新しい Tau VM: スケールアウト型ワークロード向けに優れたコスト パフォーマンスを提供
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 6 月 17 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
スケールアウト型ワークロードでは、アプリケーションの配信コストを引き下げながら、優れたユーザー エクスペリエンスを提供するために、パフォーマンスと価格の最適な組み合わせが要求されます。このたび Google Cloud は、新しい仮想マシン(VM)ファミリーである Tau VM が登場することをお知らせします。Tau VM は、スケールアウト型ワークロードのパフォーマンスをコスト効率的に最適化した新しいオプションで、Compute Engine の VM サービスを拡張します。
Tau VM ファミリー初のインスタンス タイプである T2D は、第 3 世代 AMD EPYCTM プロセッサをベースとしており、パフォーマンスとワークロードの総所有コスト(TCO)のどちらにおいても、現在利用できる主要なパブリック クラウド プロバイダのスケールアウト型ワークロード用の VM より優れています。こうした AMD EPYC プロセッサ ベースの VM によって x86 互換性が提供されるため、市場をリードするパフォーマンスの向上とコストの節約を実現でき、アプリケーションを新しいプロセッサ アーキテクチャに移植する必要がありません。
以下に示すように、Tau VM は主要なパブリック クラウド ベンダーの汎用 VM と比べて、絶対的パフォーマンスが 56% 高くなり、コスト パフォーマンス(推定 SPECrate2017_int_base)が 42% 向上します。
* 結果は、他の 2 つの主要なクラウド ベンダーの本番環境 VM と、ベンダー推奨のコンパイラを使用した本番前環境の Google Cloud Tau VM で実行された SPECrate®2017_int_base の推定に基づいています。テストの詳細はこちらでご確認いただけます。
SPECrate は Standard Performance Evaluation Corporation の商標です。詳しくは、www.spec.org をご参照ください。
お客様とパートナー様の声
Snap
Snap Inc. のシニア エンジニアリング マネージャーである Cody Powell 氏は、次のように述べています。「Snap のビジネスにとって、AR、Lenses、Spotlight、Maps をはじめとする主な Snapchat 機能のためにスケールアウト型のコンピューティング インフラストラクチャを継続的に改善することは欠かせません。Google Kubernetes Engine を使って Google Cloud の新しい Tau VM をテストした際には感心させられました。結論を出すにはまだ早いですが、主要なワークロードに対するインフラストラクチャのパフォーマンスが 2 桁向上すると確信しています。これにより、より少ない労力で多くのことを実施でき、すばらしい Snapchat コミュニティの新機能にさらに多くの投資を行えます。」
Twitter
Twitter のプラットフォーム担当リーダーである Nick Tornow 氏は、次のように述べています。「適切な価格で高パフォーマンスを実現することは、世界的な公共の会話の場を提供するうえで重要な検討事項です。初期テストでは、2 桁のパフォーマンス向上の可能性を示したので驚いています。今後も Google Cloud と協力し、特定のコンピューティング ワークロードに対して、新しい Tau VM ファミリーを使用することで実現できる価格とパフォーマンスのメリットをさらに評価していきます。」
DoiT
DoiT International の CEO である Yoav Toussia-Cohen 氏は、次のように述べています。「DoiT は、成長と費用最適化を重視する主要なクラウド ベンダーと提携しています。Coremark ベンチマークを使用した Google の新しい Tau VM の予備テストでは、他の主要なパブリック クラウドによる ARM ベースの同類サービスと比較すると、なんと 50% も優れたパフォーマンスを発揮して感動しました。Tau VM のおかげで、Google Cloud でコスト パフォーマンスに新しい基準を設定し、デジタル ネイティブ企業がクラウドにさらに利用しやすくなりました。Google の Tau VM を共通のお客様に提供できることを嬉しく思います。」
要求の厳しいスケールアウト型ワークロード向けに設計
Tau VM は、スケールアウト型ワークロード向けに Google が長年培ってきたエンジニアリング プラットフォームの利点をお客様にお届けします。複数の事前定義された VM シェイプで提供され、VM ごとに最大 60 の vCPU、vCPU ごとに 4 GB のメモリが用意されています。また、Tau VM は最大 32 Gbps のネットワーク帯域幅と幅広いネットワーク接続ストレージ オプションを提供するため、ウェブサーバー、コンテナ化されたマイクロサービス、データロギング処理、メディアのコード変換、大規模な Java アプリケーションなどのスケールアウト型ワークロードに最適です。
Google Kubernetes Engine のサポート
Google Kubernetes Engine(GKE)は、高度なコンテナ オーケストレーションを求める組織にとって事実上の標準であり、最高レベルの信頼性、セキュリティ、スケーラビリティを提供します。GKE は導入初日から Tau VM をサポートし、コンテナ化されたワークロードのコスト パフォーマンスを最適化できるようにします。GKE ノードプールに T2D マシンタイプを指定すれば、Tau VM を GKE クラスタに追加できます。
料金
Tau VM は、クラウド アプリケーションの TCO とコスト パフォーマンスが大幅に向上するように価格設定されます。128 GB RAM を搭載した 32 vCPU VM の価格は、us-central1 でのオンデマンド使用に対して 1 時間あたり $1.3520 です。
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-クラウド インフラストラクチャ部門シニア バイス プレジデント Urs Hölzle
-Google Cloud コンピューティング担当バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャー June Yang