Google Cloud VMware Engine の最新ニュース: 自動スケーリング、ムンバイ リージョンでのサービス提供開始など
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 7 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
ここ数週間で Google Cloud VMware Engine にさまざまなアップデートが実施されました。今回の投稿は、最新のマイルストーンをまとめた内容となっています。Google Cloud VMware Engine は、Google Cloud でネイティブに実行されるエンタープライズ グレードの VMware スタックを提供しています。さまざまなユースケースで既存のアプリケーションや運用モデルに変更を加えずに、最短ルートで VMware ワークロードをクラウドに移行できるのがこのクラウド サービスです。ユースケースには、短期間でのデータセンターの廃止、アプリケーションのリフト&シフト、障害復旧、仮想デスクトップ インフラストラクチャ、自社のペースに合わせたモダナイゼーションなどが含まれます。
ここで 1 つ事例をご紹介します。Mitel は 100 か国 7,000 万人のビジネス ユーザーにサービスを提供する、Unified Communications as a Service(UCaaS)のグローバル プロバイダです。同社は、90 日に満たない期間で 1,000 個の VMware インスタンスを Google Cloud VMware Engine に移行し、月間運用パフォーマンスを 4 倍にまで改善しました。
前回の投稿では、ネットワークや新たなリージョン、スケーラビリティに関連するさまざまな革新的機能を取り上げました。今回の投稿では、前回の投稿以降にリリースされた機能をご紹介します。
セキュリティが組み込まれた専用の VMware プライベート クラウドの高速プロビジョニング
Google Cloud VMware Engine では、約 30 分で VMware プライベート クラウドをスピンアップできます。さらに、安全な Google のデータセンターにある専用ホストを使って、オンデマンドで VMware ベースのインフラストラクチャをスケールすることもできます。新機能は次のとおりです。
自動スケーリング: ビジネスニーズに合わせて、プログラムによって弾力的にインフラストラクチャ リソースを管理できます。これは「サイズ適正化」とも呼ばれ、IaaS プラットフォームの中心的な機能になっています。自動スケーリングでは、Google Cloud VMware Engine ユーザーがポリシーに基づく自動化を活用して必要なノードをスケールすることで、VMware インフラストラクチャのコンピューティングの需要に対応できます。
自動スケーリング:
季節要因による需要の急増、使用量の段階的な増加、障害復旧イベントを原因とする、オンボーディングまたは拡張される新たなプロジェクトに対処します。
CPU、メモリ、ストレージの使用率を分析して、Google Cloud VMware Engine ノードのスケールアップまたはスケールダウンを制御できるようにします。
推奨される制限をストレージ使用量が超えないようにすることで、Google Cloud VMware Engine のサービスレベル契約を維持します。
容量のモニタリングを自動化し、しきい値に基づいて十分な量のリソースを確保することで IT チームの負担を軽減します。最小容量と最大容量を維持するための安全保護対策を構成して、自動化との境界線を設けることができます。
ムンバイ リージョンでのサービス提供を開始
Google Cloud VMware Engine がムンバイ リージョンでも利用できるようになりました。これで、サービスが世界 12 のリージョンで提供されるようになりました。多国籍企業と現地企業のお客様は、VMware 対応の Infrastructure as a Service プラットフォームを Google Cloud 上でご活用いただけます。詳細については、こちらのプレスリリースをご参照ください。
エンタープライズ グレードのインフラストラクチャ
Google Cloud VMware Engine の単一ゾーンのクラスターの可用性は 99.99% です。また、オーバーサブスクリプションが発生しない、専用の 100 Gbps east-west ネットワークが用意されており、不揮発性メモリの高速ストレージだけを使用しているため、最も要求が厳しいワークロードに必要な高いパフォーマンスを実現できます。新機能は次のとおりです。
