コンピューティング

この 1 年を振り返る: Google Cloud インフラストラクチャの進化

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※この投稿は米国時間 2021 年 12 月 23 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

2021 年は、全世界の Google のお客様に多くの課題と成功がもたらされた年でした。生活が平常へと戻ることが期待されましたが、実際にはそうはなりませんでした。この不確定性にもかかわらず、お客様がクラウド インフラストラクチャを活用して、いつ、どこで、どのようにビジネスを遂行するのかについて大きな変革を行っているのを拝見するのは非常に刺激的でした。

IDC は、「2024 年までに、組織の 50% が、クラウドネイティブ テクノロジーを含むマネージド サービスが提供する抽象化により構築されたアプリケーションを活用して、あらゆる場所で一貫性を実現する」と予測しています。1 この 1 年、Google はこの予測を現実にするための第一歩として、多くのお客様と連携できたことを光栄に思います。

Google のインフラストラクチャが 2021 年にどのように進歩したか、そして来年の方向性について詳しく見ていくことにしましょう。

Google Cloud は独立した専門家からリーダーシップの面で評価されています

Google Cloud は4 年連続で、Gartner Magic Quadrant の Cloud Infrastructure and Platform Services 部門のリーダーに選出されました。

The Forrester Wave for AI Infrastructure では、Google が最上位に選出されました。これは、将来の AI 主導の世界に向けた Google の投資に対する証明です。

また、Google Cloud は HPC Wire で、「Best Use of HPC in the Cloud」の Editor’s Choice 賞を受賞しました。    

エンタープライズ アプリケーションの移行が容易に

企業における移行の取り組みを支援するために、Google はクラウドにおけるエンタープライズ アプリケーションのサポート拡大に注力してきました。The Home Depot が最近公表した、Google Cloud への SAP 移行の成功についてのホワイトペーパーでは、適切なプロセスと強力なパートナーシップの重要性が強調されています。Google は、SAP アプリケーションを使用している企業のために、Filestore Enterprise もリリースしました。このソリューションはサービスレベル契約で、リージョンにおける 99.99% の可用性を保証します。

Google Cloud との統合をさらに深めた Google パートナーの NetApp は、Windows ベースのアプリケーションの移行をより簡単かつ迅速にするとともに、ワークフローのモダナイゼーションを実現するための柔軟なデプロイ オプションを提供します。また Google は新しい Network Connectivity Center パートナーとして Cisco、Palo Alto Networks、VMware などの会社を追加しました。これにより、移行の際はすべてのネットワーキング リソースを 1 か所にまとめて簡単に接続できます。

クラウドへの移行を考えているお客様には、Forrester が エンタープライズ アプリケーションをクラウドに移行することの経済性について詳しく掘り下げています(企業で大きなコスト削減とパフォーマンスの増大が可能、という内容です)。Google にとっては、お客様に、自社の最も大きく複雑なアプリケーションが Google Cloud で円滑かつ安全に実行されることを信用していただくことが重要です。今年、より多くのエンタープライズ アプリケーションのサポートを達成できたことを嬉しく思います。

また Google は、VMware ワークロードをクラウドへ簡単に移行できるようにするために、Google Cloud VMware Engine を全世界の 12 リージョンに拡大し、ネットワーキング、コンプライアンス、スケーリングに関するいくつかの新機能を追加しました。MitelCarrefour といった企業は、自社の VMware 資産を Google Cloud に移行し、Google サービスを使用してアプリケーションを変換することで、オンプレミスでの実行と比べてアジリティを向上させ、経費を最大 45% 削減して、エネルギー コストも約 35% 低減することができました。

ハイ パフォーマンス コンピューティング(HPC)については、HPC 用に最適化された VM イメージや、SchedMD、Slurm、Altair PBSPro などのスケジューラとの統合強化などの機能追加を続けてきました。    

コストとパフォーマンスのための新しい選択肢

リアルタイム広告、動的な e コマース、ゲームなどにハイ パフォーマンス コンピューティングを使用するお客様をさらにサポートするために、Google は新しい VM ファミリーである Tau VM をリリースしました。Tau VM では、主要なパブリック クラウド ベンダーの汎用 VM と比べて、絶対的パフォーマンスが 56%、コスト パフォーマンスが 42% 向上しています。すでに Nylas などの企業が、Tau VM を最大限に活用するために、他のクラウド プラットフォームから Google Cloud に切り替えています。

