一般提供を開始した Database Migration Service を使用して、MySQL と PostgreSQL データベースを移行
Google Cloud Japan Team
※この投稿は米国時間 2021 年 4 月 1 日に、Google Cloud blog に投稿されたものの抄訳です。
このたび、Google Cloud における Database Migration Service(DMS)の一般利用が可能となりました。DMS はオンプレミスおよびその他のクラウドから Cloud SQL に対する MySQL および PostgreSQL の移行をサポートしています。Microsoft SQL Server に関するサポートについては年内に導入予定です。追加料金なしで Database Migration Service の使用を開始できます。
マネージド クラウド サービスを利用してビジネス インフラストラクチャのモダナイゼーションを進めている企業は、Cloud SQL などのフルマネージド クラウド データベースの信頼性、セキュリティ、コスト効率を活用したいと考えています。11 月に、Google は新しいサーバーレス DMS をリリースしました。これは、簡単で素早く、予測可能、かつ確実な方法で最新のニーズに対応するというビジョンの一部を構成しています。
Accenture、Comoto、DoiT、Freedom Financial Network、Ryde、Samsung といった、MySQL および PostgreSQL の本番環境ワークロードを Cloud SQL に移行しているお客様が、DMS の導入を加速しています。これらのお客様は、DMS を利用することでサービスの中断を最小限に抑えながら移行を早めることができます。
Freedom Financial Network は大規模な MySQL データベースを素早く Cloud SQL へ移行しました。同社のプリンシパル エンジニアである Christopher Testroet 氏は、次のように述べています。「移行を計画した当初、2~3 時間のダウンタイムは、理想的とは言えないものの、許容範囲であると考えていました。しかし、DMS を十分に使いこなせるようになると、データベース側から見た各アプリケーションの実際のダウンタイムは長くても 10 分ほどでした。これは当社のどのチームにとっても大きな利点でした。」
DMS のプレビュー期間中、Google は顧客のクラウド移行を専門に支援する企業である DoiT と緊密に連携しました。DoiT International のスタッフ クラウド アーキテクトである Mike Royle 氏は、次のように述べています。「オンプレミスからクラウドにビジネスを移行したい、あるいはすでにクラウドを利用していて別のプロバイダに移行したい、というお客様が多く見受けられます。お客様がこれらの移行を完了する際に妨げとなる重大なマイナス点の一つは、ダウンタイムです。通常、PostgreSQL をご利用のお客様は非常に大規模なデータベースを保有しています。つまり、何時間ものダウンタイムに直面することになり、ほとんどのお客様にとっては現実的ではありません。DMS を使用することで、お客様のデータベース移行をほぼゼロのダウンタイムでサポートできます。」
データベースを Cloud SQL に移行することはクラウドへの移行において重要なステップであり、DMS はシンプルでサーバーレス、かつ確実な道筋を提供します。The Excellence Collection の IT ディレクターである Nicolas Candela Alvarez 氏は、次のように述べています。「サーバーには Compute Engine を、テキスト認識には Google Vision を、転送サービスの住所確認やルート計算には Google マップを使用しています。DMS を利用することで、データベースを Cloud SQL に移行してビジネスの急成長に対応するフルマネージド データベースに移行しました。」
DMS を理解する
MySQL および PostgreSQL データベースの移行に際して、お客様は次のように差別化されたアプローチを提供する DMS を選択しています。
シンプルなエクスペリエンス
データベースのリフト&シフトを単純にする: データベースの準備に関するドキュメント、保護された接続の設定、移行の検証を、フローに組み込む必要があります。DMS は MySQL への移行においてこのエクスペリエンスを実現し、PostgreSQL もサポートするように拡張されました。SaRA Health の最高技術責任者(CTO)である Valeed Malik 氏は、次のように述べています。「このツールが強力な点は、Cloud SQL へ簡単に接続できるゲートウェイであることです。他のプラットフォームでは期待できないほどに製品内外のドキュメントが充実していたので、膨大なレプリケーションのバックグラウンドを持たないことは障害にはなりませんでした。」
最小限のダウンタイム
データベースを移行しても、ビジネスの運営に支障をきたすことはありません。DMS による移行では、データベースの変更を移行元から Cloud SQL に継続的にレプリケートすることで、迅速なカットオーバーと最小限のデータベース ダウンタイムを実現します。Comoto のデータベース エンジニアである Caleb Shay 氏は、次のように述べています。「私たちは、パッチの管理、バックアップのローテーション、レプリケーションのモニタリングなど、PostgreSQL インスタンスの管理にうんざりしていましたが、Cloud SQL に移行する際のダウンタイムを最小限に抑える必要がありました。DMS のおかげで、ビジネスに支障をきたすことなく、迅速にこの移行を行うことができました。」
確実かつ包括的
MySQL および PostgreSQL の両方のネイティブ レプリケーション機能を利用した DMS 独自の移行方法により、セキュリティ、忠実性、信頼性を最大限に高めることができます。このような Cloud SQL への類似する移行は高い忠実性をもって行われ、カットオーバー後に移行先のデータベースがすぐに使えるようになっています。余分な手順の煩わしさはなく、追加料金もかかりません。
サーバーレスで安全
DMS のサーバーレス アーキテクチャでは、移行専用リソースのプロビジョニングや管理を気にする必要はありません。移行はハイ パフォーマンスで行われ、規模に関係なくダウンタイムを最小限に抑えます。また、DMS は移行元と移行先のデータベース間のプライベートな接続を複数の方法でサポートすることで、移行したデータを安全に保ちます。
「接続性の確立は難しいと思われがちです。DMS に導入された製品内ガイダンスにより、移行元と新しい Cloud SQL インスタンスの間に保護されたトンネルを簡単に作成でき、データの安全性とセキュリティを確保することができました」と、Family Zone のデータベース エンジニアである Andre Susanto 氏は述べています。
Database Migration Service スタートガイド
DMS を使用して、PostgreSQL および MySQL ワークロードの移行を今すぐ開始できます。
Google Cloud Console の [データベースの移行] セクションに移動し、[データベース] で [移行ジョブを作成] をクリックします。
移行するデータベースの種類を選択し、移行元を設定して移行を成功させるために必要なアクションを確認します。
移行元の接続プロファイルを作成し、後ほど追加の移行に使用できます。
ビジネスニーズに合った Cloud SQL の移行先を作成します。
プライベートとパブリックの両方の接続方法がサポートされた状態で、移行元と移行先をどのように接続するかを定義します。
移行ジョブをテストし、以下のようにテストが成功したことを確認して、準備ができ次第開始してください。下の画像をご覧ください。
過去のデータが新しい移行先に移行されると、DMS は新しい変更が発生するたびにそれを維持してレプリケートします。その後、移行ジョブを昇格させると、新しい Cloud SQL インスタンスの準備が整います。移行ジョブのモニタリングは、次の画像のように移行ジョブリストで行うことができます。
詳細を確認し、データベースの移行を開始する
オンプレミスとクラウドの両方において、あらゆる種類の移行元からの MySQL と PostgreSQL の移行に対する DMS の一般利用が可能となりました。SQL Server の移行について詳細を確認する場合は、SQL Server のプレビューに参加するためのアクセスを要求できます。
移行を開始するための詳しい情報は、移行のベスト プラクティスに関する Google のブログをお読みいただくか、DMS のドキュメントをご覧いただくか、DMS Qwiklab でトレーニングを開始してください。
2021 年 2 月に実施された TechValidate の調査から得られた導入事例。
-プロダクト マネージャー Shachar Guz