Cloud SQL Enterprise Plus エディションに搭載された Query Insights の最新機能でデータベースのボトルネックを迅速に解消
Karan Thapar
Product Manager
Mukesh Marodia
Product Manager
※この投稿は米国時間 2025 年 2 月 6 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
Cloud SQL Enterprise Plus エディションでは、読み取りと書き込みのパフォーマンスが強化されており、要件の厳しいアプリケーションの高いパフォーマンスと可用性を確保できます。ただし、多くの場合、高パフォーマンスのアプリケーションでは、基盤として利用するデータベース サービスのチューニングが必要になります。
アプリケーション デベロッパーやデータベース管理者が高パフォーマンスのアプリケーションをビルドおよびデプロイできるように、Cloud SQL Enterprise Plus エディションの Query Insights に新機能が追加されました。今回追加されたデータベース オブザーバビリティ サービスは Cloud SQL Enterprise エディションの既存の Query Insights 機能を基盤に構築されています。統合された包括的なオブザーバビリティ機能により、デベロッパーやデータベース チームはこれまで以上に迅速にパフォーマンスを最適化できます。Cloud SQL Enterprise Plus エディションの Query Insights は、クエリのテレメトリと統計情報を収集し、主要なパフォーマンス指標、診断レポート、パフォーマンス向上のための推奨事項を使いやすい形式で Google Cloud コンソールに表示します。これらのシグナルと推奨事項を活用することで、アプリケーション デベロッパーやデータベース チームはデータベースの全体的なパフォーマンスの確認とチューニングをより迅速、簡単、かつ効率的に行えるようになります。
Cloud SQL Enterprise Plus エディションの Query Insights の新しい拡張機能を使って実現できることは、次のとおりです。
-
データベースのパフォーマンスに関する複雑な問題をこれまで以上に迅速に解決する。待機イベントなどの詳細なデータベース指標にアクセスし、根本原因について踏み込んだ分析を行うことができます。準リアルタイムの詳細な診断情報を使って、クエリ実行を簡単にきめ細かく分析することができます。さらに、Cloud SQL Enterprise Plus エディションの Query Insights は一意のクエリ実行すべてのプランを収集し、各クエリ実行のレート決定ステップをハイライト表示することで、クエリプランの回帰の発生を容易に検出できるようにします。
-
アクティブなクエリ実行を制御する。システムで現在実行中のクエリを可視化できます。また、最適な状態で実行されていないクエリを停止することで、他の重要なクエリのブロックを解除して、システム リソースをより適切に管理することも可能です。
-
動的なワークロード向けにカスタマイズされたインテリジェントな推奨事項を利用してデータベースのパフォーマンスを向上させる。Cloud SQL Enterprise Plus エディションの Query Insights は、自動的にワークロードを分析してパフォーマンスの問題をハイライト表示するとともに、問題を解決するための推奨事項を提供します。インデックスの欠落、フラグの欠落、フラグの誤りなどの一般的な問題を検出し、クエリの最適化とデータベースのチューニングを実現します。
-
AI 搭載のチャット インターフェースを使ってパフォーマンスに関する質問をする。Cloud SQL Enterprise Plus エディションの Query Insights には、AI 搭載の自然言語インターフェースが備わっています。このインターフェースから、複雑なデータベースの問題を簡単に解決するための高度なトラブルシューティングのヒントやカスタマイズされた推奨事項が得られます。
これらの機能について詳しく見ていきましょう。
30 日間のテレメトリによる詳細なクエリプラン
30 日分のテレメトリ データを使用して、長期的なトレンドを分析し、繰り返し発生しているクエリのパフォーマンスの問題を特定できます。また、詳細なクエリ実行プランを確認して時系列で比較することで、効率の悪い箇所を特定してデータドリブンな最適化を行い、持続的にデータベースを改善することが可能になります。
![https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/1_-plan.gif](https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/1_-plan.gif)
![https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/1_-plan.gif](https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/1_-plan.gif)
履歴分析と時系列の実行プランによるクエリ パフォーマンスの最適化
待機イベント
Query Insights では、待機イベントを確認することで、ディスク I/O やロックなど、データベースの処理が滞っている箇所を特定できます。それにより、パフォーマンスのボトルネックをより迅速に診断し、効率的にリソースを最適化できるようになります。
![https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/2_-wait.gif](https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/2_-wait.gif)
![https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/2_-wait.gif](https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/2_-wait.gif)
待機イベントによるクエリ パフォーマンスの診断と最適化
インデックスに関する推奨事項
インデックスに関する推奨事項は、インデックスの欠落を検出して、クエリのパフォーマンスを向上させるための正確かつ実行可能な推奨事項を提供します。これにより、パフォーマンスのボトルネックを容易に特定できるようになります。推奨事項は、具体的なインデックス作成 SQL コマンドを示したうえで、そのコマンドがパフォーマンスに与えうる影響を表示したり、影響を受けるクエリをハイライト表示したりすることで、データベース パフォーマンスを最適化するプロセスを効率化します。
![https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/3_-index.gif](https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/3_-index.gif)
![https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/3_-index.gif](https://storage.googleapis.com/gweb-cloudblog-publish/original_images/3_-index.gif)
インデックスに関する推奨事項によるクエリ パフォーマンスの向上
使ってみる
Cloud SQL Enterprise Plus エディションの Query Insights は、Google Cloud のマネージド データベース上にあるティア 1 ワークロードに対してエンタープライズ クラスのオブザーバビリティを利用しやすくします。これらの高度なパフォーマンス管理機能を活用することで、複雑なワークフローの簡素化、データベースの健全性のモニタリング、より適切なクエリの記述を実現し、システムのパフォーマンスを大幅に最適化できます。これにより、データベース パフォーマンスの問題の平均解決時間が短縮し、アプリケーション デベロッパーやデータベース チームがコアとなるビジネス ロジックに集中することを可能にします。
現在、Cloud SQL Enterprise Plus エディションでは Query Insights のプレビュー版が利用可能です。コンソールから Query Insights にアクセスするだけで、データベース パフォーマンスのモニタリングと管理を開始できます。Query Insights の利用を開始するには、こちらのドキュメントをご覧ください。
-プロダクト マネージャー Karan Thapar
-プロダクト マネージャー Mukesh Marodia