Google の VM の進歩はこれだけではありません。より高レベルのフォールト トレランスと高いコスト効率を求めるお客様のために、Google は Spot VM をリリースしました。これは、Google Cloud のアイドル容量にアクセスすることでアプリケーションを最も低いコストで実行できます。Spot VM では、オンデマンド VM と比べて 60~91% も料金を節約できます。

また Google は、最高パフォーマンスの一時的なブロック ストレージに、6TB と 9TB のローカル SSD というオプションを追加しました。汎用 N2 Compute Engine VM にアタッチすると、1 ドルあたりの IOPS を大幅に向上させることができます。

分散クラウドでお客様のより近くに

業界では何年にもわたり、企業にクラウド移行を推奨していますが、すべてのワークロードがすぐに、あるいは完全にパブリック クラウドへ移行可能なわけではありません。業界や地域により異なるコンプライアンスやデータ主権の要件、低レイテンシやローカルデータ処理の必要性、アプリケーションを他のサービスと近い場所で実行する必要性などの要素があります。

Google は 10 月、分散クラウド戦略を拡張し、Google Distributed Cloud を発表しました。Google Distributed Cloud は、Google Cloud のインフラストラクチャとサービスをデータセンターやエッジに拡張する、フルマネージドのハードウェアとソフトウェアのソリューションのポートフォリオです。これは、プライベート データセンターやエッジなど場所を問わずにお客様のニーズにお応えするための大きな進歩であり、Google は 2022 年に向けてこの新機能がお客様のため役立つことを期待しております。

24 時間 365 日のデータ保護とセキュリティ

Google は今年、お客様によるデータ保護機能の改善を支援するために多くの取り組みを行いました。Google は、Actifio の買収をさらに活かすために、Google Cloud と Actifio との統合を深化させるいくつかのリリースを公開しました。コンテナ化されたアプリケーションを使用しているお客様向けには、Backup for GKE のリリースにより大きな進展を達成しました。GKE ユーザー向けのこの新しいオプションによって、お客様が自社のサービスレベル目標をより簡単に満たし、一般的なバックアップと復元のタスクを自動化して、コンプライアンスと監査を目的とするレポートを確認できるようになることを、特に期待しています。

また Google は、Cloud Storage のデータ保護機能を拡張して、デュアルリージョン バケットでカスタム リージョンを選択できるようにしました。従来の Google Cloud では、選択肢としてデュアルリージョンのペアが割り当てられていました。このリリースでは、規制やコンプライアンスの要件を満たす、またはアプリのパフォーマンスを最適化できる独自のリージョンペアを選択できるようになりました。また Google は、デュアルリージョン バケットのターボ レプリケーションもリリースしました。これは、リージョン間で 100% のデータを 15 分以内で複製できる機能で、サービスレベル契約により保証されています。主要なクラウド プロバイダからこの機能が提供されるのは初めてのことです。

セキュリティは Google にとって重要な分野です。Palo Alto Networks との提携により、業界をリードする同社の Intrusion Detection System(IDS)ソリューションを Google Cloud でネイティブに提供できるようになりました。最近の Apache Log4j の脆弱性を受けて、Google は Cloud IDS を自動的にアップデートし、攻撃の試みを検出してお客様の環境を迅速に保護できるようにしました。また、Google は Cloud Armor を reCAPTCHA Enterprise と統合し、ボリューム型攻撃を防止する、最高水準の bot と不正行為管理ソリューションを提供しています。Cloud Armor は Cloud ロードバランサCloud CDN とともにデプロイされ、ネットワーク エッジで Google Cloud に着信するトラフィックにもセキュリティ上のメリットを拡大します。

