Google、2023 年 Gartner® クラウド データベース管理システム部門の Magic Quadrant のリーダーの 1 社に。ビジョンの完全性においては最上位のポジションと評価
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 12 月 22 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Googleは、2023 年の Gartner クラウド データベース管理システム部門の Magic QuadrantTM でリーダーの 1 社として評価されました。ビジョンの完全性においては最上位の位置づけです。4 年連続でリーダーの1社に位置付けられたということは、組み込みのインテリジェンス、オープンデータ エコシステム、統合データサービスなどの分野において、お客様に継続的にイノベーションを提供してきた証であると考えています。
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SanjMo の主席アナリストで Gartner の元バイス プレジデントである Sanjeev Mohan 氏は次のように述べています。「多くの企業がより現代的なクラウド ファーストのアプローチへの移行を模索する中、市場は大きな転換期を迎えています。この移行を促している要因はひとつではなく、アジリティ、スケーラビリティ、費用削減の向上を進める必要性、データと生成 AI 機能を組み合わせたイノベーションを起こしたいという願望などさまざまです。簡素化、統合、オープン スタンダードの原則をもってデータと AI スタック全体にアプローチするという Google Cloud の方向性は、企業が長期的な戦略的パートナーに求めているものとうまくかみ合っているのです。」
データは、AI に取り組むあらゆる組織にとって極めて重要です。グローバル企業の幹部数百人以上へのインタビューによると、強力なデータ基盤は、企業全体の AI と収益の成長に拍車をかけることができるという意見が多数を占めています。組織のデータ成熟度が高ければ高いほど、AI の機能と提供するサービスも強化される傾向にあることが、この調査で明らかになっています。
しかし、データ品質の低さに加え、異種ツールやデータソースが混在するために、いまだにデータのビジネス価値を最大限に引き出せず、苦慮している組織は少なくありません。さらに、組織が管理するデータベースや分析ワークロードは多様化の一途をたどり、複雑さ、オーバーヘッド、リスクが増大しています。
Google のビジョンは、Google のデータ アプローチのシンプルさ、スケーラビリティ、セキュリティ、インテリジェンスをビジネスにもたらすことです。Google のデータと AI のクラウドは、最新の AI 機能を提供しながら、データを統合し、オープンソースの互換性を最大限に活用して、お客様のデータの可能性を最大限に引き出します。
統合型のデータクラウドであらゆるデータを管理
Google のデータと AI のクラウドは、シンプルであるという原則に基づいており、データを複数のレベルで相互接続できます。オープンで統合型のデータ プラットフォームにより、データ ライフサイクルの全段階、つまり、アプリケーションを支えるオペレーショナル データベースの実行から、データ ウェアハウスやデータレイクの分析ワークロードの管理、データドリブンな意思決定、AI や ML まで、それぞれを連係して管理することができます。
Google のデータと AI クラウドでは、その独自のアーキテクチャにより、データ、ユーザー、ワークロードを統合することができます。さらに、高スケーラビリティを備えた分散型ストレージ システム上に構築される Google のデータベースは、リソースが完全に分離されており、自社所有の高性能グローバル ネットワークで接続されています。この組み合わせにより、AlloyDB、BigQuery、BigLake、Bigtable、Cloud SQL、Dataflow、Dataplex、Dataproc、Spanner といったプロダクト全体にわたり緊密に統合されたデータサービスを提供できます。
Google は最近、こうしたインテグレーションをさらに強化し、より容易にイノベーションを加速できるようないくつかの機能をリリースしました。
- データと AI の担当者のための統合ワークスペース - プレビュー版がリリースされている BigQuery Studio では、データ エンジニアリング、分析、ML ワークロードを統合し、SQL、Python、Spark、その他の言語を編集して、インフラストラクチャ管理のオーバーヘッドを招くことなくペタバイト規模で簡単に分析を実行できます。BigQuery Studio を使用すると、Google Cloud のエンタープライズ レベルのセキュリティとコンプライアンスを Colab に提供する、新サービスの Colab Enterprise に直接アクセスできます。
- トランザクション システムと分析システムの統合 - 一般提供を発表した Spanner Data Boost は、BigQuery、Spark on Dataproc、Dataflow などのサービスを通じて Spanner データを分析できる画期的なテクノロジーで、トランザクション ワークロードにはほとんど影響を与えずに処理を行えます。また、BigQuery から HBase 対応の NoSQL データベースである Bigtable のようなオペレーショナル データベースへのデータの再取り込みも簡単になり、わずか数クリックで完了できます。BigQuery から Bigtable への新たなエクスポート機能により、ETL ツールに触れることなく、アプリケーションから分析的情報を提供できます。
