アプリケーションが複数のコンテナやサーバーにわたってスケーリングされるため、Kubernetes では管理が簡素化されます。オープンソース API を使用してデプロイをオーケストレートし、コンテナを Pod にグループ化して需要とリソースの可用性に基づいてスケーリングします。また、Kubernetes は、サービス ディスカバリ、ロード バランシング、リソース割り当てを自動化し、コンテナの再起動やレプリケーションによる自己修復を可能にするために健全性をモニタリングします。

企業デベロッパー向けに、Kubernetes の仕組みを段階的に説明します。

• アプリケーションを定義する: まず、YAML ファイルを使用してアプリケーションの望ましい状態を定義します。これらのファイルでは、実行するコンテナ、必要なリソース（CPU、メモリ）、ネットワークへの公開方法を指定します。
• Kubernetes API にリクエストを送信する: これらの YAML ファイルを Kubernetes API に送信します。通常は、kubectl コマンドライン ツールを使用します。
• スケジューラが Pod をノードに割り当てる: Kubernetes スケジューラは、アプリケーションの要件を分析し、コンテナ（Pod としてパッケージ化）を実行するのに最適なノードをクラスタ内で見つけます。
• Kubelet がコンテナを起動する: 各ノードで、Kubelet プロセスがコントロール プレーンから指示を受け取り、コンテナを起動します。
• Service がアプリケーションを公開する: Kubernetes Service は、アプリケーションに固定の IP アドレスと DNS 名を提供します。これにより、Pod が作成、破棄、再スケジュールされても、他のアプリケーションからこのアプリケーションにアクセスできます。
• コントローラが望ましい状態を確保する: Kubernetes コントローラは、アプリケーションの状態を継続的にモニタリングし、必要に応じて修正措置を講じます。たとえば、Pod がクラッシュした場合、コントローラは自動的に新しい Pod を作成して置き換えます。
• スケーリングと更新: デプロイ構成のレプリカ数を更新することで、アプリケーションを簡単にスケーリングできます。Kubernetes は、目的のスケールに合わせて Pod を自動的に作成または削除します。ローリング アップデートを使用すると、ダウンタイムなしで新しいバージョンのアプリケーションをデプロイできます。

Kubernetes は、どこでも簡単に管理してデプロイできるアプリケーションを作成するのに使用されます。マネージド サービスとして利用できる場合、Kubernetes は必要に応じて幅広いソリューションを提供します。一般的なユースケースを次に示します。

Kubernetes は、クラウドネイティブのマイクロサービス ベースのアプリを構築するのに役立ちます。また、既存アプリのコンテナ化もサポートしており、アプリケーションのモダナイゼーションの基盤となり、アプリをすばやく開発できます。

• 例: 金融サービス会社が Kubernetes を使用してオンライン バンキング プラットフォームのマイクロサービスをデプロイし、開発サイクルを短縮してスケーラビリティを向上

Kubernetes はどこでも使用できるように構築されており、オンサイト デプロイとパブリック クラウド、そしてその間のハイブリッド デプロイにまたがるアプリケーションの実行が可能になります。そのため、必要な場所でアプリケーションを実行できます。

• 例: グローバルな e コマース企業が Kubernetes を使用して複数のクラウド プロバイダにアプリケーションをデプロイし、高可用性を確保してベンダー ロックインを回避

Kubernetes は、サービスを実行するために必要なクラスタのサイズを自動的に調整できます。これにより、需要に応じてアプリケーションを自動的にスケールアップまたはスケールダウンし、効率的に運用できます。

• 例: メディア ストリーミング サービスが Kubernetes を使用して、コンテンツを視聴しているユーザー数に基づいて動画エンコード インフラストラクチャを自動的にスケーリングし、リソース使用率を最適化して費用を削減