アプリケーションの構築と管理が容易に

インフラストラクチャの構成や管理、スケーリングではなく、コードに集中したいデベロッパーを支援するために、Google は Private Service Connect などの新しいサービスによるネットワーキングの単純化に取り組んできました。これにより、ネットワークのすべてのアンダーレイを構成しなくても、VPC を安全にアプリケーションやサービスに接続できるようになります。ハイブリッド環境でワークロードを簡単に実行できるように、Google は BYOIP を導入し、IP アドレスの変更を不要にしました。また、Cloud ロードバランサを拡張し、高度なトラフィック管理、リージョンとハイブリッドのアプリの配信により、オンプレミスとクラウドのワークロード間でトラフィックのロード バランシングを行うようにしました。さらに、IPv6、DNS ポリシー マネージャー、Cloud Domains、GKE Gateway コントローラ、eBPF データプレーン、Service Directory を導入しました。これらはすべて、デベロッパーにとってより簡単なネットワーキングを提供することを目標にしています。

Google は引き続き、効率的な運用段階の運用のために、可視性とオブザーバビリティに投資していきます。Network Intelligence Center には、接続テスト モジュール内での動的到達性、ネットワーク トポロジでの相互接続と VPN の可視化、およびファイアウォール インサイト モジュールが追加されました。ファイアウォール インサイトはファイアウォール ルールに可視性を取り入れ、適切で意図したように使用されていることを確認できるようにするものです。

また、今年新たにリリースされたものではありませんが、デベロッパーからは、Cloud Storage を使用するとストレージを容易に設計できる、という声が引き続き寄せられています。デュアルリージョン バケットを構成することがいかに簡単かをご確認ください。これによって、デベロッパーは大陸規模のシステムを単一のバケットのように扱えるようになり、アプリケーション プログラミング モデルが大幅に簡略化されます。主要なパブリック クラウド ベンダーの中で、この機能を提供しているのは Google Cloud のみです。

最もサステイナブルなクラウドを引き続き提供

Google も大きく投資し、多くの組織にとってますます重要になっているもう 1 つの分野がサステナビリティです。多くのクラウド プロバイダは持続可能な未来へのビジョンを持ち、2025 年または 2030 年までに電力消費量を 100% 再生可能エネルギーで賄うことを目標としています。Google は再生可能エネルギー利用率 100% を 2017 年に達成しました。これは、Google が現在、(平均的なデータセンターよりもエネルギー効率が 2 倍も高いデータセンターで)100% 再生可能エネルギーを実現する唯一のハイパースケールクラウドであることを意味します。

また Google は、新しい Carbon Footprint ツールなど多くの新機能を公開しました。お客様を含むすべての Google Cloud ユーザーが、Google Cloud におけるサービスの利用による二酸化炭素の総排出量を確認できます。これにより、自社のサステナビリティ目標を満たすデータセンターを選択し、インフラストラクチャとアプリケーションによる総合的な排出量を減らすことができます。そして、Google は将来に向けて、いくつかの大きな目標を掲げています。詳しくは、Google のサステナビリティに関するまとめの全文をご覧ください。

お客様への感謝

2021 年、Google は自社インフラストラクチャを構築するために多くの取り組みを行ってきました。Google のすばらしいお客様とのパートナーシップがなければ、私たちは何も成し遂げられなかったでしょう。Google に寄せられたすべての興味深いストーリーから一部だけを選ぶのは困難ですが、いくつかを紹介しましょう。Pega は停止時間 0 で、自社の SAP アプリケーションを Google Cloud に移行しました。PayPal は、非戦略的なデータセンターをクローズし、大きなコスト削減を達成しました。Wix は Google のネットワークを使用して、毎日数千万ものリクエストに対応しています。

2021 年を振り返り、Google のクラウド インフラストラクチャが進化して、お客様それぞれの変革の取り組みを支援できるようになったことを誇りに思っています。そして 2022 年に向け、お客様とのパートナーシップを継続し、どれほど困難な課題でも、お客様とともに解決していきたいと思っています。

Google の将来への構想に関する詳細については、Google Cloud Next ‘21 で語られた Thomas Kurian のアイデアをご覧ください。


1. IDC FutureScape: Worldwide Cloud 2022 Predictions

- Google Cloud インフラストラクチャ、バイス プレジデント兼 ゼネラル マネージャー Sachin Gupta