一括メールのガイドライン

アプリケーションで一括メールを送信する場合、つまり、同じようなメッセージを多数の受信者に送信する場合は、このガイドラインに従う必要があります。このガイドラインに従って、配信リストのすべての受信者が実際にメールの受信を希望していることを確認することは、Gmail ユーザーの受信トレイへの到達率改善につながります。受信者が手動でメールを迷惑メールに分類すると、同じ送信者から Gmail に送信されるメールがすべて迷惑メールに分類される可能性が高くなります。

メールの送信について詳しくは、Mail API の概要をご覧ください。

認証と識別

  • すべての一括メールに同じ送信者を使用します。Mail API 関数を呼び出してメールを送信すると、From ヘッダーは指定した送信者に設定されます。
  • 送信者のアドレスは、Google Workspace ドメインのアカウントであることが必要です。無料トライアル期間中のドメイン、またはユーザーが 6 人未満のドメインについては、迷惑メールに分類されるメールの送信数が非常に多い場合に、Google アカウントが一時的に無効になる可能性があります。このような場合、Mail API は Unauthorized sender エラー メッセージとともに例外をスローします。
  • メールに DKIM で署名します。App Engine を使用して送信する場合は G Suite ドメインが必要です。
  • SPF レコードを公開し、スパマーがエンベロープ送信者アドレスを偽装してなりすますのを防ぎます。SPF は、エンベロープ送信者の DNS レコードに公開されている IP アドレスからメールが送信されていることを確認します。App Engine のエンベロープ送信者は apphosting.bounces.google.com ドメインに所属しているため、App Engine からのメールを配信するかどうかの判断に SPF レコードが使用されない場合があります。

登録

  • 配信リストの各ユーザーに、次のいずれかの方法でメールを受信するよう設定(オプトイン)してもらう必要があります。

    • 配信登録を依頼するメールを送信する
    • ウェブフォーム上やソフトウェア内でチェックボックスを手動でオンにする
  • サードパーティから購入したメールアドレス リストを使用した場合、オプトインとは見なされません。また、ウェブフォーム上やソフトウェア内では、デフォルトですべてのユーザーが登録されないようにチェックボックスを設定してください。つまり、ユーザーが明示的にメール配信をオプトアウトする必要がないようにします。

  • ウェブフォーム上やソフトウェア内でチェックボックスをオンにして登録したユーザーが、フォームで指定したアドレスで実際にメールを受信していることを確認する必要があります。受信の確認を要求するメールを送信して、ユーザーを確認します。

登録解除

  • ユーザーが次のいずれかの方法で登録解除できるようにする必要があります。
    • メール内にわかりやすいリンクを用意し、リンクをクリックしたユーザーは登録解除の確認の操作だけを行えばよいようにする。
    • 返信でメールの登録解除をリクエストする。
  • App Engine は、[APP_ID].appspotmail.com ドメインに送信されたメールのみを受信できます。そのため、メールの登録解除をリクエストする返信を App Engine で自動的に処理するには、送信者をこのドメインのアドレスに設定する必要があります。
  • App Engine Mail API でサポートされている List-Unsubscribe ヘッダーを使用します。
  • メールが何度も返送される場合は、そのアドレスのユーザーを自動的に登録解除します。バウンス通知を受け取るようにアプリを構成できます。
  • 確認メールを定期的に送信し、登録しているメーリング リストから登録解除する機会を提示します。
  • ユーザーが他のアカウントからメールを転送している可能性があるので、登録されているメールアドレスをメール内に明示的に示します。

書式設定

  • RFC 2822 SMTP 規格に従って書式設定します。HTML を使用する場合は、w3.org 規格に従います。
  • メールの本当の送信者やメール内のウェブリンクの本当のランディング ページを隠そうとすると、配信されないことがあります。たとえば、一括メールには URL 短縮サービスを利用しないことをおすすめします。メール本文に記載されている本当の URL を隠してしまう場合があるためです。
  • 各メールの件名は、本文の内容に関連したものにして、誤解を招かないようにします。

配信

  • 次の条件に該当する場合、メールが Gmail ユーザーの受信トレイに配信されやすくなります。
    • From アドレスがユーザーの連絡先リストに登録されている。
    • ユーザーが [迷惑メールではない] をクリックして、そのアドレスから送信されたメールを承諾することを Gmail に通知している。
  • 組織に関連するプロモーション メールと取引メールの両方を送信する場合は、できるだけ目的ごとにメールを分けることをおすすめします。方法は以下のとおりです。
    • 用途ごとに別のメールアドレスを使用する。
    • 用途ごとに別のドメインからメールを送信する。

サードパーティ送信者

  • 自分のサービスを使用してメールを送信することを他者に許可する場合は、ユーザーやクライアントの動作をモニタリングする必要があります。サービスを使用して迷惑メールを送信しているユーザーやクライアントはすべて、適切なタイミングで削除する必要があります。Google Cloud Platform 利用規定では、迷惑メールが明確に禁止されています。この規定に違反した場合、Google Cloud Platform 利用規約の規定に従って、アプリケーションが停止する場合があります。
  • ユーザーやクライアントが不正行為を報告するためのメールアドレスが必要です。通常は abuse@[YOUR_DOMAIN].com にします。postmaster@[YOUR_DOMAIN].com もモニタリングする必要があります。
  • アプリ管理者宛に送信されるメールをモニタリングします。利用規定違反の通知など、Google からアプリ管理者に緊急に連絡を取らなければならない場合があります。Google からのメールに速やかにご返信いただければ、問題をより迅速に解決できます。
  • ドメイン登録事業者が管理している WHOIS レコードの連絡先情報や、abuse.net の連絡先情報を最新の状態に維持する必要があります。

アフィリエイト マーケティング プログラム

  • アフィリエイト マーケティング プログラムでは、サイトへのユーザー アクセスを促進した第三者に報酬が支払われます。これらは有益なプログラムですが、スパマーを惹きつけ、害を及ぼす可能性があります。次の点に注意してください。
    • ブランドがアフィリエイト マーケティングの迷惑メールと関わりを持つと、お客様自身やお客様の他のアフィリエイトによって送信されるメールにも影響が及ぶ可能性があります。
    • お客様には、アフィリエイトをモニタリングし、迷惑メールを送信しているアフィリエイトを排除する責任があります。

App Engine Mail API に代わる方法

  • サードパーティのメール配信サービス プロバイダを利用して App Engine からメールを送信できます。これらのサービスは、Mail API では利用できない追加機能を提供している場合があり、一部の一括メール送信者にとって優れた解決策となることがあります。
  • Sockets API を使用して、直接 SMTP サーバーに接続してメールを送信できます。

一括メールに関する制限事項

短期間に大量のメールを送信すると、Google セーフティ リミットにより、メールの一部が通知なく送信されない場合があります。これを避けるには、1 日の割り当てを 1 日の秒数である 86,400 で割り、1 秒間に送信する平均メール数を計算します。1 秒間に送信する一括メールが、この平均メール数の 50 倍を超えないようにしてください。

その他のメール送信に関する割り当てについて詳しくは、割り当て量と制限をご覧ください。

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