアプリケーションをテストして、ニーズを満たしているかどうかを確認する)など、複数のテストレイヤが含まれます。
  • デプロイ。ユーザーがインターネット経由でアクセスできるように、アプリケーションをライブサーバーに配置するプロセスです。最新のアプリケーション プラットフォームでは、このステップが大幅に簡素化されています。デベロッパーは、サーバーを手動で構成する代わりに、多くの場合、1 つのコマンドでアプリケーションをデプロイでき、残りの処理はプラットフォームが処理します。
  • モニタリングとメンテナンス。アプリケーションをリリースすれば、すべてが終わりというわけではありません。アプリケーションの稼働後は、パフォーマンスの問題、エラー、セキュリティの脆弱性などを継続的にモニタリングする必要があります。この継続的なフェーズでは、プラットフォームのモニタリング ツールを使用してアプリケーションの健全性を追跡し、バグを発見したら修正します。また、新しい機能や改善を含むアップデートを随時リリースします。

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Cloud Run でウェブ アプリケーションを作成する手順の例

Cloud Run へのウェブ アプリケーションのデプロイは、最新のコンテナネイティブなワークフローに従います。このプロセスでは、アプリケーションをコンテナにパッケージ化することに重点が置かれており、ローカルマシンからクラウドまで、最大限のポータビリティと整合性が確保されます。

ステップ 1: アプリケーション コードを記述する

Flask を使用した Python、Express を使用した Node.js、Spring Boot を使用した Java など、好みの言語とフレームワークを使用してウェブ アプリケーションを開発できます。アプリケーションは、PORT 環境変数で指定されたポートで HTTP リクエストをリッスンするようにします。

ステップ 2: アプリケーションをコンテナ化する

プロジェクトのルート ディレクトリに Dockerfile を作成します。このテキスト ファイルには、ベースイメージの指定、ソースコードのコピー、依存関係のインストール(pip、npm、mvn など)、アプリケーション サーバーを起動するコマンドの定義など、アプリケーションのコンテナ イメージをビルドする手順が記載されています。(ヒント: Cloud Run でソースコードを使用してデプロイする場合は、この手順をスキップできます。Cloud Run がコードをコンテナ化します。)

ステップ 3: コンテナ イメージをビルドして保存する

Cloud Build などのツールを使用して、Dockerfile からコンテナ イメージを自動的にビルドし、安全な非公開レジストリに push します。コンテナ イメージの保存と管理には、Google Cloud の Artifact Registry を使用することをおすすめします。

ステップ 4: Cloud Run にデプロイする

コンテナ イメージを Artifact Registry に保存したら、単一のコマンドまたは Google Cloud コンソールを使用してアプリケーションをデプロイします。ソースイメージ、サービス名、リージョンを指定します。Cloud Run は必要なインフラストラクチャを自動的にプロビジョニングし、実行中のサービス用に安定した HTTPS URL を提供します。

ステップ 5: ドメインとセキュリティを構成する

デプロイ後、カスタム ドメインを Cloud Run サービスにマッピングできます。また、IAM ポリシーを構成して、サービスを呼び出す権限を持つユーザーを制御することもできます。これにより、ウェブ アプリケーションのセキュリティを確保できます。

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