- データ マネジメントとガバナンスの統合 - インテリジェントなデータ プロファイリングとデータ品質機能を導入し、データの完全性、正確性、妥当性を把握できるようにしました。また、Dataplex での拡張データ マネジメントとガバナンス機能もリリースしました。これにより、Vertex AI モデルとデータセット、オペレーショナル データベース、分析システムなど、あらゆるデータと AI アセットを単一のエクスペリエンスで管理できるようになりました。
- あらゆる種類のデータを統合 - BigLake により、あらゆる種類のデータを、あらゆる場所で扱えます。BigQuery と緊密に統合されている BigLake では、基盤となるストレージ形式を問わずにデータ分析が可能になり、費用や非効率性を低減できます。さらに、データユーザーが SQL を使用して非構造化データに簡単にアクセスし、横断的に探索、処理、クエリできるように、BigLake オブジェクト テーブルの一般提供を開始しました。BigLake は急成長しており、BigLake の使用量は年初から 27 倍に増加しています。
オープンデータ エコシステムで、あらゆるデータをその場で実行
Google Cloud は、オープンソースやオープン API との業界トップクラスのインテグレーションにより、ポータビリティと柔軟性を提供し、ベンダー ロックインのリスクを軽減します。これらのインテグレーションには、従来型のデータ ウェアハウスからの移行を加速する BigQuery Migration Service や、オペレーショナル データベースの移行とモダナイズを支援する Database Migration Service が含まれています。また、PostgreSQL、MySQL、Redis などの一般的なオープンソース エンジンに完全対応したマネージド データベース サービスもご利用いただけます。
Google は、Google Cloud が最もオープンなデータクラウドであり続けられるように今後も尽力していきます。この分野での最新のリリースについて、いくつかご紹介します。
- 他のクラウドでの BigQuery データの分析 - Google のお客様の多くは、複数のクラウドの情報を一括表示できる BigQuery Omni を使用して、Google Cloud、AWS、Azure 上のデータを管理および分析しています。BigQuery Omni をさらに拡張し、クロスクラウド マテリアライズド ビューと、クロスクラウド結合のサポートを追加した結果、BigQuery Omni 上で AWS と Azure 環境の横断クエリによって処理されるデータの量がこの 6 か月間で 120% 以上増加しました。
- 実質的にどこでも実行可能な AlloyDB - 一般提供を発表した AlloyDB Omni は、AlloyDB のダウンロード版で、Google Cloud、AWS、Azure、Google Distributed Cloud Hosted、オンプレミス、さらにはデベロッパーのノートパソコンでも、実質的にどこでも実行できます。AlloyDB Omni は、さまざまな環境にわたり同じエンタープライズ クラスのデータベースである AlloyDB for PostgreSQL を実行する柔軟性を実現します。Google のエンタープライズ サポート組織によって支援されており、レガシー データベースの数分の一の費用で利用できます。また、AlloyDB Omni Kubernetes オペレーターのプレビュー版では、データベースのプロビジョニング、バックアップ、安全な接続、オブザーバビリティといった、データベースに関する一般的なタスクが簡素化され、ほんとんどの Kubernetes 環境で AlloyDB Omni を実行できるようになります。
- オープンソースのテーブル形式のサポート - BigLake で、Hudi、Delta、Iceberg のテーブルを利用できるようになりました。つまり、Iceberg リーダーとの完全な互換性を維持しながら、Google Cloud のストレージにあるデータをストリーミング取り込みで取り込み、自動ストレージ最適化によるフルマネージドのエクスペリエンスを実現し、DML トランザクションを実行して変更の整合性とデータ セキュリティの向上を確保します。
- エンタープライズ ワークロード向けのパフォーマンス強化 - Cloud SQL for MySQL と Cloud SQL for PostgreSQL の Enterprise Plus エディションの提供により、Cloud SQL の可用性、パフォーマンス、データ保護機能を強化しました。Cloud SQL for MySQL の Enterprise Plus エディションは、Amazon の同等の MySQL サービスよりも最大 3 倍優れたパフォーマンスを発揮します。また、新しいフルマネージド サービスである Memorystore for Redis Cluster の一般提供を開始し、Memorystore for Redis のサービスの強化にも取り組んでいます。Memorystore for Redis Cluster を使用すると、マイクロ秒単位のレイテンシ、Memorystore for Redis の最大 60 倍のスループットで処理できる、使いやすいオープンソース対応の Redis Cluster サービスを利用できます。
