Google Cloud、Google Agentspace と NotebookLM Plus で企業の生産性向上を支援

※この投稿は、米国時間 2024 年 12 月 14 日に Google Cloud blog に投稿された記事、および Google Workspace Update blog に投稿された記事を合わせて抄訳したものです。

Google Cloud は本日、企業のお客様向けに 2 つの新ソリューションを発表しました。これらのソリューションは、データの保存場所に関わらず、Gemini の高度な推論、Google の検索機能および企業のデータを活用して、従業員が企業の専門知識にアクセスできるよう設計しています。

1 つ目のソリューションは Google Agentspace です。1 つのプロンプトで従業員の生産性を高め、計画、調査、コンテンツ生成およびアクションを必要とする複雑なタスクの遂行をサポートします。 

2 つ目は、NotebookLM の最新かつ最も高度なバージョン NotebookLM Plus で、ユーザーが提供する情報に基づき、AI が生産性とコラボレーションを大幅に向上させます。

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 執行役員 テクノロジー部門 兼 事業開発本部 寳野 雄太は、「企業にとって、『優秀さ』とは各従業員の能力の素晴らしさだけでなく、組織の集合知でもあります。しかし、サイロ化により、最も必要としている従業員が、必要な際にその集合知にアクセスできないことがあります。Google の調査によると、企業の従業員は、1 つの質問に対する回答を探すのに、平均 4 〜 6 つのツールを使用しています[1]。Google Agentspace と NotebookLM Plus は、生成 AI を活用して、従業員の生産性を新たなレベルに引き上げることを支援します」と述べています。

Google Agentspace: 企業向けに AI エージェントと AI で強化した検索機能を提供

Google Agentspace は、組織全体の企業情報の信頼できる中核的な情報源として機能する、企業のブランドを反映した単一のマルチモーダル検索エージェントを提供し、従業員に単一のインターフェースとして提供します。 

Google Agentspace は Google の検索機能を基盤として、対話型のアシスタンス、複雑な質問への回答、積極的な提案および企業固有の情報に基づくアクションの実行が可能です。ドキュメントやメールなどの非構造化データと、表などの構造化データの両方に対応しています。また、翻訳機能が組み込まれているため、元の文書が別の言語の場合でも情報を確認できます。Confluence、Google ドライブ、Jira、Microsoft SharePoint、ServiceNow など、一般的に使用されるサードパーティ アプリケーション向けに事前構築されたコネクタにより、従業員は関連するデータソースに簡単にアクセスして、クエリを実行し、より適切な意思決定を行えるようになります。

また、Google Agentspace は、カスタム AI エージェントの起点として、生成 AI をコンテキストに応じて適用します。これにより企業は、直観的なインターフェースでエージェントをホストし、従業員がすべての専門エージェントを 1 か所で簡単に見つけ、アクセスできるようにすることで、AI 活用を拡張することができます。近日中に、従業員がローコードのビジュアルツールを使用して、Google Agentspace で独自の専門エージェントを構築およびチューニングすることも可能になります。

Google Agentspace を使用することで、 ビジネスアナリストは AI が生成した洞察をもとに業界のトレンドを簡単に発見し、説得力のあるデータドリブンなプレゼンテーションを作成できます。ソフトウェア エンジニアは、バグを事前に特定および解決し、より効率的に開発と反復を行い、デプロイ サイクルを短縮できます。 マーケティング担当者は、より深いパフォーマンス分析により、コンテンツのレコメンデーションを最適化し、キャンペーンを微調整して、より良い結果を達成できます。

セキュリティは常に最優先事項です。Google Agentspace は Google Cloud のセキュア バイ デザインの基盤上に構築されているため、お客様は安心して組織全体に AI エージェントをデプロイできます。さらに Google Cloud は、ロールベース アクセス制御 （RBAC）、VPC Service Controls、IAM 統合、顧客管理の暗号鍵（CMEK）など、きめ細かな IT 制御を提供し、お客様のデータが常時保護され、コンプライアンスを維持できるようにしています。

本日から Google Agentspace への早期アクセスにご登録いただけます。

NotebookLM Plus: 企業データとの新たな対話および活用方法

この度、Google Cloud は、複雑な情報を理解するサポートをする NotebookLM の機能を企業向けに提供開始します。NotebookLM Plus により、従業員は情報をアップロードして統合、分析し、ポッドキャストのような音声サマリーなど、データの新たな活用が可能となります。数百万人ものユーザーが利用中の NotebookLM の機能を、企業向けにセキュリティとプライバシー機能を強化して提供します。

NotebookLM Plus の利用者は、5 倍の Audio Overview、ノートブック、およびノートブックごとのソースを利用できます。また、ノートブックの応答スタイルやトーンのカスタマイズ機能、使用状況分析を含むチーム共有ノートブック、さらなるプライバシーとセキュリティ機能など、多くのメリットを享受できます。

ソース、クエリおよび応答が組織内にとどまるため、企業は懸念なくNotebookLM Plus を使用できます。

• 営業チームは、NotebookLM Plus に製品ロードマップ、機能仕様、競合他社のベンチマーク分析、顧客との音声インタビュー、市場調査などを追加することができます。NotebookLM は、チームが情報をより迅速に見つけ、顧客とより効率的にコミュニケーションを行うためのプランを作成し、顧客との打ち合わせの準備をサポートします。
• マーケティング担当者は、NotebookLM Plus を活用して、市場調査、顧客セグメンテーション分析、マーケティング ロードマップなどに基づき、顧客トレンドや購入行動の要約、コミュニケーション文書のドラフト作成、キャンペーンの企画書作成などを行うことができます。
• 教育業界のお客様は、学区の戦略計画、教育基準、講義ノート、授業の読み物などを NotebookLM Plus にアップロードし、リアルタイムの要約、体系的な授業計画、ディスカッションの質問、小テストなどを作成できます。また、音声による概要を生成することで、移動中の学習を可能にし、コンテンツをよりアクセスしやすく、理解しやすく、魅力的なものにすることもできます。

NotebookLM Plus は本日より、企業、組織、学校や大学などの法人のお客様向けに Google Workspace の追加サービスとして、エンタープライズ グレードのデータ保護機能とともに提供を開始します。なお、本サービスには NotebookLM Plus for Workspace 追加利用規約が適用されます。

これにより、NotebookLM Plus を利用する Gemini for Workspace ユーザーがアップロードしたデータ、クエリおよびモデルの応答がモデルの学習に使用されることはなく、人間によるレビューも行われないことを保証します。お客様がアップロードしたファイル、クエリ、応答が組織の信頼境界の外部と共有されることはありません。

ユーザーは、アクセス権限を持つ Workspace の情報ソースのみをアップロードできます。さらに、自分のノートブックへのアクセス権をコントロールし、各ノートブック内でより詳細な権限設定を行うことができます。ノートブックは組織内でのみ共有可能です。

NotebookLM Plus はエンタープライズ グレードの保護を備えており、Google Cloud を通して個別購入もできます。 2025 年初頭には Google One AI プレミアムにも含まれる予定です。