プレビュー版 - Google Cloud KMS との連携: Bring your own keys(BYOK) で vSAN データストアを暗号化する機能は以前からありました。今回の新機能では、外部の鍵プロバイダを管理する手間をなくしたいと考えている組織が、Cloud KMS を使う、Google が管理する鍵プロバイダを利用できます。新たにインスタンス化された VMware プライベート クラウドで vSAN の暗号化がデフォルトで有効になるため、ワークロードとデータの保護をより柔軟に行うことができるようになります。この機能は現在プレビュー版です。
HIPAA を準拠: 4 月より、Google Cloud VMware Engine は HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)を準拠するようになりました。これにより、医療機関でもサービスを利用できるようになりました。医療機関は、Google Cloud VMware Engine を使用して、Google Cloud でネイティブに実行される完全互換の VMware Cloud Verified スタックに HIPAA を準拠した VMware ワークロードを移行して実行できるようになりました。ツールやプロセス、アプリケーションの変更または再構築は必要ありません。詳細はこちらのブログをご覧ください。
Active Directory 向けの NSX-T のサポート: Active Directory 向けの NSX-T のサポートによって、オンプレミスの Active Directory を Lightweight Directory Access Protocol の ID ソースの一つとして活用して、NSX-T マネージャーのユーザー認証ができるようになりました。これによって、Google Cloud VMware Engine でオンプレミス ツールを活用できるようにするという取り組みがさらに推し進められた形になります。詳細については、ID ソースの設定方法に関するドキュメントをご覧ください。
vSAN TRIM/UNMAP のサポート: スペースの効率利用のため、vSAN ではデータの増加に伴って徐々に拡大するシン プロビジョニング ディスクを作成できます。ただし、ゲスト オペレーティング システム(OS)内でファイルを削除しても、vSAN に割り当てられた容量は増えません。スペースをさらに効率的に利用するために、ゲスト OS のファイル システムには、使用されなくなった容量を TRIM/UNMAP コマンドで再利用できる機能が用意されています。vSAN ではゲスト OS から送信されるこれらのコマンドに完全対応しているため、以前に割り当てられたストレージを空き容量として再利用できます。Google Cloud VMware Engine では、vSan TRIM/UNMAP がデフォルトで有効になるようにしています。
操作性と運用の簡略化
Google Cloud VMware Engine で気にする必要があるのはワークロードだけです。ソリューション レイヤーのパッチ適用やアップグレード、更新の心配は不要で、相互運用性の問題が減り、インフラストラクチャ メンテナンスの負担も軽減されます。さらに、VMware に対応したサードパーティのツールとソリューションを VMware Engine でシームレスに動かすための、事前構築済みサービス アカウントも用意されています。ローカル接続経由での Google サービスへのプライベート アクセスもネイティブでサポートされているため、将来にわたって既存のアプリケーション強化とモダナイゼーションを実現できます。このサービスでは、独自のマルチ VPC、マルチリージョン ネットワークをネイティブで提供することで、Google Cloud Virtual Private Cloud(VPC)のデザインを活用できるようにしています。新機能を確認してみましょう。
Day 2(2 日目からの)運用のためのダッシュボード: Google Cloud VMware Engine の管理者は、Cloud Operations ダッシュボードをソリューションに活用してクラウドへの移行を加速させ、効率を上げることができます。さらに、管理者は Cloud アラートを通じてカスタム ポリシーを作成し、任意のチャネル(SMS、メール、Slack など)から通知を送信できます。Cloud Monitoring の設定方法については、Cloud Monitoring の設定をご参照ください。
最新情報を確認するには Google Cloud VMware Engine のリリースノートをブックマークしてください。
今回のブログ投稿に協力してくれた、Google Cloud プロダクト管理担当の Manish Lohani と Nargis Sakhibova、Google Cloud ソリューション管理担当の Wade Holmes に感謝します。
-Google Cloud プロダクト管理担当 Sai Gopalan
-Google Cloud VMware Engine プロダクト マネージャー Sharath Suryanarayan