コンテンツに移動
データベース

費用を抑えて効果を高める: Active Assist による Cloud SQL の費用最適化に関する推奨機能

2021年10月8日
Google Cloud Japan Team

※この投稿は米国時間 2021 年 9 月 29 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Cloud SQL を使用すると、チームがデータベースの運用とメンテナンスに費やす時間を減らし、イノベーションとデジタル トランスフォーメーションに取り組む時間を増やすことができます。こうして生まれた時間や余力を戦略的な業務に回すと、場合によっては、データベースのフリートサイズが大幅に増加し、その結果、費用管理における運用が複雑になる可能性があります。データベース インスタンスが予算を超えていると財務運用チームから指摘された場合、多数のプロジェクトで無駄を特定するには、かなりの労力や専門知識、時間がかかります。また、データベースのミッション クリティカルな性質を考慮すると、費用を最適化しながら確実に変更を加えることは難しい場合があります。

そこで、費用を最適化するために必要な労力を最小限に抑えながら、このような課題に対処できる方法をご紹介します。それは、Active Assist による Cloud SQL の費用に関する分析情報と推奨事項です。これらの新しい推奨機能は、過剰にプロビジョニングされた Cloud SQL インスタンスの検出とサイズ適正化、アイドル状態のインスタンスの検出、Cloud SQL の課金の最適化に役立ちます。

Cloud SQL の推奨事項では、高度な分析と機械学習を使用して、フリート内の過剰にプロビジョニングされたインスタンスとアイドル状態のインスタンスのほか、確約利用割引を活用できる可能性のあるインスタンスを高い信頼度で特定します。この機能は、本日より Recommender APIおすすめハブを介して CloudSQL for MySQL、PostgreSQL、SQL Server でご利用いただけます。これにより、この機能を貴社の既存のワークフロー管理やコミュニケーション ツールと簡単に統合したり、カスタム分析のために結果を BigQuery テーブルにエクスポートしたりすることが可能になります。

ルノーグループ(フランスの多国籍自動車メーカー)は、Cloud SQL の推奨機能を早期から導入したお客様で、すでにこの機能に大いにご満足いただいています。

「データベース インスタンスのアクティビティを分析して解釈することがいかに難しいかを知っていたので、Google の初期のプロトタイプを初めて実行したときは、その精度に感銘を受けました。140 のパイロット プロジェクトでこの機能を徹底的にテストした結果、Cloud SQL インスタンスの約 20% がアイドル状態であることがわかり、適切な措置を取ることができました。提供された推奨事項は、無駄を減らすために役立っただけでなく、カスタム スクリプトの作成とメンテナンスにかかる労力も大幅に節約できました。これを組織全体の最適化ダッシュボードの一部として取り入れたいと考えています。」

- ルノーグループ社クラウド オフィス プロダクト リーダー Stéphane Gamondes 氏

クラウド データベースの無駄を生む主な要因は何か?

Google による Cloud SQL の分析とお客様からのフィードバックに基づき、特によく見られる予算超過の理由を 3 つ特定しました。

  1. 過剰にプロビジョニングされたリソース。デベロッパーが大事を取って不必要に大きなインスタンスをプロビジョニングすると、不要な支出につながる可能性があります。また、インスタンス サイズをすばやく増やすことが簡単ではないオンプレミスで大規模なインスタンスをプロビジョニングすることに慣れているデータベース管理者が、そのやり方をクラウド環境に持ち込んでしまうこともよくあります。しかし、クラウド環境には弾力性があるため、インスタンスのプロビジョニングに余裕を持たせることはそれほど重要ではありません。

  2. アイドル状態のリソース。Cloud SQL を使用すると、デベロッパーが新しいインスタンスを作成してプロトタイプを作成したり、開発環境やテスト環境を実行したりすることが非常に簡単になります。その結果、本番環境以外の環境でアイドル状態のインスタンスが実行されたままになることも珍しくありません

  3. 割引が活用されていない。リソースのニーズが予測可能なワークロードの場合は、確約利用割引の恩恵を受けることができます。しかし、大規模な計算に関連する複雑さもあるため、確約利用割引を利用されないお客様も多くいらっしゃいます。

