MongoDB 互換の Firestore の一般提供開始のお知らせ

※この投稿は米国時間 2025 年 8 月 27 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

Cloud Next ’25 で、MongoDB 互換の Firestore のプレビュー版が発表されました。これにより、開発者は使い慣れた MongoDB と互換性のある API を使用して、Firestore のサーバーレス データベース上に費用対効果が高く、スケーラブルで信頼性の高いアプリを構築できます。このたび、MongoDB 互換の Firestore の一般提供が開始されました

今回のリリースにより、Firestore コミュニティの 60 万人のアクティブな開発者は、既存の MongoDB アプリケーション コード、ドライバ、ツールを使用できるだけでなく、Firestore の優れたサーバーレス サービスと MongoDB のインテグレーションのオープンソース エコシステムも利用できるようになります。Firestore は、強整合性を持つマルチリージョン レプリケーション、事実上無制限のスケーラビリティ、業界最高水準の高可用性（最大 99.999% の SLA）、1 桁ミリ秒の読み取りパフォーマンス、統合された Google Cloud ガバナンス、費用対効果の高い従量課金制の料金モデルなどのメリットを提供します。

MongoDB 互換の Firestore は、金融サービス、医療、小売、製造など、さまざまな業界のお客様から大きな関心を集めています。この取り組みにより、お客様の主要なユースケースを実現する機能を優先的に開発する機会を得ることができました。たとえば、ある大手オンライン小売企業は、スケーラビリティと可用性を最大限に高めるために、別のドキュメント データベースから MongoDB 互換の Firestore にプロダクト カタログを移行しようとしました。この移行をサポートするため、お客様は一意のインデックスなどの新機能を最大限に活用して、個別のユニバーサル プロダクト ID を保証しました。MongoDB 互換の Firestore が一般提供されたため、お客様は本番環境のトラフィックを Firestore に移行することに期待を寄せています。

ご利用の開始方法について詳しくは、MongoDB 互換の Firestore サイトをご覧ください。

MongoDB 互換の Firestore の新機能

プレビュー期間中に直接お客様からいただいたフィードバックに基づき、MongoDB 互換の Firestore に新機能を導入しました。これには、MongoDB 互換の Firestore の API のサポートの拡大、エンタープライズ対応の強化、Firebase と Google Cloud の両方からのアクセスが含まれます。では、詳しく見ていきましょう。

1. MongoDB 互換の Firestore の API とクエリ言語のサポートを拡大

MongoDB 互換の Firestore の API とクエリ言語は、現在 200 以上の機能をサポートしています。開発者は、コレクション間のデータの結合、バケット内のデータ分析、配列、セット、算術演算、型変換、ビット演算などの高度なクエリ機能を可能にする新しいステージと演算子を活用して、より充実したアプリケーションを作成できるようになりました。また、MongoDB 互換の Firestore の API から直接インデックスを作成する機能も追加しました。これには、コレクション内のドキュメント全体でフィールド値が重複しないようにする一意のインデックスを作成する機能も含まれます。さらに、Firestore Studio コンソール エディタに、新しい JSON ビューアとデータ エクスポート ツールが追加されました。MongoDB 互換の Firestore の機能の包括的なリストは、 ドキュメントでご確認いただけます。

2. 企業向けに設計

Google は、新しい障害復旧、変更データ キャプチャ、セキュリティ、オブザーバビリティ機能など、企業のニーズを満たすために MongoDB 互換の Firestore を構築しました。

障害復旧については、既存のスケジュール バックアップを補完するためにポイントインタイム リカバリ（PITR）を統合しました。これにより、過去 7 日間の任意の時点にロールバックできるバージョン管理が可能になり、データの誤削除などの人為的エラーから復旧できます。また、データベースのクローンも導入しました。これにより、任意のポイントインタイム リカバリ スナップショットから、ステージング、開発、分析用にデータベースの分離されたコピーを作成できます。さらに、マネージド エクスポートとインポートが組み込まれているため、アーカイブやその他の規制上の目的で、Firestore データのポータブルなコピーを Cloud Storage に作成できます。

変更データ キャプチャでは、トリガーのサポートが追加され、コレクション内のドキュメントの作成、更新、削除に対応するサーバーサイド コードを構成できるようになりました。これにより、Firestore のデータ変更の他のサービス（BigQuery など）へのレプリケーションを円滑にします。

セキュリティに関しては、プライベート Google アクセスが実装されており、プライベート IP アドレスを使用して、境界内の Google Cloud サービスから MongoDB 互換の Firestore データベースに安全にアクセスできます。この接続オプションは追加料金なしで利用できます。

オブザーバビリティに関しては、MongoDB 互換の Firestore で、[Firestore の使用状況] ページで新しい指標がサポートされるようになりました。これにより、コストとトラフィックの原因となる MongoDB と互換性のある API 呼び出しの特定が簡素化されます。このオブザーバビリティ機能は、クエリの説明やクエリ分析情報などの既存の機能を強化し、使用状況の最適化に役立ちます。

3. Google Cloud に加えて Firebase を通じて幅広いユーザーが利用可能

最後に、MongoDB 互換の Firestore に、Firebase と Google Cloud の両方で、お気に入りのすべてのデベロッパー サービスとともにアクセスできるようになりました。つまり、Firebase と Google Cloud の両方のコンソールと、それぞれのコマンドライン インターフェース（CLI）から、MongoDB 互換の Firestore を管理できます。

MongoDB 互換の Firestore を活用してどのようなことが実現されるのか、私たちも非常に楽しみにしています。MongoDB 互換の Firestore を今すぐご利用ください。Firestore Enterprise エディションの一部として一般提供されています。使用を開始するには、MongoDB 互換の Firestore Enterprise エディションの新しいデータベースを作成します。初期費用は不要で、すべての Firestore のお客様が無料枠を利用できます。