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データベース

データベース変革を加速させるために Google Cloud が投資を行っている主要な領域

2022年4月19日
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Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2022 年 4 月 8 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

デジタル エクスペリエンスの再構築に限界はありません。少なくとも、ユーザーはそのようにとらえています。アプリケーションはサービスを提供するだけのものではありません。現代のユーザーは、きわめて高速で、パーソナライズされた、使いやすいアプリケーションを期待しています。

オペレーショナル データベースにより、お客様の最も重要なアプリケーション、つまりはビジネス自体が強化されます。ただし、オペレーショナル データベースの選択により、優れたカスタマー エクスペリエンスを構築できるか、もしくは期待におよばない結果に終わるかが決まることもあります。IDC の調査では、2026 年までに、企業の収益の 25% 以上がデジタル プロダクト、サービス、エクスペリエンス由来になると予測されていますが、これは、デジタル イノベーションを適切に実行した場合に限ります。

Google Cloud データベースは、スピード、スケーリング、セキュリティ、信頼性の面で他に類を見ないサービスです。あらゆる規模の組織が、可能な限りの最適なエクスペリエンスをどこからでもお客様に届けることができ、数回のクリックと最小限のオーバーヘッドだけでオペレーショナル データベースの運用を開始できます。

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Google は、お客様のデジタル トランスフォーメーションの取り組みを加速できるよう努めています。6 つの主要な領域に投資することで、データベース運用の複雑性を取り除き、簡単に操作できる使いやすいものにします。

Google が投資を行っている 6 つの領域は以下のとおりです。

#1 信頼性と可用性

現代の常時稼働型のビジネスモデルでは、高度に信頼でき、連続的に利用可能で、シームレスに拡張可能なアプリケーションが求められます。これにより、あらゆる地域のすべてのユーザーに優れたエクスペリエンスを提供できます。Google のクラウドネイティブ データベースである Cloud SpannerCloud BigtableFirestore により、業界トップクラスの可用性 SLA(最大 99.999%)を実現できます。また、自動シャーディングやゼロタッチ グローバル レプリケーションも利用でき、メンテナンスによるダウンタイムもありません。

Google はまた、MySQL、PostgreSQL、SQL Server ワークロード実行用の Google Cloud のフルマネージド リレーショナル データベース サービスである Cloud SQL の強化にも取り組んでいます。Cloud SQL のメンテナンス ダウンタイムは 12 か月前と比較して平均で 80% 短縮されており、これは、市場の類似のソリューションよりも速いスピードです。最近追加された SQL Server クロスリージョン レプリカにより、Cloud SQL でマルチリージョンの拡張性と障害復旧のオプションを利用できるようになりました。メンテナンス拒否期間や事前通知などの制御機能を備えた Cloud SQL は、真の業界リーダーです。

#2 セキュリティとガバナンス

データ量の増加や複雑性の増加、規制やコンプライアンスの要件、サイバー攻撃の増加などにより、セキュリティとガバナンスがあらゆる業界における主要な懸念事項となっています。そのため Google は、データの保護や管理をそのライフサイクル全体において可能とする堅牢なツールおよびテクノロジーを提供しています。Google Cloud 内にあるすべてのデータは、転送中および保存中に自動的に暗号化されます。Google のデータベースにより、Identity and Access Management(IAM)による標準化された認証と認可が提供されており、ポートフォリオ全体での投資を継続していきます。

Cloud SQL for SQL Server では、プロジェクト間のインテグレーションが可能となり、Managed Microsoft Active Directory を介した認証が行えるようになりました。Google は、お客様がインスタンス データやバックアップを完全に暗号化して管理できるようにする顧客管理の暗号鍵や、お客様自身によるスケジュール設定で鍵をローテーションする機能など、より厳格な管理のための機能に投資し続けています。

#3 高度なインテグレーション

大小かかわらず多くの組織が、ビジネス運営を妨げ、情報に基づくビジネス上の意思決定を行う能力を制限するデータサイロに悩まされています。Google Cloud は、高度に統合され一元化された業界トップのクラウド サービスのエコシステムを提供しています。このエコシステムには、BigQueryGoogle Kubernetes EngineCloud Functions が含まれます。これらのサービスにより、運用上のサイロ化を解消し、データ パイプラインを構築し、リアルタイムの分析情報を生成して、優れたビジネス上の意思決定を行えるようになります。

Google は、データ ライフサイクル全体にデータクラウドのポートフォリオを統合し続けています。Datastream を発表し、異種データベースやアプリケーションでデータを複製および同期できるようになりました。これにより、リアルタイム解析、データベース レプリケーション、イベント ドリブン アーキテクチャがサポートされます。Datastream であれば、Oracle や MySQL データベースからの変更データ ストリームを、簡単かつシームレスに Google Cloud のサービスに配信できます。BigQuery、Cloud SQL、Google Cloud Storage(GCS)、Spanner がサポート対象ですが、その他のデータソースや出力先も対象となる予定です。

Google は今週、Spanner 変更ストリームの近日リリースを発表しました。変更ストリームでは、Spanner データベースに対する挿入、更新、削除を追跡でき、ダウンストリーム システムに変更をリアルタイムで大規模に書き込むことができます。リアルタイム解析用に変更を Spanner から BigQuery に簡単に複製したり、Pub/Sub を使用してダウンストリーム アプリケーションの動作をトリガーしたり、コンプライアンス目的で Google Cloud Storage(GCS)に変更を保存したりできます。

