このドキュメントでは、Storage Transfer Service と Transfer Service for On Premises Data を使用して Cloud Storage にデータを転送するときに保持されるメタデータについて説明します。
概要
Storage Transfer Service とオンプレミス用 Transfer では、Cloud Storage への転送の間、次のメタデータを保持します。
Cloud Storage、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)、Microsoft Azure Blob Storage(Microsoft Azure Storage)の、ユーザーが作成した転送用カスタム メタデータ。
POSIX ファイル システムの、転送ファイルサイズと最終更新日時(mtime)。
このドキュメントで明示的に説明されていないメタデータ フィールドは、保持されません。
オブジェクトとファイルのメタデータ
Cloud Storage の各オブジェクトには、オブジェクトに関連付けられているメタデータが key:value ペアとして保持されます。メタデータにより、オブジェクトのプロパティと、オブジェクトにアクセスしたときの処理方法が区別されます。Cloud Storage におけるオブジェクト メタデータの詳細については、オブジェクトのメタデータをご覧ください。
Cloud Storage におけるメタデータの可変性について説明します。
編集可能なメタデータ: 十分な権限があれば、これらのメタデータ値を編集できます。Cloud Storage で使用できる編集可能なメタデータの種類は、次のとおりです。
固定キーメタデータ: 固定キーメタデータの値は変更できますが、キーは変更できません。通常、このタイプのメタデータは、HTTP ヘッダーに相当します。詳細については、固定キーメタデータをご覧ください。
カスタム メタデータ: カスタム メタデータは、値とキーの両方を変更できます。詳細については、カスタム メタデータをご覧ください。
編集不可メタデータ: このタイプのメタデータを直接編集することはできません。これは、Cloud Storage でオブジェクトが作成または再書き込みされるときに設定されます。詳細については、編集不可メタデータ をご覧ください。
ファイル メタデータには、ファイルとディレクトリに関する情報が含まれます。POSIX ファイル システムのファイル メタデータには、mtime、ファイルサイズ、ファイルモード、ファイルのオーナーなどがあります。
メタデータの保持動作
以降のセクションでは、さまざまなソース ストレージ システムのメタデータの例と、Storage Transfer Service とオンプレミス用 Transfer でそれぞれのメタデータが保持される仕組みを説明します。メタデータの完全なリストについては、ソース ストレージ システムのドキュメントをご覧ください。
Amazon S3 から Cloud Storage
メタデータの例 | 保持動作 |
---|---|
Amazon S3 の固定キーメタデータ フィールド(Cache-Control 、Content-Disposition 、Content-Type など)。 |
固定キーメタデータとして保持されます。 |
Amazon S3 ユーザー定義メタデータ。x-amz-meta-name:value という名前で、name と value はユーザー定義の Key-Value ペア。詳細については、オブジェクト キーとメタデータのユーザー定義のオブジェクト メタデータ セクションをご覧ください。 |
転送先 Cloud Storage オブジェクトのカスタム メタデータ フィールドとして保持され、後で編集や削除ができます。
|
ETag |
キー x-goog-source-etag を持つカスタム メタデータ フィールドとして保持され、後で編集や削除ができます。 |
オブジェクト サイズ。 |
size として保持されます。 |
Amazon S3 アクセス制御リスト(ACL)。完全なリストについては、アクセス制御リスト(ACL)の概要の条件キーセクションをご覧ください。 | 保持されません。 |
Key-Value ペアとして定義した Amazon S3 オブジェクト タグ。詳細については、オブジェクト タグをご覧ください。 | 保持されません。 |
Amazon S3 システム定義メタデータ(ETag とオブジェクト サイズを除く)。完全なリストについては、オブジェクト キーとメタデータのシステム定義のオブジェクト メタデータのセクションをご覧ください。 |
保持されません。
ソースのタイムスタンプ メタデータは保持されません。作成時間 |
Microsoft Azure Storage から Cloud Storage
メタデータの例 | 保持動作 |
---|---|
