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データベース

Fastweb + Vodafone: Spanner と BigQuery でデータ ワークフローを再定義

2026年1月28日
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Vincenzo Forciniti

IT AI Adoption & Platform Engineering Lead, Fastweb + Vodafone

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※この投稿は米国時間 2026 年 1 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

編集者注: イタリアの大手通信プロバイダである Fastweb + Vodafone は、チャネル全体でより迅速かつパーソナライズされたカスタマー エクスペリエンスをサポートする Customer 360 プラットフォームを構築しました。また、SpannerBigQueryGemini などの Google Cloud サービスを使用してサービング レイヤとガバナンスを再構築することで、アーキテクチャを簡素化し、AI を活用したエンジニアリング ワークフローを導入しました。Fastweb + Vodafone は現在、組織全体にリアルタイムの分析情報を提供しており、将来的に AI エージェントのユースケースを拡大する準備を進めています。


2025 年の Swisscom による Vodafone Italy の買収を経て、2026 年 1 月の正式な合併を迎えるにあたり、お客様へのサービス提供方法を見直す機会が訪れました。

イタリアの大手通信プロバイダである当社は、モバイル、ブロードバンド、デジタル チャネルにおいて、タイムリーでパーソナライズされたエクスペリエンスを提供することを目指しています。私たちの仕事は、当社のビジネスに関わるすべての人が必要なときに必要な顧客インサイトにアクセスできるようにすることです。こうしたインサイトは、数千ものソースからのデータを統合し、リアルタイムで利用できるようにする堅牢な Customer 360 プラットフォームに支えられています。

両社はすでに、Google Cloud、特に BigQuery を活用した顧客データ ワークフローのモダナイズを進めていました。しかし、エコシステムを組み合わせたことで、既存のセットアップの限界が明らかになりました。このアーキテクチャは、想定以上に多くのメンテナンスが必要で、統合した組織に必要な柔軟性もありませんでした。顧客データの提供と管理の方法を見直す時期が来ていたのです。

単一のツールではなく、コネクテッド プラットフォームを選択

Fastweb + Vodafone に必要なものを改めて見直すと、単一のツールを求めていないことは明らかでした。私たちが求めていたのは、運用上の負担を増やすことなく、リアルタイムのサービス提供、より強力なガバナンス、AI を活用した新しいワークフローをサポートできる、コネクテッド プロダクト スイートでした。

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図 1: Customer 360 サービング レイヤのアーキテクチャ図

ウェアハウス側では BigQuery をすでに導入しており、コア分析ワークロードを処理できていました。当社に欠けていたのは、アーキテクチャを簡素化しつつ、BigQuery のスピードと柔軟性に対応できるサービング レイヤでした。また、スタック全体での緊密な統合により、インサイトの可視化や AI 導入をより容易に実現したいとも考えていました。

Google Cloud では、これらの機能がすべて一元化されており、各プロダクトがネイティブに統合されているため、当社にとって最適な選択肢でした。システム接続に費やす時間を減らすことができ、ビジネスで実際に必要とされる機能の構築に注力できるようになりました。

Spanner がオーバーヘッドなしでサービングを加速

あらゆるチャネルに正確な顧客データをリアルタイムで提供するには、通信トラフィックに遅れを取らないサービング レイヤが必要でした。その解決策は Spanner でした。Spanner は、低レイテンシの読み取り、水平方向のスケーラビリティ、高可用性を実現し、運用オーバーヘッドがゼロのフルマネージド環境を提供します。

Spanner と BigQuery のネイティブなインテグレーションは、大きな変化をもたらしました。Spanner を導入する前は、データ ウェアハウスのデータをダウンストリーム システムに移動するためだけに構築したカスタムレイヤをいくつか使用していました。しかし、Spanner と BigQuery の直接的な相互運用性により、その複雑さのほとんどが解消されました。Spanner をフロントエンドのサービング レイヤとして採用したことで、10 個のアプリケーションをわずか 2 週間で移行できました。

また、Spanner はワークフローのモニタリングとメンテナンスの方法も変えました。4 つの異なるモニタリング プロセスが 1 つのビューに統合されたことで、トラブルシューティングと最適化が大幅に迅速化されました。また、Apigee を使用して Spanner データをコールセンター、デジタル チャネル、パートナー システムに公開したことで、改善の効果はエンジニアリング部門だけでなく、組織全体にまで広がりました。

