すべてのビジネスで AI をより身近に
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2022 年 7 月 13 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Alphabet の CEO である Sundar Pichai 氏は、人工知能(AI)の潜在的影響力を電気の影響力に例えています。Google Cloud のさまざまなユーザーやユースケースで AI や機械学習(ML)の勢いが増すと予測されているのは自然なことかもしれません。
この勢いの中には、Google の AI 研究者が毎年獲得する何百もの学術的引用や、ML 開発と実験を 5 倍加速させ、必要なコードの行数を 80% 減少させる Google Cloud Vertex AI のようなプロダクトなど、より基本的なものもあります。より具体的には、住宅ローン債権回収会社のMr. Cooper が Google Cloud Document AI を使用してドキュメントを 75% 高速化し、40% のコスト削減を実現したことや、Ford が Google Cloud AI サービスを利用して予測メンテナンスやその他の製造をモダナイズしたこと、幅広い業界のお客様が Google Cloud 上に ML プラットフォームをデプロイしていることなどが挙げられます。
これらのプルーフ ポイントは、AI はすべての人のためのもので、すべてのワークフローですべての技術レベルの人が簡単に利用できるべきという信念を反映しています。このようなお客様の成果を、この哲学の検証、そしてビジネス リーダーとの会話から正しいものを得ている証拠だと認識しています。同様に、アナリストからの認知度も高く、最近では以下のレポートで Google がリーダーとして選ばれています。
Gartner® の 2022 年 Magic Quadrant™ for Cloud AI Developer Services レポート
Forrester の Forrester Wave™: AI Infrastructure、2021 年第 4 四半期レポート、Forrester Wave™: Document-Oriented Text Analytics Platforms、2022 年第 2 四半期レポート、Forrester Wave™: People-Oriented Text Analytics Platforms、2022 年第 2 四半期レポート
6 月には、MLOps 向けのプロダクトを作成し、ML モデルの開発とプロダクトへのデプロイを加速させるためのアプローチについてガイドする4 本柱についてお話ししました。この記事では、AI と ML の理念についてより広くご説明し、「すべての人の AI」を作る意味についてご紹介します。
AI をすべての人に
6 月にお話した 4 本柱のうちの一つは、「ユーザーそれぞれの状況に対応する」でした。このアイデアは、データ サイエンティストのためのプロダクトを超えるものです。技術的な専門知識が AI 導入の障壁になってはいけません。そうでなければ、AI が役立つユースケースはモダナイズされず衰退し、AI の実践が十分でない企業は競合他社に遅れをとるリスクがあります。
最後に、以下のような、ありとあらゆるユーザーに向けた AI と ML サービスの作成に取り組みました。
DocumentAI、Contact Center AIなど、ユーザーに技術要件や再トレーニングを課すことなく、ビジネス ワークフローに AI や ML を追加するソリューション。
Speech や Fleet Optimization などの、幅広い事前トレーニング済みの API により、開発者は学習済みの ML モデルを利用でき、コア AI 技術のゼロからの開発が不要に。
データ分析タスクと ML を統合するためのBigQuery ML。
ML の専門知識を必要としない、抽象化されたローコードな ML 開発のための AutoML。
Vertex AI に、ML プロジェクトのライフサイクルとデプロイを構築するために必要なすべてのツールを備え、ML テストと開発をスピードアップ。
ディープ ラーニングや機械学習モデルを効率よく学習させるための AI Infrastructure オプション。データ サイエンスや機械学習タスクに最適化された Deep Learning VM や、低コストの推論から高性能のトレーニングまで、すべてのユースケースに対応した AI アクセラレータを含む。
AI に慣れている上級者向けの先進的なツールだけでなく、すべてのユーザー向けの先進的な AI サービスを提供することも重要です。これは、ジョブのニーズやユーザーの技術適性に合うように、ML ワークフローの一部を抽象化および自動化することも含みます。Google Docs に非可視的に統合されたスマートな言語モデルや、データアナリストが簡単に ML にアクセスできる BigQuery など、AI と ML サービスを Google の幅広いプロダクトに統合することも含まれます。どのような角度から見るかにかかわらず、世界中の企業やユーザーにとって、AI は多面的に普及する技術となってきています。そのため、どんな状況のユーザーでも AI の力を利用することができるようなプラットフォームを構築することで、テクノロジープロバイダはこれを反映する必要があると考えています。
次世代の AI における Google の役割
AI をすべての人に届けるためのプロダクトを作るには、製品化への道筋が何年もみえない分野を含む、大規模な研究投資が必要です。研究基盤とビジネスニーズやユーザへの注力を組み合わせることで、AI の原則に沿ったサステナブルな AI プロダクトを作り出し、責任ある AI の利用を促すことができると考えています。
AI と ML プラットフォームの最新のアップデートの多くは、Google Research プロジェクトとして開始しました。DeepMind の画期的な AlphaFold プロジェクトが Vertex AI でタンパク質予測モデルを実行できるようになったことを考えてみてください。また、ニューラル ネットワークのリサーチが Vertex AI NAS の開発に役立ち、データ サイエンス チームがモデルをより低いレイテンシとパワーでより正確にトレーニングできるようになったこともあります。
リサーチは重要ですが、AI 戦略を実証するひとつの方法でしかありません。プロダクトが反復処理およびアップデートされる際は、そのプロダクトにお客様のフィードバックが反映されていることを明らかにする必要があります。これは、幅広い業界、ユースケース、ユーザータイプでお客様に採用され、成功していることを確認する重要性を強固なものにします。この点について、幸運にも数多くの素晴らしいお客様と協力することができ感謝しています。また、お客様の役に立てることを光栄に思っています。
Ford や Mr. Cooper について述べましたが、それらはごく一部の例でしかありません。例えば、Vodafone Commercial の「AI Booster」プラットフォームは、最新の Google テクノロジーを使用し、顧客体験の最適化、顧客ロイヤリティ、プロダクトの推奨などの最先端の AI ユースケースを実現しました。Google の会話型 AI 技術は、子供の発達障害の克服を手助けするロボット「Moxie」を開発した Embodied や、会議メモと CRM データを結びつけた HubSpot など、さまざまな企業で利用されています。Google のプロダクトを通じて、世界中のさまざまな業界で、お客様のストーリーが日々豊かになっています。
Google はパートナー ネットワークでの実証も行っています。6 月にお話しした 4 本柱でも述べた通り、Nvidia のようなパートナーはお客様が AI スタックを構築する際に選択の自由を保証するのに役立ち、Neo4j のようなパートナーは、お客様がグラフ構造のような分野にサービスを展開するのに役立ちます。パートナーはすべての人に AI を届けるという Google のミッションをサポートし、より多くのお客様が新しいユースケースや拡張したユースケースで Google のサービスを利用するのを支援します。
勢いを加速させる
全体的に、AI の可能性と将来のユビキタス性を反映したプロダクトを作成するためには、リサーチ、お客様やアナリストとの会話、パートナーとの協力など、先述したすべての要因を取り入れ、プロダクトやそのアップデートに反映させる必要があります。3 月の Call Center AI Platform の公開から、5 月の新しい Speech モデルのリリース、6 月の Google Cloud Applied ML Summit での発表など、昨年はとてもアクティブに活動しました。今後数か月の間にさらに多くの計画を立てており、AI の勢いを維持するだけでなく、お客様とともに、この勢いをさらに加速させていきたいと思っています。Google Cloud の AI と ML サービスに関する詳細については、リンクにアクセスまたはGoogle Cloud ブログで最新の AI と ML に関する記事をご覧ください。
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