データの配信と保護: データ損失を防ぐ新しいストレージ機能
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 9 月 16 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
データは企業にとって最も重要な情報および資産であり、データ保護は非常に重要な業務です。その一方で、顧客からは「適切なレベルでデータを簡単に保護したい」という要望も寄せられています。これを実現するのは、オンプレミスであろうとクラウドであろうと難しいものです。たとえば、ティア 1 アプリケーションの同期レプリケーションをオンプレミスで構成するには、ネットワークとストレージの両方を設定、管理、監視する必要があります。さらに、多くの企業では、VM に適用している標準の保護ポリシーをコンテナ インフラストラクチャに拡張するのに苦労しています。
本日、Google は人気の高い Cloud Storage に拡張機能を追加し、Filestore Enterprise と Backup for Google Kubernetes Engine(GKE)という 2 つの新しいサービスを導入します。これらの新機能により、さまざまなアプリケーションやユースケースで、データを即座に保護できるようになります。
IDC のシニア バイス プレジデント兼エンタープライズ インフラストラクチャ クラウド担当の Matt Eastwood 氏は、次のように述べています。「企業のお客様はストレージ管理に割く時間の削減を望んでいます。パブリック クラウドは急速に成長していますが、多くの企業にとってはいまだに目新しいものであり、スキル不足がクラウド導入の遅滞を招いているのは確かです。Google Cloud の素晴らしい点は、市場に新しいサービスを投入する際に使いやすさを重視していることです。」
Cloud Storage のデュアルリージョン バケットの拡張
Cloud Storage の最も重要な機能に、デュアルリージョン バケットとマルチリージョン バケットがあります。Cloud Storage デュアルリージョン バケットでは、Colossus や Spanner などの技術を活用することで、「大陸規模のストレージ システム」、つまり複数のリージョンをまたぐ真の単一名前空間(別名: バケット)が実現されています。デュアルリージョン バケットとは、2 つの独立したバケットの上層に位置するネットワーク階層内の単なるロードバランサやアクセス ポイントのことではありません。真の単一名前空間バケットであり、アクティブ / アクティブ構成で読み取り、書き込み、削除を行い、重要な強整合性のプロパティを実現するものです。そのため、デベロッパーは大陸規模のシステムを単一のバケットのように扱うことができ、アプリケーション プログラミング モデルを大幅に簡素化できます。主要なパブリック クラウド ベンダーの中で、この機能を提供しているのは Google Cloud だけです。
ご存じのとおり、デュアルリージョン バケットの作成は非常に簡単です。最初に作成する際に、デュアルリージョン オプションを選択するだけです。
デュアルリージョン バケットの機能拡張の重要なポイントは次の 2 点です。
デュアルリージョン バケットのカスタム リージョン選択 - これまでは、Google Cloud がデュアルリージョンの複数のペアをユーザーに割り当てて、その中から選択する形式でした。今回のリリースから、独自のリージョンペアを選択し、個々の規制要件やコンプライアンス要件を満たし、アプリのパフォーマンスを最適化できるようになりました。フランクフルトとロンドンの市場データを扱う金融企業や、ロサンゼルスとラスベガスを利用したい米国西海岸のメディア企業など、あらゆる企業にとってこの新機能が役立ちます。
SLA 保証の 15 分間の目標復旧時点(RPO)(オプション) - データ損失が許容されない重要なアプリケーションでオブジェクト ストレージが使用されるケースが増加しています。リージョンの停止後に 99% のデータが復旧しても、残りの 1% を損失してしまえば万全とは言えません。そこで、Google はデュアルリージョン バケット向けにターボ レプリケーションを発表します。主要なクラウド プロバイダとして初めて、リージョン間の 15 分以内の 100% のデータ レプリケーションをサービスレベル契約によって保証します。
データのロケーション オプションの詳細については、Cloud Storage バケットのロケーションを確認してください。
コンテナ内のデータを保護する新しい Backup for GKE
Google Cloud ユーザーは、GKE のアプリケーション開発速度の速さに惹かれて次々に GKE を採用しています。ユーザーはコンテナ内でステートレス アプリケーションを実行するだけにとどまらず、MySQL や PostgreSQL などのデータベースや、その他のステートフル ワークロードも実行しています。この流れをさらに加速させるために、Backup for GKE を導入しました。この新たなネイティブ GKE サービスにより、コンテナベースの重要なデータを簡単に保護できるようになります。
Backup for GKE の詳細と、Broadcom および Atos などのお客様がどのように Backup for GKE を使用しているのかについては、これを特集したブログ記事をご確認ください。
ゾーン停止からデータを保護する Filestore Enterprise
Filestore Enterprise はフルマネージドの Filestore ファミリに追加された新しいサービスであり、ファイル共有が必要な従来のティア 1 エンタープライズ アプリケーション(SAP など)をターゲットとしています。高性能な読み書きに加えて、Filestore Enterprise はリージョン内の複数のゾーンをまたぐ同期レプリケーションによって高可用性を実現します。Filestore を利用することで、リージョン内のいずれかのゾーンが使用できなくなっても、追加の操作を必要とせずにアプリケーションに透過的にデータを送信し続けることができます。
Filestore Enterprise の詳細と、Sabre が SAP のデプロイやステートフル GKE アプリに本サービスをどのように使用しているかについては、こちらのブログ記事をご確認ください。
Google の DNA に組み込まれたデータ保護
Google Cloud は、データ保護を非常に重要な要素として捉えています。今後も Google のグローバルなテクノロジー プラットフォームを使用して、お客様にパワフルでありながら簡単に使用できる機能をお届けすることに注力し、ストレージに関する最も差し迫った課題を解決してまいります。
Google Cloud のストレージおよびデータ保護のサービス ファミリの詳細を確認するには、10 月 6 日開催のウェビナー What's New with Storage at Google Cloud および Google Cloud Next ‘21 にご登録の上ご参加ください。
-GM ストレージ Guru Pangal
-プロダクト管理担当ディレクター Brian Schwarz