数千のデータフローを理解する

サービング レイヤとして Spanner を導入した後の次の課題は、Fastweb + Vodafone のデータ プラットフォームを支える数千ものバッチ処理とリアルタイムの取り込みフローを理解することでした。これらのパイプラインにおけるデータの流れを理解することは、品質、コンプライアンス、日々のエンジニアリングに不可欠です。私たちには、以前のソリューションよりも高速で、はるかに直感的なものが必要でした。

Spanner のマルチモデル機能がその基盤となりました。

Spanner Graph を使用することで、プラットフォームの実際の動作を反映したリネージのマッピングが可能となりました。具体的には、どのテーブルが特定のジョブを駆動するのか、変換がどのようにカスケードするのか、依存関係がどこにあるのかをマッピングできるようになりました。その後、ベクトル検索と全文検索を追加し、より豊富な検出レイヤを実現しました。これにより、大規模かつ複雑なエコシステムにおいても、結果を迅速に確認することが容易になりました。

これらの機能を組み合わせることで、私たちが求めていたガバナンス エクスペリエンスを実現できました。精度が向上しただけでなく、エンジニアやアナリストの作業負担も格段に減ったのです。

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図 2: Spanner Graph モデルにより、複雑なデータ リネージのスケーラブルでナビゲートしやすいビジュアリゼーションを迅速に構築し、データガバナンスを改善

ドキュメント作成を簡素化

私たちはまた、組織内の大規模かつ多様なコードベース全体でよりスムーズに開発を行いたいと考えていました。多くのサービス、特に時間の経過とともに進化してきた古いシステムでは、ドキュメントが不十分な状態でした。Gemini は、こうしたギャップを埋めるのに役立ちました。

Gemini を使用すると、コードから直接、わかりやすいドキュメントを生成できるため、手作業の時間を大幅に節約できます。この出力をベクトル エンベディングとして Spanner に保存することで、プラットフォームとともに成長する検索可能なナレッジベースを作成できます。

この知識をさらに使いやすくするために、Gemini を活用したチャット インターフェースを構築しました。デベロッパーは、関数や変更がシステム全体にどのように影響するかなどについて、自然言語で質問でき、コンテキストに応じた回答を数秒で得られます。これは、コードベースを探索するはるかに直感的な方法であり、レガシー ロジックを解読したり、専門家に問い合わせたりする時間を短縮できます。

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図 3: Gemini と Spanner によるコードのドキュメント化の拡張と検索

この AI を活用したワークフローは、現在では当社の開発プロセスの一部となっています。これにより、オンボーディングが迅速化されるほか、システムが進化する中でも生産性を向上できるスケーラブルな手法が得られます。

ビジネスのスピードで進化するエンジニアリング

Google Cloud サービスで Customer 360 プラットフォームを再構築したことで、Fastweb + Vodafone の業務の仕組みは大きく変わりました。

ワークフローのモニタリングが簡素化され、パイプラインがより効率的になり、リアルタイムのサービス提供が一般的になりました。

この取り組みの成果は、ビジネス全体に及んでいます。コールセンターでは、より完全で最新の顧客情報を確認できるようになり、デジタル チャネルでは、カスタム インテグレーションなしでも整合性のあるデータを利用できるようになりました。また、パートナーは、Apigee を通じて必要な情報に低レイテンシでアクセスできるようになりました。これらすべてを組み合わせることで、よりスムーズでパーソナライズされたカスタマー エクスペリエンスを実現しています。これは、このプロセスの開始時に私たちが思い描いていた姿そのものです。

この取り組みはまだ始まったばかりです。現在は、Spanner Graph の機能を活用することで、世帯単位の分析やソーシャル インデックスを通じて顧客との関係をより深く理解する方法を模索中です。また、分析や意思決定の向上を支援する AI エージェントの可能性もさらに高まると考えています。

Google Cloud は、当社のエンジニアリングを簡素化しただけでなく、組織全体の運営方法そのものを変えました。

詳細:

  • グローバル規模のワークロードに対応するフルマネージド リレーショナル データベースである Spanner と、Spanner Graph の優れた機能をご確認ください。

  • 組み込みのパフォーマンスとスケーラビリティで分析を簡素化する BigQuery の活用方法をご紹介します。

  • Gemini for Google Cloud を使用して、エンジニアリング ワークフローに AI アシスタンスを導入しましょう。

- Fastweb + Vodafone、IT AI 導入およびプラットフォーム エンジニアリング リード、Vincenzo Forciniti 氏

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