Microsoft Azure Storage の固定キーメタデータ フィールド(Cache-Control 、Content-Disposition 、Content-Type など)。 |
固定キーメタデータとして保持されます。 |
x-ms-meta-name:value という名前の Microsoft Azure Storage ユーザー定義のメタデータ。name と value はユーザー定義の Key-Value ペアです。詳細については、Blob サービス リソースのプロパティとメタデータの設定と取得をご覧ください。 |
転送先 Cloud Storage オブジェクトのカスタム メタデータ フィールドとして保持され、後で編集や削除ができます。
|
ETag
|
キー x-goog-source-etag を持つカスタム メタデータ フィールドとして保持され、後で編集や削除ができます。 |
オブジェクト サイズ。 |
size として保持されます。 |
Microsoft Azure Storage のアクセス制御(具体的には x-ms-blob-public-access )。詳細については、Container ACL の取得のレスポンス ヘッダー セクションをご覧ください。 |
保持されません。 |
Microsoft Azure Storage のインデックス タグ。詳細については、blob インデックス タグを使用して Azure Blob データを管理、検索するをご覧ください。 | 保持されません。 |
Last-Modified 、x-ms-creation-time 、x-ms-version 、x-ms-request-server-encrypted 、x-ms-encryption-scope などの Microsoft Azure Storage タイムスタンプ メタデータ。詳細については、Blob メタデータの設定をご覧ください。 |
保持されません。
ソースのタイムスタンプ メタデータは保持されません。作成時間 |
Cloud Storage バケット間の転送
メタデータの例 | 保持動作 |
---|---|
Cloud Storage の固定キーメタデータ フィールド( 詳細については、オブジェクトのメタデータをご覧ください。 |
固定キーメタデータとして保持されます。 |
Cloud Storage のユーザー定義メタデータ。x-goog-meta-name:value という名前で、name と value はユーザー定義の Key-Value ペアです。詳細については、カスタム メタデータをご覧ください。 |
転送先 Cloud Storage オブジェクトのカスタム メタデータ フィールドとして保持され、後で編集や削除ができます。
|
オブジェクト サイズ |
size として保持されます。 |
Cloud Storage のアクセス制御リスト(ACL)。詳細については、定義済み ACL をご覧ください。 | 保持されません。 |
Cloud Storage の編集不可メタデータ(temporaryHold 、eventBasedHold 、generation 、etag 、componentCount 、storageClass など)。 |
保持されません。 |
Cloud Storage のタイムスタンプ メタデータ(timeCreated や updated など)。 |
保持されません。
ソースのタイムスタンプ メタデータは保持されません。作成時間 |
Cloud Storage のメタデータのリストについては、オブジェクトをご覧ください。
Cloud Storage への URL リスト転送
URL リストの詳細については、URL リストの作成をご覧ください。
メタデータの例 | 保持動作 |
---|---|
固定キーメタデータ フィールド(Cache-Control 、Content-Disposition 、Content-Type など)。 |
編集可能メタデータとして保持されます。 |
Content-Length と MD5 。 |
編集不可メタデータとして保持されます。
ソースで
この保持動作は、 |
タイムスタンプ メタデータ(作成日時、変更日時、その他のソース固有のメタデータなど)。 |
保持されません。
ソースのタイムスタンプ メタデータは保持されません。作成時間 |
POSIX ファイル システムから Cloud Storage
メタデータの例 | 保持動作 |
---|---|
修正時刻(mtime)とファイルサイズ。 |
保持されます。
mtime は、キー
|
フォルダとファイルのパーミッション、ユーザー ID、グループ ID、ファイル パーミッション、ハードリンク、シンボリック リンク。 |
保持されません。 フォルダのメタデータが保持されない理由は、Storage Transfer Service と Transfer Service for On Premises Data では、フォルダを表すフォルダ プレースホルダ オブジェクトが Cloud Storage に作成されないためです。 |