Google Cloud、AI Agent Summit Tokyo ‘25 Spring を開催
Google Cloud Japan Team
Google Cloud は、2025 年を「AI エージェント元年」と位置づけ、生成 AI の活用が大きくシフトする年になると考えています。本日、グーグル・クラウド・ジャパン初となる「AI Agent Summit Tokyo '25 Spring」を開催し、Google Cloud の 生成 AI および AI エージェントに関する最新アップデートやお客様事例を紹介しました。生成 AI 活用事例集に最新の事例も追加されましたので、ぜひご覧ください。


一連のサービスアップデートを紹介
基調講演では、2024 年から今年にかけて発表した生成 AI と AI エージェント関連の技術や製品の振り返り、Google Cloud における AI エージェントの定義や、社内および社外向けの AI エージェントの最新情報および今後の展開について紹介しました。また、新たに Google Agentspace のパートナー エコシステムも発表しました。
AI エージェント時代の基盤を支える Gemini 2.0 ファミリー
Google では、AI エージェントの開発を強力にサポートする Gemini 2.0 ファミリーの複数のモデルを提供しています。Gemini 2.0 モデルは高い費用対効果、長いコンテキスト ウィンドウ、マルチモーダル対応といった特徴を備え、多様な AI エージェント開発の基盤となっています。
この度 Google は、Gemini をベースに最新の Embedding モデルを開発しました。これにより、ベクトル検索においても Gemini の高い性能を活用した高精度な情報検索が可能になります。


Google Agentspace および NotebookLM Enterprise の データレジデンシー
2024 年 12 月に発表した Google Agentspace および NotebookLM Enterprise の データレジデンシー について、近日中に日本リージョンに対応することを発表しました。Agentspace は企業向けに AI エージェントと AI で強化した検索を提供し、組織全体の企業情報の中核的な情報源として機能するプラットフォームです。Agentspace は Google Cloud 製品だけでなく、Microsoft 365 や ServiceNow、Box、Dropbox、SAP、Oracle などに保存された企業内データを組み合わせることができます。
Google Cloud ではデータレジデンシー対応を継続的に拡大し、業界の要求に応え続けています。 Agentspaceのデータレジデンシー対応に日本が追加されることで、お客様はデータの所在地をコントロールしながら、従業員の生産性を新たなレベルに引き上げることができます。
Google Agentspace パートナーエコシステムの拡充
また本日、Google Agentspace の導入およびエージェント構築を支援するパートナー企業を発表しました。


生成 AI の最新技術および最新事例を紹介
AI Agent Summit Tokyo ‘25 Spring の基調講演には、日本電気株式会社、株式会社アダストリア、博報堂DYメディアパートナーズ 兼 株式会社博報堂テクノロジーズが登壇し、AI エージェントの活用戦略について紹介しました。
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ(以下、博報堂DYメディアパートナーズ) メディアビジネス基盤開発局 データテクノロジー部 部署長の篠田 裕之氏は、次のように述べています。
「博報堂DYメディアパートナーズでは、生成 AI および AI エージェントを活用した AaaS(Advertising as a Service)の開発を進めています。例えば、デジタル広告プランを作成するソリューションでは、自然言語のチャット形式で AI エージェントとやり取りをすることでプランの立案をサポートするほか、タイプの異なるプランナーを選択したり、プランニング傾向を容易にカスタマイズできる機能を実装することで、要件に合わせたプランの立案が可能なものにしています。メディア プランの企画書作成支援ソリューションでは、高度なマルチモーダル モデルである Gemini を活用することで、目次などの要約ではなくスライド自体の生成を実現できました。ヒューマン イン ザ ループの概念を取り入れており、ユーザーが使い込むにつれて、ますます弊社らしい企画書が生成されるようになっていきます。」
基調講演後、生成 AI および AI エージェントに関連した 20 のブレイクアウト セッションが 4 つのトラックで開催され、吉本興業ホールディングス、株式会社セブン&アイ・ホールディングス をはじめとする様々なお客様や株式会社Box Japan や富士ソフト株式会社などの パートナー企業が登壇しました。
株式会社アダストリア(以下、アダストリア)DX 本部 副本部長 梅田 和義氏は以下のように述べています。
「アダストリアでは生成 AI を活用し、顧客の声を収集・分析することで、商品の開発や改善、店頭での接客の精度向上に取り組んでいます。店舗スタッフがお客様の声を簡単に記録・共有できる『STAFF VOICE』により、迅速にお客様の声を Gemini で分析し、その分析結果に基づいて製品を改良した結果、初動の売上が数 % 伸びるという成果が得られました。また、公式ストアの and ST(アンドエスティ)では、Vertex AI Search for commerce と Recommendations AI を導入することで EC サイトの検索精度を向上し、ユーザーが求める商品にたどり着きやすくなりました。また、その結果、検索から商品詳細ページへの遷移率が 15% 向上、コンバージョン レートは 20% 改善することができました。」
生成 AI 事例アワード「生成 AI Innovation Awards」最優秀賞決定
本日は「第 3 回 生成 AI Innovation Awards」ピッチ コンテストも開催し、多数の応募の中から選ばれた 10 社 のファイナリストが、企業の課題を解決するために、生成 AI 技術を活用した革新的かつ実用的な事例を紹介しました。そして、今回最優秀賞に輝いたのは、投資情報サービス「朝刊・夕刊」を開発した株式会社SBI証券でした。


SBI証券は、マーケティングオートメーションツール「KARTE」と連携した投資情報サービス「朝刊・夕刊」を開発。Gemini を活用して、お客様にお届けする情報をランク付け・要約し、ポップアップ表示に最適なコンテンツのクリエイティブを自動生成することで、お客様にいま、読むべきコンテンツをお届けする個人投資家向けサービスをお届けしています。
最新生成 AI 活用事例はこちらでご覧いただけます。