弾力性とスケーラビリティという用語は同じ意味で使用されることがよくありますが、実際には意味が異なります。

• クラウドのスケーラビリティとは、リソースを追加することで、時間の経過とともに増大するワークロードを処理できるシステムの能力のことです。これは、計画された長期的な成長戦略です。たとえば、毎年ユーザーが増えることがわかっている会社では、データセンターにサーバーを追加する計画を立てます。
• クラウドの弾力性とは、予測不可能な突然の需要の変化にリアルタイムで適応できるシステムの能力のことです。これは、効率と費用削減に重点を置いた自動的な事後対応のプロセスです。

例えて言えば、スケーラビリティは、数か月にわたるトレーニングで大規模なマラソン大会に備えるようなものです。弾力性は、レース中に他のランナーに合わせてペースを瞬時に上げたり下げたりできるランナーのようなものです。

エンタープライズ環境のデベロッパーにとって、弾力性のあるコンピューティングは単なる機能ではありません。復元力、費用対効果、パフォーマンスに優れたアプリケーションを構築するのに役立つ重要な戦略です。つまり、予測不可能なワークロードにインテリジェントに適応できるシステムを設計し、オーバー プロビジョニングとアンダー プロビジョニングの両方を回避することです。これは、e コマース プラットフォーム、金融サービス、データ処理パイプラインなど、24 時間 365 日利用可能でなければならないミッション クリティカルなアプリケーションには特に重要です。

クラウドの弾力性は、Compute Engine のマネージド インスタンス グループ（MIG）の機能を支える基本原則です。VM を手動でプロビジョニングしてトラフィックを処理する代わりに、需要の変化に自動的に適応するシステムを設計できます。MIG は、単一のエンティティとして管理できる同一 VM のグループであり、Compute Engine で弾力性のあるシステムを構築するための主要なツールです。MIG はオートスケーラーを使用して、事前定義された指標に基づいてグループから VM を自動的に追加または削除します。このようにして、MIG は弾力性を実現します。

以下に、企業開発者がこれらのコンセプトを実際に適用して、スケーリング可能なシステムを構築する方法を示します。