Oracle ワークロードを PostgreSQL にモダナイズするための Database Migration Service のサポートがプレビュー版で提供開始

※この投稿は米国時間 2022 年 4 月 7 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。

多くの組織は、旧式のデータベースの複雑さに苦労しています。残念なことに、高価なライセンスや制限のある契約に縛られている組織が多く、モダナイゼーションの実現や新しい機能の導入が制限されてしまっています。オープンソースのデータベース、中でもクラウドのデータベースへ移行することで、そうした問題の多くを解決することができ、スケーラブルかつ費用対効果の高い最新のアプリケーションの構築に役立ちます。

しかしながら、データベースの移行は非常に複雑で、スキーマとコードを新しいデータベース エンジンに変換し、データを移行して、アプリケーションを切り替えるといった作業を、場合によってはダウンタイムやビジネスの中断を確実に最小限に収めながら行う必要があります。

昨年、Google はミッションの中で、Database Migration Service の一般提供を発表し、シンプルで安全な移行パスによるデータベースのクラウド移行のサポートを開始しました。Google は、ソース データベースとターゲット データベースで同じデータベース エンジン（PostgreSQL、MySQL、SQL Server）を使用する同種移行のサポートを開始しました。Google は、Google Cloud の PostgreSQL、MySQL、SQL Server 用のフルマネージド リレーショナル データベースである Cloud SQL にワークロードを移行するお客様の、導入作業を見守ってきました。Database Migration Service を使用する移行の 85% 超が、1 時間以内に作成および開始されています。

Oracle から PostgreSQL への移行のサポートを発表

お客様は Oracle から PostgreSQL への移行に際して、同じくらいシンプルで、簡単に使用できるエクスペリエンスを求めていることを、Google に伝えてくれています。本日は、Oracle から PostgreSQL へスキーマとデータを移行する際の、Database Migration Service のサポートのプレビュー版を発表いたします。

Database Migration Service は、スキーマ変換のためのオープンソース ツールである Ora2Pg と統合できるため、Oracle ワークロードのスキーマとデータを、オープンソースや他のクラウドから Cloud SQL for PostgreSQL に移行できます。Ora2pg ではソースをターゲットにマッピングすることができ、サーバーレスの変更データ キャプチャ ベースのメカニズムでデータを安全かつ最小限のダウンタイムで移すことが可能です。Database Migration Service によりデータベースの移行が高速で費用対効果が高く、信頼できるものとなり、これからは旧式のデータベースからフルマネージドのクラウド データベースへのモダナイズに Database Migration Service の活用が可能となります。

Database Migration Service で備えは万端

新しいデータベース テクノロジーの導入は、始めは難しく感じられる場合もありますが、Google がその移行の工程を簡略化します。効果的かつ成功するモダナイゼーションには、包括的なアプローチが必要であることを Google は知っています。そしてそこには、差別化されたツールだけではなく、総合的なサポートと信頼できる専門的なサービスが欠かせません。

Database Migration Service は信頼性が高く、サーバーレスです。つまり、移行ジョブにリソースを割くことも、どのくらいのリソースが必要かを予測することも必要ありません。Oracle データベースから Cloud SQL for PostgreSQL へ、大規模かつ低レイテンシでデータを移すことができるため、切り替え時のダウンタイムは最低限に抑えられ、アプリケーションやお客様に対する影響は最小限に留まります。

スキーマの移行時に実績のある Ora2Pg ツールで統合を行うということは、この人気のオープンソース ツールで Oracle スキーマを PostgreSQL に変換できるということです。変換されたスキーマを Ora2pg で構成、変換、適用した後に、単純に構成ファイルをフィードするだけです。そうすると、Database Migration Service がマッピングを作成し、ソースとターゲット間でデータを移動します。DMS の強化された組み込みのスキーマおよびコードの変換機能で、より優れたスキーマ、コード、データの移行エクスペリエンスを生み出していきますので、今後の情報にご注目ください。

「MLB では、データベースの基盤となる PostgreSQL によるアプリケーションのモダナイズを複数年の計画で進めています」と、MLB のテクノロジー担当マネージャーである Shawn O’Rourke 氏は述べています。「この工程で重要になってくるのは、確実に Oracle データベースを Cloud SQL for PostgreSQL に安全かつ、サービスの中断なしに移行することです。シンプルでサーバーレスな設計の Database Migration Service を、Oracle の移行ツールセットに組み込むことができて、嬉しく思っています」とO’Rourke 氏は語ります。

移行の加速を助ける専門的なサービス

Google プロフェッショナル サービスや経験豊富な移行パートナーといった専門家と緊密に連携することで、お客様が必要な専門知識や経験にアクセスできるようにサポートし、データベース フリート全体での正常な移行を促進します。移行計画のガイダンスからすぐに実行できるエンドツーエンドの移行まで、Database Migration Service とパートナー サービスの組み合わせで、クラウドへのスムーズな移行を実現します。

「専用データベースを離れ、クラウド データベース テクノロジーへの移行を希望するお客様からの、非常に大きな需要があります」と、EPAM Systems のクラウド データ ソリューション、マネージング プリンシパルである David Yahalom 氏は述べています。「アプリケーションのモダナイゼーションを成功につなげる重要な要因は、異種間データベース環境内におけるリアルタイムの継続的なデータ レプリケーションです。リアルタイムのデータ レプリケーションでは、データの整合性を維持しながら、本番環境のスイッチオーバーによるダウンタイムをほぼゼロかゼロに抑えることが可能です。Oracle から PostgreSQL に移行する際のサポートが Database Migration Service に追加されることをとても楽しみにしており、お客様に大きな価値をもたらしてくれると確信しています。それにより、データベースをクラウドへ移行する Google Cloud の取り組みの効率化が可能となるでしょう」と Yahalom 氏は語ります。

Database Migration Service スタートガイド

Database Migration Service を活用して、Oracle ワークロードの移行を今すぐ開始できます。

1. Google Cloud Console の [データベース] の下にある [データベースの移行] 領域に移動し、[コンバージョン ワークスペースの作成] をクリックします。

2. コンバージョン ワークスペースの作成ウィザードを使って、Ora2PG の構成ファイルをアップロードします。

3. 移行元接続プロファイルと移行先接続プロファイルを作成します。このプロファイルは、後ほど追加の移行に使用できます。

4. 移行ジョブを作成して Cloud SQL 移行先接続プロファイル、Oracle 接続プロファイル、コンバージョン ワークスペースに接続します。

5. 移行ジョブをテストし、以下のようにテストが成功したことを確認して、準備ができ次第開始してください。

データの最初のスナップショットが新しい移行先に移行されると、Database Migration Service は新しい変更が発生するたびにそれを維持して複製します。その後、移行ジョブを完了させると、新しい Cloud SQL インスタンスの準備が整います。移行ジョブのモニタリングは、次の画像のように移行ジョブリストで行うことができます。

詳細を確認し、データベースの移行を開始する

Database Migration Service による Oracle から Cloud SQL for PostgreSQL へのスキーマとデータの移行は、プレビュー版で利用可能です。さらに、以前発表した SQL Server の移行のプレビュー版もご利用いただけます。実際の動きを確認してみたい場合は、今すぐアクセスをリクエストしてください。

移行を開始するための詳しい情報は、ドキュメントをご覧いただくか、こちらの Database Migration Service Qwiklab でトレーニングを開始してください。