Google はまた、データクラウド パートナーのエコシステムの大幅な拡大を行い、さまざまな新しい領域におけるパートナー関連の投資を増やしています。今日では、1,000 以上のソフトウェア パートナーが Google のデータクラウドを使用してサービスを構築し、70 以上のデータ プラットフォーム パートナーが Google Cloud Ready - BigQuery の取り組みを通じて検証済みのインテグレーションを提供しています。また、Cloud SQL とのインテグレーション要件を満たしたパートナーのソリューションを認定するプログラム、Google Cloud Ready for Cloud SQL を発表しました。このプログラムは、既存の Google Cloud Ready for AlloyDB パートナー プログラムに加えられます。
AI の統合によりデータから新たな価値を引き出す
AI は、データを有効活用するさまざまな機会を提供します。そこで Google は、お客様のすべてのデータチームが AI に簡単にアクセスでき、AI モデルのトレーニングに自社データを簡単に利用できるようにしました。最近のリリースをいくつかご紹介します。
- エンタープライズ対応の生成 AI アプリを簡単に構築 - AlloyDB AI は、AlloyDB に不可欠な要素であり、エンタープライズ対応の生成 AI アプリをどこでも簡単に構築するための一連の統合機能を提供します。IVFFlat インデックスを使用した場合、AlloyDB AI は標準的な PostgreSQL と比較して最大 10 倍の速さでクトル クエリを実行でき、データベース内からエンべディングを簡単に生成できます。Vertex AI やオープンソースの生成 AI ツールとの完全な統合も可能です。また、BigQuery 特徴テーブルと ベクトル エンベディングがプレビュー版で利用可能になり、ML 特徴とベクトル エンベディングをすべて BigQuery に保存できるようになりました。これにより、高度なセマンティック検索を構築し、BigQuery データの規模に応じたレコメンデーション クエリをリアルタイムで実行できます。
- 基盤モデルへのアクセス - BigQuery から Vertex AI の基盤モデルに直接アクセスできるようになりました。たった 1 つのステートメントで、BigQuery テーブルを大規模言語モデル(LLM)に接続し、BigQuery データでプロンプトをチューニングできます。これにより、自社データに対するテキスト分析といった生成 AI 機能を使用できます。また、自社データモデルを強化するために新しい属性を生成することも可能です。さらに、事前トレーニング済みモデルやオープン ML フレームワークのエコシステムを利用できる BigQuery ML 推論エンジンもリリースしました。これは、BigQuery で Google のビジョン、自然言語、翻訳のモデルに対して予測を実行したり、TensorFlow Lite、ONNX、XGBoost など別の形式でモデルをインポートしたり、Vertex AI でホストされているモデルを直接使用したりする場合に役立ちます。
- Duet AI による生産性向上 - BigQuery の Duet AI により、データ分析が簡素化され、コード生成、SQL クエリや Python コードの作成が支援されるため、ロジックと結果により集中できるようになります。また、新たにリリースした Spanner の Duet AI により、自然言語を使用してデータを構造化、修正、クエリするためのコードを生成できるようになりました。さらに、Oracle データベースのモダナイゼーションをさらに容易に進められるよう、Database Migration Service の Duet AI を使用して、Oracle から PostgreSQL への移行の最終行程にも Duet AI の機能を活用できます。Dataplex の Duet AI は、コールド スタート問題(データにどのような質問ができるかを、どうやって把握するのか)を解決するためのメタデータ インサイトに使用できます。
Google は、2023 年 Gartnerクラウド データベース管理システム部門のMagic Quadrant でリーダーの1社として認識されたことを光栄に思います。
次のステップ
Google は、今後も革新を続け、お客様のデジタル トランスフォーメーションの取り組みに協力できることを楽しみにしています。2023 年 Gartner Magic Quadrant のクラウド データベース管理システム部門の無料レポートをぜひダウンロードしてください。
2023 Gartner Magic Quadrant for Cloud Database Management Systems、Adam Ronthal、Henry Cook、Rick Greenwald、Aaron Rosenbaum、Ramke Ramakrishnan、Xingyu Gu、2023 年 12 月 18 日。
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この図表は、Gartner, Inc.がリサーチの一部として公開したものであり、文書全体のコンテクストにおいて評価されるべきものです。オリジナルのGartnerドキュメントは、リクエストによりGoogleからご提供することが可能です。
- データおよび分析担当ゼネラル マネージャー兼バイス プレジデント Gerrit Kazmaier
- エンジニアリング、データベース担当ゼネラルマネージャー兼バイス プレジデント Andi Gutmans