新しい Cloud SQL の費用に関する推奨事項を見てみましょう。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/images/Recommendation_Hub.max-700x700.jpg

画像: 推奨事項ハブの例の概要カード

過剰に割り当てられたインスタンスのサイズ適正化

過剰に割り当てられたインスタンスの検出と修正においては、データベース インスタンスが特定のワークロードに対して過大な状態をどのように定義するかが重要な課題の一つとなります。Active Assist は、機械学習と Google のフリートレベルの Cloud SQL テレメトリ データを使用して、CPU やメモリのピーク使用率が低いインスタンスを特定してから、最小限のリスクでサイズを適正化し、サイズ適正化後もピーク ワークロードを処理するのに十分な容量を確保します。


サイズ適正化の推奨事項それぞれに簡単に対応できるようにするため、この機能では、過去 30 日間のインスタンス使用状況を一目で確認することもできます。

https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/image4_fvM729H_EZAcr9N.gif

過剰に割り当てられたインスタンスのサイズ適正化に関する推奨事項の例

アイドル状態のインスタンスを停止する

プロジェクト全体から、忘れられがちな個々の Cloud SQL インスタンスまで、アイドル状態または放棄されたリソースは、クラウド費用の無駄を生む主因の一つとして知られています。そうしたインスタンスを検出して修正するうえでの課題の一つは、設計上アクティビティ レベルが低い Cloud SQL インスタンスを、実際はアイドル状態になっているにもかかわらず、稼働状況のモニタリングやメンテナンスなどを理由にアクティビティが検出されているインスタンスから区別する方法を把握することです。Active Assist は機械学習を利用して、Google が管理するすべての Cloud SQL インスタンスのアクティビティを推定し、アイドル状態になっている可能性が高いインスタンスを高い精度で特定します。

長期契約割引を活用する

Cloud SQL の確約利用割引では、1 年間のコミットメントの場合はオンデマンド料金に対し 25% 割引、3 年間のコミットメントの場合は 52% 割引となります。最適な確約利用割引を判断するのはそう簡単なことではありません。実際に判断するには、各ワークロードの使用パターンを徹底的に分析して安定した使用量ベースラインを確立し、課金モデルの変更による影響を推定する必要があります。Active Assist は、必要なリソース量が予測可能な Cloud SQL ワークロードを検出して、確約利用割引での購入を提案します。

サイズ変更の推奨事項やアイドル状態のインスタンスの推奨事項とは異なり、Cloud SQL の確約利用割引の推奨事項は現在、限定公開プレビューでのみご利用いただけます(早期アクセスにご興味のある方はこちらのフォームを使用してください)。確約利用割引の推奨事項では、安定使用量または最大限の費用削減のいずれかをカバーする最適化の選択肢が提供されます。

Cloud SQL の費用最適化に関する推奨事項の利用を開始する

[おすすめハブ] に移動して、プロジェクトで利用可能な Cloud SQL の費用最適化に関する推奨事項がすでに表示されているかご確認ください。

また、組織からのすべての推奨事項を自動的に BigQuery にエクスポートしたうえで、データポータルLooker で推奨事項を調査することもできます。あるいは、SQL クエリを書かずに Google Workspace のスプレッドシートを使って BigQuery に保存されたデータを操作できるコネクテッド シートを使用することもできます。

他の Recommender と同様に、お客様はプライバシーとセキュリティ設定の [透明性と管理] タブで該当するデータグループを無効にすることで、いつでもデータ処理を無効にすることを選択できます。

Cloud SQL の費用に関する推奨事項をデータベース フリートの最適化や費用削減にぜひお役立てください。この機能に対する皆様のご意見、ご感想をお待ちしています。お気軽に active-assist-feedback@google.com までご連絡ください。また、開発中の最新機能にいち早くアクセスしたい方には、Active Assist Trusted Tester Group へのご登録をおすすめします。

- プロダクト マネージャー Nimesh Bhagat

- プロダクト マネージャー Dima Melnyk

投稿先