Cloud SQL Enterprise Plus エディションを発表:新エディションでは MySQL のパフォーマンスが最大 3 倍に向上
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2023 年 7 月 12 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Cloud SQL は、MySQL、PostgreSQL、SQL Server のワークロードを実行するための Google Cloud のエンタープライズ対応フルマネージド データベース サービスです。デジタルサービスから銀行、小売業まで幅広い業界で利用されており、現在 Google Cloud を活用している上位 100 社のうち 95% 以上のお客様が Cloud SQL を利用しています。より要求の厳しいワークロードがクラウドに移行するにつれ、より高いパフォーマンスと可用性を求める声が聞かれるようになりました。さらに、個々のワークロードのニーズに合わせて構成を最適化するために、より多くの選択肢と柔軟性がほしいという声を多く頂いてきました。
本日、3 つの重要な改良を加えた MySQL と PostgreSQL 向けの Cloud SQL Enterprise Plus エディション を発表します。1 つ目は、さまざまなソフトウェアの最適化、マシンの種類と構成の改善、統合された SSD を用いたデータ キャッシュオプションの活用により、読み取りと書き込みの両方のパフォーマンスを大幅に高速化したことです。Cloud SQL Enterprise Plus for MySQL では、現在の Cloud SQL と比較して、読み取りスループットが最大 3 倍、書き込みレイテンシが最大 2 倍向上しています。2 つ目は、計画的なメンテナンス作業におけるダウンタイムをほぼゼロにし、メンテナンスも含めて 99.99% の可用性 SLA を提供することで、ビジネス クリティカルなアプリケーションの可用性目標を満たしたことです。3 つ目は、データ保護機能を強化し、35 日間のログ保持を実現したことです。これは、厳格なコンプライアンス要件を持つすべての組織にとって必須となる機能です。Cloud SQL Enterprise Plus エディションは、Cloud SQL のすでに実証済みの機能をベースにしながら、これらのニーズに対応します。
現在の Cloud SQL のバージョンは、機能や価格に変更なく提供しますが、今後はその名称を、Cloud SQL Enterprise エディション とさせていただきます。
Cloud SQL Enterprise Plus for MySQLの革新的な機能
Cloud SQL Enterprise Plus for MySQL は、オープンソースとの完全な互換性を維持しながら、ハードウェアとソフトウェアの構成を最適化することで、優れたパフォーマンスを実現します。読み込みが非常に多いトランザクション ワークロード向けに、設定可能なデータキャッシュを備えた MySQL 向け Enterprise Plus エディションは、現在の Enterprise エディション と比較して読み取りスループットが最大 3 倍向上しました。データキャッシュは、DRAM ベースのキャッシュを透過的に拡張する方法としてフラッシュメモリを活用することで、読み取りレイテンシを低減し、スループットを向上させ、より大きなデータセットに対応します。さらにソフトウェアの最適化により、トランザクションのコミット レイテンシが最大 2 倍短縮され、書き込みスループットが最大 2 倍向上します。
Everflow Technologies の CTO 兼共同設立者である Jonathan Blais 氏は、次のように述べています。
「この新しい MySQL 向け Cloud SQL Enterprise Plus エディションを活用することで、アプリケーションに変更を加えることなく、強化されたパフォーマンス、可用性、データ保護の恩恵をすぐに享受できるようになりました。特に、データキャッシュ を組み込んだことで、当社のプラットフォーム上で集中的にレポート実行を行うお客様のクエリパフォーマンスが 3 倍以上向上しました。Google Cloud と Cloud SQLの今後のイノベーションに期待しています。」
可用性と信頼性は非常に重要なポイントなため、Cloud SQL Enterprise Plus エディションでは、メンテナンスも含めて 99.99% の SLA を提供します。計画されたメンテナンスの間、Enterprise Plus インスタンスは裏でのローリング アップデートと追加のハードウェア リソースを使用し、ダウンタイムを 10 秒未満に短縮します。
Enterprise Plus エディションは、ポイントインタイム リカバリ機能により 35 日間のログを保持するなど、より高度なデータ保護を提供することで、ビジネス クリティカルなワークロードが必要とする厳しい規制に対するニーズやデータ保護要件をサポートします。
Workday の Persistence and LifeCycle Engineering 担当副社長 Chirag Andani 氏は次のように述べています。
「Workday では、お客様に優れたユーザー エクスペリエンスを提供することが重要であり、パブリック クラウドに移行する場合も、この要件をサポートする高性能なデータベースが必要であることは明らかでした。私たちは Google Cloud チームと密接に協力し、Cloud SQL の改善に投資しました。Cloud SQL Enterprise Plus エディションにより、私たちは最も要求の厳しい Workday ワークロードに対して、より高い読み取り/書き込みパフォーマンス、より高い可用性、最小限の計画ダウンタイムを活用して、高いパフォーマンスと可用性を実現するオプションを手に入れました。Google Cloud とのイノベーションにより、マネージド サービスのエンタープライズ グレードの機能とともに、これらの新機能の恩恵を受けることができ、本当に嬉しく思っています」
Cloud SQL Enterprise Plus for PostgreSQL
Cloud SQL Enterprise Plus for PostgreSQL は、Enterprise エディションと比較して書き込みスループットが最大 2 倍向上します。MySQL と同様に、Cloud SQL Enterprise Plus for PostgreSQL はハードウェアとソフトウェアを協調最適化することで、パフォーマンスの向上を実現します。
MySQL 版で実現した可用性、信頼性、およびデータ保護の強化はすべて、Cloud SQL Enterprise Plus for PostgreSQL でも利用可能です。メンテナンスを含む 99.99% の可用性 SLA、10 秒未満の計画ダウンタイムの短縮、35 日間のログ保持によるより高いレベルのデータ保護があります。
Salesloft の Database Engineering Manager である Richard Helms 氏は以下のように述べています。
「Google Cloud と連携し、Cloud SQL Enterprise Plus for PostgreSQL を使用することで、当社のアプリケーションが必要とするオープンソースの PostgreSQL との互換性を維持しながら、パフォーマンス、可用性、データ保護の向上をすぐに享受できるようになりました。最初のワークロードですぐに持続的なパフォーマンス(TPS とクエリレイテンシ)が 2 倍向上しました。」
ビジネス クリティカルなトランザクション ワークロードを実行するために設計された新しいCloud SQL Enterprise Plus エディションの詳細はこちらの動画をご覧ください。
利用方法
Cloud SQL Enterprise Plus エディションは現在、一部の Google Cloud リージョンにおいて gcloud および API 経由で利用可能で、2023 年 7 月 17 日までに Cloud コンソールで利用可能になる予定です。SQL Server 向けの Cloud SQL Enterprise Plus エディション は後日リリース予定です。
Cloud SQL コンソールにアクセスし、数回クリックするだけでデータベース インスタンスを作成できます。Google Cloud の新規ユーザーは、無料のトライアル インスタンスを作成し、300ドルのクレジットを無料で入手できます。Enterprise Plus エディション の詳細についてはこちらをご覧ください。
- GM & VP of Engineering, Google Cloud Databases, Andi Gutmans