#4 財務ガバナンスと費用

Google は、クラウド サービスを最適な料金で利用する際に、高度な予測モデルや余計な財務リスクは不要であると考えています。Google は、ポートフォリオ全体に対して多額の投資を行い、お客様がクラウド関連の費用を把握および管理できるようサポートしています。たとえば、最近リリースした Bigtable Autoscaling により、変化するワークロードの需要に応じて自動的に容量を増減できるようになり、必要な容量に対してのみ支払いを行えるようになりました。また、これにより管理上のオーバーヘッドも低減されるため、インフラストラクチャの管理にかける時間を減らし、ビジネスにかける時間を増やせます。

Google は、Active Assist を用いた Cloud SQL Cost Recommende を導入しました。この機能により、デベロッパーはコストをより適切に最適化して管理できるようになります。これは、アイドル状態のインスタンスの検出、オーバープロビジョニングされたインスタンスのサイズ適正化、確約利用割引(CUD)の活用で役立ちます。

すでに Cloud SQL 用 CUD の提供を開始しており、Spanner 用 CUD も最近発表しました。確約利用割引は、ワークロードが一定量で、使用量が予測できる場合に適しています。データベース環境の変化に対応可能な使いやすい方法で提供されます。Spanner を例に挙げると、CUD を購入することで Spanner のコンピューティング容量が最大で 40% 割引になります。

多くの人が Spanner を利用し続けられるよう、Google は、きめ細やかなインスタンスのサイズ設定機能を導入しました。これにより、通常のインスタンスの 10 分の 1 の費用(月あたり約 $65)で Spanner を利用できるようになります。

#5 オブザーバビリティ

デベロッパーは、アプリケーションのモダナイゼーションの要です。迅速に行動してより革新的なアプリケーションを構築する能力が必要です。Google は、Cloud SQL InsightsKey Visualizer などのデータベース オブザーバビリティの機能に投資しており、追加費用なしでデベロッパーがデータベース パフォーマンスの問題に対処できるようにしています。

昨年 Google は、Cloud SQL のパフォーマンスを迅速に把握して最適化できるデベロッパー向けのシンプルなオープンツール、Cloud SQL Insights を PostgreSQL 向けにリリースしました。Google は、オープン標準を使用し、世界クラスの可視化やマイクロサービスなどの最新のアーキテクチャを考慮して Cloud SQL Insights を設計しました。Insights は、Cloud SQL で急速に採用されている新機能の一つです。そして今週、Google は MySQL 用の Cloud SQL Insights のプレビュー版を発表しました。直近 7 日間のデータベース履歴に対して、Insights を追加費用なしで利用できます。

多くの組織が、アプリの迅速な構築のために Cloud SQL を選び続けています。たとえば Wayfair は、3,000 人以上のエンジニアからなる同社のチーム、何千万人ものユーザー、16,000 のサプライヤー パートナーを混乱させることなく、SQL Server ワークロードを Google Cloud に移行しました。

#6 移行

Google がクラウドへの移行の簡素化に力を入れている理由は、適切なツールを使用せずに移行する場合の複雑さを理解しているためです。Database Migration Service(DMS)は、Cloud SQL への移行を迅速かつ予測可能で信頼性の高いものにする使いやすいサービスです。Database Migration Service を使用した場合、85% 以上が 1 時間以内に移行を開始します。Database Migration Service は、現在、MySQL と PostgreSQL のデータベースをサポートしており、SQL Server の移行も近日中にサポートする予定です。

Oracle データベースを Cloud SQL for PostgreSQL にモダナイズしたいと考えるお客様は、費用を削減して、独自仕様の Oracle データベースへの依存度を減らすことができます。Google は今週、Database Migration Service が Oracle から PostgreSQL へのスキーマとデータの移行をサポートすることを発表しました。現在プレビュー版で利用でき、Oracle から PostgreSQL へのシンプルな移行パスを提供しています。DMS はスキーマ変換用の Ora2Pg オープンソース ツールと統合され、移行用のサーバーレス データ レプリケーションとモニタリングの機能を提供します。

Google はまた、Apache HBase から Cloud Bigtable へのライブ マイグレーションの一般提供が開始されたことを今週発表しました。Bigtable は HBase API に対応しており、優れたパフォーマンス、スケール、管理性、費用削減のために HBase クラスタをモダナイズする際によく使用されています。Google は、HBase から Bigtable への移行をより簡単で迅速にする目的で、スキーマ変換ツール、レプリケーション ライブラリ、移行検証ツールなど、ライブ マイグレーション向けのいくつかの機能をリリースしています。

最後に、Google は Database Migration プログラムを発表しました。このプログラムは、移行エクスペリエンスを高速で、容易で、費用対効果に優れたものにすることを目的としています。専門的なデータベース技術を持つ Google Cloud のパートナー ネットワークが、評価、ツール、ベスト プラクティス、リソースを提供します。また、データベースを迅速かつ費用効果の高い方法で Google Cloud へ移行できるよう、移行コストを補う金銭的インセンティブも提供しています。こちらから、Database Migration プログラムに今すぐご登録ください。

お客様とともにこのジャーニーを歩めることを非常に嬉しく思っています。将来に向けた移行、モダナイゼーション、変革の準備は万全ですか?ユーザー向けの変革的エクスペリエンスの実現で役立つ Google Cloud データベース サービスの詳細をご覧ください。


1. IDC, FutureScape: Worldwide Future of Digital Innovation 2022 Predictions、Doc #US47148621、2021 年 10 月


- Google Cloud データベース エンジニアリング担当ゼネラル マネージャー兼バイス プレジデント Andi Gutmans
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